宝石の国

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宝石の国
ジャンル SFファンタジー
漫画
作者 市川春子
出版社 講談社
掲載誌 月刊アフタヌーン
レーベル アフタヌーンKC
発表期間 2012年12月号 - 連載中
巻数 既刊8巻(2017年11月22日現在)
アニメ
原作 市川春子
監督 京極尚彦
シリーズ構成 大野敏哉
キャラクターデザイン 西田亜沙子
音楽 藤澤慶昌
アニメーション制作 オレンジ
製作 「宝石の国」製作委員会
放送局 MBSTOKYO MXほか
放送期間 2017年10月 - 12月
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

宝石の国』(ほうせきのくに)は、市川春子による日本漫画講談社月刊アフタヌーン2012年12月号より連載中。

2013年の単行本第1巻(講談社アフタヌーンKC)発売時には、記念のフルアニメーションPVが作成された[1][2]。同年末発表の「このマンガがすごい! 2014年」オトコ編第10位に入っている[3]

2017年5月19日にテレビアニメ化が発表され[4]、同年10月から12月まで放送された。

あらすじ[編集]

「古代」といわれるほどの過去に「にんげん」が存在したと伝えられる遠い未来の世界。遠い昔に6度の流星飛来のために海中に没した地上の生物の中から、「微小生物」に食われて無機物となり、長い年月を経て、宝石の体を持つ人型の生物が生まれていた。28人の宝石たちは、自身を装飾品にしようと来襲する月人(つきじん)との戦いを繰り返しながら、長い時間を寄り添って暮らしていた。

フォスフォフィライトは硬度が低い上、不器用なため何の仕事もできないことに不満を持っていたが、金剛先生から博物誌作成の仕事を与えられる。しぶしぶ引き受けたフォスは、夜の見回りをするシンシャと知り合う。その体質から孤立せざるをえない事情を知ったフォスは「君にしかできない仕事を見つける」と約束する。月人が落とした巨大な殻を持つ生物に、フォスが飲み込まれる。ダイヤモンドの奔走で殻に吸収されていたフォスは復元されるが、生物と話せるようになっていた。

潮水で小さくなった生物はアドミラビリス族のウェントリコスス王と名乗り、故郷の海に帰りたいとフォスを誘う。フォスと海に入った王は一族に伝わる「にんげん」の話をする。故郷についた王は弟アクレアツスと引き換えにフォスを月人に引き渡すが、改心し、フォスを貝殻と共に陸にかえす。失った足の代わりに貝殻とアゲートをつけたフォスは足が速くなり、念願の見張りの仕事を許可される。しかし一緒に組んだアメシストが月人に襲われる。

アメシストはボルツと金剛先生に救出されるが、敵を前に動けなかったフォスは落ち込む。冬になり、宝石たちは冬眠に入る。眠れないフォスはアンタークチサイトの仕事を手伝うが、流氷に落ちて両腕を失う。フォスは緒の浜で見つけた金と白金を腕につけるが、操作に手間取るうちにアンタークが月人に攫われてしまう。その後、フォスは伸縮する腕で月人を撃退し、アンタークの仕事を淡々とこなす。

冬眠から目覚めた宝石たちはフォスの変貌に驚く。ボルツはダイヤとのコンビを解消しフォスと組む。巨大な月人が学校を襲い、フォスたちは苦戦するが、月人は金剛先生の前でおとなしくなる。先生が月人に「しろ」と親し気に声をかけたのを聞いたフォスは、先生と月人の関係に疑問を持つ。シンシャから、両者の関係に全員薄々気付いていると言われたフォスは、月人についてもっと知りたいと思うようになる。

フォスは久しぶりに目覚めたパパラチアに月人と話がしてみたいと打ち明ける。アレキサンドライトからは月人について徹底的に学ぶ。先生を見極めようと観察するフォスは、先生が自身のかけらで月人を撃退したのを目撃し、さらに疑念を深める。ゴーストクォーツと組んだフォスは月人に接触を試みる。

フォスを助けたゴーストは表面を月人に剥がされ、人格が変わる。フォスは錯乱してゴーストをアンタークと呼び、合金が自身を砕いてしまう。復元されたフォスはゴーストの改名を提案し、先生はカンゴームと名付ける。カンゴームと見回りに出たフォスは月人に頭部を奪われる。カンゴームはフォスの体にラピスラズリの頭部を接続する提案をする。

先生はフォスの頭部接合を許可。102年後、フォスは長い眠りから覚める。フォスは夢でラピスと邂逅する。昔の記憶が欠けていたフォスは、ウェントリコススの子孫ウァリエガツスと出会い、「にんげん」の伝説を教えられる。フォスは先生に問いただすが答えてもらえない。フォスは真実を知るため月に行くと決心し、わざと月人に攫われる。

月に来たフォスは攫われた宝石たちが粉にされていることに愕然とする。エクメア王子は先生が祈りの機械であること、先生を動かすために宝石を攫っていたと明かす。フォスは先生を宝石たちの裏切りで揺さぶると提案する。王子はフォスの左目を監視する合成真珠に代えて星に帰す。フォスは宝石たちを月に誘うがシンシャには断られる。約束の夜、フォスたちの前に迎えの月人が現れる。

登場人物[編集]

※CVキャストは各回クレジット及び番組公式HPより。

宝石[編集]

