響 〜小説家になる方法〜

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響 〜小説家になる方法〜
ジャンル 青年漫画
漫画
作者 柳本光晴
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスペリオール
レーベル ビッグコミックス
発表号 2014年18号 -
発表期間 2014年8月22日 -
巻数 既刊10(2018年9月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画映画
ポータル 漫画映画

響 〜小説家になる方法〜』(ひびき しょうせつかになるほうほう)は 柳本光晴による日本漫画作品。『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて、2014年18号から連載されている。

2017年マンガ大賞2017大賞を受賞[1]

2018年9月14日、『響 -HIBIKI-』のタイトルで実写映画が公開[2][3]

あらすじ[編集]

出版不況に苦しむ文芸業界。現状の厳しさを嘆く文芸雑誌「木蓮」編集部に、応募要項を一切無視した新人賞応募作が届く。

破棄されるはずだったその作品に一人の編集者が目をとめたことから、世界は変わり始める。

第1巻〜第4巻:新人賞受賞

木蓮編集部に届いた、作者の連絡先さえない新人賞応募作。鮎喰 響という作者の名前しか分からない『お伽の庭』は、紛れもない傑作だった。作者が分からないことには出版できない。編集者の花井 ふみはどうにかこれを世に出そうと響を探して奔走する。

作者の響は高校に入学したばかりの15歳の少女だった。どこまでも自分の考え、やり方を貫き周りと衝突してしまう。『お伽の庭』はそんな自分の価値観を確かめるために書いた作品であったが、彼女には並外れた感性と才能があった。一時は要項不備のためお蔵入りしかけるが、高名な小説家を父に持つ文芸部の2年生、祖父江 凛夏を通じて響と花井は接触し、『お伽の庭』は木蓮新人賞を受賞した。

響は小説を通じ様々な人々と出会うが、その姿勢は変わらない。無難な作品しか書けなくなった芥川賞作家に正面からつまらないと言い放ち、喧嘩を売ってきた新人賞同期受賞者を授賞式の壇上で殴打する。騒動を起こしながらも、その圧倒的な才能で人々の生き方を変えていく。

第4巻〜第6巻:芥川賞・直木賞同時受賞

凛夏は二世・現役女子高生作家として小説家デビューして『四季降る塔』を発表し、一躍有名人になる。しかし響は正直にその作品をつまらないと言い喧嘩になってしまう。凛夏は芥川賞候補作の発表で響に勝負を持ちかけるが、響の『お伽の庭』が芥川賞・直木賞に史上初・最年少ダブルノミネートされる一方、凛夏は候補に挙がらなかった。嫉妬が爆発し凛夏は思わず友達でないと響に暴言を吐いてしまうが、響はそれを本心じゃないと理解していて、2人は仲直りする。

史上最年少・史上初のダブルノミネートし、さらに同時受賞まで成し遂げてしまった響の周囲は騒がしくなるが、響は賞に興味を示さず一切の取材を拒否し、ここでも彼女は自身の姿勢を変えない。しつこく付け回す週刊誌の記者のカメラを壊して自宅に乗り込んで脅迫し、フードで顔を隠して出席した受賞会見では花井に暴言を吐いた記者にマイクを投げつけ、フードを引き剥がそうとした記者を蹴り飛ばした挙句会見場の窓から逃走してしまう。その帰りに芥川賞受賞を4度目のノミネートで逃し、絶望で踏切自殺しようとした山本 春平と出会う。駄作しか書けないから自殺するという山本に、響は自殺させないために線路内に留まり、駅員が押した非常停止ボタンで寸前の所で電車は止まる。「小説家なら傑作1本書いてから死になさい」「私は死なないわよ。まだ傑作を書いた覚えはない」。彼女の言葉に押され、山本は生きて小説家を続ける決意をした。

第6巻〜第9巻:テレビ局襲撃

4月を迎え、響は2年生になった。『お伽の庭』は発売から2ヶ月で170万部刷られ社会現象とまでなったが、響がその作者であることを知る者は凛夏、そして文芸部新入部員の柊 咲希らごく一部であり、世間で「響」の素性は謎のままだった。一方響の性格・行動は変わらず、喧嘩を売ってきた新入部員を半殺しにするなど彼女らしく過ごしていた。

