セサミストリート

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セサミストリート』(SESAME STREET)は、アメリカの非営利番組制作会社「チルドレンズ・テレビジョン・ワークショップ」(Children's Television Workshop)/現、セサミ・ワークショップ(Sesame Workshop)が制作するマペットキャラクターを使った子ども向けテレビ教育番組、及び同番組の舞台となる架空の通りの名前である。1969年のアメリカでの放送開始以来、40年以上に渡って140以上の国と地域で愛され続けている。

あらまし[編集]

「セサミストリート」とは、番組の舞台となっているニューヨーク州マンハッタンにあるとされる架空の通りの名である。アラビアンナイト(千夜一夜物語)の『アリババと40人の盗賊』の中に出てくる呪文「開けゴマ(open sesame)」からきており、「宝物が隠されている洞窟が『開けゴマ』の呪文によって開いたように、この番組によって子どもたちに新しい世界や知識の扉をひらいてほしい」という願いが込められているとされる[1]。この通りのテラスハウスに住む人間やマペットたちの話を中心に、様々な就学前教育を目的としたコーナーが放送される。

マペット[編集]

番組が子どもたちに、親近感を持ってもらえるような工夫の1つに、番組のシンボルキャラクターであるビッグバードを始め、多くのマペット(操り人形)及びマペットキャラクターが登場しているのが挙げられる。この番組から生まれたマペットは、個性豊かなキャラクターで世界中の多くの子ども達に愛されている。番組に登場するマペットは、おもに人間型・動物型・モンスター型とがある。マペットの操演者(マペティア)は同時に声も担当し、ときにはアドリブも繰り出す事がある。

マペットのデザインはジム・ヘンソンが手がけていた。なおマペットとは、「マリオネット」と「パペット」を組み合わせたヘンソンの造語である。マペットには2人以上の操演によって滑らかな動きをしているものがあるが、これはヘンソンが来日した際に鑑賞した文楽がヒントになっている。ヘンソンは生前、番組内でアーニー、カーミットなどの操演・声を担当していた。

その他、マペットが出演するテレビ番組にマペット放送局があり、劇場版もある。ヘンソンの作り出したマペット第一号であるカーミットは、どちらにも出演している。

主な出演キャラクター[編集]

主な出演マペット[編集]

太線は日本版(テレビ東京版)にも登場したマペット。

  • ゾーイ(ZOE)(9月30日生まれ、3歳)(声優:玉川紗己子(NHK版))
  • ベビー・ナターシャ(BABY NATASHA)(8月24日生まれ)(声優:宮内幸平落合弘治(NHK版))
  • バークレー(BARKLEY)(9月3日生まれ)(声優:宮内幸平大川透(NHK版))

主な出演人物[編集]

  • ボブ(Bob Johnson)(8月15日生まれ)(声優:渡辺篤田原アルノ(NHK版))
  • ゴードン(Gordon Robinson)(2月24日生まれ)(声優:渡辺篤玄田哲章(NHK版))
  • アラン(Alan Muraoka)(8月10日生まれ)(声優:真殿光昭(NHK版))
  • ルイス(Luis Rodriguez)(11月14日生まれ)(声優:宮内幸平大川透(NHK版))
  • マリア(Maria Rodriguez)(6月26日生まれ)(声優:つかせのりこ堀越真己(NHK版))
  • ジーナ(Gina)(声優:小林優子(NHK版))
  • クリス(Chris Knowings)(2月25日生まれ)(声優:中尾隆聖(NHK版))
  • リーラ(Leela)(7月11日生まれ)(声優:小桜エツ子(NHK版))
  • マンドゥ(Mando)(声優:鈴木清信(NHK版))
  • フーパーさん(Mr. Harold Hooper)(声優:小林修(NHK版))
フーパーを演じた俳優ウィル・リーの死去に際し、「セサミストリート」制作者はこれを同時に「フーパーの死」として捉えることにより、「人の死」を考えさせる機会にしようと試みた。このエピソードは教育的なものとなったが、日本国内では放映休止中であったため、ほとんど知られていない。
かつて、日本版にのみ登場したオリジナルマペット

評価[編集]

