BEASTARS

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BEASTARS[1]
ジャンル 動物[2]青春[2]、ヒューマンドラマ[2]
漫画
作者 板垣巴留[1]
出版社 秋田書店[1]
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス[1]
発表号 2016年41号[3] -
発表期間 2016年9月8日[3] -
巻数 既刊12巻(2019年2月8日現在)
アニメ
原作 板垣巴留
アニメーション制作 オレンジ
放送局 フジテレビほか
放送期間 2019年10月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

BEASTARS』(ビースターズ)は板垣巴留による日本漫画作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店刊)にて2016年9月8日発売の41号から連載中[3]。擬人化された肉食獣と草食獣が生活・共存をする世界を舞台に、全寮制の学校「チェリートン学園」へ通う動物たちの群像劇が描かれる[1]

概要[編集]

板垣が同様のテーマで描いたオムニバスの短期集中連載作『ビーストコンプレックス』(『週刊少年チャンピオン』2016年14号から17号までに掲載[4])が人気を得て、本格連載化した作品[5]。以前から持っていたキャラクター(主人公のレゴシ)を高校生にして、世界観はそのままで舞台を高校にすれば少年漫画っぽくやれるかも、ということで連載が決まった[6]

本作は「擬人化した動物による高校生ライフを描いた作品」であるが、いわゆる“ほのぼの系ストーリー”ではなく[7]、表面上は平和だが歪さを併せ持つ世界を舞台に、人間の本性を動物たちに置き換え、種族を越えた友情や恋と、逆に相容れることのない対立を描いている[7]

2018年、第42回講談社漫画賞・少年部門受賞。週刊少年チャンピオン連載の作品として、第1回(1977年)に受賞した『ブラック・ジャック』、第39回(2015年)に受賞した『弱虫ペダル』に続いて3作目の受賞作となったほか、第11回マンガ大賞で大賞を受賞し、秋田書店の漫画作品で大賞を受賞した初めての作品となった[8]

単行本9巻発売時点(2018年7月)の累計発行部数は150万部を突破し[9]、2019年にはアニメ化されることが発表された[10]

あらすじ[編集]

中高一貫のエリート学校・チェリートン学園内で、ある日草食獣アルパカの生徒テム肉食獣に殺されるという「食殺事件」が起きる。テムと同じく演劇部部員であったハイイロオオカミの少年レゴシは、大型の肉食獣であることに加えて寡黙な性格や意味深な言動が災いし、テム殺しの犯人だと疑いの目を向けられてしまう。幸いこの疑惑はすぐに晴れることとなるが、結局真犯人は見つからないままであり、学園内に生まれた肉食獣と草食獣の確執のようなものが消えることはなかった。

新歓公演「アドラー」:1 - 2巻[編集]

演劇部による新入生歓迎公演が迫る中、レゴシは役者長であるアカシカルイから夜間練習の見張りを命じられ、その際に通りかかった草食獣に対して本能を暴走させて襲いかかってしまう。すんでのところで食殺は起こさずに済んだものの、レゴシは強い自己嫌悪を覚える。その後部の雑務で園芸部を訪れたレゴシは、そこで小さなウサギの少女ハルと出会う。彼女こそ、レゴシが襲った草食獣だった。レゴシは彼女の腕にある、あの夜にレゴシがつけてしまった傷について尋ねるが、ハルはこの傷が出来た経緯を何も覚えていないと答えた。レゴシはハルに興味を覚えるが、その態度を体を求めているものだと勘違いされてしまう。ハルに迫られたレゴシは驚いて逃げ出すものの、自分が初めてオスとして扱われた嬉しさから、また彼女に会いたいと切望するようになる。

やがて新歓公演の本番がやってくる。演目は部の伝統である「アドラー」、死神と少女とを取り巻く悲劇だった。主演で死神アドラーを演じるルイは稽古中に負った傷を抱え、絶不調を押して初日の舞台へ上る。そして圧巻の演技で観客を湧かせたものの、負傷が悪化したために2日目はベンガルトラ・ビルが急遽アドラーを演じることとなり、ビルの立ち位置であった悪役の抜け穴へレゴシがあてがわれることとなる。ルイの脱落を好機だと捉え明るく振る舞うビルに感心するレゴシだったが、2日目公演の直前、ビルが緊張を鎮めるためにウサギの血を服用したことを知って激昂し、本番中に本気の喧嘩を仕掛ける。演劇という虚構の中で突如始まった現実の暴力は、図らずも観客を引き込んだ。その場は乱入したルイのアドリブによって収められ、思わぬ形の成功は学生新聞でも取り上げられるなど、レゴシは一躍時の人となる。

