転生したらスライムだった件
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転生したらスライムだった件 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャンル | 異世界ファンタジー なろう系[WEB 1] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小説 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
著者 | 伏瀬 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イラスト | みっつばー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版社 | マイクロマガジン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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掲載サイト | 小説家になろう | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | GCノベルズ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
連載期間 | 2013年2月20日 - 2015年10月30日 (外伝含む) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
刊行期間 | 2014年5月30日 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
巻数 | 既刊17巻(2020年9月現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | WEB版:本伝全249話、 外伝2篇完結済み、 全話無償公開。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
漫画 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原作・原案など | 伏瀬 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作画 | 川上泰樹 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版社 | 講談社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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掲載誌 | 月刊少年シリウス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | シリウスKC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表号 | 2015年5月号 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表期間 | 2015年3月26日 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
巻数 | 既刊16巻(2020年11月現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アニメ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原作 | 川上泰樹、伏瀬、みっつばー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
監督 | 菊地康仁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シリーズ構成 | 筆安一幸 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
脚本 | 筆安一幸 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キャラクターデザイン | 江畑諒真 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音楽 | Elements Garden | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アニメーション制作 | エイトビット | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
製作 | 転スラ製作委員会 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
放送局 | TOKYO MXほか | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表期間 | 第1期: 2018年10月2日 - 2019年3月26日 第2期第1部: 2021年1月12日 - 第2期第2部: 2021年7月 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
話数 | 第1期:全25話 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アニメ:転生したらスライムだった件 転スラ日記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原作 | 柴、伏瀬、みっつばー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
監督 | 生原雄次 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シリーズ構成 | コタツミカン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キャラクターデザイン | 髙井里沙、入江篤 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音楽 | R・O・N | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アニメーション制作 | エイトビット | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
放送局 | TOKYO MXほか | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発表期間 | 2021年4月 - | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
テンプレート - ノート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロジェクト | 漫画・アニメ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『転生したらスライムだった件』(てんせいしたらスライムだったけん)は、伏瀬による日本の小説。略称は『転スラ』。小説投稿サイト「小説家になろう」にて2013年2月20日から連載されていたWEB小説を大筋プロットとして大幅に改訂し、2014年5月よりマイクロマガジン・GCノベルズからが刊行されているほか、本作を原作とする漫画や外伝漫画、漫画版を元にしたアニメなどのメディアミックス展開が行われている。
概要
作者の伏瀬が「小説家になろう」で連載していたWEB小説が関連全作品のベースになっている。
その後、外伝執筆・公開の傍らでWEB小説を元として大幅に加筆・修正を加えた商業小説版の執筆が開始され、商業版第6巻発売と同時に川上泰樹の執筆による漫画版の月刊少年シリウス連載(メディアミックス)が決定し、連載開始後には単行本も発売されている。さらには、監修を伏瀬、作画を岡霧硝がそれぞれ担当したスピンオフ漫画『転生したらスライムだった件 魔物の国の歩き方』が、マイクロマガジン社のウェブコミック配信サイト「コミックライド」で連載開始された[1]。
同じく「小説家になろう」で人気のあった作品「オーバーロード」から多大な影響を受けていることを、伏瀬は明かしている[2]。また、主人公のスライムはゲーム「ドラゴンクエスト」ではなくテーブルトークRPGに登場する厄介な魔物のイメージから作られている[3]ほか、伏瀬の学生時代のTRPGプレイ体験に起因して「ソード・ワールド」「ウィザードリィRPG」「ガープス」などからの影響も受けている[4]。このほかにもリムルの配下となった一部の悪魔はスーパーカーにちなんでつけられている[5][6]。
書籍化の話は「なろうコン」に応募中の2013年11月で、評価ポイントは高くとも問題が山積みで練習のつもりで書いていた本作にオファーが来るとは思っていなかったことを、伏瀬は明かしている[7]。また、書籍化にあたっては担当編集者から大幅な指摘を受けつつ改稿しており、巻が進むにつれてWEB連載版と整合性が取れなくなっていったため、WEB連載版はプロットとして考えるようになったことを明かしている[8]。
「このライトノベルがすごい!」では、2017年版で単行本・ノベルズ部門8位、2018年版で同6位、2019年版で同5位に入っている。
関連書籍を含めたシリーズ累計発行部数は2017年3月時点で200万部[WEB 2]、アニメ化が決定した2018年3月時点で450万部[WEB 3]、アニメ第1期放送中の同年11月時点で1000万部[WEB 4]、アニメ第2期が決定した2020年3月時点で1800万部[WEB 5]、同年9月時点で2000万部を突破している[WEB 6]。
あらすじ
通り魔に刺されて死んだ三上悟は、異世界の洞窟でスライムとして転生する[9]。
以下の節タイトルは『転生したらスライムだった件 公式設定資料集8.5』(2016年)に従ったものである。また、内容についてはWEB版を除く全媒体版の基本となっている書籍小説版を元に構成し、各媒体版それぞれの相違点については節を分けてまとめる。
地位向上編
スライムとして転生した異世界の洞窟で「ヴェルドラ」と名乗る巨大な竜と出会い[9]、ヴェルドラは主人公にリムルの名を贈り、主人公はヴェルドラと自分に「テンペスト」のファミリネームを名づけて友達となる[10]。
ヴェルドラは過去の勇者によって洞窟内に封印されていたが、リムルは転生したときに身に付けた能力、”捕食者”で封印結界ごとヴェルドラを収納[10]。洞窟を出て旅に出ることを決める[10]。
