アランフエス協奏曲

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アランフエス協奏曲(Concierto de Aranjuez)は、スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴの作曲したクラシック・ギター協奏曲の一つで、代表作となっている。1939年に作曲され、1940年12月11日レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサのギター、アタウルフォ・アルヘンタの指揮、マドリード室内管弦楽団によりマドリードで初演された。

曲は3楽章からなり、特に第2楽章はその哀愁をたたえた美しい旋律から広く知られている。古典派以来、一般的な協奏曲は第1楽章が最も長いものであるが、この作品は緩徐楽章である第2楽章が最も長い。加えて、オーケストラで用いられることがきわめて少ないギターを独奏楽器としている点を考慮すれば、この曲は20世紀というクラシック音楽が多様化した時代のひとつの象徴となる楽曲と言えるであろう(ただし、19世紀以前にもジュリアーニらによってギター協奏曲は書かれている)。

ロドリーゴはスペインの古都アランフエスマドリード県南部にある都市で、宮殿が有名)が作曲当時のスペイン内戦で被害を受けたことから、スペインとアランフエスの平和への想いを込めて作曲したと言われているが、第2楽章については、病によって重体となった妻や失った初めての子供に対する神への祈りが込められているとも言われている。

なお、クラシック・ギターの音量が小さいことから、オーケストラが音のバランスに苦労する(オケの音量を下げたり、ギターにマイクを置くこともある)ことでも知られる(これはある程度ギター協奏曲全般についていえる)。

[編集] 構成

全体として簡素な書法で書かれており、フランシス・プーランクはこの作品を「一音の無駄もない」と評している。

[編集] 第2楽章の編曲

第2楽章はポピュラー・クラシックとして編曲されるなど広く知られており、ギル・エヴァンスの編曲を得て1959年に演奏されたトランペット奏者マイルス・デイヴィスのアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』のバージョンは有名である。ジャズ界では他に、モダン・ジャズ・カルテットジム・ホールマンハッタン・ジャズ・クインテットも取り上げた。また、チック・コリアは自身の楽曲『スペイン』のイントロに第2楽章のフレーズを用いている。ムード音楽の分野では「恋のアランフエス」「我が心のアランフエス」などの通俗名が付けられていることもある。

[編集] エピソード

献呈を受けられなかった大ギタリストアンドレス・セゴビアは、独奏楽器とオーケストラの掛け合いに問題があるとしてこの曲を演奏せずにいた。後にナルシソ・イエペスがこの曲をデビュー公演で演奏し、イエペスの鮮烈さと相まって曲が有名になると、セゴビアは完全に興味をなくし、結局生涯に一度も演奏することはなかった。