フォスフォフィライト
声 - 黒沢ともよ
本作の主人公。愛称「フォス」。身体は燐葉石で、硬度3半、靭性最下級。色は薄荷色。
物語開始の年で宝石の中では最も若い300歳だったが、その後作中で402歳以上となり、年下の宝石も生まれている。作中の出来事でたびたび身体部位を欠損しているが、含有しているインクルージョンが自身を構成しているものとは別の鉱物とでも共生がしやすいという、他の宝石たちにはみられない特性を持っている。そのため補完の成功率が高い。欠損部を別の鉱物によって補っており、また欠損によって多くの記憶を失いながらも、そうなるに至った様々な経験により外見や精神面が物語が進むにつれ変化している。物語が進むにつれ金剛先生に疑問を持ち、真実を知りたいと願うようになる。
欠損前
前向きで明るく軽妙な性格だが、考え方に柔軟性がある。好奇心から無鉄砲な行動を取ることがあり、大事になって周囲を消耗させるトラブルメーカー
硬度と靭性が低いことから、身体が脆く腕力も低い上に不器用で、さらに色合いが月人に好まれることから狙われやすい。こうした理由から適当な仕事が見つからないうえ、本人が強く希望する戦闘も出来ず「役立たず」と自他共に認識していた。しかしその正直さを評価され、幅広く物事を記録する博物誌の作成の任を与えられる。シンシャに助力を求めた際にその心中を知り、有意義な仕事を見つけると約束した。ウェントリコススに捕食されて復活したのち、 アドミラビリス族の言語が理解できるようになる。
1回目の欠損と補完
海で月人に襲われ失った両脚の代わりに、アクレアツスの貝殻から提供されたアゲートと外殻を合わせた脚を接合したところ、脆さで力を発揮しきれなかったインクルージョンの能力が解放されて俊足となる。アメシストとトリオを組み、念願の見回りの仕事に就くが、臨戦時に怯懦から動けなくなってしまった。その後悔から、鍛えようと冬眠をせずアンタークチサイトとコンビを組んで冬の仕事を担当する。鉱物の類である流氷の声を聞き取ることができることが判明するが、このことが両腕を失うことにつながってしまう。
2回目の欠損と補完
砕氷作業中に失った両腕の補填として、金と白金の合金を接合するが、直後の動作不全が原因で、眼前で月人にアンタークを奪われてしまう。この件に対する自責の念と後悔により、明るさが陰って冷静な性格となり、表情も変化し他の宝石たちから雰囲気が変わったと評された。そのほか合金接合後に、砕けて見つからなかった部位を髪で補填したことで髪が短くなっている。冬の間に合金の活用による戦闘の経験を積み、ボルツがコンビを組むことを望むほど戦闘力は向上した。また生来の不器用も改善されている。しかしアンタークの幻覚や悪夢を恐れて不眠になるなど、精神面では不安定となる。
大量の合金を取り入れたことから体格も大きくなり、合金の柔軟性によって、両腕以外に身体のどこからでも自由自在に伸縮・変形が可能となる。そのため様々な応用が出来るようになる一方、合金の重みにより俊敏さを失った。また重みを支えるため、合金は全身に網目状に巡らせており、出し入れの際に合金と擦れて少しずつ元の身体は擦り減るようになる。
しろと金剛先生の関係から生じた疑問を解消するために、しろ戦後から直接月人に接触しようと研究・行動していく。次にコンビを組んだゴースト・クォーツが、自分の行動が原因で月人に奪われたことで、自身が律せないほど精神的に危うい状態となる。合金の暴走で自傷自壊しかける事態にも陥ったこともあるが、カンゴームがコンビとなって以降はいくらか落ち着き以前の明るさを取り戻す。
3回目の欠損と補完
作中2度目の冬に入る前の戦闘中に、頭部を失って昏睡状態となる。カンゴームが保管していたラピスラズリの頭部を移植したところ、接合には成功したものの目覚めるまで102年間眠り続けた。 これまでの身体を構成していた5種類の鉱物に、ラピスに含有されていた鉱物6種が加わって、計11種の複雑な構成になっている。さらに少しづつ削れていた分もあって、フォスフォフィライトとしての比率は元の半分をわずかに下回ることになってしまったが、フォスの自我は維持されている。
ラピスのインクルージョンを取り入れたことで、夢の中でラピスから助言を受けることができるようになり、ラピスの持っていた天才性により情報収集・分析能力が向上した。また言動や思考が似てくるなど変化が見られ、他の宝石たちからは心配されることもある。
目覚めた当初髪型はラピスのままのロングヘアだったが、ポニーテールを経て、戦闘中に斬られて以降は戻さずにショートにしている。
4回目の欠損と補完
ラピスの助言とウァリエガツスとの邂逅により示唆を受けたことから、わざと拐われることで月に乗り込み月人と接触する。金剛先生に関する情報を得たのち、月人と宝石の関係や状況を変えるため、金剛先生に対する「宝石たちの裏切り」を提案した。宝石たちの星へ一時帰還する際に、エクメアから監視として状況を伝えるための月の技術による合成真珠を左目に強制的に装着させられる。左目は瞼が閉じず暗闇で光るようになり、また、お白粉が水で落ちなくなるなどの月の技術による処置を受け、服や剣は月産の物を装備するようになる。
シンシャ
声 - 小松未可子
辰砂。硬度2。ダイヤモンドと同じ年の生まれ。体色は赤。
体から銀色の毒液を無尽蔵に出して操る能力を持ち、戦闘能力は非常に高い。また他の宝石たちと異なり、周囲に毒液を浮かばせ採光することで一晩中活動することが出来る。しかし毒液は周囲の大気・土・水・草などを汚染する上、他の宝石に付着すると、その部分が光を通さなくなり、削り捨てる処置をしなければならなくなる。
毒液の放出を完全には制御できない。そのため、学校に自室はあるものの他の宝石に危害を与えないよう距離を置く。日中は海に面した崖の中ほどにある洞穴で過ごし、月人の現れない夜に見回りをするという無益な仕事に就いている。
博識で、フォスの博物誌作成を手伝ってほしいと頼まれたことからフォスと交流を持ち、「月でなら自分の価値を見出してもらえるかもしれない」「月人に拐われるのを待っている」と、自分の存在自体が迷惑であることに心を痛めていることを明らかにする。フォスに完全に心を開いてはいないが、期待しないように自分を律しながらも気になっている。
フォスの初めの月行き計画を直接知らされており、月から帰ってきたフォスに月人からの情報である先生の正体を明かされ、裏切って共に月に行くことを誘われたが、「独りにされる先生が可哀相だ」という理由で断り、その後期限まで幾度ものフォスの説得にも応じなかった。
金剛先生(こんごう せんせい)
声 - 中田譲治
宝石たちを教育し束ねる人物。第65話で自ら宝石に名乗った正式名称は金剛大慈悲晶地蔵菩薩。宝石たちからは「先生」と呼ばれており、剃髪袈裟を着た仏教僧のような姿をしている。宝石たちの頭が自身のみぞおちの高さにくるほど大柄な体格をしている。月人の群れを一撃で退ける攻撃力を持ち、宝石たちを守る。しかし時を問わず起こる強烈な眠気には勝てず、しばしば学校の本堂で眠っている。本人はこれを「瞑想」と称しているが、宝石たちには「昼寝」と認識されている。硬度は不明だが、「昼寝」から彼を起こす際には、殴りつけたジェードですら砕けることがあり、またそれほどのことをしてもなかなか目覚めない。
月人と関係があるような言動をたびたび見せており、フォスに疑問を持たれている。しかしシンシャはフォスに「全員が勘付いている」「暗黙のうちに先生を信じると決めた」と語っている。
月人のエクメアは、人間の作った機械で人工の六方晶ダイヤモンドからなる外装を持つ、強力な破壊装置とフォスに語っており、人間の魂を無と安寧の領域に行くことの出来る状態まで分解するために「祈る」機能を持つが、内部が毀損したため本来の役目を果たそうとしないと判断されている。
ダイヤモンド
声 - 茅野愛衣
ダイヤモンド属。愛称「ダイヤ」。硬度10、靭性2級。シンシャと同じ年生まれ。