以前響はラノベを執筆している文芸部員関口 花代子に、アドバイスのつもりでヴァンパイアをテーマにした小説『眠る月』を執筆していた。この小説を花代子は気に入り、出来心でラノベ大手のNF文庫新人賞に無断で投稿してしまう。『漆黒のヴァンパイアと眠る月』と花代子によって改題されたこの小説は大賞を受賞し、アニメ化まで決まって騒動になってしまった。盗作であるため取り下げと賞の辞退を申し出る響と花代子だったが、アニメ化のプロデューサー津久井は文体から『お伽の庭』の作者「響」だと見抜き、そのキャラに惚れ込んで響をアイドル化しアニメをゴールデン枠に持ってくることを企てる。彼女の性格を見越して無許可でドキュメンタリー番組を作成する津久井であったが、それを知った響は番組を潰すと宣言。収録現場にテレビ局の社長を人質にとって乗り込み、収録を中止しなければ社長の指を折ると脅迫する。無関係な社長を傷つけず、津久井を欺くために本当に自身の指を折り、ついに番組を中止に追い込んだのであった。

第9巻:小説家になる方法

表舞台に出ないところで騒動を起こしながらも、『漆黒のヴァンパイアと眠る月』は「響」の2作目として出版され、初版だけでも30万部になった。凛夏も2作目『竜と冒険』を発表。純粋に自身の描きたいものを見つめ直した作品は前作よりも好評だったが、またしても芥川賞ノミネートはならなかった。「自力で手に入れた肩書きが欲しかった」と呟く凛夏を、「友達の響ちゃん大絶賛じゃ駄目?」と響は悪気なく慰めた。親友の言葉に、凛夏は素直に感謝することができた。

『お伽の庭』の芥川賞・直木賞同時受賞から1年が過ぎた。咲希は偶然書店で山本と出会い、小説家になる方法を尋ねた。山本にも分からず答えられなかったが、その後5度目のノミネートでついに山本は芥川賞を受賞した。「何年も努力して書き続け、ただ小説のことだけ考えて、そうやって俺は芥川をとれた」。才能に恵まれなかった者として、山本なりの小説家になる方法だった。文学部全員で応募した高校文芸コンクールに、響は2時間で書き上げた短編小説で最優秀賞を受賞した。期日ギリギリまで粘って描き上げ、自信を持って臨んだ咲希は入賞もできなかった。残酷なまでの才能の差。会見で小説家になる方法を答える山本に、咲希は涙が溢れた。

第9巻〜:政治家との対決


登場人物[注 1][編集]

主人公[編集]

鮎喰 響(あくい ひびき)
15歳の少女。読書好きで、月に二、三十冊の小説を読む。類い稀な文才と感性の持ち主だが、歯に衣着せぬ物言いや冗談の通じない性格、自分の考えたことを思いとどまることなく実行する行動から、周囲とは衝突しやすい[注 2]。初対面で年上の人間であっても呼び捨てにしたり、突発的に暴力的な行動に出たりと響を知らない人間からは甚だ非常識な人間に映る。シャツは、途中から出して着ている。
生真面目な公務員の父親と能天気な専業主婦の母親とともに、神奈川県の一軒家に住んでいる。県外の大学に進学している兄がいる。ごく平凡な家庭。学業の成績は学年でもトップクラス。運動は苦手だが喧嘩は強い。
教室では周囲とかかわろうとせずクラスメイトとの関係は希薄だが、本人なりにクラスメイトとの絆を感じており、友人という思いを抱いている。また同性からは立ち振る舞いを「かっこいい」と思われており、女子生徒間での人気は高い。その反面で涼太郎に想いを寄せる女子生徒から嫉妬も受けている。
幼馴染である涼太郎からの好意を、素直ならずとも受け止めている様子。嫉妬するなど、普通の少女のような一面をのぞかせることもある。
中学3年生の終わりに小説『お伽の庭』を執筆し、「木蓮」新人賞に応募。新人賞を受賞し、同作で史上初の芥川賞直木賞の同時受賞をする[注 3]。史上最年少受賞に加え、受賞会見で暴行騒動をおこすなどして注目を集めたことで200万部を発行し社会現象を起こしたが、著者名は「響」のみとし顔や本名を公表してないため、周囲の人間には作者だと気づかれていない。
2年生時の身体測定では身長154センチメートル、体重42キログラムとなっている。
花井 ふみ(はない ふみ)
「木蓮」編集部の編集者。25歳。文芸の時代の復活を志しており、ごみ箱に捨てられていた『お伽の庭』に自分の夢を託し奔走する。響の常識はずれの行動に振り回されながらも支え続け、その精力的な仕事振りと芥川賞・直木賞の受賞会見での行動から「若いが有能な編集者」と有名になる。