隕石祭:3 - 6巻[編集]

新歓公演後、偶然ハルと再会したレゴシは、あの夜のこと(自分が彼女を襲ったということ)を言い出せないまま交流を重ねていくうちに、恋愛感情のようなものを覚えていく。しかし、買い出し中に迷い込んだ裏市で出会った医師・ジャイアントパンダゴウヒンから、レゴシが抱いているのは狩猟本能が変形した恋愛感情であり、食殺を起こす前に縁を切るべきだと諭される。街で開催される隕石祭の装飾作業中、レゴシは親しそうに触れ合うハルとルイを目撃したことをきっかけに恋愛感情を確立し、本能に抗いながら、ハルへの想いに殉じた行動を取るようになる。やがて告白を決意するが、その直後、ハルが何者かに誘拐される。裏市で活動する犯罪組織・シシ組の仕業だと知ったレゴシは、ゴウヒンの助けを借りてシシ組へと乗り込み、ハルを救出する。ルイもレゴシを追うようにしてシシ組へと向かったものの、既にハルは救出された後であった。ルイは全てを失った諦観と共に、手負いであったシシ組のボスを射殺。その現場に居合わせたシシ組の構成員・イブキから新たなボスになるよう半ば強制的に提案され、それを受け入れて学園やレゴシらと決別する。 この事件以降、草食獣をボスに頂いたことでシシ組は裏市で勢力を拡大してく。

食殺事件:7 - 11巻[編集]

極秘に開催されていた種族長らによる評議会では、チェリートン学園から長年「青獣ビースター」が輩出されていないことが問題視されていた。学園長の主張も虚しく、早期解決を求める層からの提案によって「テム殺しの犯人を見つけたものをビースターにする」ということが決定される。一方そんな事情を知る由もないレゴシは、学園の警備員ロクメからの依頼をきっかけに食殺犯捜しを始める。レゴシは調査の最中に食殺犯と思しき肉食獣に襲撃され、相手の圧倒的な強さを実感したためにゴウヒンに弟子入りを志願。食肉に頼らない強さを求める。食殺犯は演劇部部員のヒグマリズであった。肉食獣による食殺を許せないレゴシと、食殺を崇高な想い出だとしていたリズ。2匹は何度も衝突した後、大晦日に決着をつける約束をする。レゴシから2匹の戦いの立ち会いを頼まれたルイは悩んだ末に組抜けを決意し、イブキの命と引き換えに表世界への復帰を許される。そして劣勢にあったレゴシの元へと駆けつけ、リズに勝つためだと自らの右足を差し出す。レゴシは食肉の禁忌を犯し、その代償として得た力でリズに勝利する。

:12巻 -[編集]

レゴシとルイによって解決された喰殺事件は、「食殺犯を倒すために、同意の元で生きた友人の肉を食う」という特殊な経緯があったため、真相は隠匿され、表向きにはルイがその身を犠牲にして事件を解決したことになっていた。レゴシは食肉行為によって前科がついてしまい、草食獣との結婚が不可能になるなどの社会的なハンデを負うこととなる。ハルとの関係を進展させられなくなったレゴシは、自分だけの生き方を模索するためにチェリートン学園を退学。自ら部屋を借りてアルバイトで生計を立て、食肉の禁断症状に耐えながら新たな生活を始めることになる。一方、青獣ビースターの頂点であり、動物社会を総括する「壮獣ビースター」であるウマ・ヤフヤは、食殺犯を倒すために食肉を犯したレゴシに興味を惹かれて調査を始める。その過程で、レゴシがかつての同僚であり共に未来のビースターと目されていたコモドオオトカゲ・ゴーシャの孫であると知る。

登場キャラクター[編集]

主要なキャラクター[編集]

