チーター

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チーター
チーター
チーター Acinonyx jubatus
保全状況評価[1][2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svgワシントン条約附属書I[注釈 1]
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目 Carnivora
: ネコ科 Felidae
: チーター属 Acinonyx
: チーター A. jubatus
学名
Acinonyx jubatus (Schreber, 1775)
シノニム

Acinonyx rex

和名
チーター
英名
Cheetah

Cheeta map.jpg

チーター (Acinonyx jubatus)は、哺乳綱ネコ目(食肉目)ネコ科チーター属に分類される食肉類。本種のみでチーター属を構成する。

古い和名は狩猟豹(しゅりょうひょう)という[3]

分布[編集]

熱帯雨林地方を除くアフリカ大陸イラン [4][5][6]

形態[編集]

体長110-140センチメートル[4][7]。尾長65-80センチメートル[4][7]。肩高75-90センチメートル[4][7]体重40-65キログラム[4]。頭部は小型[8][7]。体型は細い[4]。頸部から背にかけて体毛が伸長する[4]。種小名jubatusは「鬣がある」の意で、この伸長した体毛に由来する[4]。毛衣は淡黄色で硬く、黒い斑点が点在する[8][4]。和名や英名は「胴体に斑点がある」という意のサンスクリット語chitrakaに由来する[4]。ジンバブエには斑点が繋がり帯状になる突然変異個体(キングチーター)がいる[8][4][9]。この変異は劣性遺伝[4][9]。Christopher B.Kaelinらによる研究で、これはイエネコにおけるタビー模様をもたらす変異と同じ遺伝子の変異がもたらすものであることであることが判明した[10]。眼の内角から口にかけて黒い筋模様が入る[8][7]。尾には黒い帯模様が入り、先端の毛衣は白い[4][7]

耳介は小型で、やや扁平[8]虹彩は黄褐色で、瞳孔は丸い[4]。犬歯および歯根は小型だが、これにより鼻腔が広くなり呼吸量を増加させると共に獲物に噛みつきながら呼吸がしやすくなっている[8]。四肢は細長く、爪をさやに引っ込めることができない[11][8][4][7]。これにより爪がスパイクの役割をして速く走ることに適している[11][8]

出産直後の幼獣は体長30センチメートル[11][8]。体重0.3キログラム[11][8]。生後3か月以内の幼獣は頸部から背にかけて青灰色の鬣状の体毛で被われる[11][8]

分類[編集]

チーター属の独立種A. rexとして記載されたこともあるが、変異個体のためシノニムとされる[11][8]。亜種A. j. rasseiは、亜種A. j. venaticusのシノニムとされることが多い[11]

  • Acinonyx jubatus jubatus (Schreber, 1775)
  • Acinonyx jubatus hecki Hilzheimer, 1913
  • Acinonyx jubatus ngorongorensis Hilzheimer, 1913
  • Acinonyx jubatus raineyii Heller, 1913
  • Acinonyx jubatus rassei Hilzheimer, 1913
  • Acinonyx jubatus soemmeringii (Fitzinger, 1855)
  • Acinonyx jubatus velox Heller, 1913
  • Acinonyx jubatus venaticus (Griffith, 1821) アジアチーター Asiatic cheetah

亜種については、アフリカのA. j. jubatusとアジアのA. j. venaticusの2亜種のみを認めるもの[8]、5亜種に分けるものもある[6]。アジアチーターは、かつて南西アジアから中央アジアのカスピ海周辺、さらにインドまで分布した。インドで1950年代に、他地域でも20世紀に相次いで姿を消し、イランに数十が残るだけと推定されている[12]

生態[編集]

サバンナ[11]、半砂漠、藪地などに生息する[4][7]昼行性[8][4][9]。オスは血縁関係のある個体(兄弟など)と群れを形成することがあり、メスは単独で生活する[8]。オスは縄張りを形成し、群れを形成している場合は共同で縄張りを防衛する[8]

地上最速の動物とされ、走行してから2秒で時速72キロメートルに達し[11]、最高時速は100キロメートルを超えると言われる[4][注釈 2]。ただし近年行われた計測では平均時速は59キロメートルである[13][14]。また、全力疾走できるのは約400メートルで、全力で長距離を走ることはできない[4][7]

