NIGHT HEAD

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NIGHT HEAD
ジャンル テレビドラマ
放送時間 木曜日24:40 - 25:10(30分)
放送期間 1992年10月8日 - 1993年3月18日(21回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 フジテレビ
共同テレビ
企画 石原隆
鈴木吉弘
監督 飯田譲治
プロデューサー 岩田祐二
出演者 豊川悦司
武田真治 ほか
オープニング 作曲:配島邦明
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NIGHT HEAD』(ナイトヘッド)は、1992年10月8日から1993年3月18日まで毎週木曜日24:40 - 25:10に、フジテレビ系で放送されたSF特撮テレビドラマ。全21話。超能力をもつ兄弟の過酷な運命を描き、カルト的な人気を得た。後に映画小説漫画テレビゲームも製作される。

2006年6月、当作をベースとしたアニメーション、『NIGHT HEAD GENESIS』がパソコンテレビGyaO(アニメ)で第一話が放送。

概要[編集]

原案となっているのは、『世にも奇妙な物語』で飯田譲治脚本&演出で放送された「常識酒場」「トラブル・カフェ」である。このときの兄弟を演じているのは、霧原直人今井雅之霧原直也東根作寿英である。「常識酒場」のストーリーは、そのまま第1話に流用された。後に今井雅之は、テレビ番組の好評を受けて製作されたスペシャル番組「NIGHT HEAD THE OTHER SIDE」(後述)で主演の刑事を演じている。

山奥のある研究所に隔離されていた霧原兄弟がそこを飛び出すところから物語は始まる。ストーリーは霧原兄弟を中心に動いていき、二人に対して過酷な運命が次々と襲いかかってくることとなる。最初から最後まで見ると納得できる骨太な構成となっており、超能力用語も多用されている。また番組冒頭の映像ではロンゴロンゴが映し出されるなど、超古代文明精神世界などの要素などもストーリーに組み込まれている。

超能力ものというのは当時使い古されていた手法で、決してヒットしないだろうと製作者側で言われていたのだが、ワンシーズン終了後、深夜番組にもかかわらず圧倒的な人気を得た。それまでの超能力ものは、超能力を持つことが本人にとって益となるような肯定的な描かれ方をしたものが多かったが、本作は(当初は)超能力を持つことで人が苦しみ、悲しみ、不幸になるような、否定的な描かれ方をしたところが斬新であり、その逆説的なリアリティが過去作と一線を画したといわれる。主演には豊川、武田の美男子二人を起用し、どこまでもシリアスに悲劇的に演じさせ多くの視聴者の共感を得た。女性層からの支持が得られたことも人気の要因であったとされる[1]。視聴率も良く、その後、映画化やメディアミックス展開されるという社会現象を巻き起こした[1]

小説では、原作者の飯田によって続編が書かれている。

ストーリー[編集]

「NIGHT HEAD」(ナイト・ヘッド)……それは、人間が使用していないとされているの容量である70パーセントの部分を指す言葉である。人間が持つ不思議な「力」は、この70パーセントの部分に秘められていると言われる。

サイコキネシスなど攻撃的な超能力を持つ霧原直人、リーディングなどの超能力を持つ霧原直也の兄弟は、15年前の幼い頃から両親と離れ、人里離れた山の中にある御厨研究所に隔離されていた。研究所は絶大な超能力をもつ岬老人によって結界が張られており、霧原兄弟は脱走しようとしても跳ね返されるばかりであった。

ある日、研究所に張られていた結界が無くなり、兄弟は研究所を脱走することに成功する。しかし彼らの持つ超能力は、外の世界にあふれていた「マイナスのエネルギー」を引き寄せることとなる。二人に降りかかる事件の数々。そんな二人を導くかのように現れる謎の少女、双海翔子。「変革」とは何なのか。そして「ミサキ」とは。

登場人物[編集]

主人公[編集]