男性的ないし中性的な性格や言動が大半の宝石たちの中では、珍しく物腰が柔らかく優しい性格で、女性的な立ち振る舞いや仕草が特徴の宝石。身体は無色であるが、光を反射し7色に輝いている。シンシャには恋愛偏重主義と言われている。見回りのコンビ相手のボルツからは普段「お前」と呼ばれているが、「兄ちゃん」と呼ばれることもある。
硬度は高いがへき開があり割れやすいため、ボルツのように強くなりたいと願っているが、ボルツに対しては愛情と共に嫉妬や羨望や劣等感が強くあることに苦しんでおり、「ボルツのいない所に行きたい」とフォスによる月行き計画に誘われる前から乗る。
ボルツ
声 - 佐倉綾音
カーボナード。ダイヤモンド属。硬度10、靭性特級で黒い色をしている。ダイヤによると「弟」で、当初はダイヤと見回りのコンビを組んでいた。クラゲ集めが趣味。
足先まである黒い長髪が特徴。この髪は自身の硬度を生かし月人の攻撃を防ぐことにも、振り回して切り裂く武器としても使用する。金剛に次いで強く、戦闘狂と評されるが、冷静であり冷酷な部分もある合理的な性格で戦術眼に優れる。多結晶体であるため、同属のダイヤモンドらより遥かに割れにくく強い。
他の宝石たちの戦闘の癖を読み取り、そこからの改善点を見つけることが得意。そこで、学ぶべき点が多いと判断したフォスから、交代で宝石たちがボルツと組むという提案が出された。その結果、戦闘の相性の良いジルコンとコンビを組み直すことになる。
仲間の一部を連れて月に行ったフォスに従うことを先生から勧められた際には、「都合の良い仲間を選び試し欺いたフォスは卑怯で高慢」と断じて提案を拒否し、先生の元に残ることを選択する。
モルガナイト
声 - 田村睦心
緑柱石の一種モルガナイト。愛称は「モルガ」。硬度7半。長髪でピンク系の体色をしている。
口調は粗く、やんちゃ。ゴーシェナイトとコンビを組んで見回りの任に就いている。
フォスが頭部を失い意識不明となった後、ゴーシェナイトと共に月人に捕まってしまう。
2人目のモルガナイト
1人目のモルガナイトが拐われた後に生まれた同種の宝石。1人目に比べ髪が短く、大人しく内気な反対の性格をしている。
ゴーシェナイト
声 - 早見沙織
緑柱石の一種ゴーシェナイト。愛称「ゴーシェ」。硬度7半。無色であるが、薄いグレー系で描かれている。
モルガとコンビを組んで見回りの任に就いている。常に困り眉。落ち着きのある性格。
フォスが頭部を失い意識不明となった後、モルガと共に月人に捕まってしまう。
2人目のゴーシェナイト
1人目のゴーシェナイトが拐われた後に生まれた同種の宝石。1人目と変わらない容姿をしているが、性格は活発でおそれ知らずで人懐こく、フォスを「先輩」と慕い、付いて廻り、誘われていないにも関わらず、勢いでフォスの2度目の月行きに同行する。
ルチル
声 - 内山夕実
金紅石。硬度6。体色は金紅色と金色のツートーンになっている。
医療担当。白衣を着ており、割れたり砕けたりした宝石たちの修復や、耐塩樹脂などの管理・取り扱いをしている。かつてはパパラチアとコンビを組んでおり、彼を治すために医療技術が上達した。
口調は非常に丁寧だが、激怒すると粗っぽい口調になる。隠れナンバーワン美脚と称される。身体を欠損しては前例のない変貌を遂げていくフォスの身を案じるなど、医療には真摯に取り組んでいる。一方で神経質そうに見えて雑な性格をしており、新規の生物や部位を解剖しようとしたり、フォスとラピスの接合の経過がよければ、パパラチアを治すために他の宝石たちの身体を利用することも考えたりとマッドサイエンティスト的な一面もあり、フォスやジェードから「ヤブ」と呼ばれたこともある。
月帰りのフォスから、パパラチア治療の可能性をちらつかされて月行きを逡巡しているうちに、フォスに勝手にパパラチアを月に持ち去られてしまい、激怒のあまりに自壊が入り、そのままの姿で海中を探し回り、金剛に回収されている。
ジェード
声 - 高垣彩陽
翡翠。硬度7。体色は翠で、名前は初期にはジュードと表記されていたが、2巻からジェードに変更された。
朝礼や打ち合わせの議長のほか、金剛への報告を担当している。生真面目で苦労性。別名「堅牢のジェード」と呼ばれ、壊れにくさでは2番目。
ユークレース
声 - 能登麻美子
ユークレース。硬度7半。第8話の時点で2,173年を経ている。体色は左側が灰白色で、右側が青色に分かれているという特徴を持つ。時折この色は逆になったりと移動することもあるが、本人も統計を取ってみたものの理由は分からないままになっている。
書記担当で、見張りの計画作成などを担っている。ジェードと行動をともにしていることが多い。おっとりして落ち着いた佇まいをしているが、聡明で洞察力がある。女性のようなしゃべり方をするが、一人称は「僕」。
月から帰ってきたフォスが何か企んでいることを察し、やんわりと釘を刺したことでフォスがそのとき以降の仲間への月への誘いができなくなっている。フォスが誘いに乗った宝石と月に去ったあと、先生が自分の出自や立場を説明し、残った宝石にも月行きを勧めた際に、「金剛」と宝石で初めて呼び捨てで挨拶し、異種である先生と宝石の新たな関係を構築することを提案する。
レッドベリル
声 - 内田真礼
緑柱石の一種。愛称「ベリル」。硬度7半。赤い体色。
服飾担当で、生地を作成したり宝石たちの制服やパジャマなどを作成したりしている。美意識が高く毎日髪型が違う。
Webラジオによれば[5]、宝石たちは生まれた当初は長さや量、性質によって金剛が髪型を考え、その後は各自に任せていたが、最近は彼による調整が入っている。
アメシスト
声 - 伊藤かな恵
紫水晶。硬度7。
見回り担当で剣の凄腕。双晶であり、2人で1つという存在。向かって左側の目が隠れているのが「エイティ・フォー」、向かって右側の目が隠れているのが「サーティー・スリー」。時折本人たちもどちらか分からなくなり、また互いに入れ替わったりもしている。新しい脚を得たフォスと一時的にコンビを組むことになる。お互いが素手で触れあっても双晶なので割れないが、その音は周りにはストレスとなる。
ベニトアイト
声 - 小澤亜李
ベニト石。愛称「ベニト」。硬度6半。体色は青。
常識人。自分は「すごくふつう」であると思っているため、月人や相方のネプチュナイトのような変なものに憧れを抱いている。自室はシンシャの隣。
皆で夜やるカードゲームも好きだが弱い。一人で喋っていて重症のノイローゼと皆から思われたフォスに、「夜にみんなと一緒にトランプをしよう」と誘うなど優しい一面もある。
「ふつうでないこと」に惹かれて、フォスの月行き計画にのる。
ネプチュナイト
声 - 種﨑敦美
海王石。愛称「ネプちー」。硬度5半。体色は暗色で、髪は細くて長い三つ編みにしている。
辛口な性格の変わり者。ベニトと組んで見廻りをしている。
ジルコン
声 - 茜屋日海夏
ジルコン。硬度7半。
フォスに次いで若いが優秀で、年下のフォスにも敬語を使う真面目な性格。物語開始時はイエローダイヤモンドと組んでいたが、後にフォスの提案で交代で宝石たちがボルツと組むという企画の際に、イエローダイヤモンドのことを大事に思うあまり全力を出し切れていないと見抜かれる。以降はイエローの勧めもあってボルツと組むようになる。
オブシディアン
声 - 広橋涼
黒曜石。硬度5。体色は黒。
武器製作担当。業務のわりにノリが軽い。
イエローダイヤモンド
声 - 皆川純子
ダイヤモンド属。硬度10。作中で現存の宝石達の中では最年長の3597歳で「おにいさま」と呼ばれている。俊足。面倒見がよく、大らかな性格。
物語開始時はジルコンとコンビを組んでいたがボルツとの方が相性がいいことを知り、そちらとコンビを組むよう先生に勧める。以降はダイヤと組むようになった。
長年生きてきた中で、戦う理由や自分の趣味などを忘れていると自嘲することがある。また、かつて組んでいた相手であるグリーンダイヤモンド・ルビーサファイアピンクトパーズの全てが月に連れていかれていることを気にしている。
