宝石の国

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宝石の国
ジャンル アクションバトルファンタジー
漫画
作者 市川春子
出版社 講談社
掲載誌 月刊アフタヌーン
レーベル アフタヌーンKC
発表期間 2012年12月号 - 連載中
巻数 既刊7巻(2017年5月23日現在)
アニメ
原作 市川春子
監督 京極尚彦
シリーズ構成 大野敏哉
キャラクターデザイン 西田亜沙子
アニメーション制作 オレンジ
放送局
放送期間 2017年10月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

宝石の国』(ほうせきのくに)は、市川春子による日本漫画講談社月刊アフタヌーン2012年12月号より連載中。

単行本第1巻(講談社アフタヌーンKC)発売時には、記念のフルアニメーションPVが作成された[1][2]

2017年5月19日にテレビアニメ化が発表され[3]、同年10月より放送開始予定。

あらすじ[編集]

過去に「にんげん」が存在したと伝えられる世界。地上の生物は海中で微小生物(インクルージョン)に食われ無機物となり、長い年月を経て、その無機物から宝石の体を持つ人型の生物が生まれた。28人の宝石達は、自身を装飾品にしようと来襲する月人(つきじん)との戦いを繰り返していた。

宝石達の中でも特に脆く戦闘に出られず、秀でた才のない最若のフォスフォフィライトは、「博物誌」の制作を仕事として与えられ、不本意ながらも活動を始める。

登場人物[編集]

宝石[編集]

人型をした宝石生命体のような存在。全部で28人。それぞれ宝石としての種類が違い、硬度靭性がある。二人称や三人称に「彼」「お兄ちゃん」などを使用するが性別は存在しないが、作者は上半身は少年・下半身は少女をイメージして描いている[4]。体内に微小生物(インクルージョン)がおり、割れたり砕けたりしても破片が揃えばインクルージョンの働きで元に戻ることができる。砂粒程度に細かくなっても集まれば人型で復活でき、死の概念がなく非常に長寿で、年齢が明らかになっている者で最年長は3600歳ほど、最年少でも300歳である。戦闘・見張り・医療・工芸などの仕事をひとつかふたつ担当しながら生活している。

光を栄養とするために夜は活動が鈍り、光の少ない冬の間は一部を除いて冬眠する。肌の部分にお白粉を塗っているようで、取れるとフォス曰く「目も当てられない姿になる」らしい。長寿のためか諦めが悪いと言われる性質のせいか、貴重ななどをはじめ物を大切にする傾向がある。