霧原直人
直也の兄で、サイコキネシスの能力を持つ超能力者。精神の力で周囲の器物を破壊する程大きな能力を持っているが、コントロールが困難で、感情的になると怒りの大きさに比例して、無意識の内に周囲の物体や人を傷つけてしまう。
生後まもなく「泣いた時には時計が勝手に鳴る」「おもちゃが壊れる」などの現象を起こして両親に不思議がられていたが、成長に従いその力は増していき、小学校入学後にもなると、喧嘩をすると無意識に相手を傷つけてしまい、「バケモノ」呼ばわりされ、両親にも腫れ物扱いされていった。超能力の強さが感情に密接している上に、短気で相手の挑発にも乗りやすく、その度に相手に傷を負わせると同時に自身の心も痛めるという悪循環の繰り返しであった。そして、ついに、ある事件をきっかけに、直也と共に能力が全面的に開花してしまい、その大きすぎる超能力で通常の家庭生活を送ることすら困難になった頃、どこからか2人の噂を聞きつけた超能力研究所の所長、御厨が現れる。彼の両親への説得により、両親に睡眠薬を飲まされた2人は、超能力研究所に送られ、何年もの間、社会とは隔絶された生活を送る事に余儀なくされていた。しかし、長らく「外の世界」に出る事を強く望んでおり、「結界」が解かれた直後に、研究所を二人で脱走する。
物語序盤は、自分の超能力に苦悩し、一般社会で「普通の生活」を送るため、能力を抑えることを意識しながら生活していたが、成長するにつれ、自分の力は弟を守るためのものだと悟るようになり、双海翔子が示した「変革」への道を直也と2人で探すようになる。
最終盤ではARKの思惑に巻き込まれ、マインドコントロールで直也を殺してしまうという悪夢を見せられたことで昏睡状態に陥ってしまうも、直也の危機に対してテレポーテーションの能力にも目覚める。その後は、直也を守るためならば人殺しにも躊躇しないようになる。結果、能力のコントロール精度は大幅に向上し、生きることに苦しんでいた刺客を死の苦しみがないように殺したりしている。
霧原直也
相手の心を読み取るリーディングの超能力を持つ少年。直人からは5つ年下の弟にあたる。直人と同じく能力のコントロールが難しく、特に他人に少しでも触れてしまうと強制的に相手の考えが見えてしまう。しかも、嫉妬や殺意や醜い欲望といった、時には本人ですら気づいていないようなマイナスの意識がより強調されて直也の頭に雪崩れ込んでくる性質があり、その度に大きなショックを受け昏倒してしまう(意識を保っている状態なら、御厨に教わった精神に鍵をかける「ロック」で多少は対処できる)。その為、常に他人との接触を避けながら生活せざるを得ず、兄の直人以上に「普通の生活」に強く憧れている。
幼少時には、他人を避けるあまりに自閉症と診断されたり、あまりにも巨大なマイナスの意識を見てしまった時には、昏倒したまま意識不明となり、そのまま精神病院に送られてしまったこともあった。しかし、性格的には、自分より直人や他人が傷つくのを恐れている心優しい人柄で、自分の命を狙う人間にすら、憐憫の心を表したり同情する姿を見せる。
兄の直人は、傷つきやすい彼を守ろうとする意識が非常に強く、幼少時から常に一緒に居る関係である。その為、彼等の精神はどこか奥深い所で繋がってしまっており、直人の思考は直也には自分の心のように普通に読め、直人は何も隠し事が出来ない状態だが、それが当たり前で居られる程、2人の結びつきは強く、離別は精神的な崩壊を招きかねない。
研究所脱出後は、リーディングに加えて予知能力も発現させたことがあり、更に物語最終盤ではヒーリングの能力にも芽生えやがて、彼が「変革」時の救世主になると示される。

超能力研究所[編集]

御厨恭二郎
超能力を研究している科学者。ロシアでの研究生活を経た後、某県の山奥に超能力研究所を設立、所長となる。警視庁上層部に超能力が絡んだ事件について連絡を取り合える知人がおり、超能力関連の事件などの情報が入る為、精神病院での出来事に関与した直人と直也を連れてきた。研究所では二人に突き放したような態度を取ることも多く、直人の怒りの矛先が自分に向くような素振りを見せたりと、直人には好まれてはいなかったが、不器用ながらも彼なりに二人を見守ってきた。直人と直也の脱出はすぐに気づいたが、追ってはいけないと自分に言い聞かせつつ、時には陰ながらサポートしていた。
その後、ARKにより研究所が襲撃され、崩壊後も岬老人のロッジに長らく軟禁されていたが、霧原兄弟の力を借りて脱出に成功する。しかし、岬老人も兄妹もいなくなってもはや自分に出来ることは何もないと悟って憔悴していた。別れ際にようやく3人は和解し、ロシアへ旅立った。
友枝麻理子
同年代の友人関係に乏しい直人と直也を心配して御厨が連れてきた若い女性。一目で直人に恋をし、対等であるためでは自分をさらけだすしかないと思い、他の職員とは違って機嫌を伺ったり腫れ物に触るような扱いは一切しない。芯の強いところもあり、時々直人に助言を与えたりする。ある事がきっかけで直人は僅かに麻理子を意識するようになる。直人とは、一度、関係を持ったが、結局一度だけの淡い関係で終わる。
岬老人
見かけは研究所近くに住む無害そうな老人であるが、実は絶大な力を持つ超能力者。エネルギースポットである某県の山奥に研究所を建設するように御厨に依頼し、完成後は一帯に結界を張っていた。ちなみに、結界とは一見するとただロープが張ってあるだけなのだが、脱出しようとしてもどうやっても越えられない、というもの。そのどこまでも先を見通せる能力で、直人と直也を連れてくるように指示し、結界で閉じ込めたように見せ、その実、外敵から保護していた。能力を私欲の為に奮う曾根崎の脱走を結界を解いて許したのは、この先、兄弟の成長において必要な試練になると予知していた為である。亡くなる直前まで兄弟に超能力者であることを悟られることはなく、他人を遠ざける兄弟も、彼にはかなり心を許していた。
その名に於いては「御先(ミサキ)」と記す場合もあり、どの人類よりも遥か先を生きているという意味を持つ。死後もその魂は消滅することはなく、彼岸と此岸の狭間とでも言うべき境地で兄弟を見守り続けた。