レゴシ
種族 - ハイイロオオカミ
本作の主人公。性別はオス。チェリートン学園の高等部2年生で演劇部の美術チームに所属。担当は照明係。
4月9日生まれの17歳。牡羊座で血液型はO。身長185センチメートルの体重71キログラム[注釈 1]。毛色は灰色。好きなものは昆虫と天気予報[1]:204
体格や戦闘力に見合わず繊細で心優しい性格。物静かで目立とうとはせず他者との付き合いも積極的ではないため、周囲からは近寄りがたい変わった動物だと思われている。幼馴染であるラブラドールレトリバーのジャックは良き理解者。
肉食獣、ひいてはオオカミであることがコンプレックスで無害な存在でありたいと望む。ハルと出会ったころから様々な経験を経て抑え込んでいた自分を少しずつ出すようになっていくが、ハルへの感情が恋なのか肉食獣としての本能(食欲)なのか懊悩する。リズが食殺犯だと知って以降は何食わぬ顔で学園生活を送るリズへの怒りを抑えられなくなることもあったが、自身もハルへの感情で悩んでいたため「自分もリズと同じようになっていたかもしれない」という思いから、大晦日に決闘で自身の思いをぶつけ、決着を付けることを決意する。
リズとの決闘の際に(半ば強制されたとはいえ)ルイの右足を食べたため、食肉の前科が付き、草食獣との関わりに複数の制約が課せられることになる。
母親の自殺以降ゴーシャとは会っていなかったが、退学後、ジャックに居場所を教えられたゴーシャが訪ねてきたことにより再会を果たす。その際に以前からゴーシャに対する種族差別をおかしいと思っていたことを明かす。
名前の由来は俳優のベラ・ルゴシから[1]:204
ルイ
種族 - アカシカ
チェリートン学園の高等部3年生。演劇部の役者チームのリーダーで肩書は役者長。性別はオス。レゴシと対立するもう一人の主人公的存在。
3月29日生まれの18歳。牡羊座で血液型はA。身長172センチメートル、体重53キログラム。好きなものはセロリ[12]:210
ホーンズ財閥の御曹司であり、演劇部の花形役者でもある学園のカリスマ的存在。しかし幼いころは裏市で肉食獣用の生き餌として飼育されており、5歳の時にホーンズ財閥の跡取りとしてオグマに引き取られたという過去を持つ。この出自から自らが捕食される側(草食獣)であることに強いコンプレックスを持っており、大型肉食獣として振る舞おうとしないレゴシに一目置いていると同時に、苛立ちも感じている。
後に学校を去り[注釈 2]、裏市で活動する犯罪組織・シシ組のボスとなって勢力拡大の原動力となったものの、レゴシの情に絆されて組を抜ける。
右足の裏には生き餌であった証としての数字の入れ墨が彫られていたが、リズとの闘いで苦戦していたレゴシに入れ墨ごと足を食べるよう強要。レゴシの勝利に寄与する傍ら、自らの過去とも決別を果たす。リズが逮捕された後、入院を経て復学した。それ以降、右足に義足を付けている。レゴシの退学に伴い、ジュノとは「休学中は裏市にいた」という秘密を学内で唯一共有することになる。卒業式の日にジュノのファーストキスを受けてその気持ちを察するが、異種族恋愛の厄介さを理解しているため突き放す態度をとるものの、内心は動揺していた。
ハル
種族 - ドワーフ種のウサギ
本作のヒロイン。チェリートン学園の高等部3年生で園芸部所属。性別はメス。
10月19日生まれの18歳、てんびん座。血液型はO型。身長105センチメートル、体重は15キログラム。好きなものは朝ドラ[13]:190
自らに正直な性格で、常に明るく・気丈に振る舞う。しかしその内面には「小型の草食獣」という圧倒的弱者であることへの諦観のようなものを抱いており、体を重ねている間だけは対等な存在として扱われていると感じられるからと、性行為に対しては積極的かつ奔放に振る舞う。しかしそういった行為がきっかけで動物同士の関係で亀裂を作ることも多く、学内では孤立している。
ルイとは恋仲であり、異種族であるため結ばれないということを寂しく感じている。また、レゴシのことは当初「不思議な子」「(種族の違いから)相容れない存在」と見ていたが、付き合いを重ねていくうちに惹かれ始めていき、食殺の危機から救われたことでさらに距離が縮まった。しかし、その後レゴシが退学することになり、警察から事件のことを内密にするように言われているレゴシからは真相を聞けないまま別れることになった。

演劇部[編集]

チェリートン学園のクラブ。毎年、中等部から10匹から20匹ほどが顧問からのスカウトという形で新たに入部する[12]:61。これは演劇部が持つ「生き様を見せる」という裏テーマを徹底するためであり、スカウトされる動物たちは何らかの事情を抱えたものだけとなっている[12]:65。部内では演出係が頂点であり、部長の下に台本担当、音響チーム、役者チーム、ダンスチーム、美術チームと分けられている[12]:61

サヌ
種族 - ペリカン
演劇部の部長で性別はオス。癖の強い者ばかりが揃っている演劇部メンバーの扱いに苦労している。

役者チーム[編集]

