NHKの不祥事

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NHKの不祥事(エヌエイチケイのふしょうじ)では、日本放送協会(NHK)の組織として問題とされた出来事のうち主なものを取り上げる。なお職員個人の業務外での問題行為は含めない。

一覧[編集]

2000年以前[編集]

  • 1969年(昭和44年)、前田義徳会長が「長い髪の毛のグループサウンズは出演させない」と発言し、国会で参考人招致される。
  • 1976年(昭和51年)8月24日小野吉郎会長がロッキード事件で逮捕された田中角栄元首相を見舞ったことが問題となる。小野は日本放送労働組合の運動などにより辞任に追い込まれた。
  • 1981年(昭和56年)2月4日ニュースセンター9時の特集「ロッキード事件5年の真実」で、三木武夫の発言が島桂次報道局長の指示によりカットされ、国民から批判される。
  • 1989年(平成元年)4月、池田芳蔵会長がNHK幹部から言語不明瞭と批判されて辞任。
  • 1990年(平成2年)8月20日、沖縄でNHKの取材用ヘリが墜落した。調べでは、午後6時半頃、沖縄県の米海軍のホワイトビーチ軍港沖で、NHK沖縄放送局が中東情勢関連取材のためチャーターしたヘリコプターが乱気流によって墜落。乗っていたNHK記者、カメラマン、パイロットら計4人全員が死亡した[出典 1]
  • 1991年(平成3年)5月24日、当時の看板キャスターが泥酔してタクシーの運転手に対し車載電話で殴って足蹴りする暴行をし、『俺は殿様なんだよ!』と絶叫したことが民放のニュースで報じられ、謹慎させられた。
  • 1991年(平成3年)7月、島桂次会長が野中広務から国会虚偽答弁の責任を追及され、引責辞任。同時に海老沢勝二専務理事も解任された(海老沢は後に復帰し副会長に就任)。
  • 1992年(平成4年)に放送されたNHKスペシャル奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン』にやらせがあった。同番組の制作にあたって、日産自動車の協賛(自動車2台と1000万円以上と言われる資金)を受けていたことが発覚。
  • 1999年(平成11年)9月30日のNHKニュース11の生放送中に、キャスター(1991年の泥酔アナと同一人物)が話をしていたスタッフを注意するために鉛筆を投げた姿が放送され、視聴者からのクレームが届いた。

2001年[編集]

2002年[編集]

  • 4月28日に放送されたNHKスペシャル『奇跡の詩人』では、重度の脳障害を抱えた少年が、文字盤にある文字を母親の補助で指すことによって他の人とコミュニケーションをはかるという内容であったが、子供が居眠りをしたりしている間も正確に文字盤を指しているなど、不自然な場面が多々見られるという指摘がなされ国会でも取り上げられた[1]。NHKは釈明放送を行い、児童が自分で文字盤を指しているように見えたので児童の意思であると結論付けたが、放送終了直後関連書籍を発行した講談社とのタイアップ疑惑も指摘された[1]。この疑問を巡っては『異議あり! 「奇跡の詩人」』という批判本も出版された。(詳細は奇跡の詩人を参照)

2004年[編集]

2005年[編集]

2007年[編集]

  • 2月16日、NHK情報ネットワークの社員の私用パソコンがファイル共有ソフトWinnyを通じて暴露ウイルスに感染、「およそ130人分の外部の方の個人情報」(名前やメールアドレス電話番号など)を含む取材情報が外部流出。[3]
  • 9月12日、NHK関連33団体の2005年度末の余剰金が、計886億8800万円に上ることが、会計検査院の調査で判明し、改善を求められた[4]
  • 9月16日放送の『NHK海外ネットワーク』において、インドの経済発展について特集した際、番組中で自動車を購入したとして紹介された農家の男性が、実際には購入していなかったことが発覚した。購入後に車で移動するシーンまで紹介されていたが、実際には販売店の指示で購入したように振舞っていただけだった。NHKは、2010年5月29日放送の同番組内で「確認が不十分だった」として、視聴者に謝罪した[5]

2008年[編集]

2009年[編集]

2010年[編集]

  • 7月2日、NHKの関連団体・NHKサービスセンターで、派遣従業員として勤務していた女性について、名目は専門業務派遣だったにもかかわらず、実際は庶務的な一般の職務に就かされていたとして、東京労働局が同サービスセンターに対し「偽装派遣である」として指導を行い、同センターが直接雇用に切り替えていたことが判明した[20]

2011年[編集]

2012年[編集]

2013年[編集]