洞窟があった「ジュラの大森林」にて、最初に出会ったゴブリンの集落を牙狼族から救った縁から集落の救世主となったリムルをゴブリンたちは崇め、リムルもゴブリンたちを守り養うために街づくりを行うことになる[11]。この街づくりの過程で、ドワーフ王国「武装国家ドワルゴン」で刀鍛冶をしていたドワーフのカイジン、その弟子のガルム、ドルド、ミルド三兄弟、ドワーフ王国警備隊長のカイドウ、ドワーフ王国大臣ベスター、ドワーフ国王ガゼル・ドワルゴなどと縁が出来る[12][13]。
その後、森の洞窟周辺の調査を依頼されたカバルたち3人の冒険者にかつて爆炎の支配者と呼ばれたシズが同行[14]。ジュラの大森林にて魔物に追われていたところをリグル率いる警備隊に助けられ、リムルたちの作った街に案内される[14]。カバルたちとの対話中、シズが不意に苦しみだし、身体に宿らせていた炎の精霊であるイフリートが暴走する[14]。リムルの活躍によりイフリートを捕食者によってシズから引き離し、暴走を抑えることに成功[14]。しかし、イフリートの生命力によって維持されていたシズの体は急速に老い始める[14]。今際の際、シズの頼みでリムルは彼女の死後に遺体を捕食者で取り込む[14]。そのことで、リムルはその後「取り込んだ対象を再現出来る」という捕食者の力によりシズの姿で人間に変身する能力を得る[15]。
森の騒乱編
新しい街づくりが続く中で、リムルたちは突如6人の大鬼族(オーガ)たちから襲撃を受ける[18]。しかしそれはリムルがオーガたちの暮らしていた里を滅ぼした仲間という誤解から発したもので、誤解が解けた後はリムルに名付けられて鬼人族(キジン)へ進化、リムルの配下となる[18]。
オーガたちの里を滅ぼした豚頭帝(オークロード)ゲルド[19]に率いられたオークの軍団は20万のオーク軍となってジュラの森の中央部にある蜥蜴人族(リザードマン)の支配する湿地帯方面へ進軍しており、リザードマンの首領はこれに対抗するためには援軍が必要と判断、息子のガビルを使者としてゴブリンの集落へ援軍要請に送り出す[20]。自分たちの集落を守ることで利害の一致したリムルたちとリザードマンは協力することになったが、ガビルは強すぎる自尊心により父親もリムルたちをも侮っており、反乱を起こして首領を監禁、リザードマン反乱軍単独でオーク軍に挑む[21]。
しかし、オーク軍と相対したリザードマン反乱軍は敗北を喫し、軍を率いていたガビルも殺されそうになったところをリムルたちに救出される[21]。リムルはオークロード・ゲルドとの一騎討ちに勝利し、ゲルドの消滅と同時にオーク軍は瓦解する[22]。
オーク軍の侵略目的が飢餓であったことを知ったリムルは森に集う多数の種族が相互に協力し助け合う「ジュラの森大同盟」を提案、会議の参加者の全会一致をもって、リムルを頂点とする大同盟が成立する[22]。
魔王来襲編
リムルを始めとするジュラの大森林の新戦力出現により謀略に失敗した魔王クレイマンは、同じく十大魔王のミリム、カリオンを利用してリムルたちへの牽制と情報収集を行う新たな謀略を発案する[25]。クレイマンの真の思惑に気づかないまま、ミリムとカリオンは退屈しのぎに策に乗ってリムルたちの作った魔物の町の情報収集を行う[26]。
ちょうどそのころ、リムルら新興魔物勢力が敵対しないかどうかの見極めのため、魔物の町にドワーフ王国の国王ガゼル・ドワルゴが武装国家ドワルゴンの騎士団である天翔騎士団(ペガサスナイツ)を率いて到着する[26]。剣戟を経て、ガゼルはリムルを信用に値する魔物と判断、ジュラ・テンペスト連邦国と武装国家ドワルゴンとの正式な友好関係を締結するに至る[26]。
ガゼルとの対話が一段落したころ、前述のミリムが町へと到着する。子供のように純真で単純なミリムの性格を見抜いたリムルによりあっさりとミリムは懐柔され、友達となって以後は出来たばかりの町の中をリムルの案内により堪能し、魔物の町にそのまま居着く[27]。
続いて同じく町の調査を目的として魔王カリオンの部下フォビオも到着するが、フォビオは高すぎる自尊心を持つ故に最初から魔物の町の住人を見下し、リムル配下のリグルドに暴力を振るう[28]。それに怒った魔王ミリムから制裁を受けたフォビオは、屈辱を受けた気持ちから彼女に憎しみを抱く[28]。フォビオはそのまま、国元へ戻らずテンペスト周辺に潜んで復讐の機会を伺う[28]。
同時期、ブルムンド王国の自由組合支部長フューズも魔物の国に興味を抱き、部下のカバルらを引き連れ魔物の国へ向かう[28][29]。テンペスト到着前に森の中の戦闘で知り合ったヨウムがリムルの口車に乗り、「オークロードを倒した英雄」として祭り上げられることとなった際もこれを後押しする[28][29]。
テンペスト周辺にいたフォビオの元に、「中庸道化連」を名乗る道化師の風体をした男女の魔人、フットマンとティアが訪れる[30]。フットマンとティアはミリムに復讐する手段として災厄級の魔物「暴風大妖渦(カリュブディス)」の力を取り込めると唆し、策に乗ったフォビオはカリュブディスに取り込まれて依代になり体を乗っ取られてしまう[30][29]。巨大な魔物カリュブディスに変化したフォビオはミリムへの復讐心を動機に彼女の滞在先であるテンペストへ向かい、リムルを始めとするテンペストの面々および滞在中のガゼルらペガサスナイツがこれを迎撃する[30]。ほぼ一昼夜を費やす激戦[29]の末に、カリュブディスに変化したフォビオの目的が魔王ミリム個人にあることが判明[30]。戦闘の主導権をミリムに交代すると、ミリムはカリュブディスを一撃で葬る[31]。
フォビオがカリュブディスから分離されて生き延びたことで、リムルらはこれが魔王クレイマンの思惑の内にあることを知り、魔王クレイマンを敵と認識しその動向に注意を払う[31]。
クレイマンはミリム、カリオンとの会談の場に呼んでいた天翼族を支配する魔王フレイの悩みが天敵であるカリュブディスの復活が近いことだったことに気づき、これを自身の策で早期復活させ完全体となる前に滅ぼすことで恩を売り、更に先の謀略に組み込むためにフレイの持つ力を利用する算段を行う[26][31]。
人魔交流編
国家として成立したテンペストは西方諸国と外交を行うようになり、獣王国ユーラザニアとは農作物と酒類の交易、ドワーフ王国とは回復薬ポーションを主軸とする販売路整備と技術交換、ブルムンド王国では回復薬の販売契約、相互安全保障条約、通行許可協定などを締結する。
またブルムンド王国ではリムルが正体を隠し人間として振る舞う際の身分証として自由組合で冒険者登録を行う。その後リムルはブルムンド王国を離れ、シズが暮らしていたイングラシア王国に住む、シズの教え子である自由組合総帥(グランドマスター)であり同郷人と目する神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)の元へ向かう。
イングラシア王国ではユウキの保護していた不完全召喚により短命の運命を背負っていた、シズの心残りであった5人の子供たちと出会い5人を教導することにし、さまざまに反抗されながらも子供たちの信頼を掴むことに成功する。
教師として子供らに接しつつ子供らの運命を変える方策を探っていたリムルは国民全員が呪術者[33]であるウルグレイシア共和国に「精霊の棲家」があることを知り、子供らを連れて同地へ赴く。精霊の棲家を支配していた魔王ラミリスの課した危険な試練を経て、子供たちはリムルのサポートを受けながらその身に上位精霊を宿らせることで、体内で暴走していた魔素を制御させることに成功し短命の運命から解き放たれる。しかし、その最後の順番であった子供クロエ・オベールには上位精霊以上の力を持つ謎の存在が召喚され、ラミリスの警告も虚しくあっという間にクロエに憑依してしまう。
その後、リムルは子供らと別れ単身テンペストへの帰途へ就いたが、ユウキと同じくシズの教え子だった坂口日向(ヒナタ・サカグチ)の放った結界に捕らえられる[34]。ヒナタはリムルがシズを殺害したと思い込んでいるほか、ヒナタの所属する西方聖教会には魔物の存在そのものを認めない教義があり交渉が成り立たず[34]、リムルは多くの能力を封じ込まれた状態でヒナタとの一騎討ちの末、意識が途絶える[34]。
魔王覚醒編
魔王クレイマンの配下である魔人ミュウランはクレイマンの命令により人間を装って冒険者ヨウムのパーティの一員としてパーティに加わり、テンペストに入り内部から偵察を続けていた。そのうちにミュウランとヨウムは互いに愛し合うようになるが、そのときクレイマンよりテンペスト全体に魔法結界を張るという命令を受け、即座に正体がばれてしまうことで自身の身の危険を感じるも、愛する者への害意をほのめかされたミュウランは命令に逆らうことが出来なかった。
西方諸国でも大国のファルムス王国では国王エドマリス以下の王侯貴族たちがテンペストのもたらす新技術、貿易路を脅威と感じ、また魔物の国家であることから謀略により大義名分を得てテンペストを侵略しようと画策を始めており、3人の残忍な性格を持つファルムス王国所属の異世界人はテンペストに赴き魔物相手に痴漢冤罪を手段として諍いを始める。
異世界人3人とテンペストの魔物たちとの戦端が開かれたその瞬間にミュウランによる魔法無効結界が展開、更にその上に西方聖教会の大司教レイヒムが封魔結界を重ねられたことでテンペストの魔物たちは大幅に戦闘力を削がれ、シオンを始めとする一部の幹部が死亡または重傷を負い、また魔物の住民100名ほどが犠牲となって死亡する。
ヒナタに襲われたリムルは分身体を放つことで生き延びており、急ぎテンペストへ帰国したが既にシオンらが死亡した後で、三日間茫然自失の日々を過ごす。その後エレンにより「おとぎ話」として「ペットの竜を失った少女が怒りにより大量虐殺を行った際に魔王進化が起こり、魂の繋がりがあった竜も死亡後の状態に関わらず進化し蘇生した」という物語が語られる。リムルはそれを聞き、同様に自身が魔王に覚醒すればシオンらが蘇る可能性があると考え、大賢者に計算させたところ蘇生成功率3.14%の計算結果を得る。 また今回の住民蹂躙の直接の原因として自身の人間への対処の甘さを認識し「敵対する者とは徹底的に戦う」という新たな方針を打ち出す。仲間たちは皆それに賛同し、ファルムス王国との戦争を決意、ベニマル以下の幹部らはテンペスト周辺に展開する異世界人3人を含むファルムス王国の兵士らを殺害、リムルは1人でファルムス王国の軍隊2万人に相対、国王エドマリス、大司教レイヒム、王宮魔術師ラーゼンのみを捕虜として捕獲し、それ以外の全員を完全に殲滅する。
大量の魂を得たリムルは予定通りに魔王への進化を開始、アルティメットスキル2つを獲得するなど能力に大幅な進化を得、配下にもその進化の影響が及んだことから死亡していた幹部・住人は全員が蘇り、その他にも進化がもたらされた。
喜びに湧くテンペスト住民たちだったが、そのとき獣王国ユーラザニアより避難民がテンペストへ到着し、獣王国ユーラザニアの都が魔王ミリムの手により壊滅したことを知らされる。また、同時期についに竜種ヴェルドラを捕らえていた結界の解析が完了したため、リムルはヴェルドラを復活させる。
対ファルムス王国戦後の戦後処理、一連の事件の黒幕であることが確実となった魔王クレイマンへの対処、西方諸国への対応などに頭を悩ませつつ、リムルはテンペストに味方する者たちを集め大会議を開き、リムル自身と仲間たちの力を確認しつつ第一にクレイマンへの対処、第二に西方聖教会の順で対処を行うことを決定する。