フォスフォフィライト
燐葉石。愛称「フォス」。硬度三半、靭性最下級。
宝石達の中でも最も若く、作中で300歳を迎える。
硬度と靭性が非常に低いため脆く、腕力も低いため戦闘には参加したことがなかった。他にも工芸・医療などあらゆる仕事に適正がないと見なされており「役立たず」と自他共に認識しているが、ようやく幅広く物事を記録する博物誌の作成の任を与えられる。
博物誌作成の任を受け博識なシンシャに手伝いを求めた際、シンシャの心中を知り有意義な仕事を見つけてあげたいと思うようになる。
作中でたびたび身体を欠損しており、それに伴って記憶(インクルージョン)を失っている。アドミラビリス族と関わる中で足を失い、アゲートと貝殻を合わせた新たな足を得て一時的に俊足となる。また砕氷作業中に腕を失い、金と白金の合金の腕を代わりに付ける。この腕は自由自在に伸縮・変形させることが可能で、戦闘では長く伸ばすことで遠くの相手を攻撃するなど様々な形での応用ができる。
軽妙な性格ではあるが考え方に柔軟性があり、好奇心や無鉄砲とも思える行動を取ることがある。しかし上記の出来事を経験するうちに、金剛先生の行動に疑問を持つなど冷静な思考も行うようになる。また時に幻覚を見たりと、精神が不安定な描写がみられる。
シンシャ
辰砂。硬度二。
体から銀色の毒液を無尽蔵に出せる能力を持ち、戦闘能力は非常に高い。しかし毒液は周囲の大気・土・水・草などを汚染する上、他の宝石達に付着するとその部分が光を通さなくなり削り捨てる処置をしなければならなくなる。
毒液を完全に制御できないため、他の宝石達に危害を与えないよう距離を置き、月人の現れない夜に見回りをするという無益な仕事に就いている。
博識で、フォスの博物誌作成を手伝ってほしいと頼まれたことからフォスと交流を持ち、「月でなら自分の価値を見出してもらえるかもしれない」「月人に攫われるのを待っている」と自分の存在自体が迷惑であることに心を痛めていることを明らかにするが、フォスに完全に心を開いてはいない。
ダイヤモンドと同じ年の生まれ。
金剛先生
宝石達を束ねる役割をしており、剃髪袈裟を着たのような姿をしている。一喝で宝石達を割るほどの攻撃力を持つ。学校の本堂で瞑想をすることがありこれは宝石達には「昼寝」とも揶揄されているが、冬眠はしない。
硬度は不明だが、「昼寝」から彼を起こす際にはその硬度によって自分達が砕ける危険性があり、非常に危険な役割のようである。
月人と関係があるような言動をたびたび見せており、フォスに疑問を持たれている。しかしシンシャ曰くそのことは「全員が勘付いている」「暗黙のうちに」「先生を信じると決めた」とのこと。
ルチル
金紅石。硬度六。
医療担当。割れたり砕けたりした宝石達の修復や、耐塩樹脂などの管理・取り扱いをしている。
口調は非常に丁寧。隠れナンバーワン美脚と称される。
かつてパパラチアとコンビを組んでおり、彼を直すために医療技術が上達した。
ダイヤモンド
ダイヤモンド属。愛称「ダイヤ」。硬度十、靭性2級。
物腰が柔らかく女性的な喋り方をする優しい性格の宝石。恋愛偏重主義と言われている。
硬度は高いがへき開があり割れやすいため、ボルツのように強くなりたいと願っている。ボルツいわく「兄ちゃん」。
シンシャと同じ年生まれ。
ボルツ
カーボナード。ダイヤモンド属。硬度十、靭性特級。
ダイヤモンド属。金剛先生に次いで強く、冷静であり冷酷な部分もある性格。戦闘狂と言われている。
多結晶体であるため、同属のダイヤモンドらより遥かに割れにくく強い。
ダイヤによると「弟」。
イエローダイヤモンド
ダイヤモンド属。硬度十。
宝石達の中では最年長の3597歳。
俊足で面倒見がよく、「おにいさま」と呼ばれる。
組んだ相手が全て月に連れて行かれていることを気にしている。コンビを組んでいたジルコンがボルツとの方が相性がいいことを知り、そちらとコンビを組むよう先生に推す。以降はダイヤと組むようになった。
ジルコン
ジルコン。硬度七半。
イエローダイヤモンドと組んでいる。フォスに次いで若いが優秀。
ボルツと組んだ際に、イエローダイヤモンドのことを気にするあまり全力を出し切れていないと見抜かれる。その後、イエローの推しもあってボルツと組むようになった。
アメシスト
紫水晶。硬度七。
見回り担当で剣の凄腕。双晶であり、2人で1つという存在。
向かって左側の目が隠れているのが「エイティ・フォー」、向かって右側の目が隠れているのが「サーティー・スリー」。