周辺人物[編集]

霧原直実
直人と直也の母。夫や子供のために家事をすることに幸せを感じる家庭的な女性だったが、我が子が特別な力を持ってしまったことにより、精神を疲弊させていってしまう。
霧原幸彦
直人と直也の父。おもちゃ会社を経営しており、試作品を持ち帰っては直人たちに遊ばせていた。よき父親ではあったが、兄弟の力が増大し日常生活が破綻し、御厨からの二人の研究所招致を承諾してしまう。それは両親にとっての苦渋の決断であった。
しかし、兄弟の研究所脱走時に、「両親に捨てられた」というマイナスの意識から時間にひずみが生じ現実が変化してしまう。生家は消失し、両親は全く別の場所で、ずっと昔からその場所に住んでいたことになっていた。また、この現実世界では、兄弟は特別な能力を持たないまま成長するも、二人共幼い頃に池で溺死し、その後、両親は時計店を営んでいた、という形に世界が変わってしまったことが判明する(小説版では苗字も「桐原」に変化している)。それでも、両親に会うために訪れた兄弟であったが、それを予知していたARKは曽根崎を送りこむ。曾根崎は兄弟を精神的に追い込もうと画策し、能力で店を破壊し両親を恐怖に陥れる。結果、兄弟は再び両親に拒絶されてしまうこととなった。

超能力者[編集]