  • 名古屋放送局が、4月1日から8月19日にかけて放送した東海北陸地区向けの天気予報において、津市岐阜市の予報が入れ替わっていたことが明らかになった。コンピュータシステムのプログラム更新の際に設定ミスがあったことが原因だった[26]
  • 6月26日から7月19日にかけ、総合テレビとEテレで、EテレをPRする目的で流した映像について、1秒間につき3回までと定められている光点滅ガイドラインの基準を超える計8回の光点滅を含む映像が計45回流された[27]
  • 10月16日NHK放送技術研究所の主任研究員が音響設備会社に架空発注を行い、約280万円を振り込ませたり百数十万円相当の物品を受け取っていたとして、同職員を懲戒免職処分とし、詐欺の疑いで警視庁に刑事告訴すると公表した[28]

2014年[編集]

  • 各種報道機関によって、2014年1月25日に就任した籾井勝人NHK会長が、就任記者会見において個人的と前置きした上で、以下のように発言したと報じられた[29][30][31][32][33]。市民団体から批判され、また衆議院予算委員会に2度にわたり国会に召喚される事態に発展。外国メディアからも「NHKが国営放送大本営発表化しつつある」と危惧する論評が出る。
    • 特定秘密保護法に関する質問について報道が少ない・姿勢が政府寄り、との指摘には「まあ一応通っちゃったんで、言ってもしょうがないんじゃないかと思うんですけども。まあ……、ちょっと……僕なりに個人的な意見はないことはないんですが、これはちょっと、あまりにも、あれなんで、ちょっと差し控えさせて頂ければと思いますが」(発言ママ)と断りつつ、「あまりカッカする必要はない」。
    • 竹島問題尖閣諸島問題の質問ついて「日本の立場を国際放送で明確に発信していく、国際放送とはそういうもの。政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」。
    • 放送内容の質問については「日本国政府と懸け離れたものであってはならない」。
    • 慰安婦の質問について「今のモラルでは悪いんですよ」としつつ、補償問題は日韓基本条約で解決済みと述べ、「戦争をしているどこの国にもあった」としてフランスドイツの名を挙げた[34]。関連して「なぜオランダに今頃まだ飾り窓があるんですか」と述べた。この慰安婦問題日韓基本条約に関する発言の直後に会長就任会見の場である事を記者から指摘され「発言を取り消したい」と述べた[35]
  • 2月2014年東京都知事選挙において、経営委員の百田尚樹が他候補を中傷。自身は田母神俊雄を推していた。またやはり経営委員の長谷川三千子が、朝日新聞東京本社乱入事件を起こした野村秋介を称え日本国憲法第1条を否定するような言説をしていたことが判明。浜田健一郎経営委員長が「経営委員服務準則[36]に則り節度を持って言動を行うべき」と異例の見解を出し経営委員会が申し合わせを行う騒ぎになった[37]
これらの問題に関連して衆議院予算委員会で集中審議が行われる。また、キャロライン・ケネディ駐日本国アメリカ合衆国特命全権大使インタビューを申し込んだところ、百田の極東国際軍事裁判南京事件を否定する発言、籾井の慰安婦に関する発言を理由として、駐日本国アメリカ合衆国大使館から難色を示されていたことが判明[38]

2015年[編集]

  • 2015年1月2日、籾井会長が、私的にハイヤーでゴルフに出かけた際の乗車代金がNHKに請求されていたことが、内部通報で明らかになった。
  • NHKが、子会社9社と共に、NHK放送センター近くの渋谷区内の土地を共同購入する計画を立て、子会社が約350億円で落札したが、この計画について、経営委員に諮っていないことが新聞報道で判明[40]。経営委員から報告を求められたNHK側は計画を撤回する方針を決めた[41]
  • NHKの子会社であるNHKアイテックの本社と千葉事業所の社員計2人が、実体の無い会社に対し、受信施設の工事や業務などの架空発注を繰り返し、計約2億円を着服していたことが12月17日に明らかになり、NHKアイテックはこの2人について詐欺罪での告訴も検討中である[42]

2016年[編集]

