英雄ポロネーズ

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ショパン直筆楽譜(1842年)

英雄ポロネーズ(えいゆうポロネーズ)とは、フレデリック・ショパン作曲の「ポロネーズ第6番変イ長調 作品53」のことである。1842年作曲し、翌年に出版。ポロネーズの中で、軍隊ポロネーズ(第3番イ長調)・幻想ポロネーズ(第7番変イ長調)とともに有名であり、ショパンの曲の中でも人気が高い。曲は複合三部形式で構成されている。この「英雄ポロネーズ」のタイトルを付けたのはショパンではなく誰が付けたのかは現在不明だが、一説にはショパンと関わりが深い弟子達あるいはこの曲を聞いて感心した人達が付けたといわれている。

構成[編集]

主題部[編集]

長い前奏の後に輝かしい第1主題が提示される。序奏は属調変ホ長調半音階的な動機を中心に転調しながら繰り返される。7度の和声で効果的なオクターヴの進行の後に主題が現れる。両手のユニゾンは時に神がかった崇高さを歌い出している。平行短調を効果的に取り入れた別の主題がはっきりとポロネーズのリズムを刻む。ここは不協和音が多く切迫した演出に成功している。第1主題が多少の装飾を持って繰り返されたあとトリオに入る。

中間部[編集]

トリオではホ長調に転調し、左手のオクターヴ連打の上にメロディーが現れる。高らかな吹奏楽ファンファーレのメロディーの下にこのオクターブ連打は、曲中でかなりのテクニックを必要とする。トリオはさらに転調と曲想の変化を繰り返し、盛り上がったところで第1主題の再現となる。再現は不完全なままやはり壮大なコーダに入る。

その他[編集]

全体的に半音階的な上昇進行、動機の短縮、低音オクターブによる音量効果がちりばめられておりピアノに管弦楽的な表現を遺憾なく発揮させている。色彩感を追求するあまり、難解になった作曲者の作品にしては、主題を執拗に繰り返すことで一貫した内容になっている。そのため聴衆側にも受け入れられやすい作品に仕上がっている。力強いリズムを持つ本作品は、ポーランドの栄光をたたえているとされ、ショパンの愛国心のあらわれと指摘される。

Performed by Giorgi Latsabidze

Performed by Kristian Cvetkovic

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使われた作品など[編集]