北瀬戸高校[編集]

祖父江 凛夏(そぶえ りか)
文芸部部長。響にとっては文芸部の先輩であり親友。第13話によるとフルネームは「祖父江sofia凜夏」。
日本を代表する小説家、祖父江秋人の娘。フィンランド人の母とのハーフで、金髪で小麦色の肌だが、染めているわけではなく天然。
一見軽そうな外見と言動だが、内面は非常に理知的で他人の思惑や空気を読むことに長ける。
気持ちを表には出さずに、自分を殺して場の雰囲気を壊さぬよう振る舞うことが多い。そのため誰とでも親しくできるが、本心を晒せるような友人はいない。しかし自分と正反対に振る舞う響に惹かれ、響に対してだけは素のままの自分を見せるようになる。
父親の影響で幼いころから小説家になることを目指しており、小説『四季降る塔』で作家デビューする。だが、父親を始めとした周囲の評価は「同世代ではずば抜けている」程度であり、新人賞を通過出来るのか分からないと評されている。響との才能の差に苦しみもしたが、そのことを受け入れ、自分の作品を見つめなおすようになる。
卒業後は母の故郷であるフィンランドの大学に留学する。
椿 涼太郎(つばき りょうたろう)
文芸部員。響の幼馴染で同級生。実家は響の家の隣にある喫茶店「メルヘン」で、時間のある時に店員として手伝っている。
眉目秀麗、頭脳明晰、スポーツ万能な優等生。一方で異常ともいえる好意を隠す事なく響に寄せる。自室には様々な年齢の響の写真が貼られており、壁だけでは収まりきらず窓にも写真が貼られている。毎晩写真に口づけをし、おやすみを言ってから眠りにつく。母親にも気味悪がられているが、本人曰く、好きな子の写真を貼るのは当然。響もこの部屋に足を踏み入れていて状態を知っているが、隠し撮りでなければ撮影することは許している。かなり偏執的ではあるものの常に響の味方であり、基本的に彼女を想って行動する。
響がその才能を活かし、作家として生きることが彼女の幸せに結びつかないのではないかという漠然とした不安を抱いており、彼女には普通の女の子でいてもらいたいと思っている。そのため、響の才能を知りながらも目を逸らしているかのような言動や小説家という存在から遠ざけるような言動をする。
関口 花代子(せきぐち かよこ)
文芸部員。響の同級生。ラノベファンで、特にヴァンパイア物が好き。性格は引っ込み思案で少々バカっぽい。自然体で堂々と生きている響に惹かれて入部。
顔立ちは普通だが、172センチメートルの長身でグラマラスな体型をしている。塩崎とは恋人未満友達以上の関係。
自分でも小説を書いているが文才はなく、新人賞に応募するも一次審査で落選。響やふみにアドバイスをもらい書いていたが、響がアドバイスのつもりで書いたヴァンパイア小説にはまってしまい、それを好奇心から勝手に新人賞に応募したところその作品が大賞に選ばれてしまい、騒動を起こすことになる。
凜夏と塩崎の引退後、文芸部の新部長となる。
塩崎 隆也(しおざき たかや)
文芸部員。響の先輩。身長185センチメートルの大柄な体格をした強面の不良だが、実は常識的な人間。
不良仲間達と文芸部を溜まり場にしていた。入部しに来た響を殺すと脅し帰そうとするも、殺し合いだと受け取った響に指を折られる。その後響に勧誘され、意趣返しに彼女を脅かすも逆に彼女の度胸に屈して文芸部に入部。