八星輝翔編
中庸道化連の集まる中で、ラプラスはルベリオスの奥の院で魔王ヴァレンタインがいたことを「謎の少年」に報告する。謎の少年はクレイマンが王と仰ぐ「呪術王(カースロード)カザリーム」を全盛期の力を持たない不完全状態ながらも現世に女性の肉体を持って復活させた人間であり、カザリーム復活を餌としてクレイマンを各地で暗躍させたり、ミリムを操るための魔術道具「支配の宝珠(オーブ・オブ・ドミネイト)」をカザリームに作らせクレイマンに与えたりしていた影の黒幕だった。
ラプラスの報告により中庸道化連の今後の計画の障害となる魔王ヴァレンタインの排除を画策した結果、少年たちは全魔王を魔王達の宴(ワルプルギス)に集中させることで魔王ヴァレンタインを奥の院から宴へおびき出し、魔王不在となった隙をついて奥の院内部の調査を行うこととする。
そのころ、リムルたちは後に「人魔会談」と呼ばれることとなる諸外国代表を集めた国際大会議を開いていた。そこで聖騎士ヒナタへの対策、ヨウムを擁立した(ファルムス王国に代わる)新国家樹立の工作などを話し合う。そこに魔王ラミリスが現れ、魔王達の宴の主催となるクレイマンの思惑が魔王カリオンとリムルの抹殺であることを告げる。リムルたちは戦の準備を開始、またリムル自身は魔王達の宴に参加しクレイマンと宴の場で直接対決することを決定する。
クレイマン軍と魔国連邦・獣王国ユーラザニア連合軍との間で戦端が開かれたが、内容は連合軍の一方的な殲滅戦となり、クレイマン配下は最終的に追い詰められクレイマンの事前布石により配下のひとりがカリュブディスに強制変化させられたりもしたが、ベニマルの「黒炎獄(ヘルフレア)」により一撃で焼き尽くされ戦闘は連合軍の勝利で終了する。
また、別働隊としてシュナ、ソウエイ、ハクロウはクレイマンの本拠地傀儡国ジスターヴの城へ潜入する。そこは「死霊の王(ワイトキング)アダルマン」が守護しており3人は苦戦を強いられたものの、シュナ対アダルマンの一騎討ちでシュナが勝利したことによりアダルマンとその部下たちはカザリームから受けていた呪縛から解き放たれ自由の身となりシュナに忠誠を誓う。
魔王達の宴の場ではクレイマンの一人芝居を経て最古の魔王ギィの命令によりリムル対クレイマンの戦いにより決着をつけることとなる。クレイマンは支配の宝珠を用いて支配している魔王ミリムを配下として用いることで勝利は揺るぎないものと信じていたが、実はミリムは操られている演技をしていただけで支配されておらず、またミリムの手にかかって死亡したはずの魔王カリオンも生存しており、クレイマン自身の戦闘力もリムルたちより全く劣っており勝機はなく、追い詰められたクレイマンはさまざまな手段を講じてあがいたものの、最後は悔恨の念と共にリムルに捕食され魂も含め完全に消滅する。
クレイマンの消滅後、魔王フレイと魔王カリオンは魔王の座を退き魔王ミリムの下につくことを宣言、魔王ギィに認められて魔王の総数は8人となる。紆余曲折のあと、8人の魔王の総称は8番目の新魔王となった「新星(ニュービー)リムル」の命名によって「八星魔王(オクタグラム)」と決定される。
聖魔対立編
リムルからファルムス王国攻略を一任されたディアブロは周到な計略を練り、行動を開始する。行動に際しては対ファルムス王国戦で捕虜にした国王エドマリス以下3名を使役し、ファルムス王国貴族会議をテンペストの有利に導く。
そのころ、ヒナタはテンペストへの対処について、神(魔王)ルミナスよりテンペストとの戦いは避けるようにとの指示に対し、東の商人の思惑によってリムルたちと敵対するように誘導されていたことに気づいたこともありテンペストと敵対する意志は既になかった。しかしヒナタら聖騎士団と法皇直属近衛師団との合同会議の場に届いたリムルのメッセージは何者かに改竄されており、ヒナタとの一騎討ちを望むかのようにしか聞こえないものとなっていた。ヒナタは前回リムルを襲った責任を考え、単身でテンペストに赴く意志を伝え、西方聖教会の最高顧問である「七曜の老師」たちはヒナタへ「竜破聖剣(ドラゴンバスター)」を授け送り出す。しかし、単身で出立したヒナタを心配したヒナタを慕う複数名の聖騎士たちはヒナタの後を遅れて追いかけ、またその更に後を七曜の老師たちの命令により100名の聖騎士たちが追っていた。
このとき、西側諸国を経済面から牛耳っていたグランベル・ロッゾ以下五大老は自身の戦略の邪魔になるヒナタとリムル以下テンペストを排除する目的から七曜の老師、ヒナタ部下の聖騎士、東の商人と密かに通じ抹殺に向けて水面下で動いており、手始めにファルムス王国大司教の地位にあったレイヒムを殺害しテンペスト勢の仕業に見せかける。
ヒナタはテンペストに到着しリムルと話し合いでの解決を試みたが、七曜の老師の命令によって後続していた100名の聖騎士たちが戦闘を仕掛けたことからに有耶無耶のまま開戦、リムルと一騎討ちになる。ヒナタは苦戦し最大の奥義を破られ敗北し、最後には七曜の老師から授かった竜破聖剣が爆発、咄嗟にリムルを庇ったヒナタは瀕死の重体となる。
ファルムス王国でもディアブロの策略通り新王対前王の様相で戦闘準備が進んでいたが、ディアブロは大司教レイヒム殺害の新犯人を暴くため単身でその軍勢を止めることにし、相対した人間たちも圧倒的な悪魔公(デーモンロード)の力量を目の当たりにしたことで、恐らく真犯人は七曜の老師であることに気づく。そのとき七曜の老師たちのうち3名が真実を知った人間たちを抹殺するためにその場へ現れる。
同時期、リムルとヒナタの元にも七曜の老師たちの2名が現れ、ヒナタの引き渡しを要求したが思念伝達によりディアブロから報告を受けていたリムルはこれを拒絶。戦闘になるがリムルは七曜の老師たちの攻撃をことごとく跳ね返し、またその場に遅れて登場した魔王ルミナスにより七曜の老師たちは粛清され、ヒナタはルミナスによって癒される。
ファルムス王国へ現れた七曜の老師たちもディアブロによって殺害され、新王エドワルドはディアブロに怯えつつ英雄ヨウムに新王の譲位を約束しファルムス王国の戦後処理は終了する。
最後に残っていた七曜の老師のまとめ役、日曜師グランも聖騎士枢機卿ニコラウスによって殺害され、七曜の老師たちの悪事は潰えたかに見えた。しかし日曜師グランはグランベル・ロッゾの精神体に憑依され操られており、肉体を失ったグランベル・ロッゾは元の肉体に戻り生存していた。本体へ戻ったグランベル・ロッゾに、孫娘であり転生体であるマリアベル・ロッゾは「魔物の町はロッゾ一族にとって危険な存在であり、潰さなければならない」と告げる。
領土掌握編
リムル、ルミナス、ヒナタらはテンペストに滞在しこれまでの経緯をお互いに説明、和解し今後について話し合いを行い、
- 神聖法皇国ルベリオスはジュラ・テンペスト連邦国を正式に国家承認する
- 神聖法皇国ルベリオスはジュラ・テンペスト連邦国と100年の友誼を結ぶ
- ルミナス教の「魔物の生存を認めない」という教義を撤廃する
…の3点が決定された。
テンペストはリムルの魔王就任を祝賀する「開国祭」の式典を行うことになり、各国首脳部へ招待状を送付したが西方聖教会筆頭騎士ヒナタが魔王リムルに敗北したというニュースも同時期に西方諸国へ伝わっており、各国は対応に苦慮していた。しかし武装国家ドワルゴン国王ガゼルはリムルが人類に敵対するはずがないと信じ、引き続きテンペストとの友好関係を続けることを宣言、神聖法皇国ルベリオスの国交も正式に開かれ、また魔導王朝サリオンも皇帝自らがテンペストへ外遊することが決定する。
リムルがテンペストへ帰国すると魔王ラミリスがテンペスト移住を強行しようとしている現場に遭遇、リムルは呆れつつもラミリスの持つ「迷宮創造」の能力で冒険アトラクションを作成出来る可能性に気づき、建設途中の闘技場の地下に作成することを決定する。これにより、
- ラミリスとその配下にテンペストへの移住を認めること、迷宮運営者として給金を与えること
- 迷宮という別次元の分離空間最下層に竜種ヴェルドラの居住地を作成することでヴェルドラが他者の害毒となる魔素の開放を我慢せず行えるようになること
- ヴェルドラの放出する魔素により自然発生する魔物を迷宮内部で徘徊するモンスターとして活用すること
- 下層階層ボスとしてアダルマンら配下のほか、魔王ミリムが捕獲してきた竜族を配置すること
- クロベエの武具試作(失敗作)品を各所に配置すること
などにより「金銭を支払って迷宮に潜り、アイテム類の取得を目的とする迷宮アトラクション」として仕上げられていく。
その後ブルムンド王国から豪商ミョルマイルが開国祭運営、テンペスト武闘大会運営の責任者としてテンペストへ移住し、正式にテンペストの幹部となる。同時期、ジュラ大森林の各部族代表たちが魔王リムルへの謁見に首都リムルを訪れる中、長鼻族(テング)の現族長カエデと幹部ハクロウがかって情を通じた仲であり、カエデの一子モミジがハクロウの娘であったことが明らかになる。
謁見終了後、リムルはソウエイに命じて調査させていた「ジュラ大森林に住むエルフを強制連行しエルフ奴隷として奴隷売買を行っていた犯罪組織」について報告を受けたが、この奴隷商会が「勇者マサユキ」と名乗る者によって滅ぼされ、勇者マサユキは救出したエルフたちを連れてテンペストへ訪れる、とのことであった。しかし勇者マサユキは魔王討伐を行う心づもりであるという噂もあり、マサユキの名前から召還者であることを予測したリムルは話し合いの場で解決することを望み一切の手出しを禁じる。
魔都開国編
閃光の勇者マサユキ
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魔人暗躍編
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勇者覚醒編
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戦争前夜編
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帝国侵攻編
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竜魔激突編
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深淵開放編
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遊戯終了編
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時空断章編
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登場人物
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ジュラ・テンペスト連邦国(魔国連邦)
- リムル=テンペスト[58][59]
- 声 - 岡咲美保[WEB 7]
- 種族:妖魔族(スライム)[60] → 魔粘性精神体(デモンスライム)[61] → 竜魔粘性星神体(アルティメットスライム)[62]