ルイがリーダーを務めるチーム。

ビル
種族 - ベンガルトラ
高等部2年生。性別はオス。明るい性格で目上の動物を立てるなど世渡り上手。一方ルイの出自を知った際に彼を脅迫するといった野心家の一面も持つ。いわゆる不良の先輩とも付き合いがあり、そこから草食獣(ウサギ)の血を入手するなどの違法行為もしていた。
肉食獣であることに誇りを持ち、肉食動物が自由に肉食できないこの世界に不満を抱く。裏市でもなりふり構わず草食獣の肉を購入しようとするなど、肉食獣の持つ狩猟本能や食肉衝動に従うことを肯定している。このため、正反対の考えを持つレゴシとは度々衝突している。一方で部員たちのことは草食獣も仲間と認識している。特にエルスのことを気にかけており、頻繁に話しかけたり、シシ組襲撃の際は真っ先に安否を確認していた。リズが逮捕された後、復学したルイによって次期部長に任命される。
テム
種族 - アルパカ
高等部2年生。性別はオス。レゴシとは仲が良く、また同じ演劇部に所属するアンゴラヒツジのエルスに片思いをしていた。演劇部の舞台「アドラー」に「水の精 オディー」という役で出演予定だったが、食殺事件に遭い死亡する。
ジュノ
種族 - ハイイロオオカミ
チェリートン学園の高等部1年生で演劇部の役者チームに所属。性別はメス。レゴシとは同種族ということもあって強烈な恋愛感情を抱いており、またそれを周囲に隠そうとしていない。
2月12日生まれの16歳、水瓶座。血液型はAB型。身長170センチメートル、体重51キログラム。毛色は赤茶色。好きなものはスイーツと散歩[14]:206
自他ともに認める美貌の持ち主であり、当初はその恵まれたルックスのせいで一部の生徒から妬まれがちだったが、周囲への気配りを忘れない明るい振る舞いを続けたことで信頼と人気を得ていく。しかしその言動は自身に対する絶対的な自信から生じているものであり、ルイからは「自信過剰で自分は全てを手に入れられると思い込んでいる強欲な女」と評された。
「日の当たる場所でないと肉食獣は輝けない」「草食獣と肉食獣は距離を置くべき」という考えの持ち主。隕石祭の出し物では失踪したルイの代わりに主役を務め、肉食獣の強さ・正しさをアピールすると同時にレゴシに告白するが、レゴシの鈍感さもあってはぐらかされてしまった。
ピナ
種族 - ドールビッグホーン
高等部1年生の新入部員。自分のルックスに絶大な自信を持ち、女遊びを趣味としている。人を食ったような性格をしており、入部早々肉食獣を侮辱する発言をして部内の肉食獣から反感を買ってしまっている。リズと対峙したレゴシを助けるために食殺事件へと首を突っ込み、自らを危険に晒しながらも巧みにリズを牽制するという大胆さも持っている。レゴシに対しては好意的な態度を見せているが、感情を抑えられなくなったレゴシの突発的な行動をフォローせざるを得なくなることもあり、その点には呆れ気味。
大晦日の決闘では、レゴシのやる気を引き出そうとするリズに殺されたかと思われたが、実際は束縛されて傷を付けられただけだった。自力で脱出した後、警察に通報してリズを逮捕させるが、その時レゴシも食肉を犯していたことまでは知らず、結果的にレゴシも逮捕させることになってしまった。
アオバ
種族 - ハクトウワシ
高等部2年生。同学年で同じ肉食獣ということで、レゴシやビル、タオとよくつるんでいる。ハルに対するレゴシの感情を「信仰」では、と指摘した。長く付き合っている彼女がいる。
タオ
種族 - クロヒョウ
高等部の2年生。新歓祭の舞台では主役アドラーを襲う敵役を演じていた。ストレッチ中に力余ってキビの腕をもいでしまうという事故を起こし動揺、意気消沈していた。
ゾーイ
種族 - ヤギ
中等部に所属するオスのヤギ[1]:102。死亡したテムの代役として「水の精 オディー」役に抜擢された。

ダンスチーム[編集]

シイラ
種族 - チーター
高等部3年生。性別はメス。ダンスチームのリーダーで、肩書は振り付け長。14歳のころ、金欠のため「肉食メスクラブ」で女王様のアルバイトをしていたところを演劇部にスカウトされた。
エルス[12]:61
種族 - アンゴラヤギ
テムが想いを寄せていたメスのヒツジ。食殺事件が起きた当時はレゴシの言動を訝しんで犯人ではと考えていたが、誤解が解けてからはレゴシの内面の優しさを知る数少ない存在となる。明るい性格で演劇部とも真摯に向き合っており、また肉食獣のよき理解者でビルとも仲がよい。ビルが裏市で草食獣の肉を買ったことに気付いていたが、それも含めてビルのことを受け入れている。

美術チーム[編集]