言動は粗暴だが人の心情の機微に聡く、後輩たちの面倒見は良い。凛夏には頭が上がらないが、その内面をよく理解している。響の過激な行動や話術に圧倒されてやり込められている場面が多いが、花代子に絡んでいたナンパ男達を叩きのめす程の喧嘩の強さと男気を持っている。花代子にベタ惚れしている。
かつては自分が特別な何かになる、という漠然とした自信をもち周りを見下していた。文芸部で本物の天才である響と時間を過ごす中で自身の平凡さを知り、凡人なりに努力しなければならないと考えを改めた。建築の勉強をするという目的で大学進学を希望して受験勉強に勤しみ、東京の大学に進学を決めた。
柊 咲希(ひいらぎ さき)
文芸部員。響の後輩。響と似て孤立しがちな性格で、自我が強く口より手が先に動く。周囲からはおかっぱちゃんと呼ばれている。
文芸好きで、芥川賞・直木賞候補になる前から『お伽の庭』の大ファンだった。響が嗣郎を絞め殺そうとしてるのをみて「響」だと気付く。ミステリー物の小説を書いており、響からも「結構面白かった」と認めてもらった。響への憧れが強く、小説家になりたいと願い花井から本格的にアドバイスをもらっている。
宇佐見 典子(うさみ のりこ)
文芸部員。響の後輩。やたらとテンションの高い騒がしい性格でムードメーカー。小説好きで祖父江秋人の大ファンで凛夏にも憧れている。当初は世間で流れている「響はいない説」を信じていたが、合宿で響の書いた小説を読んで由良と共に彼女が「響」だと知る。
意外な文才があり、「典子日記」で高校文芸コンクールで入選する。
由良 かなえ(ゆら かなえ)
文芸部員。響の後輩。クラスで隣の席になった典子と意気投合し、一緒にはしゃいでいる。典子とともに文芸部のムードメーカーである。『お伽の庭』を読んで小説にハマる。
西嶋 嗣郎(にしじま しろう)
文芸部員。響の後輩。中学まではサッカー部。文芸部を溜まり場にしようと入部したが、響に締められる。その後は大人しくなり、文芸部の中では比較的常識人である。
安達悠音(あだちひろと)
城北中学校出身。一年二組。好きな作家はヘミングウェイ、ツルゲーネフ、ヘッセ、響。響の『お伽の庭』がきっかけで響がいた文芸部に入部を希望する。図書館王子と呼ばれるほどの女たらし。
小池望唯(こいけみゆ)
兵庫県出身。高槻中学出身。ニュースを見ておらず響が北瀬戸高校に在学していたことを知らなかった。安達に便乗する形で文芸部への入部を希望。
黒島 智(くろしま さとし)
文芸部顧問。担当教科は倫理。文芸に興味はなく、廃部になればよいと思っている。凛夏曰く「ビックリするほどクズ」。
タバコを吸いに行った印刷室で響に遭遇し、退部させてやろうと絡んだが返り討ちに遭う。響に影響されタカヤが真面目に勉強し進学を決めた姿を見て、生徒に向かい合わず指導を放棄していた自身を悔いていた。
福沢(ふくざわ)
女性教諭。響の1年次の担任。周囲と積極的に関わることが少ない響を人に話しかける勇気がなく孤立していると捉え、文化祭をクラスメイトと周り打ち解けるよう勧めたが、友達でもベタベタと馴れ合う必要はないと真正面から響に否定・拒否された。しかしそのことで響なりの周囲との距離感を理解し、そのまま見守るべきだと思うようになる。響が『お伽の庭』の作者であることは知っている。
笹木
響の2年次のクラスメイト。修学旅行で響と同じグループになる。涼太郎が好きで響に涼太郎との橋渡しを頼んだが、相手にされなかった。それでも諦めず一橋テレビに向かう響を尾行した結果、TV局襲撃に巻き込まれる。

