ラプソディ・イン・ブルー
ラプソディ・イン・ブルー(Rhapsody in Blue)は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンが作曲、ファーディ・グローフェが編曲したピアノ独奏と管弦楽のための音楽作品である。
ラプソディ・イン・ブルーというタイトルは「ジャズの語法によるラプソディ」といった程度の意味がある。ところでラプソディ(狂詩曲)とは「民族音楽風な叙事詩的な特に形式がなく、自由奔放なファンタジー風の楽曲」という意味があるので、このタイトルから、ガーシュウィンはジャズをアメリカにおけるある種の「民族音楽」と捉えていたことが伺える。
実際この曲はアメリカ的な芸術音楽の代表格とみなされている。
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作曲の経緯・初演 [編集]
ポール・ホワイトマンの提案を受け、1924年、ニューヨークのエオリアンホールで開かれた「新しい音楽の試み」と題されたコンサートに向けて作曲し、そこで初演された(同年2月12日)。
日本においては、1955年9月11日に日比谷公会堂にて、近衛秀麿の指揮、アメリカ人ピアニストのセイモア・バーンスタインにより初演された。
この曲が作られることになった発端は1924年1月3日、他の仕事で多忙だったガーシュウィンが兄のアイラとビリヤード場に息抜きに行った際、新聞で『ホワイトマンがガーシュウィンに曲を発注した』という記事を見つけたことだった。翌日、抗議の為ガーシュウィンはホワイトマンに電話をかけるも、実はこの記事はホワイトマンがガーシュウィンを呼びつける為に作った偽記事だったらしく、『新聞記事になってしまったから作ってくれ』とホワイトマンに押し切られてしまった。
曲の冒頭の部分は仕事でボストンに向かう際に乗った列車の走行音から着想を得たとされる。
ガーシュウィンは、自身が弾くピアノと小編成のジャズバンド向けの曲として約2週間で一気に書き上げた。その際、当時未だ管弦楽に通じていなかったガーシュウィンに代わってファーディ・グローフェがオーケストレーションを行なっている。グローフェはガーシュウィンの死後、大編成の交響楽団向けにオーケストレーションし直しており、その後は主にこの版が演奏される。
ピアノ独奏が入るため、一種のピアノ協奏曲風な雰囲気もある。ヨーロッパのクラシック音楽とアメリカのジャズを融合させたシンフォニックジャズとして高く評価された。
「この曲は青い」という言葉が題名の由来。元は『アメリカン・ラプソディー』という題名だったが、アイラが現在の題名を提案して変更した。
曲の構成 [編集]
最初はクラリネットの、低音からのグリッサンドで始まる。当初はグリッサンドでなく、17音の上昇音階で記されていたが、ホワイトマン・バンドのクラリネット奏者がふざけてグリッサンドで演奏したところ、ガーシュウィンが気に入り書き改められたと伝えられる。サクソフォーン奏者に好まれて演奏されている。曲風はジャズの要素を多く含んでいる。
編成 [編集]
1924年版 [編集]
- 木管楽器(奏者3):サクソフォーン、クラリネット、オーボエ、ファゴットを持ち替え
- 金管楽器:ホルン2、トランペット2、トロンボーン2、チューバ1
- 打楽器・その他:チェレスタ、ピアノ(独奏とは別)、独奏ピアノ
- 弦楽器:ヴァイオリン(奏者8)、バンジョー
1926年版 [編集]
- 木管楽器:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット2、サクソフォーン3(アルト2、テナー1)
- 金管楽器:ホルン3、トランペット3、トロンボーン3、チューバ1
- 打楽器・その他:ティンパニ、ベル、銅鑼、小太鼓、シンバル、トライアングル、独奏ピアノ
- 弦楽器:第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、バンジョー、ギター
1946年版 [編集]
- 木管楽器:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット2、サクソフォーン3(アルト2、テナー1)
- 金管楽器:ホルン3、トランペット3、トロンボーン3、チューバ1
- 打楽器・その他:ティンパニ、ベル、銅鑼、小太鼓、シンバル、トライアングル、独奏ピアノ
- 弦楽器:第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、バンジョー
使用例 [編集]
- 映画『アメリカ交響楽』(原題:Rhapsody in Blue) - 1945年のアメリカ映画。ジョージ・ガーシュインの伝記映画。
- 映画『ファンタジア2000』の1曲に使用。
- 映画『マンハッタン』冒頭。
- 映画『グレムリン2 珍.種.誕.生』のパロディ場面で一部使用。
- フィギュアスケート選手、イリヤ・クーリックが1998年長野オリンピックでフリープログラムに使用。金メダルを獲得。
- アメリカの大手航空会社であるユナイテッド航空のテレビCMのテーマ曲として使用。
- フィギュアスケート選手、エヴァン・ライサチェクが2008-2009シーズンのフリープログラムに使用。
日本国内 [編集]
- NHKスペシャル『映像の世紀』第3集「それはマンハッタンから始まった」。ガーシュウィンの映像とともに自らの演奏を一部収録。
- セブン-イレブンのCM、おでん「選べる楽しさ」編。
- JR東海のCM「タワーズ(名古屋駅)へようこそ」編など。
- 新丸ビルのテーマ曲。
- 映画『やじきた道中 てれすこ』の挿入曲。三味線や和太鼓で演奏した。
- 杉ちゃん&鉄平の『電クラ2』における曲のひとつ「ラプソディ・イン・ブルートレイン」に使用。
- セコムのCM。
- 『のだめカンタービレ』アニメ版及びTVドラマ版にて、主人公の野田恵がマングースの着ぐるみを着て演奏。
- 日産・ブルーバード(U11型後期)のCMソング。
- 東急ジルベスターコンサート 第4回(1998-99年)および第14回(2008-09年)のカウントダウン曲。
- 植木等ショー(1967年12月28日放送「われもし指揮者なりせば」)では植木等が指揮者となり東京交響楽団 ・ハナ肇とクレージーキャッツ(ジャズバンド)による演奏が行われた。曲中には音楽ギャグが挿入され(途中でペレス・プラードの「セレソローサ」や加山雄三の「君といつまでも」に演奏が切り替えられたことも)、最後はクレージーキャッツによるグランドピアノの解体・爆破(リベラーチェのパフォーマンスを元に鴨下信一・中原弓彦(小林信彦)が提案) で締めくくられた。
外部リンク [編集]
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