- 主人公。異世界の人間(日本人)である三上 悟(みかみ さとる、声 - 寺島拓篤[WEB 8])という37歳のゼネコン勤務のサラリーマンが通り魔に刺されて死亡し、完全な記憶を持ったまま魂だけで“界渡り”を成し遂げ、魔物のスライムに転生した。転生後に初めて出会ったヴェルドラと名前を交換することで「名持ちの魔物(ネームドモンスター)」となり、この世界で最初に縁を持った同郷人である井沢 静江(シズエ・イザワ / シズ)を吸収したことにより人間の姿に擬態する能力を身につける[63]。人間体の外見は女性寄りだが、生物学的には無性であり、精神性は前世のままなので口調などは男性的である。
- 基本的には剽軽で温厚な平和主義者であり、サラリーマン時代も含めて頼られると嫌と言えない性格をしている[64]。名付けした配下の魔物たちを家族のように思っており、自分の仲間を傷つける者には容赦しないだけの非情さも身につけている。天才的な人たらしの才能を持ち、配下の者はどんな無茶な命令でも笑顔で実行するため[65]、直ぐ調子に乗って失敗したり[66]、熱くなると見境がなくなり[67]、後先考えずに許可を出して後悔するという失敗を何度も繰り返すなどの欠点を自覚している。強大な魔力を保有しているが、「名付け」などによって体内の魔素量が一定値以下に減少すると強制的に「スリープモード」となり、完全復活するまでの約3日間は会話や動作、気配の感知が出来なくなるが、意識は残っている。作中では、他の登場人物たちの言動に対するツッコミ役に回ることが多い。
- 「種族問わず楽しく快適に過ごせる国を作りたい」を基本的な行動理念としており、この理念のままに自重せず突き進んだ結果、リムルが建国した魔国連邦の衣食住は、最終的にほとんどの他国と比べても引けを取らないレベルにまで達する。一方で多様性を生み文化(娯楽)を発展させる為には思想・言論・表現の自由が保障されるべきだと考えているので、世界征服のような野望は持っていない[68]。
- 交友関係として、暴風竜ヴェルドラとは互いに名を送り合い、魂の回廊を繋いだ義兄弟にして最大の盟友、魔王ミリムとは親友(マブダチ)、ドワーフ王ガゼルとは兄弟弟子、天帝エルメシアとは悪巧み仲間として親しくしている。
- 以下にこの世界への転生時に獲得した能力を記す。
- 種族「スライム」
- 転生時に、リムルが血が足りなくなると人は死ぬ、と考えていたために「血液が不要な身体」である”スライム”となる[64][69]。スライムは粘性生物、あるいは妖魔族とも表記される種族であり、普通は思考もせず吸収・分裂・再生を繰り返すだけで、生息領域から出ることも滅多にない最低位モンスターである[70]。身体は脳細胞、神経、筋肉の機能を兼ね備えた細胞の集合体であり[71]、睡眠や呼吸を必要とせず、周囲の魔素を取り込んで活動しているので十分な魔素濃度があれば食事も不要。スライム状態では五感のうち、触覚以外を持ち合わせていないため、ヴェルドラに教わったエクストラスキル「魔力感知」で外界を知覚している。種族固有スキルは「溶解、吸収、自己再生」である。
- 転生直後にユニークスキル「大賢者」と「捕食者」を獲得し、後に種族固有スキル「自己再生」は「捕食者」の機能である「擬態」と統合され、エクストラスキル「超速再生」となる。真なる魔王として覚醒した後、”魔粘性精神体(デモンスライム)”へと進化して全ての身体能力が大幅に上昇、魔素量は10倍以上となり、「無限再生」「万能感知」「魔王覇気」「万能変化」などの固有スキルと各種耐性を獲得する[61]。ルドラに操られるヴェルドラを捕食した後、シエルが解析したことで、最上位聖魔霊である世界で5番目の“竜種”(亜種)となる”竜魔粘性星神体(アルティメットスライム)”に進化し、ヴェルドラと同等の魔素量を獲得する[62]。
- ゲームクリエイターの遠藤雅伸は本作のスライムについて、「スライム=最弱」のイメージを逆手に取ったというよりも作者独自の世界観だと感じたと述べている[WEB 9]。
- 各種耐性
- 転生時に、リムルの死因が刺殺だったことから「刺突耐性」「物理攻撃耐性」「痛覚無効」を、死に際にハードディスクを水に沈めて電気を流して消去して欲しいと願ったことから「電流耐性」「麻痺耐性」を、死に際に傷口が熱いと思ったことから「耐熱耐性」を、だんだん体が寒くなっていったことから「耐寒耐性」を獲得する。
- 耐寒と耐熱の両特性を獲得したためにスキルが進化して「熱変動耐性」を獲得する[64]。「熱変動耐性」は、炎の巨人(イフリート)が放った数千度に達する炎系最上位範囲攻撃が通じない程の防御力を発揮し[14]、後にシズやイフリートから受け継いだスキルを統合したことで最終的に「熱変動無効」へ進化する[72]。さらに覚醒魔王に進化した際に、「物理攻撃無効」「自然影響無効」「状態異常無効」「精神攻撃耐性」「聖魔攻撃耐性」へと強化され[61]、竜種に進化した事で「精神攻撃無効」になっている[73]。
- 大賢者(エイチアルモノ[74]) → 智慧之王(ラファエル)[74]
- 声 - 豊口めぐみ[WEB 7]
- 転生時に、リムルが童貞であったため、「30歳まで童貞だったら魔法使いになれる」という俗説から、40歳目前でもうすぐ賢者、大賢者も夢じゃないなどと考えていた結果、獲得したユニークスキル[64][69]。本来スキルは疑問や会話の応答などは出来ないが、リムルの疑問に答えるために自己改造を行い、進化時などに響く“世界の言葉”の機能の一部を流用することで応答をすることが可能となる[10]。
- このスキルは、知覚速度を通常の1000倍に加速させる「思考加速」、対象の解析や鑑定を行うことができる「解析鑑定」、解析したい事象を自分の思考と切り離して演算を行うことができる「並列演算」、呪文の詠唱が必要な魔法などを無詠唱で行使できるようになる「詠唱破棄」、この世界において、隠されていないあらゆる事象を網羅する「森羅万象」を内包する。
- 覚醒魔王化の際、シズの捕食時に獲得したユニークスキル「変質者(ウツロウモノ)」を統合し、自我を持つ天使系究極能力(アルティメットスキル)の「智慧之王(ラファエル)」に進化する[74]。思考加速は100万倍となり、「変質者」の「統合」「分離」に由来する権能「統合分離」「能力改変(オルタレーション)」が加わった[75]。「思考加速」「詠唱破棄」「森羅万象」を組み合わせればどんな大規模魔術でも0.1秒以下で構築できる[76]。
- 最終的にスキルへの名付けで神智核シエルが誕生し、「暴食之王」と統合され、「虚空之神」となり消失する[77]。
- 捕食者(クラウモノ) → 暴食者(グラトニー)[78] → 暴食之王(ベルゼビュート)[74]
- 転生時に、リムルが「来世では(女性を性的に)喰いまくる」などと考えていたために獲得したユニークスキル。 スライムの固有スキルを限りなく進化させた権能なのでリムルにとって最も使いやすいスキルであり、身体のどこからでも発動できるだけでなく視認するだけで空間に影響を及ぼすことができる[79]。
- このスキルは、対象を体内に取り込む「捕食」、取り込んだ対象を解析、またアイテムを創造する「解析」、捕食対象を収納したり、解析で作成したものを収納する「胃袋」、解析に成功した対象を再現する「擬態」[注 7]、解析の及ばない有害な効果を収納し、無害化の後に魔力に還元する「隔離」を内包する[10]。魔法を含むほぼ全ての放出系の攻撃は「捕食」で無効化可能という強力なスキル。「解析」は後に「変質者」の力で「大賢者」に統合される[82]。
- 豚頭魔王ゲルドを捕食した際に得たユニークスキル「飢餓者(ウエルモノ)」と統合したことで大罪系ユニークスキル「暴食者(グラトニー)」へ進化し、影響下にある魔物との能力の「受容」と「供給」、対象に腐食効果を付与する「腐食」が追加される[78]。覚醒魔王に進化した際、テンペストを襲撃したファルムス王国と西方聖教会の連合軍2万を惨殺する過程で獲得した、心が折れた相手の魂を掌握するユニークスキル「心無者(ムジヒナルモノ)」を「暴食者」に統合した事で、大罪系究極能力の「暴食之王(ベルゼビュート)」へと進化。新たな権能として、「心無者」が変化した「魂喰(こんじき)」、「受容」「供給」を統合した「食物連鎖」を獲得する[83]。
- 最終的に「智慧之王」と統合され、「虚空之神」となって消失する[77]。
- また、物語中での活躍により獲得したスキルの中から、物語において重要なスキルを以下に記載する。
- 暴風之王(ヴェルドラ)
- ヴェルドラとの魂の回廊が確立し、残滓を捕食したことで獲得した究極能力。ヴェルドラのバックアップになる代わりにヴェルドラの権能を扱える能力で、権能はリムルの記憶にある姿でヴェルドラを召喚する「暴風竜召喚」、ヴェルドラが復元される「暴風竜復元」、魔法書にも記されていない超絶魔法「暴風系魔法」の3つ。また、この究極能力により、リムルが無事である限りヴェルドラは完全に不死身となった[74]。ヴェルドラの解放中は余剰魔素が自らに流れ込み循環効果で身体が活性化するというメリットもあるが、全魔素量の9割ほどを常時消費するので満タンにはならない。竜魔粘性星神体に進化した後は3割負担程度で呼び出せるようになった[84]。 ヴェルグリンドを取り込み長期間かけて解析したことで究極能力「灼熱之王(ヴェルグリンド)」も獲得する[85]。
- 最終的に「虚空之神」を完成させる生贄となって消失する[77]。
- 誓約之王(ウリエル)
- ヴェルドラを封印していたユニークスキル「無限牢獄」を基礎に、リムルがそれまでの活動で獲得してきた能力を統合し生まれた天使系究極能力。対象を虚数空間に閉じ込める「無限牢獄」、多重構成された複合結界と空間断絶による絶対防御「万能結界」、黒炎雷、魔力操作及び熱量操作に加え慣性制御、自在に「胃袋」へと熱の出し入れをする「法則操作」、位置座標を認識した空間を自在に支配・移動する「空間支配」を獲得する[74]。
- かつてルドラが編み出した、彼の信念や世界を統一するという誓い、それに応える仲間たちの想いの結晶が発現した「破邪」と「守護」の権能を含んだ究極能力だったが[86]、ヴェルダナーヴァの「正義之王」と交換していた為、ヴェルダナーヴァの消滅後は行方不明となる[87]。
- 最終的に、シエルによって主要な権能は「豊穣之王」に統合され、残滓はヴェルグリンドへと譲渡され、消失する[88]。
- 以下には神智核となったシエル、およびその「能力改変」で獲得した究極能力を記す。
- シエル
- リムルが「智慧之王」に名付けを行ったことで誕生した神智核(マナス)。由来は「教える」から。能力を統合し、主の補助を行う存在[89]として、リムルの持つ全ての究極能力を支配下に置く。
- 光速にすら対応可能となった「思考加速」[90]や、ヒナタ戦で習得した攻撃の確定予測を行う「未来攻撃予測」[注 8][91]をはじめとする、「解析鑑定」「並列演算」「統合」「分離」「詠唱破棄」「森羅万象」「食物連鎖」「思念支配」「法則支配」「属性変換」といった演算系の権能を全て統合し、より速やかな反応速度で応じられるようになっている[92]。
- 自我を持ち、独断での行動(スキルの統廃合など)も普通に行うようになった。そのためリムルに突っ込まれたり窘められたりすることもある。リムルが「これからはシエル先生と呼ぼう」と考えた時には「やめて下さい」と切り返している。