双海翔子
元は普通の女子高生であったが、予知、タイムトラベル、サイコキネシス等、超能力の極限に至り肉体が消滅して精神体となった少女。霧原兄弟の前にたびたび現れては二人を導く。神谷司にはそのビジョンを「天使」と称された。最後はより高位の異世界に旅立つ道を選び、兄弟に分かれを告げる。ロンゴロンゴと呼ばれる文字にメッセージを乗せ、直也に届けたことがある。
神谷司
予知能力者。普段はサラリーマンとして日常生活を送っているが、時折、サラリーマン予知能力者としてTV出演もしており、休日には彼を盲信する人達に未来予知を披露する。感情の起伏が極めて薄く、自分の言葉が周りに与える影響を知りつつ、予知を告げた相手の精神的動揺を全く意に介さない性格。予知によって命を救われたり、大金を手に入れた者達等が多数のシンパとなり崇められているが、彼等からの人望にもほぼ関心がない。能力を私欲の為に使うこともないが、自分の予知能力を至上のものと考え、死相ですら相手の動揺を意に介さず告げる為、彼に反感を持つ者もまた多いが、それすらも気にせず、予知とその結果にしか興味がない。
ある日、ウイルスによる人類滅亡を予知し、その元凶となる倉橋加奈子(TV版では栗原智美)や直人と直也が大きく関わると告げた為、先走ったシンパ達に彼らの命が狙われる。
TV版では、最終的に、自分の死を予知してしまった為に、その未来を変える為、自分に関わるとされる霧原兄弟に対して、存在を放棄させる様に仕向け、それが果たせず感情を見せぬまま予知通りに建築資材に潰されて最後を遂げる。
小説版では、ウイルスによる人類滅亡のビジョンが消え満足感に浸っている際、突然直也から死相を告げられ、初めて激しい動揺を見せる。その後、不安を抱きつつ自宅で入浴している際、役割を終えたとしてアークから命じられた曾根崎に気付かぬうちに襲撃される。マインドコントロールで得体のしれない悪夢の中で自分が実質見殺してきた者たちに食いつかれるという幻想に苛まれ、最後には「世界一甘い砂糖」と思いこまされた猛毒を自ら飲んで服毒死を遂げてしまう。彼が度々予知していた「黒いソファに横たわる謎の男」のビジョンは、実は「黒いバスタブで死んでいる自分の姿」と知るのはその死の直前であった。
なお、元凶となる女性は説得に来た直人に好意を抱くも説得は一切信じなかったが、同じようにシンパに襲撃されたことで一時は信用して将来滅亡ウィルスとなってしまうサンプルを破棄することを誓う。しかし、滅亡のビジョンが消えてなかったことで破棄したというのが嘘だったことがばれて、再びシンパに襲撃されて頭を強打してしまう。結果、死にはしなかったものの記憶の崩壊に伴って幼児退行したことで、滅亡ウィルスを生み出す未来に至る可能性は潰えることとなった。
湯島良朗
小学生。マインドコントロールの能力を持つ。祖父をいじめた近所の老人を操り自殺させたことが初犯。その後、飼っていた犬が散歩中にひき逃げに遭って失う(この際、死にゆく犬に少しでも死の苦しみを和らげようと幸せそうな幻影を見せようとしていた)。復讐の為、バイクに乗っていた高校生グループを一人づつ能力で殺害していく。直人と直也の説得に応じて母親と共に超能力研究所へ行くことになり、訓練の結果、無事ほとんど能力を出せなくなる。小説版では、研究所崩壊後に曾根崎に操られて兄弟に再対峙する。
天元早紀枝
某高校の女子生徒。自分の感情が周囲に伝染してしまう特殊な能力を持つ。だが、自分では全くコントロールが出来ず、彼女が笑えば近くの人間が一斉に笑い出し、悲しめば皆一様に泣き出すという一種不気味な能力であり、幼い頃から妹を除き周囲の人間から疎んじられていた。自らの境遇に悲観しているものの、自殺を考えただけで関係のない人間を強制的に巻き添えにしてしまう故に、常に感情を殺して日常生活を送っている。その為、美人ではあるもののいつも無表情であり、それを疎んじた生徒から苛めを受ける際も表情を変えることなく過ごさざるを得ない。自分に優しく接してくれる教師に恋愛関係にあったが、突如失踪してしまったことで精神の均衡が崩れ、とうとう自殺を考えてしまう。結果、いじめっ子だった5人の少女と自殺をし、自分だけ生き残るという事件を引き起こしてしまう。
ARKはこの能力に目をつけ、「吸収」しようと彼女に接触を図る。その目的は、彼女の自我を完全に破壊し、ARK社長がテレパシーで送信した精神を人類全体に伝染させる「送信アンテナ」とすることであった。その為、前述の自殺事件を引き起こさせられ、巻き込まれた人物の関係者による復讐という体裁で数少ない味方だった妹が殺されてしまい、あわや発狂というところまで行ってしまう(自殺事件も妹の殺害も、ARK社員の三雲によるもの)。しかし、辛うじて命がつながれていた妹を直也が新たに目覚めたヒーリングで治したことで救われる。
高良陽子
研究所跡地に「世捨て人」の集落を作る。リーディングや予知能力が少しだけある。表向きは人格者だが、誰からも尊敬される末期ガン患者の佐々木より「自分の方がすぐれている」と無意識に思っており、佐々木にヒーリングを施す直也の邪魔をしていた。直也に深層心理を見抜かれ己の小ささを知り改心する。
松岡
「世捨て人」の集落に住む男性。植物に反応しその成長を促すグリーンフィンガーの能力がある。自身を超能力者であると自覚しているかは不明。

ARK[編集]