アメリカ本土での評価は高く、単なる子ども向けの教育番組にとどまらず、有名ミュージシャンが手がけた良質な音楽や、古い映画・テレビ番組のパロディなどもあるため、大人のファンも多い。カーペンターズの「シング」など、番組発のヒット曲も存在する。

1971年に、NHKが制定した教育番組の賞である第7回日本賞グランプリを受賞している。デイタイム・エミー賞も2009年までに122個受賞している。また「最も人気のある子ども向け教育番組」としてギネスブックにも登録されている。日本の子ども番組『ひらけ!ポンキッキ』は、当番組をモデルに制作された。

ワンポイントで有名俳優・歌手が出ることがあり、それが1つのステイタスにもなっている。

日本におけるキャラクター商品の販売・権利の管理等について[編集]

1989年ソニー・クリエイティブプロダクツが日本におけるライセンサーとなり、キャラクター商品の販売が開始された[2]が、NHK版の終了とともに権利を解消する。

2003年、アサツー ディ・ケイウィーヴなど数社が、日本における商品化およびプロモーション事業のマスターライセンスを取得した。[3]

2004年、アサツー ディ・ケイ、ウィーヴ、日本経済社テレビ東京ブロードバンドオデッセイコミュニケーションの5社が出資し、日本における『セサミストリート』の権利の管理などを行う企業「セサミストリート パートナーズ ジャパン」(SSPJ)を設立。[4][5][6]。同年、サンリオが日本での商品化におけるサブライセンスを取得し、キャラクター商品の企画を開始した[7][8]

2009年、2010年3月31日をもってSSPJが解散すると発表。[9]

2010年以後、日本における『セサミストリート』の権利の管理などは、米国セサミ・ワークショップが株式会社ウィーヴをエージェントとして直接行っている。

NHKでのテレビ放送[編集]

日本では日本賞受賞を契機に、賞を設けたNHKEテレで英語教育番組として英語オリジナル版(以下、オリジナル版)を1971年の夏休みと冬休みに放送し、1972年4月9日からオリジナル版でレギュラー放送が開始された[10]1991年度より視覚障害者向けに副音声による解説放送を実施の上で放送された。

英語の台詞を理解できる様に長らく、台詞を翻訳したテキストがNHK出版から発行されていたが、1998年より二ヶ国語放送となり、ビッグバード等の登場キャラクターの声が日本語でも聞けるようになった(声はテレビ東京で放送されていた日本版とは異なっている)。テキストについては二ヶ国語放送化に合わせて休刊されている。

制作プロダクションであるSesame Workshopが幼児向け教育番組としての日本版の共同制作を要望したことに対し、NHK側は英語教育番組としてのオリジナル版の放送を継続したいということで折り合いがつかなくなり、2004年4月3日をもってNHKでの放送を終了した。

吹き替えを行った声優

※太字はマペットキャラクターを演じた声優

放送時間[編集]

NHK教育テレビの放送時間。

年度 放送時間(日本時間
本放送 再放送
1972 日曜 19:00 - 20:00 (放送無し)
1973 - 1974 土曜 15:00 - 16:00 日曜 19:00 - 20:00
1975 日曜 09:30 - 10:30 (放送無し)
1976 - 1980 日曜 10:00 - 11:00 日曜 19:00 - 20:00
1981 日曜 19:00 - 20:00 (放送無し)
1988 日曜 17:00 - 18:00
1989 土曜 12:30 - 13:30
1990 - 1991 金曜 18:00 - 19:00 日曜 17:00 - 18:00
1992 土曜 18:00 - 19:00 土曜 08:00 - 09:00[11]
1993 - 1996 日曜 18:00 - 19:00
1997 - 1998 日曜 18:00 - 18:55 土曜 07:40 - 08:35
1999 - 2002 土曜 07:35 - 08:30 土曜 16:00 - 16:55
2003 土曜 07:40 - 08:30 土曜 16:00 - 16:50

テレビ東京での放送[編集]

セサミストリート(テレビ東京版)
ジャンル 子供向け番組
放送時間 日曜日9:00~9:30(30分)
放送期間 2004年10月10日~2007年9月30日 (全153回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ東京
演出 松木創岡田倫太郎植田泰史ほか
プロデューサー 紅谷佳和、青木俊志(テレビ東京)
高橋知子、近藤孝行
出演者 松本健太(エルモ)
水城レナ(ティーナ&ピエール)
鶴岡聡(ビッグバード)
菊地慧(クッキーモンスター)
戸田ダリオ
太田在
ほか
オープニング 「サニー・デイズ」
エンディング エンディングを参照