食性は動物食で、体重40キログラム以下の哺乳類(ウサギアクシスジカインパラガゼルブラックバックヌーの幼獣)を食べる[11][8][7]。蟻塚の上や低木の樹上などから獲物を探すが、丈の長い草が茂みがある環境では茂みの中で獲物を待ち伏せる[7]。獲物を発見すると近距離まで忍び寄ってから、全力で疾走しながら獲物を追跡し引き倒した後に喉に5-10分間噛みついて窒息死させる[8][7]。狩りの成功率は約50%[11]。倒した獲物は他の動物に邪魔されないように、茂みの中などへ運んでから食べる[8][7]。頭部や顎の力が弱く、獲物の骨などは噛み砕くことができないため残す[4][9]。1日あたり2.8キログラムの肉を食べる[11]。水は4日に1度は飲むが、10日に1度飲む場合もある[11]

繁殖形態は胎生。発情したメスは木や茂み、岩などに放尿し、その臭いをかぎ付いた優位のオスは鳴き声をあげながらメスを追跡する[8]。メスがオスを受け入れると互いに鳴き交わし、1-2日間に数回交尾を行う[7]。妊娠期間は90-95日[4][9]。茂みの中や岩の隙間などに1回に1-8頭(主に2-4頭[4])の幼獣を産む[11][8][4][7]。幼獣は生後2-14日で開眼し[8]、生後16日で歩行できるようになる[7]。生後15-17か月で狩りができるようになる[7]ブチハイエナライオンなどの捕食による幼獣の死亡率が73%、その他の要因も含めた幼獣の死亡率が95%と成獣になる確率は低い[7]。生後12-14か月で性成熟する[11]。平均寿命は12-14年[7]

人間との関係[編集]

古代エジプト、アッシリア、ムガール帝国などでは、飼い馴らした個体を狩猟に用いることもあった[9]アクバル1世は在位期間に約9,000頭の個体を飼育したとされる[9]。1966年に動物園で繁殖した幼獣の生育に成功した[9]

毛皮が利用されることもある[8]。家畜を襲う害獣とみなされることもある[8][7]

開発による獲物の減少、害獣としての駆除、毛皮目的の狩猟などにより生息数は減少している[8][7]。1970-1980年代における生息数は15,000頭と推定されている[7]

A. j. heckiA. j. venaticus
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[2]
Status iucn3.1 CR.svg

画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 生体標本およびハンティングトロフィーとして毎年ジンバブエ50、ナミビア150、ボツワナ5の輸出割当がある。
  2. ^ 1965年にケニアで行われた測定では、201.2メートル(220ヤード)を約7秒で走行するのが記録された。これは秒速29メートル(時速約104キロメートル)に相当する[15]

参考文献[編集]

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  1. ^ CITES homepage Appendices I, II and III
  2. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • Durant, S., Marker, L., Purchase, N., Belbachir, F., Hunter, L., Packer, C., Breitenmoser-Wursten, C., Sogbohossou, E. & Bauer, H. 2008. Acinonyx jubatus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.
    • Belbachir, F. 2008. Acinonyx jubatus hecki. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.
    • Jowkar, H., Hunter, L., Ziaie, H., Marker, L., Breitenmoser-Wursten, C. & Durant, S. 2008. Acinonyx jubatus venaticus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.
  3. ^ 『原色動物大圖鑑』第1巻、北隆館、第14版1988年、初版1957年、150頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、151-152頁。
  5. ^ 『改訂版 新世界絶滅危機動物図鑑』第1巻(ネコ・クジラ・ウマなど)、学研、2012年、19頁。
  6. ^ a b IUCN Red List "Acinonyx jubatus"、2013年9月閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、12-13、150-151頁。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編『動物大百科1 食肉類』、平凡社1986年、48-51頁。
  9. ^ a b c d e f g h 成島悦雄「地上でいちばん速い動物 チーター」『週刊朝日百科 動物たちの地球 49 哺乳類II 1 トラ・ライオン・ヤマネコほか』、朝日新聞社、1992年、8-9頁。
  10. ^ http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3709578/
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 今泉忠明 『野生ネコの百科 第4版』、データハウス、2011年、62-69頁。
  12. ^ IUCN Red List Acinonyx jubatus ssp. venaticus、2013年9月閲覧。
  13. ^ 『ダーウィンが来た』2012年1月1日放送分
  14. ^ http://www.d-laboweb.jp/event/report/130627.html
  15. ^ Sharp, N.C.C. (1997). "Timed running speed of a cheetah (Acinonyx jubatus)". Journal of Zoology 241 (3): 493–494. doi:10.1111/j.1469-7998.1997.tb04840.x. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

チーターの100メートル走記録の紹介。2012年に行われたシンシナティ動物園での計測によると、最高タイムは5秒95で、最高時速は98キロメートルを記録。