メディア[編集]

神田(かんだ)
「木蓮」編集部編集長。ニコニコと笑顔を絶やさないが、花井ら編集部員の意見を無視して物事を推し進める独善的な人物。「文芸は芸術であり、重要なのは売れることではなく存在し続けること」というスタンスで、花井からは「死ぬほどやる気がない」と軽蔑されている。花井は彼に対する不満から響と出会うまで最短で編集長になるという目的を持つようになる。
大坪(おおつぼ)
「木蓮」編集部員。花井の先輩に当たる。文芸復活を目指す花井のよき理解者。鬼島や吉野を担当している。
巻田(まきた)
「木蓮」編集部員。大坪の先輩に当たる。
「最低限のルールも守れない相手と仕事は出来ない」という理由で、送られてきた「お伽の庭」の原稿を読みもせずに破棄しようとした。
野中(のなか)
「木蓮」編集部員。
ナベさん
「木蓮」編集部員。本名不詳。西ヶ谷の担当編集。
津久井(つくい)
「一ツ橋テレビ」プロデューサー。ドラマ部門で数々のヒット作を手掛けた敏腕プロデューサーとして業界でも有名だったが、昨年自分から志願してアニメ部に異動。アニメであっても本物であればTVの中心になれると考えており、TV業界の構造改革を目指している。
『漆黒のヴァンパイアと眠る月』のアニメ化にあたり作者をスター化しようと計画。響を一目で『漆黒のヴァンパイアと眠る月』の作者であることを見抜き、響という名前・文体から『お伽の庭』の作者と疑いを持ち、喫茶店で花井と一緒にいる彼女を目撃して確信する。
響の許可を取らず強引にドキュメンタリー番組の企画を進めていたが、番組収録中に響に殴りこまれ、収録中止に追い込まれる。その責任を取り懲戒処分を受ける。
月島 初子(つきしま はつこ)
「NF文庫」編集部員。29歳。花代子が応募した『漆黒のヴァンパイアと眠る月』の担当。小説の作者が花代子だと信じていたため、問題とは気づかずにアニメ化の計画を進めていく。
吉高(よしたか)
ドラマ制作部。七瀬の上司であり、彼女の津久井に対する無礼な言動の所為で彼に責められる。
七瀬(ななせ)
ドラマ制作部。津久井の『漆黒のヴァンパイアと眠る月』の作者スター化計画の一環でドキュメンタリー作りに利用されている。他人を肩書きで判断し、格下と判断した相手には何を言ってもいいと思っている。津久井から「クソ豚」「野良豚」と評されている。響には尾行・隠し撮り中に何度も気がつかれており、やや頭が弱いことが伺える。
藤野(ふじの)
「一橋テレビ」編成局第二制作部。津久井、清田の上司。
自分の若いころの感覚で仕事をしており、清田に「視聴率30%を取れる企画を立案しろ」という指示を出すが、彼に時代錯誤な指示であることを指摘されて言い負かされる。

文壇[編集]