本作の主人公、レゴシが所属するチーム。仕事内容は細分化されており、照明、衣装、小道具・大道具に分かれる。

ドーム
種族 - クジャク
美術チームのリーダー。オネエ言葉が特徴で性別はオス[15]。周囲への気配りが上手く、和を大事にする性格。変わりつつあるレゴシのことをジュノに教えるなど、ジュノの恋を応援している。
カイ
種族 - マングース
美術チームの照明係。性別はオス。生まれた直後に実親から捨てられ、ハイエナ一家に育てられた過去を持つ。
元は役者チームに所属しており、テムとは「水の精 オディー」の役をオーディションで争った仲。テムの死亡を受けて同役を得るチャンスが訪れたと期待するが、過去に犯した本番中の2度に渡るミスが原因で美術チームへと異動させられる。美術チームに異動した直後はその境遇を嘆いていたが、徐々に裏方の仕事にも楽しみを見出し、チームの動物たちとも友好になっていく。
キビ
種族 - アリクイ
美術チームの衣装係のオス。アリシェイクが好物。ハルが性に奔放であるという噂を知っており、レゴシに教えた。ストレッチの最中にタオに腕を千切られてしまい、恐怖のあまり肉食獣を拒絶するが、手術で神経が繋がったことにより回復に向かっており、「いつまでも肉食獣を怖がっていたくない」という思いから、見舞いに来たタオのことも受け入れている。
ファッジ
種族 - レッサーパンダ
美術チームの衣装係。性別はオス。一言多い性格でドームによく窘められている。
リズ
種族 - ヒグマ
高等部2年で音響チームに所属する[12]:61。性別はオス。演劇部内での存在感はあまりなく、その種族柄、体格を活かした力仕事を担当している姿でしばしば描かれている。
実はテムを襲った食殺犯。自分の肉食獣としての怖さを最も理解し受け入れてくれたテムを思い余って食べてしまった。その記憶を美化し「種を超えた真の友情は捕食によってのみ築ける」という考えに至っている。
普段は「ハチミツ好きの優しいクマさん」として振る舞う二面性を持っている。通常時は黒目だけで描かれているが、捕食者としての本性を現したときは白目の中に黒目という表情で描かれる。
大晦日の決闘ではその力でレゴシを圧倒するが、ルイの足を食ったレゴシの反撃を受ける。そして食肉を犯しても揺るぐことのない2匹の友情と自分自身を見失わないレゴシの姿を見て自らの負けを認めた直後、ピナの通報で駆け付けた警官隊に逮捕された。

チェリートン学園の面々[編集]

ジャック
種族 - ラブラドールレトリバー
レゴシと共に生活する701号室の寮生。性別はオス。レゴシとは実家も隣り合う幼いころからの親友。12月22日生まれの17歳。血液型はO。身長167センチメートル、体重55キログラム。左利き[16]:196
オオカミに品種改良を加えて生み出された種族(イヌ)であり、闘争心が抑えられている代わりに知能が高く、学園内での学力はトップクラス。幼少期はその経歴からイヌのことを「作り物」と呼び、オオカミのことを「本物」として憧れや嫉妬を抱いていたためにレゴシと衝突することもあったが、後にお互い良き理解者となり、周囲から誤解されがちなレゴシを心配している。
ミズチ
種族 - ハーレクイン種のウサギ英語版
自らを絶滅危惧種と自負する高等部の少女。左右対称に白と黒で縞がはっきり別れているのが特徴。常に取り巻きを2匹は連れている。
同種族の男子と恋人関係にあったが彼氏がハルへと浮気したことがきっかけで破局してしまい、そのことから絶滅危惧種のカップルを壊したという理由と嫉妬でハルに嫌がらせ・いじめを行う。
レゴム
種族 - ニワトリ
レゴシのクラスメイトのメス(メンドリ)。無表情でお嬢様言葉が特徴。レゴシがいつも困ったような下がり眉をしていることから、心中でレゴシのことを「八の字」と呼んでいる。
アルバイトとして水曜日のみ学校の売店に自分が産んだ無精卵を卸しており、レゴシが「水曜日のタマゴサンドイッチは特に美味しい」と褒めているのを聞いたことがきっかけで真剣に体調管理を行い、産む卵に責任と矜持を持つようになる。なお、レゴシ自身は褒めていたタマゴサンドイッチがレゴムの卵で作られていることに終始気づかないままだった。
2018年に行われた第11回マンガ大賞の受賞式では、作者の板垣はレゴムの被り物を着用して登壇した[17]
ゴン
種族 - シベリアトラ
学園長。性別はオス。55歳。左目に傷跡がある。
選ばれた者に重圧を強いることになるビースター制度には消極的だが、評議会で5年もの間チェリートン学園がビースターを輩出していないことを指摘され、「食殺事件の犯人を見つけた者を次のビースターにする」という約束をさせられてしまう。しかし、該当者となったレゴシはその際に食肉を犯したためその事実を表沙汰にできず、表向きの該当者にされたルイも固辞したため、またしてもビースターの輩出は叶わなかった。
ロクメ
種族 - ガラガラヘビ
警備員。胴に目の形の模様が四つあり、学園内で六つの目を持つ動物の怪談として存在が噂されてた。レゴシの人柄を買って、学内で起きた食殺事件の犯人探しを依頼する。