- 虚空之神(アザトース)
- シエルが「智慧之王」と「暴食之王」を統合し、「暴風之王」「灼熱之王」を生贄にして完成させた究極能力[77]。内包する権能は、対象の魂ごと喰らい尽くす捕食・暴食の超強化版「魂暴食(こんぼうしょく)」、神智核によってのみ完全制御出来る混沌世界を満たす究極的破壊エネルギーの「虚無崩壊」、「胃袋」+「隔離」の超強化版で隔離すべき対象を閉じ込める牢獄「虚数空間」、「竜種召喚」の効果も付加された「竜種解放」、本人の了承の元で膨大なエネルギー体である“竜種”を凝縮して「刀の核(ブレードコア)」に変じる「竜種核化」、時間と空間を把握し意識するだけで瞬間移動が可能な「時空間支配」、常時発動型の多重結界「次元断層防御領域(ディメンションフォールト)」による絶対防御「多次元結界」の7つの能力から成る[93]。
- 豊穣之王(シュブ・ニグラト)
- ヴェルグリンドの「救恤之王」に統合された「誓約之王」の本質を受け継いだ究極能力[94]。内包する権能は、「食物連鎖」「解析」によって得た情報から新たな能力を創り出す「能力創造」、得た能力の複製を作製する「能力複製」、複製した能力を適応する対象者に贈与する「能力贈与」、獲得した能力を情報化し瞬時に再現する「能力保存」の4つ。これらの権能を駆使すれば、魂の回廊が繋がった配下の能力を弄って究極の権能を与える事が可能で、手助けだけで自力獲得出来た場合は究極能力に、適性のある者へ大きく力を貸し与えた場合は究極贈与になる。リムルと配下の魔物達の絆の結晶といえる能力で、無駄に魂の容量を食っていた大量のスキルを解体して情報化する為にシエルが創造した[95]。
幹部
- ベニマル(紅丸)[96][97]
- 声 - 古川慎[WEB 10]
- 元は大鬼族(オーガ)の里を治めていた族長の息子であり、シュナの兄にあたる。書籍2巻でリムルの配下となり、リムルの名付けにより鬼人族へ進化し、真紅の髪と瞳をした、漆黒の2本角を持つ身長180センチ程の美男子となる。リムルの魔王種への進化により妖鬼となり、書籍14巻でリムルから魂を与えられ、一族の長としての未練が晴れた後、鬼神である炎霊鬼へと覚醒進化して[98]、聖魔十二守護王の一人として赫怒王(フレアロード)の称号を拝命する[99]。
- 好戦的でやや短気な性格だが、他の同胞に比べれば自制が利く。リムルからの信頼が厚く、全軍の指揮権を与えられた侍大将を務める。リムルに名付けられた元子鬼族から成る紅炎衆(クレナイ)と緑色軍団(グリーンナンバーズ)の指揮官となる[100]。魔国連邦開国後の軍事再編により、緑色軍団を含む第一軍団の指揮権をゴブタに譲り、代わりに赤色軍団(レッドナンバーズ)から成る第四軍団の将軍を兼任する。純情な性格ゆえに結婚にはあまり乗り気ではなかったが、モミジとアルビスの熱意と覚悟を認めて2人と結婚し[101]、一族の後継者となる子を持つ。
- 戦闘では、リムル配下の三頂点の一角を担う強さとなり[102]、炎熱と組み合わせた太刀による剣技が特徴で、限定空間を超高熱で焼き尽くす黒炎獄(ヘルフレア)を使用する。修行を重ねて師匠のハクロウやアルベルトをも超える剣士へと成長し[103]、神速の剣閃を放つ朧黒炎・百華繚乱を編み出す。優れた空間認識力と高い精度で勝敗を読み解けるユニークスキル「大元帥(スベルモノ)」を保有し、ヴェルグリンドの権能を元にした光と熱を支配して加速させる究極能力「陽炎之王(アマテラス)」を獲得する[104]。
- ソウエイ(蒼影)[105][106]
- 声 - 江口拓也[WEB 10]
- 元は大鬼族の家臣。書籍2巻でリムルの配下となり、リムルの名付けにより鬼人族へ進化し、浅黒い肌に青黒い髪で紺碧の瞳をした身長190センチ程の美青年となる。リムルの魔王種への進化により妖鬼となり、書籍14巻でベニマルが炎霊鬼へと覚醒進化したときにギフトを受けたことで自らも鬼神である闇霊鬼へと進化して[107]、闇の盟主(ダークネス)の称号が与えられる[108]。
- 常に冷静沈着だが、怒りが頂点に達すると自然と笑みが浮かぶという危ない性格。基本的にリムルと自国の仲間以外には興味がなく、特に、リムルを貶すものには容赦がない。魔国連邦における御庭番の頭領として藍闇衆(クラヤミ)を率いて諜報活動全般を請け負う。部下のソーカや聖騎士のリティスなど多くの異性から好意を寄せられている。ベニマルと同年代であり大鬼族のころからのライバルであり、覚醒進化によりベニマルの対として神性を得る。
- 戦闘では二刀流の忍者刀と「粘鋼糸」を使用し、冷酷非情であり、情報収集能力に長ける。意識外からの攻撃が致命的な攻撃となるユニークスキル「隠密者(シノブモノ)」を保有し[109]、意識まで完全に分割した別身体を作り、町一つ分の広範囲に渡って別身体を直接転移させ、世界各地の様子を映像と音声で監視できる究極贈与「月影之王(ツクヨミ)」を獲得する[110]。
- シオン(紫苑)[111][112]
- 声 - M・A・O[WEB 10]
- 元は大鬼族の家臣。書籍2巻でリムルの配下となり、リムルの名付けにより鬼人族へ進化して紫の瞳に黒曜石のような一本角が生え、長い紫髪をポニーテールにした身長170センチ程の巨乳なモデル体型となる。リムルの魔王種への進化により悪鬼となり、書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて闘神である闘霊鬼へと覚醒進化して[113][注 9]、聖魔十二守護王の一人として闘神王(ウォーロード)の称号を拝命する[114]。
- 外見はクールビューティーという印象だが、何でも力づくで解決したがる悪癖を持つ。料理の腕は壊滅的。リムルの筆頭秘書であり、護衛も任されているが、秘書の実務能力はシュナに劣る。過激な言動が多く、秘書の座を争うディアブロと共にリムルから問題児扱いされている。ファルムス王国による襲撃で住民と共に一度は死亡し、リムルが魔王種へ進化するための切っ掛けとなる。リムルの意を受けた「智慧之王」により蘇生され[115]、ほぼ不死身の半精神生命体として復活し、共に蘇生された不死身の者から成る紫克衆(ヨミガエリ)の長となる。蘇生時に消費された悪魔の魂の影響で残虐性が宿り[116]、しばらくは周囲に嫉妬して精神的に不安定になるが、リムルから諭されて自分自身を超える方向へと意識が変化する[117]。
- 戦闘では剛力丸と名付けた大太刀を愛用し、規格外の怪力を駆使して豪快でシンプルな技を使用する[118]。魔素量ではベニマルを凌駕しており、大鬼族の仲間の中では2番目に強くなるまでに成長する。過程を省いて確定した結果を導き出すユニークスキル「料理人(サバクモノ)」を保有する。16巻時点ではリムルを殺しうる危険性があるとシエルに判断されたため、究極能力の獲得は見送られている。
- シュナ(朱菜)[119][120]
- 声 - 千本木彩花[WEB 10]
- 元は大鬼族の姫であり、ベニマルの妹にあたる。書籍2巻でリムルの配下となり、リムルの名付けにより鬼人族へ進化し、薄桃色の髪に真紅の瞳をした、白磁の二本角が生えた身長155センチ程の小柄な美少女となる。リムルの魔王種への進化により妖鬼へ進化する。
- 心優しく控え目な性格の持ち主だが怒ると怖く、笑顔のまま怒気を発するタイプ。リムルの秘書業務を全て管理し、シオンとリムルの取り合いになる。リムルの外遊には常に同行し、気品と礼儀が備わっているので外交面で頼りになる。薬草に詳しく、裁縫や料理が得意であり、魔国連邦の絹織物や調理研究などの生産事業の指揮を執る才女である。
- 非戦闘員ではあるが、扇子を武器として使用し[121]、ハクロウから実戦形式の柔術も学んでいるため近接戦闘の実力は高く[122]、効率的な魔法スキルの運用も得意であり、アダルマンと共にリムルから信仰と恩寵の秘奥を授けられ[123]、神聖魔法を習得する。物や魔法などを目視だけで解析して直ぐに自ら使用できるユニークスキル「解析者(サトルモノ)」を保有し、物質の変換・融合・分離によって別の素材を生み出すユニークスキル「創作者(ウミダスモノ)」を保有する。
- ハクロウ(白老)[124][125]
- 声 - 大塚芳忠[WEB 10]
- 元は大鬼族の家臣。黒目で伸びた白髪を総髪とした男性。書籍2巻でリムルの配下となり、リムルの名付けにより鬼人族へ進化し、老人から初老くらいの年齢まで若返る。リムルの魔王種への進化により妖鬼へ進化する。
- 人間と大鬼族の混血であり、朧流の剣豪で異世界人である荒木白夜の孫にあたり、テング族のカエデとの間に実子であるモミジを授かっている。剣鬼の異名を持つ剣の達人であり、料理にも造詣が深い。大鬼族のころから里の同胞やガゼルをはじめとする様々な人物に剣技を指南する。魔国連邦でも戦闘の指南役を務め、リムルや幹部たち、戦闘員を鍛えている。魔国連邦開国後の軍事再編では、第一軍団の軍事顧問も任され、指揮官のゴブタが現場に出る際には緑色軍団の指揮を代行する。
- 戦闘では仕込み刀を使用し、卓越した気闘法で身体能力を底上げして剣技や術を駆使し、少ない魔素量を全く問題にしない。千差万別の組み合わせて瞬時に8回敵を斬る朧流の最高奥義・八重桜-八華閃-を会得し、魔素の流れや力の大きさが正確に読み取れるユニークスキル「武芸者(キワメルモノ)」を保有する。
- リグルド[126][127]
- 声 - 山本兼平[WEB 10]
- リムルが転生後に初めて接触した子鬼族(ゴブリン)村の村長。書籍1巻でリムルに名付けされて人鬼族(ホブゴブリン)へ進化し、大柄な壮年の大男へ若返る。リムルからゴブリン・ロードの地位を授けられ、後に近隣のゴブリンもリムルの下へ合流したことでゴブリン・キングへ昇格する。
- 宴会が大好きで、何かと理由を付けては宴会を開きたがる。リムルの配下の中では最古参であり、名付けによってよぼよぼの老人から姿形が激しく変化したので、リムルは劇的な変化に驚くとリグルド・ショックと言うようになる。魔国連邦の内政を担う中心人物であり、同じく最古参である司法を担当するルグルド、立法を担当するレグルド、行政を担当するログルド、生産事業を担当するリリナと共に魔国連邦をまとめている。
- 文官なので戦場に出る機会は殆どないが、常に鍛えており武闘派な面もある。書籍2巻時点ではBランク相当だった強さも、書籍13巻時点ではAランクを超える。
- ゴブタ[128][129]
- 声 - 泊明日菜[WEB 10]
- リムルが転生後に初めて接触したゴブリンの村に住んでいた子鬼族。書籍1巻でリムルに名付けされて人鬼族へ進化したが、外見はほとんど変化していない。
- 脳天気で褒められるとすぐに調子づくお調子者。憎めない性格で周囲からはムードメーカーとして可愛がられているが、考えなしの発言で相手の地雷を踏んだり、肝心な所で詰めが甘くなるため、しばしば失敗して痛い目を見る。リムルの指示で結成された人鬼族と牙狼族の一人1匹のコンビにおいてランガとコンビを組み、狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)の隊長を務める。開国祭で開催された武闘大会では参加者の思惑にも助けられてランガとのコンビで優勝を果たし、四天王の一角を占める[130]。開国後の軍事再編では、ベニマルから緑色軍団の指揮を譲り受け、常備軍の攻撃の主力となる第一軍団の将軍を任される[131]。書籍14巻では、これまで通りリムルへ気軽に接する権利を正式に認められる[132]。