特記事項:
BSジャパンは水曜日18:00~18:30に遅れネット
テンプレートを表示

NHK版の終了から半年後、テレビ東京系列で日米共同制作による日本版セサミストリートが2004年10月10日(午前9:00~)より放送開始された。BSジャパン(3日遅れ)・アニマックスでも時差放送されていた。日本で制作されたマペット劇が中心で、「心、自我、感情表現」や「自然、環境」をメインに取り扱っていた。日本のセサミストリートにはコンビニがあり、ストリート以外でも「セサミの森」という場所が登場した。また、アメリカなどで制作されたライブラリ映像も合わせて放送したり、「イングリッシュ on ストリート」という英語を教えるコーナーも登場した。この番組内では日本だけのオリジナルキャラクターが登場した。

2005年10月3日~2005年12月23日にかけて、平日帯番組として、早朝6:40~6:45に5分間番組の『プチプチ!セサミストリート』も放送された(2006年1月9日~2006年3月31日までは再放送)。

第76話(2006年4月2日)より番組がリニューアルされ、グローリーとメグが日本オリジナルキャラクターとして新たに加わった。また、出演者にコミュニティーセンターのおじさんとして、戸田ダリオがヒューマンキャラクター(出演者)として加わった。さらに、英語コンテンツの充実が図られた。また、第102話(2006年10月1日)より国際性をはぐくむをテーマにリニューアルを行ったことに伴い、マペットが一般家庭を訪問するコーナーが追加された。また、エルモズワールドを、一部日本で撮影されたものを加えるなど、再構成したものを放送するようになった。

2007年9月30日をもってテレビ東京系列での放送を終了した。この枠での3年間の放送は子供向け番組枠になった2002年7月以降の番組としては最長記録。

日本版マペティア[編集]

日本版出演者[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ
  • 「サニー・デイズ(セサミストリートのテーマ)」
エンディングテーマ
  • 「A Kiss From The Sun」大貫妙子(第1話(2004年10月10日)~第75話(2006年3月26日))
  • I Will Be With You平原綾香(第76話(2006年4月2日)~第101話(2006年9月24日))
  • 「サニー・デイズ(インストゥルメンタル・ヴァージョン)」(第102話(2006年10月1日)~第153話(2007年9月30日))

日本版制作にあたって[編集]

日本版の制作にあたっては、「セサミストリートアドバイザーボード」が組織され、日本の子どもたちの直面する諸問題をリアルタイムに把握し、番組のカリキュラム作りに反映している。アドバイザーには、放送大学教授永野重史、国際幼児教育学会会長で筑波大学名誉教授の松原達哉、文部科学省幹部でデザイナーの松浦季里筑波大学附属小学校元副校長の清水尭などが名を連ねた。

放送事故[編集]

2006年3月19日放送分で数字を英語で教えるアニメーションコーナーで1つの数字につき1秒間に12回の光の点滅(通称パカパカ)を使い、「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」の「光の点滅は1秒間に3回を超えて使用してはならない」との規定に抵触していたことが発覚した。

当時の報道によると、同番組を視聴して体調不良になった視聴者は出ていないとのことだったが、テレビ東京は同番組を録画したビデオ・DVDの視聴を避けるようにと注意を呼びかけた。

ディズニー・チャンネルでの放送[編集]

2009年10月より、元はセサミストリートの中のひとつのコーナーだった「エルモズワールド」が、ディズニー・チャンネルの未就学児童向け番組ゾーン「プレイハウスディズニー」で【月~金 10:30~】に放送されている。
「エルモズワールド」とは、日本でも人気の高い、赤いふさふさの毛と大きな目が特徴のエルモが、毎回決めたテーマに沿って、靴の履き方や手の洗い方、歯の磨き方など、身近なものについて、テレビの前の子どもたちと一緒に楽しみながら学んでいく、知育性豊かな番組である。

テレビ以外の日本でのメディア展開[編集]

インターネットコンテンツ[編集]