  • 1月29日、さいたま放送局が「埼玉県警察記者クラブに所属する記者3人が1年余りに渡り、業務用タクシーチケットを友人との会食など私的な移動に使用していた」として、31歳の記者を諭旨免職(約36万円分)、23歳の記者を停職1ヶ月(約12万円分)、29歳の記者を出勤停止5日(6,850円分)としたほか、管理・監督責任のある放送局長や放送部副部長など上司5人も3日から14日の出勤停止とした[43]
  • 8月18日のNHKニュース7にて、子どもの貧困問題をテーマとした神奈川県主催の講演会、および登壇した女子高校生への取材を報道[44]したところ、インターネット上で捏造疑惑が浮上、女子高校生が2万円相当の画材を所有する様子が映っているなどとバッシングが発生し、片山さつき参議院議員がNHKに説明を求めるなどした[45][46]
    • NHKはメディアに対し「本人や家族、行政機関などに取材し、経済的に厳しい環境で生活する高校生だと判断しています」[47]、「食べるものもないというレベルの貧困ではなくても、経済的困窮によって、高校生が希望する進路をあきらめざるをえない現実があることを伝えるもの。放送内容は、すべて事実に基づくものです」[48]と捏造疑惑を否定した。
    • 講演会を主催した神奈川県の担当者は、講演会について「食べるものや着るものがあるとしても、修学旅行や部活の遠征に行けなかったり、進学をあきらめたりする『相対的貧困』の見えにくさを考えようというイベントだった」[47]、騒動について「食べ物や着る物がないなど目に見える『絶対的な貧困』と、親の経済的な事情で進学を諦めざるを得ないなど目に見えない『相対的な貧困』を混同して起きてしまったのではないか」[49]とコメントした。
    • この騒動にまつわり、サイゾーが運営するニュースサイト「ビジネスジャーナル」はNHKなどへの取材を行わず架空のコメントや、やらせや捏造の存在を印象づける表現を含む記事を発信し、後に取材が不十分であったとして訂正および謝罪、関係者の処分を発表した[50][51][52]

脚注[編集]