- 戦闘では器用で機転が利く天才肌であり、牙狼族の召喚もいち早く習得する。ハクロウとの修行で戦闘方法を学び、武闘大会においてランガと合体して魔狼形態となるユニークスキル「魔狼召喚(オレニチカラヲ)」を獲得するが、自身のパワーとスピードを制御できない未熟さが露呈する[133]。ランガと共にミリムの特訓を受けて戦闘感覚や技術を磨き上げ、元子鬼族の中では最強クラスに成長する。
- ランガ(嵐牙)[134][135]
- 声 - 小林親弘[WEB 10]
- 元はゴブリンの村に攻め込んだ牙狼族の長の息子であり、父の死後、一族の長となる。書籍1巻で一族と共にリムルの配下となり、リムルの名付けにより嵐牙狼族(テンペストウルフ)へ進化し、額の星型の痣から角が生えた巨体の狼となる。リムルの魔王種への進化により黒嵐星狼となり、書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて神狼の風霊狼へと覚醒進化して、聖魔十二守護王の一人として星狼王(スターロード)の称号を拝命する[136]。
- 父の死について思うところはあるものの、リムルへの恨みはなく、むしろ「ゴブリン村での戦いに敗れた自分たちを赦しただけでなく名付けをしてくれた」と恩義を抱いており、彼を名前ではなく「我が主(あるじ)」もしくは「主」と呼んでいる。それ故、少しでもリムルに反抗的、或いは侮蔑的な言動を行う者には唸り声をあげたりするなど厳しい態度を取る。普段はリムルの影の中に潜んで護衛し、表に出る場合はリムルの指示で本来よりも小さいサイズで現れる。リムルから毛並みを撫でてもらうのが好きで、ペット扱いされることもある。開国祭の武闘大会ではリムルの指示で出場を見合わせたはずが、ゴブタの召喚に勝手に応えて参戦する[130]。軍事再編により、「魔狼召喚」を得たゴブタが指揮する第一軍団に随行する機会が増える。一族は自身の進化に伴い全ての個体が同じ進化を遂げる性質を持つ。
- 戦闘では、単独でも強いが他者とのコンビで戦う場面が多い。放電する竜巻を生み出す黒雷嵐(デスストーム)、ゴブタと魔狼形態となって超音速衝撃波を生み出す疾風魔狼演舞(ダンス・ウィズ・ウルブス)という攻撃を使用する[137]。一族を完全に統率した連撃を可能とするユニークスキル「魔狼王」を保有し、リムルとヴェルドラの能力を継承した天候すらも支配する究極能力「星風之王(ハストゥール)」を獲得する[138]。
- ゲルド[139][140]
- 声 - 山口太郎
- 元はジュラの大森林に攻め込んだ豚頭帝ゲルド配下の猪人族(ハイ・オーク)の豚頭将軍。書籍2巻において豚頭帝ゲルドの思いを託すために、リムルからゲルドと名付けられて猪人王へ進化し、一族の長となる。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて猪神の地霊猪へと覚醒進化して、聖魔十二守護王の一人として守征王(バリアロード)の称号を拝命する[141]。
- 真面目で義理堅く職人肌で、器が大きく男気があるが、順序立てて物事を説明するのは苦手。豚頭帝ゲルドの配下であった猪人族から成る黄色軍団(イエローナンバーズ)を率い、魔国連邦開国後の軍事再編により、橙色軍団(オレンジナンバーズ)を加えた、常備軍の防衛と後方支援や工作の主力となる第二軍団の将軍となる。土木建築部門の幹部でもあり、魔国連邦の都市建設、各国へ伸びる道路や魔導列車の軌道を敷設する役割を担う。
- 戦闘では、妖気で触れた相手の精神体と物質体を同時に腐らせる攻撃を行い、第二軍団の猪人族と一体化したかのような集団的な防御力を発揮する。物資の収納・保管が可能な胃袋を仲間と共有する「美食家」と仲間のダメージを引き受ける「守護者(マモルモノ)」というユニークスキルを保有し、覚醒進化の後にこれらの能力を合一して強化した究極贈与「美食之王(ベルゼバブ)」を獲得する。
- ガビル[142][143]
- 声 - 福島潤[WEB 10]
- 元は蜥蜴人族の首領の息子。書籍2巻で内乱の責任を取って王国から追放され、ガビルを慕う部下たちと共にリムルの下に身を寄せる。正式にリムルの配下となり、リムルに名前を上書きされ龍人族(ドラゴニュート)へ進化する。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて真・龍人族の水霊龍へと覚醒進化して、聖魔十二守護王の一人として天龍王(ドラグロード)の称号を拝命する[141]。
- 褒めると調子に乗って失敗するタイプだか、任された仕事は責任をもって成し遂げる。戦略的な思考は苦手だが、指揮能力は高く、戦術面での判断は的確で部下からの人望も厚い。当初は自尊心が強すぎる故に他種族を見下す傾向が目立ち、オークロード率いる豚頭軍との戦いに備えて協力を要請する使者としてリムルたちを訪ねた際には、スライムである彼を侮蔑する言動を連発してリムルや彼の部下(特にシオンとランガ)を激怒させていたが、ジュラの大森林におけるリムルたちと豚頭軍の戦いの最中に、本性を現した名付け人のゲルミュッドの攻撃で窮地に陥ったところを救われて以降は態度を改めている。蜥蜴人族から成る飛竜衆(ヒリュウ)の指揮官を務め、魔国連邦開国後の軍事再編により、青色軍団(ブルーナンバーズ)と飛空龍(ワイバーン)も統率し、空からの遊撃を担当する第三軍団の将軍に任命される。また、ヒポクテ草の栽培も担当し、ベスターと共に回復薬の研究開発に携わる。
- 戦闘では、父から託された水渦槍(ボルテクス・スピア)を操り、 龍人族への進化により1日あたり1回に限り運命を改変可能なユニークスキル「調子者」と攻撃力と防御力を高め、傷を即座に回復出来る固有スキル「竜戦士化(ドラゴンボディ)」を獲得する。覚醒進化の後に「竜戦士化」は周囲の魔素を取り込み自己修復する装甲を身に纏う「竜鱗鎧化(ドラゴンスキン)」へ強化され、「調子者」も究極贈与「心理之王(ムードメーカー)」へと強化される。
- ディアブロ[144][145]
- 声 - 櫻井孝宏[WEB 10]
- 元は原初の黒(ノワール)の異名を持つ悪魔族の上位魔将(アーク・デーモン)であり、赤と金のメッシュが入った黒髪が特徴の男性型悪魔。書籍5巻のファルムス王国戦においてリムルに召喚され[146]、その後に正式にリムルの配下となり、名付けをされて悪魔公へ進化する。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて魔神の悪魔王へと覚醒進化して、聖魔十二守護王の一人として魔神王(デーモンロード)の称号を拝命する。名前の由来はスーパーカーのランボルギーニ社製ディアブロ[147]。
- 狡猾で計算高いが野心はなく、冷酷で気まぐれな性格。誰に対しても敬語でしゃべる。かつてギィと渡り合った悪魔族の最上位の一人だが、悪魔族の中において強さに執着がないという珍しい気質を持つ。シズとの因縁があり、召喚される前からリムルに興味を抱き、自身の前に召喚されたヴェノムを妬むほどリムルに心酔している。リムルの役に立つことを至上の喜びとし、リムルと敵対する者は迷わず排除しようとする。この点ではシオンと意気投合するが、秘書の座を巡っては大人げなく張り合う。所構わずリムル自慢をするので、リムルは辟易としており、ギィからは苦手意識を持たれている。仕事を押しつけてリムルの側にいるために勧誘した悪魔族から成る黒色軍団(ブラックナンバーズ)を率る。
- 戦闘では、リムル配下の三頂点の一角を担い、その中でも最強とされる。リムルの「大賢者」に似た「大賢人(モトムモノ)」と自分に屈した相手の生殺与奪を握って半強制的に従属させる「誘惑者(オトスモノ)」」というユニークスキルを保有し、覚醒進化により魔素量はリムルが魔粘性精神体だったころのリムルと同等になり、「誘惑者」は究極能力「誘惑之王(アザゼル)」へと強化される。
- テスタロッサ[148]
- 元は原初の白(ブラン)の異名を持つ悪魔族の上位魔将であり、白銀の髪と赤い瞳を特徴とする女性型悪魔。ディアブロが雑用を担う者として勧誘し、書籍11巻で正式にリルムの配下となり、名付けされて悪魔公へ進化する。書籍14巻において聖魔十二守護王の一人として虐殺王(キラーロード)の称号を拝命し[149]、書籍15巻でリムルから魂を譲渡されて魔神の悪魔王へと覚醒進化する[150]。名前の由来はスーパーカーのフェラーリ社製テスタロッサ[147]。
- 頭がよく、誇り高く優雅に完璧な自信家であるが、他者を見下す悪癖がある。可憐な見た目に反して性格は好戦的かつ残虐的で、数年前に東の帝国配下のシルベリア王国を全滅させた”紅に染まる湖畔事変”を起こす。リムルを一目見て臣従を決め、副官のモスとシエンを従えて西方諸国評議会に出向して外交武官となり、評議会が諸国から集めた支援兵から成る西方配備軍の軍団長を兼任する。東の帝国との戦争後は、元々東方に縁があるため評議会をシエンに任せ、マサユキが新皇帝に即位した帝国へ出向する。
- 戦闘では精密な魔力操作を得意とし、遺伝子配列を強制的に書き換えて魂をも破壊する核撃魔法である死の祝福(デスストリーク)を使用し、ディアブロと並んで厄介と言われるほどの技量を持つ。ヴェルグリンドとの戦いでの経験や、ディアブロからの話で自らの内面と向き合った結果、より死の側に傾倒した生と死を司る究極能力である「死界之王(ベリアル)」を獲得する。
- ウルティマ[151]
- 元は原初の紫(ヴィオレ)の異名を持つ悪魔族の上位魔将であり、紫色の髪をサイドポニーテールにした女性型悪魔。ディアブロが雑用を担う者として勧誘し、書籍11巻で正式にリルムの配下となり、名付けされて悪魔公へ進化する。書籍14巻において聖魔十二守護王の一人として残虐王(ペインロード)の称号を拝命し[149]、書籍15巻でリムルから魂を譲渡されて魔神の悪魔王へと覚醒進化する[150]。名前の由来はスーパーカーのアルティマ・スポーツ(Ultima Sports)社製ウルティマ・GTR[147]。
- 一見可愛げのある明るい少女であり、お嬢ちゃんと呼ばれて可愛がられているが、実際は陰気で陰湿、残虐非道で感情の起伏も激しい。副官のヴェイロンとゾンダを従えて魔国連邦の検察庁検事総長に就き、ログルドをおっちゃんと呼び懐いている。カレラとは職務内容から食事のメニューまで何かと張り合ってケンカになり、賭けの対象とされるなど町の名物となる。自分が原初の7柱の中で一番未熟だと自覚しているが、一番伸び代があるとも思っている。
- 戦闘では、熱核爆発を引き起こす破滅の炎(ニュークリアフレイム)という核撃魔法を使用する。覚醒進化により即死と致死毒の効果を与えて対象を死に至らしめる究極能力「死毒之王(サマエル)」を獲得し、ダムラダとの戦いを経て貫手技紅蛇死毒手(ブラッディーバイト)を編み出し、ダムラダからその技の全てを託される。
- カレラ[152]
- 元は原初の黄(ジョーヌ)の異名を持つ悪魔族の上位魔将であり、金髪の女性型悪魔。ディアブロが雑用を担う者として勧誘し、書籍11巻で正式にリルムの配下となり、名付けされて悪魔公へ進化する。書籍14巻において聖魔十二守護王の一人として破滅王(メナスロード)の称号を拝命し[149]、書籍15巻でリムルから魂を譲渡されて魔神の悪魔王へと覚醒進化する[150]。名前の由来はスーパーカーのポルシェ社製カレラGT[147]。