月に連れ去られた仲間に謝りたいという理由でフォスの2度目の月行きに同行するが、月でフォスから先生の正体と月に拉致された宝石たちが粉にされたと知らされると自壊しはじめてしまう。
アレキサンドライト
声 - 釘宮理恵
紫翠玉。硬度8半。
女性的なしゃべり方をする。「アレキ」または「アレキさん」と他の宝石たちからは呼ばれるが、本人は「アレキちゃん」と呼ばれたがっている。
月人をまともに見ることができないという特殊な体質を持っている。通常は青系統の色をしているが、月人をみると半分の確率で色が赤くなって戦いで暴走し、ときにはそのまま気絶することもある。
この体質を克服するため、月人の絵を描くなどの研究をしている内に、出現した月人の情報をまとめる仕事に就くようになった。それを利用して、自分の手になるオリジナルの資料を混ぜこむなどの行為もみられる。こうした振る舞いから月人研究マニアとも呼ばれている。
また相棒であったクリソベリル をフォスが生まれる少し前の300年以上前に連れ去られており、月人を研究するのはこの憎しみを失わないためでもある。
フォスの2度目の月行きに同行するが、イエローと同じく月で粉にされた宝石の砂漠を目にして自壊しはじめる。
ペリドット
声 - 桑島法子
硬度6半。
紙製作担当。スフェンとコンビを組む。知的でクールな性格。
かつては月に連れ去られたブルーゾイサイトと組んでいた。
月帰りのフォスの月行き計画に興味を示していたが待ち合わせ場所には行かず、何人もの宝石がフォスと共に月に行ったと知った時には若干自壊が入るが、金剛による正体の説明を受けたユークの提案の後は「ブルーゾならユークが正しいと言う」として先生の元に残ることを決める。
スフェン
声 - 生天目仁美
チタン石。硬度5。
工芸意匠担当。ド派手にきらめいているが、コツコツした地味な作業が好き。ペリドットとコンビを組む。
かつてはブルーゾイサイトと共に月に連れ去られたトパーズと組んでいた。
月帰りのフォスには月行き計画メンバーに数えられていたが付いていくことはせず、フォスと仲間の月行き後の金剛による正体明かしとユークの提案の後は、ペリトッドと同じく「トパーズもそう言うと思う」として先生の元に残ることにする。
ウォーターメロントルマリン
声 - 原田彩楓
硬度7半。愛称は「メロン」。体色のほとんどはペールグリーンだが、見えている部分では髪の頭頂がピンク色をしている。
ヘミモルとコンビを組む。マイペースでおっとりだが、驚いたり怒ったりなどのストレスがかかると帯電する。これを利用し特殊な攻撃ができる。
ヘミモルファイト
声 - 上田麗奈
異極鉱。硬度5。愛称は「ヘミモル」。
ウォーターメロントルマリンとコンビを組む。若手のホープで、どの先輩を目指すか検討中。
アンタークチサイト
声 - 伊瀬茉莉也
南極石。愛称「アンターク」。硬度3。体色は無色だが、白やグレー系で描かれている。
通常は完全な液体だが、気温が下がると結晶して人型になる。フォスより硬度が低いが、寒くなるほど強くなる。金剛を強く慕っている。
冬以外の季節は眠って過ごし、冬になると目覚めて他の宝石たちの冬眠の間、金剛と二人で共に月人の迎撃と流氷砕破の仕事をする。そのため団体行動は苦手。剣と同じ材質で、氷削の仕事道具として扱っているノコギリは月人撃退の武器として使う。黒い手袋とヒールのある雨靴のようなブーティーを着用。
フォスとともに流氷砕波の仕事を行っていた際、海に落ちて両腕を紛失したフォスのために、新たな腕の素材として合金を見つけ、仮止めしたところで月人に襲われる。身体の各部を破損しながらも一人で新型を撃退するが、フォスを助けようとした隙を、再び現れた月人につかれ、砕かれる。かろうじてフォスが取り戻した右足の足首からつま先の部分だけを残し、連れ去られてしまった。
パパラチア
声 - 朴璐美
パパラチアサファイア。硬度9。靭性準一級。体色はオレンジレッド。
イエローダイヤモンドと同じくらいの年齢。ボルツの次に強かったが、生まれつき体にたくさんの穴が開いており、適合している鉱物素材をあてはめなければ活動できない。共に闘っていたルチルが、様々な鉱物素材で穴を埋める改造し支えていた。しかし年々適合率が下がり、目覚める確率や活動時間が短くなっている。物語開始時には活動不能になっており、医務室に安置されていた。毎日ルチルが彼を目覚めさせようと鉱物素材の組み合わせを試していたが、冬の間にフォスが見つけたルビーをはめたことで、約232年ぶりに目覚める。制服の白シャツはボタン が左前で、女性向けの仕様になっている。
フォスに真実を知りたいと相談を受けた際、パパラチア本人はルチルに楽をさせてやりたいため、実は自分の施術を諦めてほしいと願っている事を例に挙げた。その上で、「清く正しい本当が辺り一面を傷つけ、全く予想外に変貌させてしまう」可能性があるため、冷静に慎重に行動するようにと助言を与えたのち、再び眠りについている。
フォスの仲間を連れた月への逃避行に際に、ルチルに無断でフォスに月に持ち出され、月に着いてすぐにエクメアの施術によって人工宝石で穴を埋められて覚醒・復活する。
ゴースト・クォーツ
ファントムクォーツ。硬度7。
図書室管理兼長期療養所担当。不思議な雰囲気を漂わせており、存在感を消していきなり背後から話しかけてくることがある。体が多層になっており、カンゴームについて「中にもう一人いる」と語っていた。月人を調べることを決意したフォスにラピスに似た部分を感じ、コンビを組むことを申し出た。月人との戦闘中に捕まりかけたフォスを助けようと立ち向かった結果、矢で左腕を砕かれた上、髪以外の体の表層部分がすべて剥がれ落ちてしまった。フォスの救出は成ったものの月に連れ去られる。
武器は他の宝石たちが通常の武器として使っている刀身の黒い刀剣とは違い、アンタークチサイトの氷削兼武器用ノコギリや刀の同じ色と性質を持つ大鎌。
カンゴーム
ゴースト・クォーツの「中の子」。黒水晶。ゴーストと比べると言動は粗暴だが、同様に面倒見のいい性格。ゴーストが月人と戦った際に髪の毛の一部以外の表層が剥げ落ち、月へ連れ去られたことによって現れている。またそのために他の宝石たちに比べ一回り小柄。雰囲気や外観がアンタークに似ていた事から、精神的に追い詰められていたフォスが混同し、さらには一時暴走し自壊しかける事態にもなった。その後は落ち着きを取り戻したフォスの提案で、金剛から名前を付けられ、フォスと組むことになる。
カンゴーム自身は黒色だが、髪の毛だけは白色である。ゴーストを連れ去られた戦闘の際に左腕を失い、代わりにスモーキークォーツ(煙水晶)をつないだ直後は、光の吸収率をあげて馴染ませるために白粉を肌に塗っていなかったが、冬の担当になった時から白粉を塗るようになる。
ヘリオドール
声 - M・A・O
緑柱石の一種ヘリオドール。
物語開始前に月人に捕らえられた。戦闘時に一部を取り戻すことができたかに思われたが、実はそれは月人の作った合成宝石であり、本当のヘリオドールの体ではなかった。
ラピスラズリ
愛称「ラピス」。硬度5。体色は青を基本に、含有されている鉱物がところどころに粒状にきらめている。
ゴーストと以前コンビを組んでいた宝石。ゴースト以前に図書室を管理しており、ゴーストの「中の子」であるカンゴームも彼の言うことだけは聞いていた。髪をかき上げるように触る癖がある。カンゴームからは知的で慎重な性格だったとされ、彼を知る宝石たちからも同じ印象を持たれていた。
一方で、カンゴームに「100年たってもばれない嘘」を平気で吐くような奴だったとも言われる。またユークレースには、優しいが他のためを考えるより、自分の知的好奇心の充足を優先させるような不安なところがあったと評されている。
現在は頭部だけを残して月に連れ去られている。彼の頭部はゴーストによって保管されていたが、後にフォスが頭を失った際に新たな頭部としてフォスの体に接合される。フォスが102年ぶりに目を覚ました夜に夢に現れ、情報を整理した上で助言し、自身の思考力・情報分析力を分け与えている。