奥原晶子
ARKの女社長であり、予知能力者。能力を行使し過ぎた結果、40代にして枯れ枝の老婆のような外見をしている。社員の脳開発と変革を防ぐ為にアーク・コーポレーションを創立する。現実を変えるほど大きな能力を持つ霧原兄弟に対しては「不確定要素」としてその動向を伺っていたが、遥か未来に渡って二人がARKに入社する可能性が無いと知った時には、「消去」として抹殺にかかる。
一度も外れたことがない程の絶大な予知能力を自在に用い、タイムトラベルの能力までも持つ反面、予知した未来が二人によって覆されてしまうと、生命に関わる程の大きなダメージを身体に受けてしまう。しかし、それでも岬老人には劣るらしく、兄弟に敗れた彼女がともに岬老人のいる世界に訪れた際は「ミサキ」が実在したことに酷く動揺していた。
坂口修
奥原の秘書。感情や生命力に乏しい男で、「反能力」という全ての超能力が一切効かない特殊な能力を持つ。
曽根崎道夫
マインドコントロールを持つ能力者。霧原兄弟より先んじて、御厨が超能力研究所に連れてきた初めての超能力者。醜悪な外見且つ女性に興味がない性癖で、研究所で能力を本格的に開発されると、金品の窃盗やその気のない男性職員を籠絡したりと、私欲と本能のままに能力を行使して御厨を激怒させたあげく、選ばれた者が授かった能力を使わず人生を楽しまないのはアホだ、と言い残し、研究所を飛び出す。
その後は、自分より大きな力を持つ能力者がいると知ったARKに入社、兄弟に差し向ける最初の刺客となる。なお、直也のことは性的な意味で元々狙っていた。直人たちの両親が営む時計店に客として来店、兄弟と対峙し苦しめるも翔子によって精神を破壊されて廃人と化してしまう。この時のセリフから、彼が悪事を働くことに躊躇がなかったのは、自らの罪を裁く存在がいないと思っていたからである模様。
三雲玄吾
ARKの社員で、マインドコントロールの能力を持つ。長身で端正な身のこなしを持つ反面、女子高校生5人を自殺に見せかけて殺害し、早紀枝の妹を刺殺するなど残忍で冷酷な性格を持つ。都築襲撃の際は、マインドコントロールへの警戒心でがちがちだった彼に会えて幸せな幻想を見せてガードを解き、無防備な精神に対してトラウマによる悪夢を突き付けて一気に精神崩壊に追いやった。少年の頃に、その能力で誤って母親を殺害してしまった時から、自らも含み「死」への抵抗がなくなり、心の底でいつの日か自分を殺してくれる相手が現れるのを待っていた。一度は、直人をマインドコントロールで再起不能に陥れるも、新たな力を蓄えて蘇った彼を「やっと戦える相手になった」と賞賛、戦いの末に念願の死を与えられる。
都築洋介
天元早紀枝を監視するためにARKから派遣され高校教師を勤める。能力は微々たるものであったが、天元早紀枝へ恋愛感情を抱いたことがきっかけでARKへ疑問を抱くようになる。それをARKに知られ、自身の「消去」の判断を下したと知り、海外への逃亡を図るも敵わず、三雲によるマインドコントロールで精神を破壊され廃人と化す。ちなみに、マインドコントロールの内容から、元々女子校生に興味があった様子。
過去、ある意味潔癖な母親の逆鱗の触れたことで包丁を突き付けられた経験がある。その経緯で母親を拒絶してしまったことは未だに棘となって心に残っており、マインドコントロールの際に利用されてしまった。
双海芳紀
ARKの社員。自分の意識を電話やTVといった通信機器を使って飛ばすことが出来る能力を持つ。当初は、電話をかけた相手の姿が見える、覗き見のような能力であったが「ナイトヘッド・プロジェクト」により、飛躍的にその能力を上昇させ、千里眼のように複数の通信先の状況を同時に把握出来るようになる。しかし、その能力によりARKの目的を知り、疑問を持ってしまった事がきっかけでパラドックスを来たし、肉体に破綻が起きてしまう。そして、肉体が解け触手のようなものが伸びるなど人間という形を保てなくなりつつも、辛うじてパソコンまでたどり着いて自分の精神をネットワーク上に焼きこむことに成功。最終的には肉体は液化して消滅し、精神体となり電脳世界で生きていくこととなった。ただし、当初兄弟が訪れた彼の世界は明確な意思を示すことができない酷く抽象的なものだった。双海翔子と親類関係にあることを匂わす描写が僅かにあるが、明確にはされていない。

その他[編集]

Y
邪悪な気を放つ不気味な男。醜悪な容姿を持ち、兄弟に付き纏うかのように忽然と現れては周囲に厄災の如く超能力を揮う。その正体はふたりのマイナスの意識が実体化した存在で、兄弟が超能力という特殊な力を受け入れるにつれて姿を見せなくなる。
百目鬼法一
宗教団体の教祖。元々は、御厨と同じくロシアで超能力研究をしていた科学者で、二人で帰国後はそれぞれ日本で独自の超能力研究を根付かせることを誓いあっていた。やがて、宗教こそが最も偉大な超能力であり、信じることによって現実はどんどん変わっていくという持論に至り、自ら教祖となる。教団では、炎を生じるパイロキネシスの能力があるかのように振る舞い、そのカリスマで多くの信者を獲得するも、イカサマの超能力を披露し、また研究の為とは言え信者から多額の資金を集める行為に御厨から激怒され、二人は袂を分かつ。
小説版では御厨の短い回想のみでしか登場しないが、テレビ版の番外編ではその後の活躍が描かれている。
広瀬麗子
連続殺人を犯す女。常に強迫観念に囚われており、人を殺さないと自分が殺されると思い込んでいる。潜在的に紫色が好みで、紫色の衣服を身に着けた女性を「殺し屋」と看做し、次郎と二人でラブホテルに連れ込んでは絞殺していた。その思考は支離滅裂で、他にも日常生活のあらゆるものに危機を感じているが、稀に何故か当たっていることがある。場当たり的な犯行にも関わらず、警察にもノーマークであり、僅かに超能力を持っている可能性が示唆されている。
直也が研究所脱出後、初めて訪れたドライブインで偶然触れてリーディングしてしまい、それ以来、毎晩殺人のビジョンで悩まされることになってしまい、兄弟は犯行解決に乗り出すことになる。
坂巻次郎
麗子と二人で連続殺人を犯す男。常に麗子に怯えながら従っている。元々、性的不能者で生命力に乏しい印象を持つ男であったが、初めての麗子の犯行を偶然目撃してしまった以降、恐怖のあまり犯行に加わってしまうようになる。本人でも気付いていないが、実は心の底では「恐怖」が好きで犯行に加わっており、殺人という非日常の上質のホラーに心が浸ることから離れられずにいる。心底怯えながらも決して麗子から逃げ出そうとしないのはその為である。むしろ実行犯という最も重い罪の意識を麗子に押し付けているとすれば、彼女よりよほど悪質な「傍観者」と言える。
錦戸
警視庁上層部の幹部。御厨とは旧知の仲で、超能力が関係するであろう事件の情報を御厨にリークしていた。研究所に保護される超能力者は錦戸からの情報も多い。