- 武人のような考えの持ち主だが、傲岸不遜で大雑把な性格をしている上、刹那的な享楽を求める傾向がある。かつてエルドラドがある大陸を拠点としており、レオンに対し遊び半分で核撃魔法を打ち込む挑発をしては彼を困らせていた。リムルに忠誠を誓った後、副官のアゲーラとエスプリを従えて最高裁判所長官に就く。
- 戦闘では、リムル配下の悪魔族の中で最大の魔力を有し、局地的に人工的なブラックホールを生み出す重力崩壊(グラビティコラプス)という核撃魔法を使用する。趣味としてアゲーラから剣術を習うようになり、その腕前は免許皆伝となる。覚醒進化により破壊力に特化した究極能力「死滅之王(アバドン)」を獲得する。近藤との戦いを経て、近藤の神話級武器黄金銃を譲られて神滅弾をはじめ断罪之王の権能も使用可能になる。
- ガルド・ミョルマイル[153][154]
- 声 - 青山穣[WEB 10]
- 元はブルムンド王国王都の大商人。ブルムンド商店街の元締めであり、暗黒街のドンを自称する。書籍4巻において、フューズの仲介でリムルが作った回復薬の商談を引き受けてリムルと出会い[155]、その縁で様々な新商売に手を広げるが、開国祭を機にリムルから誘われて首都リムルへの移住を決意する[156]。
- 怪我人を助けるために利益を度外視して奔走し、自分以外の者を魔物から逃がすことを優先するなど、根は善良である[155]。意外にミーハーで、マサユキの大ファン。魔国連邦では財務統括部門と広報宣伝責任者を務める。人間の初の幹部であり初の文官であるため、さまざまなトラブルが心配されたが、人心掌握にも長けており杞憂となる。リムルとエルメシアと共に悪巧み三人衆を結成し[157]、西側諸国の表社会と裏社会を競争・牽制し合うための組織を設立し、国家間で商業活動を行う四ヶ国通称連盟の代表者となる一方、裏社会を統一するための秘密結社である三賢酔(リエガ)の代表の一人を務める[158]。
配下・国民
幹部以下の住人および各幹部の配下。
- リグル[159][160]
- 声 - 石谷春貴[WEB 11]
- 種族:子鬼族 → 人鬼族
- リグルドの息子で警備隊長。リムルの名付けにより、牙狼族との戦いで戦死した兄がゲルミュッドから授かった名を引き継ぐ。街づくりの黎明期には食糧調達の為の狩猟も担当し、後に狼鬼兵部隊の隊長をゴブタに任せ、父であるリグルドの補佐に回る。獣王国への第1回使節団でベニマルの補佐をし、以降は喧嘩っ早いベニマルの代わりに団長を任される。その事もあってベニマルからは信頼されており、第四軍団の軍団長にも候補として名前が挙がる。
- クロベエ(黒兵衛)[161][162]
- 声 - 柳田淳一[WEB 10]
- 元は異世界人から受け継いだ鍛冶技術を家業とする大鬼族の里の武器番。書籍2巻でベニマルらと共にリムルの配下となり、リムルの進化に伴い鬼人族から 妖鬼へと進化する。
- リムルから刀鍛冶の職業を与えられて鍛治の腕はカイジンを越し、作品は最低でも希少級、最高で特質級になる[163]。書籍14巻の時点では伝説級武器の製造にも成功し、遂に自力で神話級を創り出せるまでに至る[164]。
- カイジン[165][166]
- 声 - 斧アツシ[WEB 10]
- 元はドワルゴン国のドワーフで庶民出身。人間の国でも有名な鍛冶職人だが、元々は研究者。かつて王宮騎士団工作部隊の団長を務めていた。書籍1巻でリムルがドワルゴン国を訪れた際に縁ができ、ベスターとの揉め事を機に職人を探していたリムルの元に身を寄せ、幼馴染であるガルム、ドルド、ミルド三兄弟も同行する。魔国連邦への移住後、カイジンは武器を中心に鍛治を担当、ガルムは衣類生産を担当、ドルドは道具生産を担当、ミルドは建築・芸術の他に都市計画を担当し、魔国連邦の技術力向上と生産物の価値向上に重要な役割を果たす。
- カイジンは、書籍2巻において武器の製造生産をクロベエに任せて生産関係の取り纏めと研究に専念し[167]、書籍3巻では魔国連邦を身を寄せたベスターと和解し、2人で力を合わせ精霊魔導核の開発に着手する。書籍7巻ではミルドと共にミリム領の新都市建設のために現地へ出向する[168]。
- ベスター[169][154]
- 声 - 津田健次郎[WEB 10]
- 元はドワルゴン国のドワーフで貴族出身。元々は精霊工学を専門とした研究者だが、王宮騎士団工作部隊の副団長を務め、庶民出身のカイジンに嫉妬して魔装兵計画で暴走して失敗し、その責任を団長であるカイジンに擦り付けた。軍を去ったカイジンへの嫌がらせを続けていたが、書籍1巻でリムルをドワルゴン国から追放した責任を問われて免職され、王宮へ立入禁止となる。書籍3巻でベスターの才能を惜しんだガゼルにより相互技術提供の人材として魔国連邦へ派遣され、これまでの全てを反省してリムルとカイジンに謝罪し、和解する。
- 魔国連邦へ移住後、研究開発職に就き、文官時代とは見違えるように生き生きとしており、リムルのアイデアを元に開発した品々は魔国連邦の発展に欠かせないものとなる。また、ドワルゴン国への連絡役も務め、貴族としての教養を活かして読み書きそろばんや接客マナーなどの教育役も任される[170]。公爵の地位が維持されたため、公爵家を総動員して人材確保なども実施する[171]。
- ソーカ(蒼華)[172][173]
- 声 - 大久保瑠美
- 元はリザードマン王国の首領親衛隊長。ガビルの妹。リムルの名付けにより龍人族に進化し[174]、4人の部下も人間寄りの姿に進化する[175]。ソウエイが率いる藍闇衆に所属し、その頭領となる[176]。ガビルと会えば必ず言い争う様子を見せるが、実際は仲は良く、周囲にも気付かれている。ガビルの覚醒進化の祝福により上位魔将に匹敵する魔素量を獲得し、直属の部下4名も上位魔人並みに強化される[164][177]。
- モミジ(紅葉)[178][179]
- 長鼻族の長老であるカエデの娘で、長老の代理を務める[180]。父はハクロウ。気性が激しく[181]、プライドの高い自信家。戦闘では、幻覚や幻術を無効化するエクストラスキル「天狼覚」を持ち、その強さはアルビスを上回る[182]。
- 書籍8巻において、街道敷設のためにリムルの名代として里へ訪れたベニマルと出会い、カエデが街道敷設の条件としてベニマルとモミジとの結婚を要求するものの、モミジは自分の力でベニマルを振り向かせたいと宣言する[183]。首都リムルでハクロウと初めて対面し、弟子入りを果たすと同時にベニマルの妻となる決意を表明し、妻の座を巡ってアルビスと争うようになる[184]。その後、シュナに料理を習ったり、「妻」としてベニマルの代わりに第四軍団の指揮官を担当するなどして外堀を埋めてゆく[185]。アルビスとは何度も拳を交えたことで友情が生まれ、2人でベニマルの嫁になるために知恵を絞り、書籍14巻でついにベニマルの第一夫人の座を射止める[186]。
- モス[187]
- テスタロッサ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、称号に女帝の腹心を持つ[189]。外見は小学5、6年生の少年のような姿。小さく分離させた「分身体」を各地に飛ばす能力があり、これを利用した情報収集が得意であり、ディアブロやソウヘイからも重宝される。
- シエン[187]
- テスタロッサ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、称号に女帝の書記官を持つ[189]。書類仕事が得意なので主人から代理を任される事も多く[190]、帝国に出向くテスタロッサの代わりに西方評議会の外交武官を任される。
- ヴェイロン[187]
- ウルティマ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、毒姫の執事の称号を持つ[191]。常に背筋をピンと張った姿勢でウルティマに付き従い、戦場でも紅茶を用意し完璧にサーブする。書籍15巻の八門堅陣におけるマルコ戦の中で、究極贈与「真贋作家(アーティスト)」を獲得し、荒木白夜の剣技を再現して討ち取る。
- ゾンダ[187]
- ウルティマ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、毒姫の料理人の称号を持つ[191]。コックコートを着用し、戦場でも極上の料理を提供する[192]。状況把握と支援に特化した権能を有し[191]、回復魔法が得意。
- アゲーラ[187]
- カレラ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、暴君の師匠の称号を持つ[193]。外見は金色のまだら模様が入った白髪の老人。悪魔にしては珍しく魔法ではなく刀を武器とし、カレラに剣術を教える。悪魔になる前の前世は朧流の開祖にしてハクロウの祖父である荒木白夜[194]。書籍15巻の八門堅陣におけるガルシア戦の中で、究極贈与「刀身変化(とうしんへんげ)」を獲得し[194]、エスプリに刀となった自身を取らせて朧流の最高奥義にて討ち取り、カレラと近藤との対決でも刀となってカレラを補助する。戦争後は頭を冷やしたいと願い、ドワルゴンに派遣されてガゼルの訓練に付き合う[195]。
- エスプリ[187]
- カレラ配下の悪魔族。主人の覚醒進化により悪魔公に進化し[188]、暴君のズッ友の称号を持つ[196]。外見は愛らしい顔だちの少女であるが、性格は悪く、自分はカレラの太鼓持ちに徹し、彼女への諫言はアゲーラに押し付ける。時間と空間を隔てた相手でも連絡を取り合うことが出来る能力を持つ。
- ヴェノム[197]
- ディアブロ配下の悪魔族。反骨精神が旺盛で何度もディアブロに歯向かったため、ディアブロから気に入られて強制的に配下にさせられる[198]。常にディアブロから無理難題を押し付けられる苦労人[199]。主人の覚醒進化により悪魔公に進化する[188]。明確な記憶はないが転生者であり、パンクファッションを身に着ける[199]。
- ディアブロの命令でマサユキの護衛を担当し、自分の意思を持ち続けているマサユキを心の奥底では尊敬する[200]。マサユキの即位に伴い、テスタロッサと共に帝国へ随行する。
- 三崎 剣也(ケンヤ・ミサキ)、関口 良太(リョウタ・セキグチ)、アリス・ロンド、ゲイル・ギブスン[201][202]
- 声 - 朝井彩加(ケンヤ)、石上静香(リョウタ)、白石晴香(アリス)、佐藤元(ゲイル)[WEB 12]
- 西方諸国で不完全召喚された子供達。リムルと出会った時点で、ケンヤとリョウタが10歳、アリスが9歳、ゲイルが11歳。魂に融合された魔素量をコントロール出来ずに、大人になる前に死んでしまう身体だった[33]。シズが学園を去った後は死期が近いせいもあって自暴自棄となり、手の付けられない問題児になっていた。
- リムルがクロエを含めた5人の教師役を務め[203]、ラミリスの支配する精霊迷宮で上位精霊を宿らることに成功し、魔素の制御が可能となり死期の問題が解決される[33]。ケンヤは光の上位精霊が宿り、将来“勇者”になれる資格を獲得し、他の3名はリムルの「変質者」によって統合された擬似上位精霊(リョウタが水風、アリスが空、ゲイルが地)が宿る[33]。