月人[編集]

エクメア
月人の指導者的立場の容姿端麗な青年。月人に「王子」と慕われているが、王族というわけではなく特別な個体に対する尊称として呼ばれている。
金剛の祈りを得るため、宝石の拉致をはじめ様々な方策を弄してきた張本人。だが、効果が見られず手詰まりに陥っていたため、フォスが発案した金剛に対する宝石の裏切り計画に賛同し、金剛のもとへ送り戻す。その際、監視のためフォスの左目をえぐり出し、合成真珠眼球に強制的に付け替えている。
フォスはその性格を「狡猾残酷」と評しているが、繊細な一面もあり、他の月人によると、失敗続きの自分を卑下し、たびたび落ち込んでいる。
セミ
月でのフォスの監視兼世話係。エクメアからは「将軍」とも呼ばれている。他の月人より体格がよく、おっとりとした性格をしており、フォスを慕っている。世話役としてはあまり優秀ではないが力は強く、宝石たちの星では仁王の様な姿となり、若年の宝石4人をあしらい、ボルツとも互角に戦っている。

月人が送り込んだもの[編集]

しろ
二重の黒点から出現した異形の者。月人と違い、筋肉質の肉体と3対の目に6腕、毛の生えた尾を持つ。「学校」に入り込み、宝石たちに切られるたびに分裂し、最終的に子犬のような姿になる。子犬状の分裂体を一か所に集めると、また元の姿に戻る性質を持つ。金剛を慕っているかのようなそぶりを見せ、金剛の傍らで最後の分裂体が元に戻った際に消え失せ、その様を「満足したらしい」と金剛が言い表したことなどが、フォスに月人と金剛の関係性に疑念を抱かせるきっかけとなる。
子犬状になると攻撃力も無く、宝石たちからは可愛らしい外見やふわふわな感触が好評で、後にレッドベリルによりぬいぐるみのようなレプリカが多数作られ、100年以上の年月が経っても宝石たちに愛玩されている。
その正体は金剛の飼っていた犬の魂を月人が再生した変容体。
分子構造パズルゲーム
二重の黒点から出現した異形の群。ゲームの駒のような丸・三角・四角などの小さな板状の体に目と手足がついた姿をしている。小さな黒雲状の黒点から、トパーズやブルーゾイサイト等、月人に連れ去られていた宝石の結晶に擬態した姿で現れ、宝石が近づくと破裂すると同時に中から飛び出す。破裂の威力はフォスの合金の盾を破る程で、破裂によって破損した宝石の体の一部を持って、小さな黒雲を足場として跳びながら逃げていく。集団で飛びかかり宝石の体を破断面から直接剥ぎ取りもする。
後続で現れた月人により追加で大量に投下され一斉に破裂し、月人の攻撃と合わせてフォスら4人の宝石を砕き連れ去ろうとする。しかし駆け付けたボルツらによって倒され、集められたあとに、金剛先生の手元で消滅する。
その正体は金剛の愛用していたゲームの変容体。
博士
三重の黒点から出現した人型。白衣のようなものを着ており、顔にあたる部分はひしゃげているような状態で顔面を構成していない。立ち上がって以降は動かず、立っているだけで宝石たちを全く攻撃してこない。金剛はこの者の姿を目にした時動揺したような様子を見せ「博士」と呼び、「偽物」と断じたのちに自身では攻撃できないとしてフォスに斬らせたために消滅する。
エクメアによると、金剛を作った人間の雌の再現を目指した月人の手による不完全な模造体。