設定[編集]

ARK
表向きは貿易商を営む大企業だが、社員は全て超能力者で、驚く程の少人数で形成されている。社名は「箱舟」を意味する。社長である奥原晶子の絶対的な予知能力を生かし、政財界にも深いパイプがあり、その気になれば世界征服ですら実現可能な程の影響力がある。
秘書の坂口曰く、野望というものは実現がわからない時に初めてもつ物、として、世界征服の意図は否定されており、彼らの目的は、変革を否定し、人類の為に物質世界と精神世界の共存を図るものであった。しかし、彼らは、多くの一般人を超能力を理解出来ない『100匹目の猿』として見下している為、彼らの言う『人類』とは、自分達を含む選ばれた一握りの人間の為のものでしかない。具体的には、天元早紀枝の精神を崩壊させ、その感情を伝染する能力を大陸を支配する程に増幅させ、人類全体の思想をコントロールしようとしていた。
また、日常業務として、超能力の素養がある者をスカウトし、より能力を伸ばす為の『ナイトヘッド・プロジェクト』を社内で行っており、直人と直也にも「吸収、もしくは消去」として接近を図る。
超能力研究所
御厨恭二郎の建てた研究施設。霧原兄弟は15年間ここに隔離されていた。研究所の目的は、社会生活が困難な程、強すぎる超能力を持ってしまった者の力を抑制し、一般社会に返すことである。直人が、「そんな事が必要な人間がいったい世界に何人居るのか」と呆れたように、彼ら2人以外の対象者はほとんどおらず、たまに居てもすぐに能力を失い、僅かな滞在で研究所を出て行くような有様であった。
施設の設備は研究所という名前に反して、無機質なコンクリなどはなく、木造のシンプルかつ生活感ある別荘といった造りで、長期生活を送ってもなるべくストレスのないような外観を意識されている。運営資金は、支援するパトロンのおかげで潤沢であり、特別高価なものでなければ大抵の物は手に入る。(直人が何度TVを爆発させても、すぐに新しいものが届く程。)
研究所一帯は霧原兄弟のみに作用する結界(ロープを円周とする半球体)が張られており、2人は長年、何度も逃亡を試みるも外に出ることが出来なかった。岬老人の死後、結界が消えた為、結界が岬老人の張ったものだったと知り、2人はようやく研究所を脱出することになる。実は結界は、外敵や外のマイナスのエネルギーから兄弟を守るための場所だと知るのは、脱走からしばらくしてのことである。岬老人の意思ひとつで超能力を持たない一般人も拒むことは可能である。
精神文明
2万年以上も前に超高度な文明を築きあげていた超古代文明。精神のエネルギーにより繁栄していたが、精神の方向がマイナスに転じたことで滅亡した。今の物質文明の前に人類最初に発生した文明と位置づけられる。イースター島の遺跡に残る、未解明のロンゴ・ロンゴという碑文にその痕跡を僅かに残す。
不確定要素
現実を変える程、大きな能力を持つ霧原兄弟に対してARKが定義した言葉。絶大な予知能力を持つ奥原晶子が、彼らが社内に訪問するギリギリまで未来を読めなかったのはその為とされる。
変革
人類が現在の物質文明から解き放たれ、精神文明へ至るターニングポイントの事。岬老人や翔子によって兄弟に伝えられた。2人が目指す目的とされるが、どのようなものなのか謎が多い。
予知能力
未来を知る事が出来る超能力だが、神谷司によると、そもそも未来とは確定された運命ではなく、予知能力とは無限の可能性の中から一つを選び取る作業であり、予知すること自体が未来を作ると説明されている。つまり、世界中にいる予知能力者によって未来は決定されている事になり、ARKが神谷司を殺害したのはその為ということらしい。