  1. ^ a b 第155回国会 決算行政監視委員会 第2号(平成14年11月14日(木曜日))
  2. ^ 第160回国会 総務委員会 第3号
  3. ^ 報道発表。
  4. ^ NHK関連団体の剰余金886億円、検査院が改善求める 読売新聞、2007年9月12日
  5. ^ 「自動車購入農家、実は買ってなかった」NHK謝罪 3年前のインド特集で 産経新聞 2010年5月29日
  6. ^ NHKに40万円支払い命じる…写真無断使用で 読売新聞 2010年11月10日
  7. ^ NHK広報局 「職員の株取引を巡る証券取引等監視委員会の調査について」日本放送協会、2008年1月17日。
  8. ^ 「 取材先の企業、事前にNHK側に警告」TBS 2008年1月18日。
  9. ^ 「NHK経営委員経営の会社が所得隠し・東京国税局指摘」日経ネット 2008年1月30日。
  10. ^ 「 NHKが音源無断使用「ラジオ名人寄席」を打ち切り」産経新聞 2008年3月28日。
  11. ^ NHK番組撮影中、電車止める 線路から2.5メートルに三脚 産経新聞2009年3月7日
  12. ^ 中国ロケで泥酔し死亡、労災認定 元NHKスタッフ 朝日新聞2014年3月20日
  13. ^ 「悪あがきをすればするほど、あなたの評価は下がる一方です」「仮に有罪判決になってもインタビューに出て世間に本音をさらしたことで執行猶予がつくのは間違いありません」「逆に無罪を主張し続ける限り、減刑の余地はなく、実刑になる可能性も否定できません」などと書かれていた。
  14. ^ 壇俊光 (2009年10月6日). “ブログとメディアと”. 2014年6月23日閲覧。
  15. ^ NHK記者が公判中のウィニー開発者に手紙「無罪主張なら減刑ない」
  16. ^ 無罪判決の「Winny」開発者に、NHK記者が「無罪主張は悪あがき」などと記した手紙
  17. ^ 取材要請の手紙で「悪あがき」=NHK記者、ウィニ-開発者に
  18. ^ 「無罪主張は悪あがき」…NHK記者、ウィニー開発者に
  19. ^ NHK記者、ウィニー開発者に“不適切”な手紙
  20. ^ 偽装専門職:NHK関連法人に派遣、労働局指導受け直接雇用 毎日新聞 2010年7月3日
  21. ^ NHK:情報番組でも謝罪…セシウム測定ミス 毎日新聞 2011年11月25日
  22. ^ NHK:松山放送局、字幕で誤報 毎日新聞 2012年2月16日
  23. ^ NHK:権限のないバイト、原稿端末を操作…松山放送局 毎日新聞 2012年2月25日
  24. ^ 車内のヘッドレスト外させ運転 NHK 「MAX」出演の番組 警視庁が注意 産経新聞 2012年4月24日
  25. ^ NHK鹿児島の委託社員が契約書偽造し受信料を徴収 産経ニュース 2012年5月13日 15:36
  26. ^ NHK予報ミス:三重の少雨 岐阜との差目立たず長期化? 毎日新聞 2013年8月21日
  27. ^ NHK、PR映像で光点滅の基準超え 産経新聞 2013年7月26日
  28. ^ NHK主任研究員、架空発注で懲戒免職、詐欺で告訴へ 産経ニュース 2013年10月16日
  29. ^ NHK籾井新会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」”. 朝日新聞 (2014年1月25日). 2014年2月5日閲覧。
  30. ^ NHK:籾井会長、従軍慰安婦「どこの国にもあった」”. 毎日新聞 (2014年1月25日). 2014年2月5日閲覧。
  31. ^ NHK新会長、国際放送で日本の立場主張を”. 日刊スポーツ (2014年1月25日). 2014年2月5日閲覧。
  32. ^ NHK、領土問題「国際放送で」 就任会見で籾井会長”. 共同通信 (2014年1月25日). 2014年2月5日閲覧。
  33. ^ NHK会長記者会見書き起こし” (2014年1月25日). 2014年2月5日閲覧。
  34. ^ 慰安婦がいたのは日本軍とドイツ軍だけであることが、吉見義明の研究により分かっている。フランス軍にはいなかった。
  35. ^ 秘密保護法しょうがない・慰安婦どこもあった NHK新会長 問題発言 東京新聞(共同通信)2014年1月16日
  36. ^ 経営委員会委員の服務に関する準則第5条:経営委員会委員は、日本放送協会の名誉や信用を損なうような行為をしてはならない。]
  37. ^ NHK経営委が申し合わせ 「節度を持って行動を」 共同通信2014年2月12日
  38. ^ 米大使館、NHK取材に難色 百田氏の発言理由に 共同通信2014年2月14日、米大使館、NHK会長発言も理由 インタビュー取材に難色 共同通信2014年2月17日
  39. ^ 小保方氏けが「実験に支障」…NHKの取材で 読売新聞 2014年7月24日
  40. ^ 不適切土地購入計画 経営委に諮らず、350億円で子会社落札 監査委が調査 毎日新聞 2015年12月8日
  41. ^ NHK 土地購入計画を撤回へ 経営委の検証要請後に 毎日新聞 2015年12月9日
  42. ^ NHK 子会社社員2人が2億円着服か 刑事告訴も検討 毎日新聞 2015年12月18日
  43. ^ “<1.29ニュース>”. テレビ埼玉. (2016年1月29日). https://www.teletama.jp/news/0129.html 2016年1月29日閲覧。 
  44. ^ “子どもの貧困 学生たちみずからが現状訴える”. NHKニュース (日本放送協会). (2016年8月18日). オリジナル2016年8月18日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160818131620/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160818/k10010641551000.html 2016年9月23日閲覧。 
  45. ^ “貧困女子高生特集、いまだにくすぶる 今度は片山さつき議員が「NHKに説明求める」”. J-CASTニュース (J-CAST). (2016年8月21日). http://www.j-cast.com/2016/08/21275698.html 2016年9月20日閲覧。 
  46. ^ 安積明子 (2016年8月26日). “片山さつき氏、NHK女子高生貧困報道に喝 ネットで出演者“豪遊情報”で炎上”. ZAKZAK (産経デジタル). http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160826/plt1608261550003-n1.htm 2016年9月22日閲覧。 
  47. ^ a b “NHK:「貧困女子高生」に批判・中傷 人権侵害の懸念も”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2016年8月24日). http://mainichi.jp/articles/20160825/k00/00m/040/053000c 2016年9月20日閲覧。 
  48. ^ 仲村和代; 伊東和貴 (2016年9月14日). “「貧困たたき」の背景は? NHK報道めぐりネット炎上”. 朝日新聞 (朝日新聞社). http://www.asahi.com/articles/ASJ9954L1J99UTIL03Z.html 2016年9月20日閲覧。 
  49. ^ “片山さつきも参戦! NHK貧困JKバッシングの嫌な感じ”. 週刊朝日 (朝日新聞出版). (2016年9月9日). https://dot.asahi.com/wa/2016083000169.html 2016年9月22日閲覧。 
  50. ^ お詫びと訂正”. ビジネスジャーナル. サイゾー (2016年9月2日). 2016年9月20日閲覧。
  51. ^ “「貧困女子高生」めぐりNHKに謝罪 ビジネスジャーナル「『回答』は架空」”. J-CASTニュース (J-CAST). (2016年9月1日). http://www.j-cast.com/2016/09/01276758.html?p=all 2016年9月22日閲覧。 
  52. ^ 青島顕; 加藤隆 (2016年9月19日). “貧困高校生:ネットメディア誤報 「影響力」自覚を”. 毎日新聞 (毎日新聞社). http://mainichi.jp/articles/20160919/k00/00e/040/154000c 2016年9月20日閲覧。 

出典[編集]

  1. ^ 毎日新聞メディア編成本部 毎日新聞戦後の重大事件早見表 1991年5月25日印刷 1991年6月10日発行 沢畠 毅 p.97 ISBN 4-620-30794-7

関連項目[編集]