アドミラビリス族[編集]

ウェントリコスス
声 - 斎藤千和
アドミラビリス族の王。当初は桃橙色の巨大なカタツムリのような姿をしており、その身体は宝石たちやその武器を溶かし、また傷つけられても再生する能力がある。
月人によって学校に落とされ、フォスを飲み込み溶かして取り込み殻と融合させてしまう。ボルツとダイヤに殻を壊されて中身を出され、学校の海水の池に落とされたことで縮んでウミウシのような姿になる。殻から分離され復活したフォスとのみ会話ができるようになり、金剛に「貝の王」として歓迎されたことでフォスが接待することになる。
海中の故郷付近で人型に戻った際には、上半身は人間で下半身は複数の触手というドレスを着た女性のような姿をとっている。自分では「セクシィ」だと思っているが、フォスには「似ている姿だけど宝石より下品」と評されている。宝石たちに対しては「可愛い子ちゃんばかり」とはしゃぎ、金剛を「いい男」、シンシャやボルツのようなツンとした子が好みと語っている。
アドミラビリス族に伝わる「伝説」として、かつての「にんげん」が、魂である月人・肉であるアドミラビリス族・骨である宝石の3つに分かれたとされていると語る。月人は肉と骨を取り戻して「にんげん」に戻ろうとしているのではないか、という推論をフォスに示す。
弟であるアクレアツスと引き換えに、宝石を月人に渡す命を受けており、フォスを海中へ招き寄せる。しかしアクレアツスが月人を撃退したことで、フォスを渡さずに済む結果となる。事情を知ったフォスが「王を許す」としただけでなく、同族のために苦心し行動したウェントリコススを賞賛までしたこともあって改心した。他の仲間を取り返すために更にフォスを使おうとしたアクレアツスを「変わらなければ月人と同じになってしまう」と制し、フォスを陸に戻す。フォスがラピスラズリの頭を結合した後に目覚めた102年後ではすでに死亡しており、子孫であるウァリエガツスが、ウェントリコススはフォスを騙したことを生涯に渡り悔いていた、と伝えている。
アクレアツス
声 - 三瓶由布子
ウェントリコススの弟。同じく月人に飼われており、宝石と引き換えにウェントリコススの元へ戻されるという取引の材料になっていた。人型になると下半身にある2本の脚のような部位で歩行し、肩から背にかけて複数の細長い伸縮する触手を持つ。ウェントリコススに「食うと戦うしか能がない」と言われている通り戦闘力は高く、引き渡し時に意志と思考を取り戻し、触手を自在に操って戦い月人の撃退に成功する。
殻持ち状の形態の際は黒いメンダコのような姿をしており、フォスは「かわいい」と評している。殻の部分はホネガイのように鋭く尖った突起が多数ある貝の形をしており、両足を失ったフォスに自身の殻からアゲートの詰まった2本の棘を与える。
ウァリエガツス
ウェントリコススから数えて5代目のアドミラビリス族の王。人型になった際には小柄な子供のような姿になる。殻をなくしたウミウシの姿で新モルガと新ゴーシェに捕獲され、その後学校の池の傍でアドミラビリス族と会話のできるフォスと対面する。歴代の王の中で一番臆病らしく、勇気を試すために地上に上がってきたという。フォスのことは同族の中で「祖先を月人から解放した伝説」となっているため知っていたが、名前は累代を経て「ポスポピペロペロ」と誤って伝えられている。フォスがウェントリコススから聞いた直後に身体の欠損により失っていた記憶である「にんげんと宝石・月人・アドミラビリス族」の関係の言い伝えを改めて伝え直し、宿願を語ったことで、フォスの進む道に重要な示唆を与えることになる。

用語[編集]