新しい脚を得たフォスとコンビを組むことになる。
素手で触っても双晶なので割れないが、周りにはストレスとなる。
モルガナイト
緑柱石の一種モルガナイト。愛称「モルガ」。硬度七半。
口調は粗く、やんちゃ。ゴーシェとコンビを組んで見回りの任に就いている。
ゴーシェナイト
緑柱石の一種ゴーシェナイト。愛称「ゴーシェ」。硬度七半。
モルガとコンビを組んで見回りの任に就いている。常に困りまゆ。
ジュード(ジェード)
ヒスイ。硬度七。
別名「堅牢のジュード」と呼ばれ、壊れにくさでは二番目。
途中で名前の表記がジュードからジェードに変わっている。
ユークレース
ユークレース。硬度七半。
書記担当で、見張りの計画作成などを担っている。
レッドベリル
緑柱石の一種レッドベリル。愛称「ベリル」。硬度七半。
服飾担当で、生地を作成したり宝石達の制服やパジャマなどを作成したりしている。美意識が高く毎日髪型が違う。
ベニトアイト
ベニト石。愛称「ベニト」。硬度六半。
寮ではシンシャの隣室。
ネプチュナイト
海王石。愛称「ネプちー」。硬度五半。
辛口な性格。
オブシディアン
黒曜石。硬度五。
武器製作担当。業務のわりにノリが軽い。
アレキサンドライト
金緑石。硬度八半。
月人研究マニア。通常は青に近い色をしているが、月人をみると半分の確率で色が赤くなり暴走する(そのまま気絶することもある)。
月人を研究しているのはこの体質を克服するためと、相棒であったクリソベリルが連れ去られた憎しみを失わないためである。
アンタークチサイト
南極石。愛称「アンターク」。硬度三。
通常は完全な液体だが、気温が下がると結晶して人型になる。寒くなるほど強くなる。冬以外の季節は眠っており、冬になると目覚めて皆の冬眠の間に1人で金剛先生と共に迎撃と流氷砕破の仕事をする。
パパラチア
パパラチアサファイア。硬度九。靭性準一級。
以前はルチルと組んで戦っていたようだが、現在は眠りについており医務室に安置されている。イエローダイヤモンドと同じくらいの年齢で、ボルツの次に強かったらしい。生まれつき体に穴がたくさん開いており、ルチルが改造して支えていた。
ゴースト・クォーツ
ファントムクォーツ。硬度七。
図書室管理兼長期療養所担当。不思議な雰囲気を漂わせており、存在感を消していきなり背後から話しかけてくることがある。体が多層になっており、彼曰く「中にもう一人いる」とのこと。月人を調べることを決意したフォスにコンビを組むことを申し出る。
武器は他の宝石たちが武器としていつも使う黒い刀とは違い、アンタークチサイトの氷削兼武器のノコギリや刀の同じ色と性質を持つ大鎌。
カンゴーム
ゴースト・クォーツの「中の子」。ゴーストが月人と戦った際に髪の毛の一部以外の表層が剥げ落ち、月へ連れ去られたせいで現れた。カンゴーム自身は黒色だが、髪の毛だけは白色である。左腕を失ったので代わりにスモーキークォーツをつけている。
ペリドット
硬度六半。
紙製作担当。スフェンとコンビを組む。
スフェン
チタン石。硬度五。
工芸意匠担当。ド派手にきらめいているが、コツコツした地味な作業が好き。
ペリドットとコンビを組む。かつてはトパーズと組んでいた。
ブルーゾイサイト
かつてペリドットと組んでおり、月に連れ去られた。
トパーズ
かつてスフェンと組んでおり、ブルーゾイサイトと同時に月に連れ去られた。
ヘリオドール
緑柱石の一種ヘリオドール
月人に以前捕らえられ、月人の武器の矢先に使われた。一部は取り戻すことができたが、まだ人型で復活するには至っていない。
グリーンダイヤモンド、ルビーサファイア、ピンクトパーズ
かつてイエローダイヤモンドとコンビを組んでいた。
クリソベリル
アレキサンドライトとかつて組んでいた宝石。彼が連れ去られた憎しみを忘れないため、アレキサンドライトは月人の研究を始めた。
ラピスラズリ
ゴーストと以前コンビを組んでいた宝石。ゴースト以前に図書室を管理しており、ゴーストの「中の子」も彼の言うことだけは聞いていたらしい。現在は首だけを残して月に連れ去られている。
ウォーターメロントルマリン
硬度七半。おっとりだが、驚いたり怒ったりなどのストレスがかかると帯電する。
ヘミモルとコンビを組んで、特殊な攻撃ができる。
ヘミモルファイト
異極鉱。硬度五。愛称は「ヘミモル」。
ウォーターメロントルマリンとコンビを組む。