  • 2003年11月よりインターネット・サービス・プロバイダのDIONでは、教育コンテンツとして「セサミBB」を提供していたが、2006年9月30日にサービスが終了となった。
  • TXBBによるセサミストリートの公式モバイルサイトが、現在も各キャリア毎に提供されている。
  • 2009年10月より、以前からあったPC版の公式サイトの運営主体が、米国のセサミ・ワークショップ(エージェント:株式会社ウィーヴ)に引き継がれている。内容も一新され、米国のサイトへのリード役と日本独自の情報発信の二つの役割を担っている。

テーマパーク[編集]

  • また、2011年3月31日に10周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、14番のシアターにて、「セサミストリートのハッピーサプライズ」のショーが行われていた(2011年2月28日~2012年2月26日)。

打ち切り騒動[編集]

2012年10月に行われたアメリカ大統領選挙前のテレビ討論で共和党ミット・ロムニー候補が公共テレビへの補助金打ち切り政策の一例として「人気キャラクターの『ビッグバード』は好きだが、財政赤字を増やしてまで国が支援すべきでない」と番組終了を匂わす発言をした。この発言に民主党がウォール街の富裕層を優遇する姿勢だと言う概要のネガティブ・キャンペーンCMを放送、これに対し共和党は「大統領は国民でなく、ビッグバードを助けるのに躍起になっている」と弁解している。[12]

その他[編集]

当番組で使われている数字・アルファベットの書式はフーツラが多く使われているが、数字の「1」は上部のひげ飾りの部分が省略され小文字の「l」とほぼ似ている。また「4」は斜線部と縦棒が繋がっていないかたちになっている。

脚注[編集]

  1. ^ Gikow, Louise A. (2009). Sesame Street: A Celebration—Forty Years of Life on the Street. New York: Black Dog & Leventhal Publishers. ISBN 978-1-57912-638-4, p. 30, Gysel, Dean (1969年6月8日). “Intentions Aren't Modest For New Children's Series” (fee required). Corpus Christi Caller-Times: p. 23G. http://newspaperarchive.com/PdfViewerTags.aspx?img=100526734 
  2. ^ 『キャラクター・ビジネス―親しみと共感のマーケティング』電通キャラクター・ビジネス研究会(編)、電通、1994年、202頁。ISBN 488553058XISBN 978-4885530586
  3. ^ 日本国内における「セサミ ストリート」の商品化およびプロモーション事業に関するお知らせ、アサツー ディ・ケイ、2003年11月27日。
  4. ^ 世界で最も有名な教育プログラム セサミストリートの新しい国内事業展開 セサミストリート パートナーズ ジャパン設立、アサツー ディ・ケイ、2004年3月29日。
  5. ^ セサミストリートパートナーズ ジャパン設立、テレビ東京ブロードバンド、2004年3月29日。 (PDF)
  6. ^ 2-2 NHKが放送終了、テレ東で放送開始したのはナゼ!? 新生セサミストリートの裏事情[子育て事情]、All About、2004年11月27日。
  7. ^ 新しいビジネスモデルの具現化、サンリオ、2005年5月30日 (PDF)
  8. ^ 【ニュースレター】サンリオ創業50周年 × セサミストリート放送開始40周年記念 ハローキティとセサミストリート コラボ商品発売、サンリオ、2010年9月10日。
  9. ^ セサミストリート日本語公式サイトリニューアルのおしらせ、セサミストリート日本語公式サイト、2009年10月01日。
  10. ^ 途中、「10年を経過し一定の役割を果たした」として一旦打ち切られ、1982年4月4日から1986年12月28日の約5年間中断。また1987年1月4日から1988年3月27日まではNHKBS-2での放送であった。
  11. ^ 1992年度は本放送の翌週に放送
  12. ^ 米大統領選 セサミストリート巡り激論 - NHKニュース

外部リンク[編集]

英語[編集]

日本語[編集]

テレビ東京 日曜9:00枠
前番組 番組名 次番組
セサミストリート(日本版)
ぷるるんっ!しずくちゃん あはっ☆
※土曜9:30から移動・改題
テレビ東京 月~金曜朝6:40~45
プチプチ!セサミストリート
プチプチ!セサミストリート(再放送)