宝石
人型をした宝石生命体のような存在。物語開始時で28人いる。それぞれ宝石としての種類が違うため、身体の硬度靭性や体色が違う。本来は一個体の髪も肌に当たる部分も中も同色で成り立っている。人称代名詞に「僕」「俺」「私」「彼」「兄」「弟」などを使用し、口調もそれぞれ女性語男性語の別があるが、性別はなく生殖しない。作者は上半身は少年・下半身は少女をイメージして描いていると語っている[3]。作中では個人名ではなく、身体を構成している宝石名で呼び合う。
体内に微小生物がインクルージョンとして内在されており、割れたり砕けたりしても破片が揃えばインクルージョンの働きで元に戻ることができるが、身体部位を欠損するとその部位に存在していたインクルージョンが保持していた記憶を失う。欠損した場合はインクルージョンを内在していない元の身体に近い構成の鉱物によって補うことも可能だが、接合が上手くいくかどうかはインクルージョンが補った部位にうまく馴染むかによる。砂粒程度に細かくなっても相応量が集まれば接合可能で、人型で復活できるため、死の概念がなく非常に長寿。年齢が明らかになっている者で最年長は3600歳ほど、最年少でも300歳であったが、作中で新たに生まれた者が70歳時に登場している。海で朽ちた古代生物としての「人間」が微小生物によって食われ分解されていく中で無機物となり、万年億年単位で地中をさまよったあげくに堆積したとされる「緒の浜」から生まれるが、人型生命体として生まれてくることは珍しく、大方は人型になり損なって宝石や貴金属や鉱物の塊や細片となる。生まれてから身体的な成長がある。
金剛先生のもと「学校」と呼ぶ建物で暮らし、戦闘・見張り・医療・工芸などの仕事をひとつかふたつ担当しながら生活している。学校となっている建物は、金剛先生が2番目に出会った宝石のフローライトの硬度が低かったため、砂塵から守る必要から巨大な石英をくり抜いて建てられた[6]。服装は、服飾担当の宝石が縫製した制服を揃って着ている。基本は白い半袖シャツ、黒いタイ、半ズボンの組み合わせだが、ボトムは吊りズボンや胸下切り替えやオールインワンなどシーズンごとに多少デザインの違っており、生息域が氷と雪に覆われる冬になると活動中の者は月人の目に止まらないように白バージョンの制服を着るようになっている。靴は、黒のローファーパンプスハイヒールなど各人で違ったものを履いている。素肌で触れ合うと硬度の低い方や割れやすい方が欠けることもあるため、黒か白かグレーのストッキングオペラ・グローブを身に着けている者もいる。皆それぞれに美しい容貌をしているが、これは生まれてくると金剛が削って整えているためである。
春から秋に外の見回り組と戦闘組の武器は武器担当の宝石が製作した黒い刀剣を扱い、冬に活動する者は、流氷割りの仕事に対応するため武器に黒いノコギリを扱う。
栄養摂取するための経口による食事はせず、インクルージョンが光を栄養とするとしているために「光を食べる」「光が美味しい」といった言い回しをすることがある。夜は活動が鈍るため眠り、雪が降り続け晴れる日の少ない冬の間は一部を除いて冬眠するというように、睡眠休息を必要とする。海中・水中や大気濃度の違うでも活動できるが、活動過多による疲労は生じている。
身体が割れたり砕けたりすると、医療として「」を塗って繋いで修復する。肌の部分にはオシロイバナの実から作るお白粉を塗っているが、これは金剛先生が初めに出会った宝石である レッドダイヤモンド英語版が先生と同じ肌色であることを望んだためで[6]、海や池に入る場合は白粉が落ちないように、耐塩樹脂を塗る。身体が砕けたり活動休止状態になることはあっても不死のため諦めが悪い性質であり、貴重なや木製のなどをはじめ物を大切にする傾向がある。夜間の灯りなどは飼育した発光するクラゲから得ており、作中で宝石が「火」を使用している場面はない。
宝石たちは「人間」については、その名称を含め直接的な情報は教えられていないが、自分たちの元になった古代生物としておぼろげな認識を持っている。宝石の伝承と良く似た内容のアドミラビリス族の伝説では6度の流星襲来により滅んだ人間から「魂と肉と骨」とに別れて変化したうちの「骨」にあたるとされており、自らを「肉」の種族とするアクレアツスからは「骨の者」と呼ばれている。
月人(つきじん)
月から群で襲来し、宝石たちを狩る敵。月人の住む月は、大昔の流星によって宝石たちの星から欠けたものから成っている。中央部にいる仏像のような姿をした月人が器を持ち、それを取り囲むように「雑」と呼ばれる宝石たちと同じ体格の月人が、弓矢刺又のようなもので攻撃してくる。通常は中央の月人を破壊すると霧散するが、中に宝石を用いた武器を持つ「新式」は霧散せずそのまま攻撃してくる。
予兆として「黒点」とよばれる空に黒い影が現れるため、昼間は宝石たちが分担して巡回を行っている。襲撃は晴天の日中3日につき一回が平均で、夜や雨の日は現れないとされている。晴天の少ない冬も回数が極端に減る。ウェントリコススは「天敵もいないのに争いを好む」としている。
金剛は、宝石を捕らえようとするのは装飾品にするためとしており、一方、ウェントリコススの語った伝説では「人間」から別れたうちの「魂」にあたり、「にんげん」に戻るため「肉」であるアドミラビリス族、「骨」である宝石を手に入れようとしているとの推測がされていた。
正体は「人間の魂」の変容体で、月人であるエクメアによれば、人として死亡したのちに「祈り」によって魂の分解がなされていないので、作中の月に留まっている。再生可能の不死だが、宝石と違い食事や排泄といった生命維持活動があり、人間のような営みを無為に長く続け繰り返していることを苦痛に思っている。そのため自分たちを分解し、無と安寧の領域に向かわせることの出来る金剛の祈りを希求しているが、あらゆる手段を用いても金剛が月人のために祈ろうとはしないので、金剛を動かすための方策のひとつとして、金剛が大切に思っている宝石たちをさらっているとしている。月に連れてきた宝石たちは、大抵は自壊するか異常をきたして活動停止してしまったため、金剛に見せつけるために砕いて粉にして光る砂として地にならして月を飾り立てている。
宝石の星では、大気が苦手で息を止めているため言葉を発しないが、月では呼吸し通常に会話する。機械文明をもたない宝石の国と違い、月世界では高度な技術や文明が発達していて、内部から特殊な金属と鉱油が吹き出てくるという特異な環境を利用した広大な都市的建造物もあり、未完成ながら人間の再合成を試みており、合成宝石を製造し、アドミラビリス族らを飼育している。
アドミラビリス族
宝石と同じく古代動物である人間を祖先とする「魂と骨と肉」の種族のなかの「肉」と伝えられている生物で、海に棲む。本来は人型だが、初登場時にはウミウシナメクジメンダコのような軟体生物が、殻を背負ったカタツムリのような形状であらわれ、故郷の海では人型になれるとしている。不死である宝石や月人と違い、性別があり生殖し死んで次へと代を累ね知識を繋いでいくという種族で、フォスが関わったウェントリコススとアクレアツスは、子孫にあたるウァリエガツスとフォスが出会った100年後には死んでおり、既に5世代を経ていた。
作中では元々は宝石たちのいる陸の近海で暮らしていたが、月人に種族ごと根こそぎ狩られて月に連れ去られ、月で月人により「甘い水」と「甘い砂」で養殖され、思考を奪われ、飼われている間に巨大化するという境遇になっているが、ウェントリコススとアクレアツス姉弟が、月人の謀った宝石襲撃の策略中に逃亡することに成功し、元の海で細々ながらも子孫が繁殖している。

書誌情報[編集]

重版では一部のセリフが修正されている。

テレビアニメ[編集]

2017年10月より12月までMBSTOKYO MXほかにて3Dアニメとして放送された[4][18]。アニメーション制作として携わるオレンジの初の単独元請け作品となる。

スタッフ[編集]

  • 原作 - 市川春子(講談社『アフタヌーン』連載)
  • 監督 - 京極尚彦
  • シリーズ構成 - 大野敏哉
  • キャラクターデザイン - 西田亜沙子
  • CGチーフディレクター - 井野元英二
  • コンセプトアート - 西川洋一
  • 美術監督・美術設定 - 赤木寿子
  • 美術監督 - 金子雄司(第六・十話) 、安藤愛莉(第十一話)
  • 色彩設計 - 三笠修
  • 撮影監督 - 藤田賢治
  • 編集 - 今井大介
  • 音響監督 - 長崎行男
  • 音楽 - 藤澤慶昌
  • 音楽プロデューサー - 三上政高
  • 音楽制作 - 東宝
  • プロデューサー - 山崎慶彦、藤野麻耶、清水美佳、馬場楊子、亀井博司、多田祐一、上治知世、吉田健人、金子広孝
  • プロデュース - 武井克弘
  • 制作プロデューサー - 和氣澄賢
  • 制作 - オレンジ
  • 製作 - 「宝石の国」製作委員会