月人[編集]

月から大群で現れる狩人。中央部にいる仏像のような姿をした月人が器を持ち、それを取り囲むように「雑」と呼ばれる宝石たちと同じ体格の月人が、弓矢刺又のようなもので攻撃してくる。通常は中央の月人を破壊すると霧散するが、中に宝石を改造した武器を持つ「新式」は霧散せずそのまま攻撃してくる。

予兆として「黒点」とよばれる空に黒い影が現れるため、昼間は宝石たちが分担して巡回を行っている。一方で、夜間の襲来は今まで一度も無かったと言われ、雨の日も現れないとされている。ウェントリコスス曰く「天敵もいないのに争いを好む」。

宝石達を装飾品にする目的で捕らえようとしていると言われていたが、ウェントリコススの語った伝説では「魂」にあたり、にんげんに戻るため「肉」であるアドミラビリス族、「骨」である宝石達を手に入れようとしているとの推測がされている。

しろ[編集]

大型の月人。それまでの月人と違い、筋肉質の肉体と六本の腕、毛の生えた尾を持つ。切られるたびに分裂し、最終的に子犬のような姿になる。子犬状の分裂体を一か所に集めると、また元の姿に戻る性質を持つ。先生を慕っているかのようなそぶりを見せ、フォスに疑念を抱かせるきっかけを作った。

アドミラビリス族[編集]

ウミウシナメクジのような軟体生物が殻を背負った、カタツムリのような形状の巨大な生物。月で月人により養殖されており、まだ月には仲間が多くいるが皆思考を奪われているらしい。本来は小型であるが、月人に飼われている間に巨大化するようである。伝説では「肉」にあたり、寿命は短いが生殖により種族を存続させることができる。故郷に近づくと真の姿である人型の姿に戻る。

ウェントリコスス
アドミラビリス族の王。
月人に飼われており、月人によって学校に送り込まれ、フォスを食べて取り込んでしまった。宝石達やその武器を溶かす能力がある。
取り込んだフォスを自身の殻と融合させてしまうが、殻からフォスが分離され復活した後はフォスとのみ会話ができるようになる。
弟であるアクレアツスと引き換えに宝石を月人に渡す命を受けており、フォスを海中へ招き寄せるが、アクレアツスが月人を撃退したことでフォスを渡さずに済む結果となった。
海中でフォスに語ったアドミラビリス属に伝わる「伝説」では、かつての「にんげん」が魂である月人・肉であるアドミラビリス族・骨である宝石の3つに分かれたとされており、月人は肉と骨を取り戻してにんげんに戻ろうとしているのではないかという推論を示した。
人型になった際にはドレスを着た女性のような姿であり、金剛先生を「いい男」・シンシャやボルツのようなツンとした子が好みと語っている。
アクレアツス
ウェントリコススの弟。同じく月人に飼われており、宝石と引き換えにウェントリコススの元へ戻されるという取引の材料になっていた。
ウェントリコススに「食うと戦うしか能がない」と言われている通り戦闘力は高く、引き渡し時に月人の撃退に成功する。
殻の部分はホネガイのように鋭く尖った突起が多数ある貝の形をしており、両足を失ったフォスに自身の殻からアゲートの詰まった2本の棘を与える。
カタツムリ状の形態の際はメンダコのような姿をしており、フォス曰く「かわいい」。

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2017年10月より3Dアニメとして放送予定[3]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 講談社 モアイ「お待たせしました! 話題騒然の市川春子『宝石の国』①巻発売記念フルアニメーションPV、ただいまより緊急公開スタート!!」
  2. ^ 講談社 モアイ【急告】 市川春子初連載作『宝石の国』待望の①巻発売を記念し、作者全面協力のフルアニメーションPVがまもなく公開予定! 場面写真や絵コンテ、設定画を先行公開!!
  3. ^ a b “市川春子「宝石の国」を京極尚彦監督が3Dアニメ化!10月よりテレビ放送開始”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年5月19日). http://natalie.mu/comic/news/233197 2017年5月19日閲覧。 
  4. ^ 【インタビュー】上は少年、下は少女。性別のない宝石たちは「色っぽい」! 『宝石の国』市川春子【前編】
  5. ^ 『宝石の国(1)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  6. ^ 『宝石の国(2)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  7. ^ 『宝石の国(3)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  8. ^ 『宝石の国(4)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  9. ^ 『カードゲーム付き 宝石の国(4)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  10. ^ 『宝石の国(5)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  11. ^ 『宝石の国(6)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  12. ^ 『エコバッグ付き 宝石の国(6)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  13. ^ 『宝石の国(7)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  14. ^ 『ILLUSTRATION BOOK付き 宝石の国(7)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。

外部リンク[編集]