ストッキング

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ガータータイプのストッキング
パンティーストッキング

ストッキング英語: stocking)は、

  • (現代の主な意味) 女性用の衣類で、通常は半透明のナイロン製またはシルク製で、足にぴったりとフィットし、サスペンダーまたは大腿上部の伸縮性のある部分で支えられるもの[1]
  • Christmas stockingの短縮[1]。つまり子供がクリスマスプレゼントをサンタクロースに入れてもらうために準備する長靴下、の省略気味の呼び方。
  • (古風な米国英語)男性用の長い靴下[1]。最近はこの意味では滅多に使われないが、スポーツでスパイクシューズの下に着用する靴下などを指した。最近は男性用は、妙な誤解をされないように基本的にlong socksなどと呼び分ける。

ストッキングの利点は下記のようなこと。

  • 伸縮性の編地がひきしめてくれることによる脚線美
  • 脚の冷えの予防、防寒。

欠点は下記のようなこと。

  • 繊細な繊維でできているので「引っかけ」に弱く、破れやすい。
  • 吸湿性に欠ける素材ゆえに靴で蒸れやすい。ただし最近は夏でも蒸れにくく、夏に着用しても涼しく過ごせるよう、繊維に体温と反応して吸熱させる特殊な液体を染みこませ、冷却感を維持できるように工夫された製品も開発されている。
起きがちな、ストッキングの「破れ」の一例

種類[編集]

黒のガーターベルトとストッキング
ガーターストッキング / ノン‐ガーターストッキング
ガーターストッキングとは、ずり落ち防止のため、ガーターベルトを腰に着用しそこから下方に伸びたサスペンダーでストッキング上端を留めるもの。ストッキング部分の外観はニーソックスに準ずる。ガーターストッキングは取り扱いが不便なので、シームレスのパンティストッキングが普及して以降はあまり使われておらず、現在では主にコスプレ用や、男性客を相手にした「夜の街」の従業員の業務用など。
後に、ずり落ちの少ないシームレスのパンティーストッキングが普及したことで「ガーターベルトは面倒」と、そのかわりにストッキングは一旦は廃れたが、ストッキングの上端部分のゴム編み部分を強化し簡単に着用できるノン‐ガーターストッキングが出回るようになってからは、「ガーターベルトは不便だが、パンストは好まない」という人に好まれ、販売されている。
ショートストッキング
外観はハイソックスに準ずる。また、広義ではガーターストッキング・ノン‐ガーターストッキングもこれに含める場合がある。
エアーストッキング
スプレーで塗布する脚用化粧料のファンデーション
医療用ストッキング
脚部のむくみの初期治療、静脈瘤の管理、静脈血栓塞栓症の予防などの目的で、特に圧力・伸縮性を強めた弾性を持ったストッキングが販売されている。
在宅で、あるいは医師の指導のもとで使用する。その他、特に身体拘束を要する重症患者のリスク管理の目的に使われることもある。
和装ストッキング
和装の際、和服の裾がまくれ上がっても足袋上部の脚部が露出するのを防止する目的で着用する。
パンティストッキング
パンティストッキング(略称「パンスト」)は、パンティー部分とストッキング部分を一体にした形状のナイロン製靴下。文脈によってはストッキングとパンティストッキングは対比的に別物として扱われることもある。別の文脈ではストッキング類の下位分類としてパンティーストッキングが扱われることもある。タイツとほぼ同じ外観でガーターベルトが不要なこと、ずり落ちない優れた伸縮性から現在は「ストッキング製品類」の販売のほとんどを占めている。なお、補正用のインナーとしてズボン・スパッツ状(足の腿から下の部分がない)のものもある。

歴史[編集]

男性用ストッキング(1750年ころ)

古代ローマ時代に「udo」と呼ばれる靴下があり、それが戦士の長ブーツに合わせ、長くなり、やがてストッキングになったとされる。当時「ブーツを履かずにストッキング姿の男は、女みたいだ」と言われたことから、すでに婦人ストッキングも存在していたとされる[2]

ナイロン製ストッキングは1937年にウォーレス・カロザースによって発明され、1940年に発売された。極細のナイロンモノフィラメント繊維で生産され、爆発的に世界中に普及した。当時は筒状に編み立てる技術がなく、縫い目かがり(シーム)のある靴下として発売された。後年に開発される縫い目かがりのないストッキングを、「シームレスストッキング」という。ナイロンとポリウレタン糸で編まれたストッキングは画期的な新製品とされ、日本に上陸したのは1952年。当時は何も脚に着用していないように見えるのが好まれず、国内ではあまり売れなかったが、後年には足首部分で編地がたるみにくいシームレスの良さが徐々に広まり、普及した。 2000年代に入ってからはカジュアルファッションの流れから素足の「生足ブーム」が起こり、秋冬でもそのような足元の女性が増加した。また、2000年代半ば頃から「レッグファッション」が流行し、その相乗効果でタイツやストッキングの着用人口も増えたといわれる。しかし、これらの増加は通年しても1970年代から1990年代の勢いに及ばない。

日本のストッキング史[編集]

16世紀中頃の室町時代南蛮貿易の品の中にメリヤスゴウズ(手編みストッキング)があった。江戸時代になるとメリヤスタビと言われるようになった。1969年昭和34年)には水戸光圀の遺品の中から7足のストッキングが発見され、話題になった。明治時代初期になるとメリヤス店(女利安屋)が誕生した。いわゆる「ストッキング専門店」である。1924年大正13年)には人絹ストッキングが登場した。戦後1949年昭和24年)にはナイロン系ストッキングも生まれた[3]


ギャラリー[編集]

男性用[編集]

脚注[編集]

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注釈・出典[編集]

  1. ^ a b c Oxford Lexico, stocking. A women's garment, typically made of translucent nylon or silk, that fits closely over the foot and is held up by suspenders or an elasticated strip at the upper thigh.
  2. ^ 『ストッキングは昔男性貴族のお洒落なアイテムだった絹とアンティークストッキングの歴史』、TOKITA COLLECTION、(2015)32頁
  3. ^ 『ストッキングは昔男性貴族のお洒落なアイテムだった絹とアンティークストッキングの歴史』、TOKITA COLLECTION、(2015)32頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]