シシ組[編集]

裏市を仕切る犯罪集団。構成員はすべてライオンで、メンバーは35頭。食殺をビジネスとしており、殺した草食動物を見せしめとしてアジトの前に吊るしている。表社会だけでなく裏市でも恐れられる存在。

イブキ
種族 - マサイライオン
シシ組の実質No.2で年齢は35歳。シシ組のイメージ向上のためにルイをシシ組のボスに据えることを提案する。元は表社会の貧しい家の生まれだったが、12歳のときに裏市の店に売られてしまい、そこから逃げ出して18歳でシシ組に入る。ルイを組に引き込んだことに責任を感じており、境遇が類似していることも相まって、ルイに対して色々と世話を焼いている。
ルイの組抜けの意思を聞き、その覚悟を迫るためにルイを襲おうとした結果、フリーに射殺される。
フリー
種族 - インドライオン
30歳。武闘派らしく、他組との小競り合いでは真っ先に突っかかっていった。「ボス(ルイ)を食いそうになったら俺を撃て」という約束に従い、イブキを射殺しルイをシシ組から解放する。胸部から腹部にかけて「猫邪羅死」という大きなタトゥーを入れている。
ボス(名前不詳)
全身が白い毛の動物を食べることを趣味としている。手下にハルをさらわせて食べようとするが、寸前でレゴシに阻止される。逃げようとするレゴシをピストルで撃とうとしたところをルイに逆に射殺される。

その他[編集]

ゴウヒン
種族 - ジャイアントパンダ
裏市で活動する心療内科医で、食殺を犯した肉食獣の捕獲、カウンセリング、治療を行っている。性別はオスで年齢は39歳。既婚者だが妻には逃げられている。
強面で粗野な振る舞いが目立つが、面倒見の良い性格。顔面にある複数の傷跡は、患者の治療中に何度も暴行されたのが原因。そういった経験から患者の暴力に負けないよう笹を食べ鍛錬に励んだ結果、筋骨隆々の肉体を手に入れた。
レゴシからは慕われており、修行を申し出てきたレゴシを鍛え上げ、肉食獣の捕獲サポートができるまでに育てた。
オグマ
種族 - アカシカ
46歳。ルイの義理の父親。ホーンズ財閥の一匹息子であるが子孫を作れない身体のため、自身の後継者として育てるべく幼いルイを裏市の生き餌販売所から高額で引き取った。
ゴーシャ
種族 - コモドオオトカゲ
レゴシの母方の祖父。年齢は53歳[注釈 3]。大柄で圧倒的な強さをもつ兵士だったが、戦場でメスのハイイロオオカミと恋に落ち、失踪したという噂を持つ。36年前はヤフヤと共に「ビースターズ」を目指していたが、恋愛を期にその道を降りた。毒を持つ種族であるため法的にはハイイロオオカミとの結婚が認められておらず、レゴシとは血の繋がりはあるが戸籍上は他人となっている。レゴシには平和主義を教えていたが、その裏には「それは強い者が唱えてこそ意味を持つ」という信念がある。
市長
種族 - ライオン
ライオンは善良である、というイメージを市民に植え付けるため、大学入学直前に牙をすべて抜いて総入れ歯にし、全身を400万かけて改造した過去を持つ。
シシ組の暗躍によってライオンのイメージが下がることを危惧し、事実を表沙汰にしないように動いている。
ヤフヤ
種族 - ウマ
現壮獣ビースター。性別はオスで年齢は51歳。「広すぎる視野と心配心を抑えるため」という理由で平素は目隠しをして生活している。
36年前はゴーシャと共に「ビースターズ」を目指していたが、ゴーシャがメスのハイイロオオカミと恋に落ちてその道を降りたため、袂を分かつことになった。
セブン
種族 - ヒツジメリノ種
大手スポーツメーカーに勤める会社員。性別はメスで年齢は29歳。
オス肉食獣の比率が高い職場に学歴とスポーツ用品に対する熱意で就職したが、名前ではなく「ラムちゃん」という不本意な愛称で呼ばれるなどのいじめを受けていた。営業部からの移動を期にいじめを受け入れざるを得なくなり、それまで住んでいた高級マンションからの転居を決意。レゴシの隣室に住むことになる。当初はろくに挨拶もしない上に毎晩自室で暴れるレゴシに苛立っていたが、食肉の禁断症状に耐えるレゴシに牙を向けられながらも名前で呼ばれたことで、徐々に受け入れていく。

