アラム・ハチャトゥリアン

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アラム・ハチャトゥリアン
Արամ Խաչատրյան
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基本情報
出生 1903年5月24日
ロシア帝国の旗 ロシア帝国ティフリス
死没 1978年5月1日(満74歳没)
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦モスクワ
学歴 モスクワ音楽院
ジャンル 近代音楽
職業 作曲家指揮者
ハチャトゥリアン(1964年)
ハチャトゥリアンのサイン
モスクワにある記念碑
アルメニアの50ドラム紙幣

アラム・イリイチ・ハチャトゥリアンアルメニア語: Արամ Խաչատրյան,グルジア語: არამ ხაჩატურიანი ロシア語: Арам Ильич Хачатурян (Aram Il'ich Khachaturian), 1903年5月24日グレゴリオ暦6月6日) - 1978年5月1日)は、旧ソビエト連邦作曲家グルジア出身のアルメニア人指揮者。姓は、ハチャトゥリャーン、ハチャトゥリャンなどとも表記される。ソ連人民芸術家プロコフィエフショスタコーヴィチと共にソヴィエト3巨匠の一人と称された。

来歴[編集]

トビリシに生まれたアルメニア人で、甥に作曲家カレン・ハチャトゥリアンがいる。モスクワで音楽を学んだ。レーニン賞など多数の賞を受け、高い評価を受ける一方、自作の指揮者としても活躍。映画音楽も手がけ、チェコスロバキア国際映画祭個人賞も受賞した。作品の中でも、バレエ音楽「ガヤネー(ガイーヌ)」から抜粋した演奏会用組曲がとりわけ演奏機会が多く、中では「剣の舞」が、アンコールピース、オーケストラ入門曲、映像BGMなどとして知られる。民族的な伝統を大切にし、独自の価値観とエネルギーに満ちた作風であり、異色の光彩を放っている。仮面舞踏会はミハイル・レールモントフ(1814~1841)の演劇「仮面舞踏会」がモスクワのヴァフタンゴフ劇場で公演されるのに合わせて作曲された。虚飾と欺瞞に満ちた帝政ロシアの貴族社会における悲劇として描かれた。

アルメニアで発行されている50ドラム紙幣に肖像が使用されている。

年譜[編集]

  • 1903年 - 製本工の息子として、グルジアに生まれ、カフカス地方で民族音楽に親しみながら育つ。
  • 1921年 - 大学入学のためモスクワに向かう途上に演奏会に出たのがきっかけで音楽の才能を認められ、音楽の勉強を正式に始める。
  • 1922年 - グネシン音楽専門学校のチェロ科、作曲科。
  • 1929 - 1934年 - モスクワ音楽院ミャスコフスキーワシレンコなどに学ぶ。
  • 1933年 - ミャスコフスキーの弟子であったニーナ・マカロワと結婚。
  • 1936年 - 「ピアノ協奏曲 変ニ長調」で名声を博す。
  • 1948年 - スターリン主義的文化政策の中心ジダーノフによる音楽批判の対象となり、「形式主義的退廃音楽家」とされる。(1959年に名誉回復)
  • 1956年 - グネーシン音楽学校とモスクワ音楽院で教授。
  • 1953年 - 論文「創造の大胆さとインスピレーションについて」(社会主義リアリズム音楽理論の発展)に関して、アメリカの音楽評論家タウブマンと論争を展開。
  • 1963年 - 来日。京都市交響楽団、結成直後の読売日本交響楽団と共演する。
  • 1978年 - 没。

ハチャトゥリアンの音楽[編集]

グルジア出身のハチャトゥリアンは、アルメニアアゼルバイジャン・グルジアなどカフカス地方の民族音楽の影響がうかがわれる、オリジナリティ溢れる印象的な曲の数々を作曲した。

作風は大胆、強烈と評価され、国民楽派の延長として民族的要素を取り入れた社会主義リアリズムの代表的作曲家と見なされる。

作品[編集]

1926年(23歳)
  • ヴァイオリンとピアノのための舞曲
1929年(26歳)
  • ヴァイオリンとピアノのための詩曲
1930年(27歳)
  • 吹奏楽のための行進曲 変イ長調
1932年(29歳)
  • 弦楽四重奏曲
  • クラリネット・ヴァイオリン・ピアノのための3重奏曲
  • ピアノのためのトッカータ
1933年(30歳)
  • ウズベク民謡主題による2つの小曲(吹奏楽曲)
  • 舞踏組曲(管弦楽曲)
1934年(31歳)
1936年(33歳)
1938年(35歳)
  • 混声合唱と管弦楽のための「スターリンの詩」
1939年(36歳)
  • バレエ曲『幸福』、『ガヤネー(ガイーヌ)』
1940年(37歳)
1942年(39歳)
  • 「大祖国戦争の英雄たちに」(行進曲)
  • バレエ『ガヤネー(ガイーヌ)』(初演)(3幕6場)
    剣の舞、子守唄、ばらの乙女達の踊り、ガイーヌのアダージョ、レズギンカ、山岳人の踊り、など
1943年(40歳)
  • 組曲『ガヤネー(ガイーヌ)』第1番・第2番・第3番(管弦楽曲)
1944年(41歳)
1945年(42歳)
  • 2台のピアノのための組曲
  • 映画『囚人217号』
1946年(43歳)
1947年(44歳)
1948年(45歳)
  • ウラジーミル・イリイチ・レーニン追悼の頌歌(管弦楽曲)
1949年(46歳)
1950年(47歳)
  • 映画『秘密任務』
1952年(49歳)
  • 組曲『ヴァレンシアの寡婦』
    導入部、セレナーデ、歌、こっけいな踊り、間奏曲、舞曲
1953年(50歳)
  • 映画『ウシャコフ提督』
1954年(51歳)
1955年(52歳)
  • 組曲『スパルタクス』第1番・第2番・第3番(管弦楽曲)
  • 『幸福の頌歌』(メゾソプラノ独唱、合唱、10のハープと40のヴァイオリンの合奏、管弦楽のための作品)
  • 映画『オセロー』(監督:セルゲイ・ユトケーヴィチ
1956年(53歳)
  • バレエ『スパルタクス』 (初演)(4幕9場)
  • 映画『永遠のかがり火』
1959年(56歳)
  • 歓迎序曲(管弦楽曲)
  • ピアノのためのソナチネ
1961年(58歳)
  • ピアノソナタ
1962年(59歳)
1963年(60歳)
1965年(62歳)
  • ヴァイオリンとチェロのためのラプソディー
  • 子どものためのアルバム 第2集(ピアノ曲)
1968年(65歳)
1976年(73歳)
  • 無伴奏ヴァイオリンのための「幻想ソナタ」
  • 無伴奏チェロのための「幻想ソナタ」

ハチャトゥリアンが出演した映画作品[編集]

ソ連(1983年), ロシア(2003年), アルメニア(2003年)の切手
  • 1968年『作曲家・ハチャトゥリアン』(マリアンナ・タブログ監督、劇場未公開)
  • 1979年『アラム・ハチャトゥリヤン』(Yu・アリドーヒン監督、劇場未公開)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]