祖父江 秋人(そぶえ あきひと)
小説家。50歳。29歳の時にデビュー作で芥川賞を受賞。代表作は1500万部を売り上げており、日本を代表する純文学作家として知られる[注 4]。凛夏の父親。
人付き合いは苦手で、文壇とは距離を置いており、メディアへの露出もほとんどない。『お伽の庭』を「見たことない本物」と評しており、他の作家同様に響を注目している。
大学を中退後にベルギーに渡航し、ヨーロッパ各地を放浪した。26歳の時にフィンランドでカフェを開店、その約一年後に凜夏の母と結婚した。37歳の時に家族と共に日本に帰国して専業小説家となる。
鬼島 仁(きじま ひとし)
小説家。42歳。身長180センチメートル。28歳の時、木蓮新人賞を受賞。3作目『雪見て』で志賀文芸賞を受賞。5作目『花枯れ国朽ち』で芥川賞を受賞。26作品の累計販売部数は190万部を超え、テレビなどメディアへの露出も多い有名作家だが、芥川賞受賞以降、作家としてのモチベーションを失っており、そのことから響に「昔売れてた小説家」と評された。プライドが高く、メディア露出を嫌う祖父江秋人が純文学の代表と語られることから逆恨みしている。
秋人への逆恨みから凛夏に絡んでいたところを響に蹴り倒される。平静に振る舞いつつも内心激怒していたが、『お伽の庭』を読んで響の才能に打ちのめされ、自身の才能の枯渇を認めた。初対面こそ最悪であったが、そこそこ関係性は良い。
吉野 桔梗(よしの ききょう)
小説家。39歳。25歳の時に白樺新人賞を受賞し、32歳の時には芥川賞を受賞。新人作家から「恋愛小説の神」と呼ばれている。良識ある大人の女性。長身で、「ゴリラ」「バケモノ」と揶揄されたりするいかつい風貌。本人はコンプレックスではあるが受け入れて諦観している。
凛夏とは旧知だが、秋人に好意を寄せていることを初対面で見抜かれ、以来敵視されている。直接顔を合わせるとお互い喧嘩腰になってしまうが、敵視している=吉野を女性とみなしているということであり、それゆえに吉野は凛夏を嫌いではない。凛夏も吉野のことをオバサン呼ばわりしてはいるが、良い人であるということは理解している。響のことは気に入っており、木蓮新人賞授章式のゴスロリファッションは彼女が買い与えたもの。
中原 愛佳(なかはら あいか)
ライター兼小説家。28歳の時に「蓮華郷」で文芸誌の新人賞を受賞してデビュー。売れる作品は書けないが、「隠れた名作」を書けるタイプの作家で担当の大坪個人では彼女のファンであり、響にも認められている。
「蓮華郷」「午後の邂逅」2作を出版するも売り上げは不振で、小説家を続けるか悩んでいたところ、たまたま凛夏達の発行した部誌を手に取り響達に出会う。響を「本物の才能」と感じ、筆を折ることを決意する。モノローグでその後の人生が描かれている。引退後はベーカリーショップに勤務。おまけ漫画に登場し、響と交流する様子が描かれている。
山岡 歩々(やまおか あゆゆ)
小説家兼ファーストフード店員。31歳。28歳の時、「胡蝶夢想」で創文新人賞を受賞。「木蓮」新人賞の一次審査を担当した若手作家の一人。言動が少々子供っぽいところがある。『お伽の庭』を「常識がひっくり返される」「生き方の正解を教えられたよう」と評し、他作品を全て一次選考で落とそうとまでして担当編集者に叱られた。
西ヶ谷 コウ(にしがや コウ)
小説家兼OL。32歳。25歳の時、「紫煙」で黎明新人賞を受賞。「木蓮」新人賞の二次審査を担当した若手作家の一人。元ヤン。担当編集者からは「エゴの塊みたいな女」と評されるが、『お伽の庭』を読んで思わず「こんな才能初めて見た」と吐露する。
橘 鶴子
「木蓮」新人賞の最終審査を担当した小説家の一人。43歳。国語の教科書に作品が載っている程の有名作家。眼つきが鋭い女性。
吉田 桐彦
「木蓮」新人賞の最終審査を担当した小説家の一人。55歳。国語の教科書に作品が載っている程の有名作家。白髪の紳士。
田中康平
「木蓮」新人賞のもう一人の受賞者である新人作家。28歳。身長185センチメートル。自信家で世の中を斜視している。その性格ゆえに職を転々としているフリーター兼小説家。
受賞式の時点で『お伽の庭』を読んでいなかったので周囲の響と自分に対する対応の差を理解出来ず、響のことを「話題作り」と解釈して嫌悪感を覚え喧嘩を売る。結果授賞式壇上で、響にパイプ椅子で殴り倒され授賞式途中で退場を余儀無くされた。
『お伽の庭』を読み終えた後は素直に感動し、響の元を訪れその感想を伝え、勝手にライバル宣言をする。発言が芝居掛かっていていたこともあり、響とは微妙に会話が成立していなかった。
豊増 幸(とよます みゆき)
小説家。35歳のシングルマザー。『屍と花』で芥川賞にノミネートされ、『お伽の庭』と同時に芥川賞を受賞する。
山本 春平(やまもと しゅんぺい)
小説家兼フリーター。33歳。デビュー作で芥川賞にノミネートされ、以後も最終選考常連となるも受賞からはことごとく外される。
『お伽の庭』と同時にノミネートされた『豚小屋の豚』を最後のチャンスと定めたが、受賞はかなわず自殺しようとした。その直前に響と出会い、その言葉と行動を受けて思いとどまる。
翌年に『百年前の一目惚れ』で芥川賞受賞を果たす。
猪又 コウジ(いのまた コウジ)
小説家兼ミュージシャン。デビュー作『火の川』で芥川賞を受賞する。
モデルは又吉直樹。[要出典]

その他[編集]