設定[編集]

世界観[編集]

舞台となる世界は現代社会と近い文明を有しており、通貨単位は、年明けに除夜の鐘が鳴るなど、日本を思わせる描写がある。パソコンスマートフォンSNSも存在している。また、気温は低めで25度もあれば大変暑いとされ、冬場はマイナス10度まで下がる[13]:191。登場キャラクターが人間ではなく動物(哺乳類・鳥類・爬虫類など)のため、数え方も「一人」ではなく「一匹」と数える。動物達の手足は皆人間と同じ形状をしており、鳥類も例外では無いが、本来の鳥の様に翼に変化させての飛行も可能。但し、飛行には免許証が必要であり、学校を卒業しないと取得できない為、在学中は飛行ができない(不可能と言う意味では無い)。また、ヘビのように本来手足のない種の場合は擬人化されても手足がない状態で描かれている。

肉食獣と草食獣が共に文明を持って生活している世界であるため、肉を食すということは法律で禁じられた重罪行為となっており、特に生きた肉を食うことに対しては、本来なら前科が付かない微罪処分であっても前科が付く[18]:9。動物性の食材として食べることが許可されているのは卵と乳製品、昆虫のみとなっている[1]:164-165。 しかし法律で定められていても本能である食肉衝動を抑えることは難しく、一部の肉食獣の中には「裏市」と呼ばれる場所から違法に草食獣の肉や血を入手して食している者もいる[19]:190

生物的な異種同士でも、さらには哺乳類と爬虫類という分類学上のを超えた交配でも子孫を残すことは可能[注釈 4]。ただし血統を残すため婚姻・出産は同種で行われることが望ましいとされているため、異種族同士の恋愛は学生時代で終わらせるものという考えが常識として存在する[14]:207。と同時に、肉食動物と草食動物による恋愛ないし姦淫は異常性癖者とみなされる傾向にある[14]:52-53[19]:170-173

用語[編集]

チェリートン学園
全寮制、中高一貫のエリート学校。中心街から少し外れた丘の上に建てられており、学園内からでも中心街を見下ろすことができる。この世界独自の科目として海洋語学、生態学などの授業がある。寮は男女別であるが、さらに肉食動物棟、草食動物棟に分けられている。寮の部屋割りは同種族(レゴシの部屋である701号室はイヌ科が集まっている)となるように組まれている。
ビースター
動物たちを統率する英雄的存在のこと[1]:176。各学園から1匹ずつ選出された「青獣ビースター」と、その中からさらに選ばれた「壮獣ビースター」の二つに分けられる[21]:13
裏市
非合法に肉の販売や飲食店での提供が行われている場所。その肉は病院や葬儀屋から密かに提供されている。また、中には自分の指を生肉として販売している老草食獣もいる。肉食の成獣の間では半ば公認の存在。
食肉前科獣
生きている動物の肉を食べた獣に課される前科。罪の軽重に関わらず一生消えることがなく、草食獣との異種族婚が禁止される。また草食獣との共学校に通えない、草食獣が役員を務める会社に就職が難しくなる、等制限も多い。

賞歴[編集]

書誌情報[編集]

テレビアニメ[編集]