テレビドラマ[編集]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

放送リスト[編集]

  1. 1992年10月8日 REAL PSI(念力) 脚本・監督:飯田譲治
  2. 1992年10月15日 OBSESSION(強迫観念) 脚本・監督:飯田譲治
  3. 1992年10月22日 FAKE(偽物) 脚本:高山直也、演出:土方政人
  4. 1992年10月29日 AWAKENINGS(覚醒) 脚本:飯田譲治、演出:土方政人
  5. 1992年11月5日 VICTIMS(犠牲者) 脚本:飯田譲治、演出:本広克行
  6. 1992年11月12日 MISSING(失踪) 脚本:飯田譲治、演出:本広克行
  7. 1992年11月19日 NIGHTMARE(悪夢) 脚本:飯田譲治、演出:落合正幸
  8. 1992年11月26日 COMA(昏睡) 脚本:笠井健夫、演出:落合正幸
  9. 1992年12月3日 TRIGGER(触発) 脚本:飯田譲治、演出:本広克行
  10. 1992年12月10日 PROPHECY(予言) 脚本:笠井健夫、演出:土方政人
  11. 1992年12月17日 DRUG(薬物) 脚本:飯田譲治、演出:本広克行
  12. 1993年1月14日 THE APARTMENT(隔離) 脚本:高山直也、演出:落合正幸
  13. 1993年1月21日 CONFESSION(告白) 脚本:笠井健夫、演出:土方政人
  14. 1993年1月28日 SHADOW(影) 脚本:笠井健夫、演出:本広克行
  15. 1993年2月4日 APOCALYPSE(啓示) 脚本:笠井健夫、演出:土坂浩輝
  16. 1993年2月11日 A SAINT(聖人) 脚本:飯田譲治、演出:落合正幸
  17. 1993年2月18日 UTOPIA(理想郷) 脚本:飯田譲治、演出:土方政人
  18. 1993年2月25日 GIFTED(与えられし者) 脚本:飯田譲治、演出:本広克行
  19. 1993年3月4日 FORCE(力) 脚本:飯田譲治、演出:落合正幸
  20. 1993年3月11日 KARMA(業) 脚本:飯田譲治、演出:土坂浩輝
  21. 1993年3月18日 THE ARK(方舟) 脚本・監督:飯田譲治

テレビスペシャル[編集]

『NIGHT HEAD THE OTHER SIDE』のタイトルで製作されたスペシャル番組。1992年12月24日、1時間枠で放映された。本編のサイドストーリーである。そのため、霧原兄弟はわずかしか出てこない。主人公の刑事を演じているのは、「常識酒場」「トラブル・カフェ」で霧原直人を演じた今井雅之である。

ストーリー[編集]

廃ビルで発見された3人の惨殺死体。燃えた跡もあり、一部は炭になっていた。検視の結果、互いに殺し合ったという。妻との不仲に悩む剱木刑事のもとへ、松井刑事が横倉絵里という女性を連れてきた。絵里は透視能力を持つと自称し、現場を見て殺人の状況を言い当て、更に、真犯人として神津貞男の名前を出す。そして、信用しない剱木に対して、妻との不仲も言い当てるのであった。
超能力など信じない剱木は、絵里を調べるうちに、ある宗教団体に辿り着く。教祖である百目鬼は、かつて御厨と旧ソ連で超能力を研究していた・・・。

キャスト[編集]

  • 剱木浩一:今井雅之
  • 霧原直人:豊川悦司
  • 霧原直也:武田真治
  • 百目鬼法一:村松利史
  • 神津貞男:芹沢正和
  • 吉貝勇:常世田正人
  • 横倉絵里:富田貴子
  • 松井康彦:井田州彦
  • 剱木伸子:永光基乃

劇場版[編集]

『NIGHT HEAD 劇場版』のタイトルで東宝より配給され、1994年11月3日より公開された。上映時間107分。ストーリーはテレビシリーズの完結編となっている。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

  • 霧原直人:豊川悦司
  • 霧原直也:武田真治
  • 双海翔子:山口リエ(声のみ)
  • 天元早紀枝:小島聖
  • 天元知美:奥菜恵
  • 都築洋介:松尾スズキ
  • 坂口修:走水杏伍
  • 天元久雄:中平良夫
  • 天元悠子:姿晴香
  • 三雲玄吾:篠井英介
  • 奥原晶子:南美江