霧雨 アメ(きりう アメ)
イラストレーター兼同人作家。業界トップクラスのイラストレーター。特に「異世界建国ライフ」「ラブラブライク」などで連続ヒットを飛ばす。
『漆黒のヴァンパイアと眠る月』のイラストを担当。当初は特別新人賞だからと手抜きをし、小説を読まずにイメージとかけ離れたラフ画をあげて、小説をでたらめに弄ったと響を激怒させる。作品に真摯に向き合わない態度を悪であると真正面からぶつかる響に心動かされ、リテイクに応じた。本名はマンションの表札の表記より「村井」と推定される。
子安 紡(こやす つむぐ)
小説家。『異世界建国ライフ』でNF文庫新人賞を受賞。デビュー作がそのままシリーズ累計200万部を越え、NF文庫のシリーズ内では部数トップである。
いつしかかつて自身が軽蔑したような向上心を失った作家になっていたが、響の顔面パンチ等の行動とそのにより性根を叩き直される。
藤代 琴子(ふじしろ ことこ)
聖メアリー女学院三年。文芸部部長。プライドが高く気が強い。
2年連続で高校文芸コンクールで最優秀賞を受賞し、3年連続での受賞を目指していたが、響が応募したため優秀賞に留まる。
加賀美 祥吾(かがみ しょうご)
民自党所属の国会議員・文部科学大臣。
総理の辞職に伴い行われた総裁選に出馬。高校文芸コンクールで最優秀賞を受賞したのが「響」であるらしいと聞き、話題作りに利用しようとしたが、授賞式の壇上で響に殴り倒される。しかししたたかな振る舞いでそのことを話題作りにすることに成功し、総裁選で勝利する。

作中の作品[編集]

『お伽の庭』
響が中学の終わりに執筆。山あいの寒村を舞台に、その中での世界観と死生観を描いた作品。
気持ちのいい文体に、架空の世界に生活の匂いが作れる描写力、風俗や文化を感じさせる世界を作り上げている。
純文学の芥川賞・大衆小説の直木賞の同時受賞をし、発行部数は200万部を超えて社会現象となる。
『千年楼』
響が高校1年生の5月に執筆。小さな町の小さなステージに立つ16歳の踊り子の話。
文芸部部誌に執筆した短編だが、凛夏はこれに大きな才能の差を感じ、中原は本物の才能と評し引退を決意させた。
『四季降る塔』
凛夏が高校2年の夏に執筆。1日で四季が過ぎ、外の世界では1年が過ぎる塔に1人で住む少女を描いた作品。
話題性もあり20万部のヒット作となるが、響からは「ストーリーと構成が奇麗にまとまってるだけの、ただの文章」と切り捨てられる。
『漆黒のヴァンパイアと眠る月』
響が高校1年の冬に執筆。350年に一度受肉し、世界に災厄を招く者を描いた作品。ラノベとして応募されたが、純文学のような文体で描かれている。
元々はヴァンパイア物が好きではなかったが花代子に触発され書き上げ、それを花代子に譲った。だが花代子は自分の名義で無断でNF文庫の新人賞に応募し、大賞を受賞してしまう。同時にアニメ化とシリーズ化の企画も動き出すことになった。
響は編集部に事情を説明し受賞を辞退したため、審査員特別賞に落ち着いた。続編は未定だと説明するが、責任を感じた花代子が稚拙な構想を提案するのを見かねて、続編を執筆することになった。
『竜と冒険』
凛夏が高校3年生の夏に執筆。100万年変わらない世界を竜と少女が旅をする話。面白く無くなってしまった1作目の反省を踏まえ、原点に立ち返りただ好きなものをカッコよく書いてみた、という作品。響は今までの凛夏の作品で一番面白いと評した。
『11月誰そ彼』
響が高校2年の秋に執筆。2時間で描ききり高校の文芸コンクールに応募した短編作品。11月の黄昏時に色んな死者と出会い話をするだけで、あまりドラマティックな死の話もない。それでも恐ろしく綺麗な文章であり、審査員たちに『お伽の庭』の作者ではないかと疑わせた。

書誌情報[編集]

映画[編集]