2019年10月より、フジテレビ+Ultra」枠にて放送およびNetflixにて独占配信予定[31]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 劇中の時間経過に合わせて成長を遂げており、6巻の時点での身長は187センチメートル、体重は77キログラムとなっている[11]
  2. ^ 当初は退学するつもりだったが、オグマに言いくるめられて退学届を休学届に書き直している。
  3. ^ 第12巻の巻末の書き下ろしで53歳と書かれている。第103話では36年前は17歳だったことが明かされており、現在の年齢が53歳であることの裏付けになっている。一方、第106話では54歳を自称している。
  4. ^ 卵生と胎生で妊娠することは稀で、その確率は500分の1と言われている[20]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k BEASTARS 第1巻”. 秋田書店. 2017年3月4日閲覧。
  2. ^ a b c 【電子書籍のソク読み】豊富な無料試し読み]BEASTARS 【電子書籍のソク読み】豊富な無料試し読み”. ソク読みデジタルカタパルト). 2017年3月4日閲覧。
  3. ^ a b c 週刊少年チャンピオン 2016年No.41”. 秋田書店. 2017年3月4日閲覧。
  4. ^ 週チャンで新鋭による集中連載開幕、人間味あふれる動物たちの友情を描く”. コミックナタリー (2016年3月3日). 2017年3月4日閲覧。
  5. ^ 草食と肉食が共生する世界での動物たちの青春を描いた新連載、週チャンで”. コミックナタリー (2016年9月8日). 2017年12月4日閲覧。
  6. ^ “「マンガ家への道」第32回 板垣巴留先生”. 別冊少年チャンピオン (秋田書店): 369. 
  7. ^ a b オオカミが恋をした相手はウサギだった―。この感情は「食べてしまいたい」という欲求? それとも愛?『BEASTARS』”. ダ・ヴィンチ (2017年6月10日). 2017年8月30日閲覧。
  8. ^ a b マンガ大賞2018:板垣巴留の「BEASTARS」が大賞に 秋田書店で初”. MANTANWEB (2018年3月22日). 2018年3月23日閲覧。
  9. ^ “ワニにむらむら「結婚したい」板垣巴留さんは、ちょっぴりヘンなフツーの人”. スポーツ報知. (2018年7月17日). https://www.hochi.co.jp/topics/serial/CO019592/20180714-OHT1T50277.html 
  10. ^ a b c 板垣巴留「BEASTARS」TVアニメ化!制作は「宝石の国」のオレンジ、ティザーPV公開”. コミックナタリー (2019年2月7日). 2019年2月7日閲覧。
  11. ^ 『BEASTARS』単行本6巻、198頁。
  12. ^ a b c d e f g BEASTARS 第2巻”. 秋田書店. 2017年5月8日閲覧。
  13. ^ a b c BEASTARS 第3巻”. 秋田書店. 2017年5月8日閲覧。
  14. ^ a b c d BEASTARS 第4巻”. 秋田書店. 2017年7月7日閲覧。
  15. ^ 男子の制服を着ている姿で描かれている。
  16. ^ a b BEASTARS 第6巻”. 秋田書店. 2017年12月9日閲覧。
  17. ^ a b マンガ大賞2018は板垣巴留「BEASTARS」に決定”. コミックナタリー (2018年3月22日). 2018年3月22日閲覧。
  18. ^ a b BEASTARS 第12巻”. 秋田書店. 2019年2月8日閲覧。
  19. ^ a b c BEASTARS 第5巻”. 秋田書店. 2017年10月6日閲覧。
  20. ^ 『BEASTARS』単行本12巻、127頁。
  21. ^ a b BEASTARS 第7巻”. 秋田書店. 2018年2月8日閲覧。
  22. ^ 「このマンガがすごい!」オトコ編第2位の「BEASTARS」、新刊は本日発売”. コミックナタリー (2017年12月9日). 2017年12月9日閲覧。
  23. ^ メディア芸術祭マンガ部門の大賞は池辺葵「ねぇ、ママ」アニメ部門は2作が大賞に”. コミックナタリー (2018年3月16日). 2018年3月18日閲覧。
  24. ^ “文化庁メディア芸術祭 マンガ部門大賞に池辺葵の「ねぇ、ママ」 “母”を描いた短編集”. 毎日新聞. (2018年3月16日). https://mainichi.jp/articles/20180316/dyo/00m/200/019000c 2018年3月22日閲覧。 
  25. ^ 「ゴールデンカムイ」が手塚治虫文化賞のマンガ大賞に!新生賞は板垣巴留”. コミックナタリー (2018年4月25日). 2018年4月25日閲覧。
  26. ^ 講談社漫画賞はBEASTARS、透明なゆりかご、傘寿まり子、フラジャイルに決定”. コミックナタリー (2018年5月10日). 2018年5月10日閲覧。
  27. ^ BEASTARS 第8巻”. 秋田書店. 2018年5月8日閲覧。
  28. ^ BEASTARS 第9巻”. 秋田書店. 2018年7月6日閲覧。
  29. ^ BEASTARS 第10巻”. 秋田書店. 2018年9月7日閲覧。
  30. ^ BEASTARS 第11巻”. 秋田書店. 2018年11月8日閲覧。
  31. ^ TVアニメ「BEASTARS」10月より放送開始、新規カットを追加した第2弾PVも”. コミックナタリー (2019年3月14日). 2019年3月14日閲覧。

外部リンク[編集]

フジテレビ +Ultra
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BEASTARS