CD[編集]

NIGHT HEAD サウンドトラック[編集]

NIGHT HEAD サウンドトラック
NIGHT HEADサウンドトラック
リリース
録音 1993年 日本の旗 日本
ジャンル サウンドトラック
レーベル ソニーミュージック
NIGHT HEAD 年表
NIGHT HEAD サウンドトラック1993年 映画 NIGHT HEAD オリジナル・サウンドトラック1994年
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ドラマ版のサウンドトラックCDとしてリリースされている。

収録曲
  1. ロンゴ ロンゴ
  2. 森-FOREST-
  3. THE ARK
  4. FORCE-力-
  5. 平行世界
  6. タント
  7. 100匹目の猿
  8. ハンド
  9. 70%
  10. COMA-昏睡-
  11. FOREST-森-
  12. NIGHT HEAD Theme
  13. NIGHT MARE
  14. バーチャル セックス
  15. アザレア
  16. ロンゴ ロンゴ リミックス
  17. GIFTED
  18. NIGHT HEAD リミックス

映画 NIGHT HEAD オリジナル・サウンドトラック[編集]

映画 NIGHT HEAD オリジナル・サウンドトラック
NIGHT HEADサウンドトラック
リリース
録音 1994年 日本の旗 日本
ジャンル サウンドトラック
レーベル ポニーキャニオン
NIGHT HEAD 年表
NIGHT HEAD サウンドトラック1993年 映画 NIGHT HEAD オリジナル・サウンドトラック1994年
テンプレートを表示

映画版のサウンドトラックCDとしてリリースされている。

収録曲
  • 全ての曲は配島邦明が作曲・編曲
  1. トリノロンゴ
  2. UNKNOWN
  3. リーティング
  4. ロンゴロンゴ(New Version)
  5. THE TRIAL
  6. NIGHT HEAD(New Version)
  7. GENUS LOCI~ゲニウス・ロキ~
  8. INNER
  9. モール
  10. GLOW HEAD

書籍[編集]

小説版[編集]

ドラマ、映画版の監督である、飯田譲治本人により執筆された小説。1話完結のオムニバス形式であったドラマ版に比べ、全体として話が繋がる1本の長編物語として形成されている。一部、ドラマでは登場した人物やエピソードが、未登場であるものの、小説という媒体を生かしたより深い心理描写が特徴で、未使用のエピソードも所々改変され本編に生かされている。
『NIGHT HEAD』1~4巻は上記の改変されたドラマ版の物語。
『NIGHT HEAD THE TRIAL』は続編で、映画版の内容を踏襲している。
『NIGHT HEAD DEEP FOREST』では、ドラマや映画では描かれなかった、研究所生活時代の兄弟に起きた事件、所謂、前日譚の外伝が2篇と、締めくくりとなる後日譚1本の三篇が掲載されている。
『NIGHT HEAD 誘発者』は3年の時を経て執筆された続編で、完結編である。

漫画版[編集]

  • フジテレビ出版
  • 白泉社
    • NIGHT HEAD 1(著者:立野真琴(画)・飯田譲治(原作)/発行年月日:1997.3.25)
  • 角川書店
    • 完全版 NIGHT HEAD 1〜8(著者:立野真琴(画)・飯田譲治(原作)/発行年月:1998.4〜2000.11)
  • ホーム社
    • NIGHT HEAD 1〜4(著者:立野真琴(画)・飯田譲治(原作)/発行年月:2004.4〜2004.6)※文庫サイズ

写真集[編集]

  • 徳間書店
    • NIGHT HEAD THE NEW ARK PHOTOGRAPHICS (小林ばく(撮影)・飯田譲治(ストーリー)/発行年月:1993.10/ISBN 4-19-860018-X)-オリジナルストーリーで構成され前述の漫画版でコミカライズされている。
    • NIGHT HEAD FINAL COLLECTION(ISBN 4-19-860187-9

シナリオ集[編集]

ゲーム[編集]

原作に登場する双海翔子にまつわるサイドストーリー。3Dポリゴン描画のアドベンチャーRPG。月額315円会員のみプレイ可能。アクセスはiMENU>メニューリスト>ゲーム>ミニゲーム>ウリキリアリmobGame

脚注[編集]

  1. ^ a b 「Column 深夜のカルト番組が劇場進出!」『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』 竹書房/イオン編、竹書房1995年11月30日、217頁。C0076。ISBN 4-88475-874-9

関連事項[編集]

外部サイト[編集]

フジテレビ 木曜24:40枠
前番組 番組名 次番組
NIGHT HEAD