※スタッフは各回クレジット及び番組公式HPより。

主題歌[編集]

オープニングテーマ「鏡面の波」(第1話 - 第11話)
作詞・作曲・編曲 - 照井順政 / 歌 - YURiKA
第1話ではエンディングテーマ位置で使用。
エンディングテーマ
「煌めく浜辺」(第2話 - 第7話、第9話 - 第11話)
作詞・作曲・編曲 - 鈴木慶一 / 歌 - 大原ゆい子
「liquescimus」(第8話)
作詞・作曲・編曲 - 志娥慶香 / 歌 - フォスフォフィライト(CV.黒沢ともよ
「鏡面の波[Orchestra Ver.]」(第12話)
作詞 - 照井順政 / 作曲 - 照井順政、藤澤慶昌 / 編曲 - 藤澤慶昌 / 歌 - YURiKA

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 CGディレクター 原作話
第一話 フォスフォフィライト 大野敏哉 京極尚彦 茂木邦夫 第1話 - 第2話
第二話 ダイヤモンド 第3話 - 第4話
第三話 メタモルフォス ふでやすかずゆき 武藤健司 越田祐史 第4話 - 第6話
第四話 魂・肉・骨 タムラコータロー 松見真一 都田崇之 第7話 - 第9話
第五話 帰還 京極尚彦 茂木邦夫 第10話 - 第11話
第六話 初陣 大野敏哉 武藤健司 越田祐史 第12話 - 第14話
第七話 冬眠 井上美緒 武藤健司 松見真一 都田崇之 第15話 - 第16話  
第八話 アンタークチサイト 京極尚彦 茂木邦夫 第17話 - 第19話  
第九話 ふでやすかずゆき タムラコータロー 松見真一 都田崇之 第20話 - 第22話
第十話 しろ 武藤健司 越田祐史 第22話 - 第25話 
第十一話 秘密 タムラコータロー 久野遥子 都田崇之 第26話 - 第29話
第十二話 新しい仕事 京極尚彦 茂木邦夫 第29話 - 第31話、第36話 

放送局[編集]

本放送終了後の2017年12月30日BS11で第8話のコメンタリー付き再放送が行われた。コメンタリーの出演は和氣澄賢(制作プロデューサー)、山本健介(VFXアートディレクター)および茂木邦夫(CGシステムディレクター )。

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [19] 備考
2017年10月7日 - 12月23日 土曜 21:30 - 22:00 AT-X 日本全域 製作参加。CS放送 / リピート放送あり
土曜 22:00 - 22:30 TOKYO MX 東京都
土曜 23:00 - 23:30 BS11 日本全域 製作参加。BS放送 / 『ANIME+』枠
2017年10月8日 - 12月24日 日曜 2:38 - 3:08(土曜深夜) 毎日放送 近畿広域圏 製作参加。字幕放送 / 『アニメシャワー』第2部
日本国内 インターネット / 放送期間および放送時間
配信期間 配信時間 配信サイト
2017年10月8日 - 12月24日 日曜 12:00 更新
2017年10月11日 - 12月27日 水曜 0:00 更新

BD / DVD[編集]

発売日[20] 収録話 規格品番
BD DVD
1 2017年12月20日 第1話 - 第2話 TBR-27351D TDV-27357D
2 2018年1月17日 第3話 - 第4話 TBR-27352D TDV-27358D
3 2018年2月14日 第5話 - 第6話 TBR-27353D TDV-27359D
4 2018年3月14日予定 第7話 - 第8話 TBR-27354D TDV-27360D
5 2018年4月11日予定 第9話 - 第10話 TBR-27355D TDV-27361D
6 2018年5月16日予定 第11話 - 第12話 TBR-27356D TDV-27362D

Webラジオ[編集]

宝石の国ラジオ 〜金剛先生がお呼びです!〜』は、2017年10月6日から12月29日まで音泉にて隔週金曜に配信されていた番組[21]。パーソナリティは金剛先生役の中田譲治

毎日放送 アニメシャワー 第2部
前番組 番組名 次番組
宝石の国
BS11 ANIME+ 土曜23:00枠
宝石の国
BanG Dream!(再放送)

出典[編集]

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  1. ^ 講談社 モアイ「お待たせしました! 話題騒然の市川春子『宝石の国』①巻発売記念フルアニメーションPV、ただいまより緊急公開スタート!!」
  2. ^ 講談社 モアイ【急告】 市川春子初連載作『宝石の国』待望の①巻発売を記念し、作者全面協力のフルアニメーションPVがまもなく公開予定! 場面写真や絵コンテ、設定画を先行公開!!
  3. ^ a b 【インタビュー】上は少年、下は少女。性別のない宝石たちは「色っぽい」! 『宝石の国』市川春子【前編】
  4. ^ a b “市川春子「宝石の国」を京極尚彦監督が3Dアニメ化!10月よりテレビ放送開始”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年5月19日). http://natalie.mu/comic/news/233197 2017年5月19日閲覧。 
  5. ^ TOHO animation チャンネル (2017年11月3日). 「宝石の国ラジオ〜金剛先生がお呼びです!〜」第3回. YouTube.. https://www.youtube.com/watch?v=5lo_1KRPLkk&t=1866s 
  6. ^ a b 第64話。
  7. ^ 『宝石の国(1)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  8. ^ 『宝石の国(2)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  9. ^ 『宝石の国(3)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  10. ^ 『宝石の国(4)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  11. ^ 『カードゲーム付き 宝石の国(4)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  12. ^ 『宝石の国(5)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  13. ^ 『宝石の国(6)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  14. ^ 『エコバッグ付き 宝石の国(6)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  15. ^ 『宝石の国(7)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  16. ^ 『ILLUSTRATION BOOK付き 宝石の国(7)特装版』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年5月23日閲覧。
  17. ^ 『宝石の国(8)』(市川春子)|講談社コミックプラス”. 講談社. 2017年11月22日閲覧。
  18. ^ TVアニメ『宝石の国』黒沢ともよさん・小松未可子さん・茅野愛衣さんら声優18名が解禁!10月7日よりTOKYO MXほかで放送開始”. アニメイトタイムズ (2017年8月23日). 2017年8月23日閲覧。
  19. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2018年2月17日閲覧。 基幹放送普及計画”. 郵政省告示第六百六十号 (1988年10月1日). 2018年2月17日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2018年2月17日閲覧。
  20. ^ Blu-ray・DVD”. TVアニメ『宝石の国』公式サイト. 2017年10月7日閲覧。
  21. ^ 宝石の国ラジオ 〜金剛先生がお呼びです!〜”. 音泉. 2017年9月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]