響 -HIBIKI-
監督 月川翔
脚本 西田征史
原作 柳本光晴『響 〜小説家になる方法〜』
製作 佐藤善宏(プロデュース)
神戸明(プロデューサー)
製作総指揮 山内章弘
出演者 平手友梨奈欅坂46
アヤカ・ウィルソン
高嶋政伸
柳楽優弥
北村有起哉
野間口徹
小松和重
黒田大輔
板垣瑞生
吉田栄作
小栗旬
北川景子
音楽 伊藤ゴロー
主題歌 平手友梨奈「角を曲がる」
撮影 鍋島淳裕
編集 穂垣順之助
制作会社 東宝映画
製作会社 映画「響 -HIBIKI-」製作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗2018年9月14日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2018年9月14日、『響 -HIBIKI-』のタイトルで実写映画が公開された[2]。主演は欅坂46平手友梨奈[3]。映画初出演で初主演となる[3]。監督は『君の膵臓をたべたい』の月川翔[2]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 原作 - 柳本光晴「響 〜小説家になる方法〜」(小学館ビッグコミックスペリオール」連載中)
  • 監督 - 月川翔
  • 脚本 - 西田征史
  • 音楽 - 伊藤ゴロー
  • 製作 - 市川南、竹中幸平
  • スーパーバイザー - 秋元康
  • エグゼクティブプロデューサー - 山内章弘
  • プロデュース - 佐藤善宏
  • プロデューサー - 神戸明
  • 企画 - 小野田壮吉
  • プロダクション統括 - 佐藤毅
  • ラインプロデューサー - 阿久根裕行
  • 劇中曲 - 小島裕規
  • 撮影 - 鍋島淳裕
  • 照明 - かげつよし
  • 美術 - 五辻圭
  • 録音 - 柳屋文彦 
  • 編集 - 穂垣順之助
  • 装飾 - 田中博
  • VFXスーパーバイザー - 山口聡
  • 衣装 - 新崎みのり
  • ヘアメイク - 百瀬広美
  • スクリプター - 菅谷雪乃
  • キャスティング - 杉野剛
  • 助監督 - 後藤孝太郎
  • 製作担当 - 清水貴紀
  • アクションコーディネーター - 吉田浩之
  • 音楽プロデューサー - 北原京子
  • 宣伝プロデューサー - 中村由佳
  • 配給 - 東宝
  • 製作プロダクション - 東宝映画
  • 製作 - 映画「響 -HIBIKI-」製作委員会

主題歌[編集]

平手友梨奈「角を曲がる」[14]
作詞:秋元康、作曲:ナスカ、編曲:the Third
ソニー・ミュージックレコーズ

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 年齢は初登場時のもの。
  2. ^ 凛夏曰く「どう言葉を選んでも頭がおかしいとしか言えない」ふみは「自分の世界と現実の世界の違いに我慢できない」と分析する。
  3. ^ 実際は規定により、一つの作品が両方の賞の候補に挙がることはない。
  4. ^ 上記のプロフィールが第13話に記載されるまで登場人物の台詞からデビュー30年となっており、齟齬が出ている。

出典[編集]

  1. ^ “マンガ大賞2017、柳本光晴「響 〜小説家になる方法〜」に決定”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年3月28日). http://natalie.mu/comic/news/226405 2017年3月28日閲覧。 
  2. ^ a b c “「響 ~小説家になる方法~」映画化決定!メガホンは月川翔監督”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2017年12月13日). http://eiga.com/news/20171213/16/ 2018年4月16日閲覧。 
  3. ^ a b c “平手友梨奈、映画初主演で天才文学少女熱演「彼女の生き様を届けたい」”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2018年4月16日). https://natalie.mu/music/news/278178 2018年4月16日閲覧。 
  4. ^ 響 〜小説家になる方法〜 1|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  5. ^ 響 〜小説家になる方法〜 2|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  6. ^ 響 〜小説家になる方法〜 3|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  7. ^ 響 〜小説家になる方法〜 4|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  8. ^ 響 〜小説家になる方法〜 5|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  9. ^ 響 〜小説家になる方法〜 6|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  10. ^ 響 〜小説家になる方法〜 7|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  11. ^ 響 〜小説家になる方法〜 8|柳本光晴”. 小学館. 2017年12月27日閲覧。
  12. ^ 響 〜小説家になる方法〜 9|柳本光晴”. 小学館. 2018年4月27日閲覧。
  13. ^ 響 〜小説家になる方法〜 10|柳本光晴”. 小学館. 2018年9月13日閲覧。
  14. ^ 主題歌情報”. 映画『響 -HIBIKI-』公式サイト (2018年9月14日). 2018年9月14日閲覧。

外部リンク[編集]