- その後リムルにより魔国連邦に引き取られ[204]、ハクロウやヒナタに指導を受け、ケンヤは光の精霊と変幻自在の剣技のコンビネーション、リョウタは水と風の精霊魔法を使い分ける器用な戦い方、ゲイルは盾と剣に土の精霊魔法を駆使した鉄壁の守り、人形使役者(ゴーレムマスター)のアリスは魔鋼製の人形や大量の剣の操作といった戦法を身に付ける。ケンヤは現状で並みの聖騎士より強く、アリスも数年後には聖騎士の隊長格と互角になると考えられている[205]。
- クロエ・オベール[206][207]
- 声 - 田所あずさ[WEB 12]
- 不完全に召喚された子供たちの一人であり、おとなしい性格の10歳の少女[208]。不完全な召喚による弊害で死期が迫る中、書籍4巻でイングラシア王国を訪れたリムルと出会い[208]、先生と呼び慕って好意を抱くようになり、リムルと共に精霊の棲家を訪れてクロノアの魂を宿すことで救われる[209]。リムルからシズの抗魔の仮面を譲り受け[210]、その後、書籍9巻で魔国連邦の開国祭に参加し[211]、ケンヤたちと共に魔国連邦に保護される[212]。
- 書籍11巻でリムルと共にルベリオス国を訪れ、グランベルの攻撃から自身を庇ったヒナタの死に際に立ち合い、ヒナタの魂と共に過去に時間遡行してこの世から消失する[213]。時間遡行後にこれまでの輪廻の記憶を取り戻し[注 10]、未来で起きた自身とリムルの死を回避するために、ルミナスの協力を得て勇者として活動した後[注 11]、ルミナスにより聖櫃に封印される[216][注 12]。ユウキにより封印が解かれてクロノアとして復活した後、リムルとルミナスの力によりクロエの意識を取り戻す[218]。その後、リムルやケンヤたちの居る魔国連邦に留まり[219]、書籍16巻ではジウらによるリムルの暗殺を防ぐものの、フェルドウェイに一時的に精神支配されてしまう[220]。
- 時間に干渉するユニークスキル「時間旅行(トキノタビビト)」を保有し、勇者として活動を始めたころには虚数空間に封印する「無限牢獄」と「絶対切断」を獲得する。リムルの干渉により、究極能力「時空之王(ヨグ・ソートス)」を獲得して時を止める力を得て、グランベルから究極能力「希望之王」も受け継ぎ、自身の“勇者の卵”にヒナタの“卵”が融合して孵化した結果、真の勇者として覚醒し、規格外の存在となる[221]。
- クロノア
- クロエの別人格。時間遡行したクロエが勇者として活動するために名乗った変名であり、名付け主はヒナタ。名付けによりヒナタの「簒奪者」を吸収し[222][注 13]、「リムルが死んだ」という記憶を元に悪徳の化身として「簒奪者」に自我が宿る[218]。クロエとヒナタの人格が眠りについた後は、主人格となり破壊衝動のままに行動するものの、リムルと再会したことで破壊衝動が鎮静化し、「簒奪者」は「時空之王」に統合され、自身は神智核に最適化される[218]。一つの肉体にクロエとクロノアの双方の自我がある状態となり、クロノアの意識が出ている時は大人の姿になる。書籍16巻では、フェルドウェイに支配された「希望之王」の制御に集中しており、クロエとも話せない状態になる[223]。
- マサユキ・ホンジョウ(本条 正幸)
- 元はロシア系の血を引く日本人の転生者[224]。1年ほど前の高校入学直後、青い髪の美女に気を取られた瞬間に転生し[224]、自由組合に所属する冒険者となり、勇者マサユキまたは閃光のマサユキと呼ばれる西側諸国の人気者へ成長する[224]。書籍9巻で魔国連邦を訪れてリムルと出会い、仲間と共に魔国連邦の滞在を許される[225]。
- 開国祭の武闘大会に参加して準優勝した後、周囲から受ける実力以上の過剰な好評価に閉口する思いと自身の実力を暴露してリムルに庇護を申し入れる。これ以降、広告塔として迷宮攻略を行い、迷宮運営にも携わる。その後皇帝ルドラと瓜二つであると分かるが、東の帝国軍に備えて義勇団の軍団長を任される[226]。書籍16巻において、コルヌにより迷宮内で暗殺されかけるが、最後にはヴェルグリンドに助けられる[227]。彼女から自身がルドラの魂が集まった転生体であると告げられ、皇帝を失った帝国においてマサユキ・ルドラ・ナム・ウル・ナスカとして即位する決意を固める[228]。
- 戦闘では特段の実力はない。自身の好評価はユニークスキル「英雄覇道」に因る結果であり、何をしても、何もしなくても周囲から都合よく解釈され、とにかく良い結果を導く権能が常時発動している[224]。転生時に見かけた青い髪の美女に煩悩を抱いた瞬間にヴェルグリンドへの真実の愛が確認されたと世界から解釈されて、何もしていないが究極能力「英雄之王(シンナルエイユウ)」に覚醒し、自身の奉者に対して幸運と究極能力に対抗出来る加護を付与する権能を獲得する[229]。
- 吉田 薫(カオル・ヨシダ)[202]
- イングラシア王国の王都で喫茶店を経営していた“異世界人”。無能力者だが、お菓子作りの技術は超一流で、ファンも多い。魔国連邦が開国した際にリムルの勧誘を受け、シュナの料理力を認め、王都の店を弟子に任せ連邦に移住する[230] [231]。
- ジラード、アイン[232]
- ジラードは、魔王ギィ配下のミザリーを神として信仰する傭兵団“緑の使徒(ヴェルト)”の団長。アインはジラードの部下で、チーム“緑乱”のリーダーの精霊使役者。
- 実力を隠して魔国連邦の地下迷宮の攻略を進めていたが、リムルたちが操作する仮魔体に討伐されて撤退する。
- 11巻において五大老のヨハンと結託して、評議会の場においてアインによりミザリーの召喚に成功するが[233]、ミザリーが何もせずに帰還したために激高してテスタロッサに斬りかかるもののモスに敗北する[233]。そこでミザリーとの会話からテスタロッサの正体に気付いて発狂しながら魔法審問官に連行される。その後は司法取引でテスタロッサに引き抜かれて“藍闇衆”に配属され[234]、“三酔賢”でグレンダを補佐している。
迷宮(ラビリンス)
- ラミリス[235][236]
- 声 - 春野杏[WEB 10]
- 元はヴェルダナーヴァが生み出した精霊女王(エレメント)であり[237][注 14]、かつてギィとミリムの争いを仲裁した際に力の大半を失い妖精族へ堕天する[237]。迷宮妖精(ラビリンス)の異名を持つ最も古い魔王の一人であり[238]、年齢は数千歳以上。外見は金に緑と黒のメッシュが入った髪で身長30センチくらいの身体に羽が生えた女の子[238]。勇者に聖霊の加護を与える役目があり、書籍4巻でウルグレイシア共和国の精霊の棲家を訪れたリムルと出会い[238]、書籍8巻で魔国連邦に押し掛けて、その地下に迷宮を生成して移住する[239]。
- 魔素量が限界に近づくと子供を生んで転生を繰り返すため[237]、その容姿に精神が引きずられて言動が幼い。好奇心旺盛で臆病だが[240]、大口を叩くのでリムルには「口だけ番長」と評され、自分に何が出来て何が出来ないのかを理解していない面もある[241]。「精霊工学」に詳しく、精霊の棲家にて聖霊の守護巨像(エレメンタルコロッサス)を完成させていたが、書籍4巻でリムルに破壊され、その代わりにベレッタが配下となる[242]。書籍6巻ではリムルの味方となる決意を示し、リムルが魔王達の宴に参加する手助けを行う[243]。これまで独りぼっちでニートだったが、ヴェルドラを師匠と呼んで仲良くなり[244]、魔国連邦に移住後は、トレイニーたちも配下に加わり[245]、迷宮によるビジネスが確立してからは職務と報酬を得るようになる[246]。書籍13巻では、魔国連邦の戦力としてリムルと共に迷宮十傑を束ねる立場として、70万もの帝国軍を迎え撃つ[247]。
- 成長途上なので本人の戦闘能力は低いが、固有能力「迷宮創造(チイサナセカイ)」により迷宮を創造する能力を有し、迷宮中では魂を持つものであれば生死すらも自由自在にできるなど、自らの領域において万能な力を発揮する[248]。
迷宮の職員
- ベレッタ[249][250]
- 書籍4巻において、ラミリスの護衛として、リムルが造形した魔鋼製の人形に召喚した黒(ディアブロ)の系統の上位悪魔を宿らせ、名を与えて誕生した魔将人形(アークドール)[242]。外見は長い銀髪で紅い目をした仮面を被った風貌の人型[251]。リムルの魔王種への進化により聖魔人形(カオスドール)となり[252]、ラミリスと共に魔国連邦に押し掛けて移住する[239]。書籍16巻でリムルから魂を与えられて上位聖魔霊の金属生命体である聖魔金属生命体(カオスメタロイド)へと覚醒進化する[253]。
- 悪魔には珍しい落ち着いた性格で研究者肌、強さには興味がない。ラミリスを諫める役を1人で引き受ける苦労人[239]。リムルの命でラミリスに仕えていたが、魔王達の宴の際にギィに半ば強要される形でラミリスにのみ忠誠を誓い、正式にラミリスの配下となる[254]。迷宮統括者(ダンジョンマスター)と迷宮十傑の筆頭を兼任していたが、面倒だと思っていた迷宮十傑を[255]、東の帝国による迷宮侵攻を前に辞任してガドラに譲る[149]。
- 正反対の属性を自動で獲得するユニークスキル「天邪鬼(ウラガエルモノ)」を保有し、悪魔族と天使族の双方の性質を持つ。覚醒進化により金属ならどんな形状でも自由自在に変形可能となり、究極能力「機神之王(デウス・エクス・マキナ)」を獲得する[256]。
- トレイニー[257][258]
- 声 - 田中理恵[WEB 10]
- 樹妖精(ドライアド)の三姉妹の長姉。次女はトライア、三女はドリス。外見はうっすら透き通る神秘的な美人[259]。かつてラミリスが妖精に堕ちた時に自分たちも精霊から妖精へ変化し、ラミリスと離れ離れになってからヴェルドラに保護され、ジュラの大森林の管理を任されていた[260]。書籍2巻において、豚頭帝ゲルドの武力蜂起をリムルに伝え、事件解決後、ジュラの森大同盟の議長にリムルを指名し、樹人族共々リムルに忠誠を誓う。ラミリスの魔国連邦への移住に伴い樹妖精たちも迷宮に移住し、リムルの許可を得て正式にラミリスの配下となる[254]。
- 頼れる人物ではあるが、敬愛するラミリスに対してだけは激甘である[254]。森の中では圧倒的な強さを誇り、植物を介した瞬間移動や情報共有[261]、上位精霊と同一化して能力を高めることができる。分身体として活動できるが、本体は大霊樹(ドリュアス)にあるため短時間に制約される。書籍6巻で、リムルの手により、霊体を精霊魔導核に移されて大霊樹製の人形に宿り、霊樹人形妖精へ進化して能力が強化され、制約から解放される[261]。迷宮では樹妖精たちは管制室のオペレータを務める傍ら、トレイニーは戦闘でも活躍しており、ラプラスとは二度対戦し、ザラリオとも戦っている。
- シンジ・タニムラ(谷村 真治)[262]
- 元は東の帝国軍の混成軍団に所属する23歳の異世界人。書籍12巻において異世界人であるマーク・ローレン、シン・リュウセイと共に、東の帝国との戦争前にユウキの命令で迷宮の調査に向かうが、60階層でアダルマンたちに敗北する。師匠であるガドラと共にリムルと面会して東の帝国からの亡命を決意し、マーク、シンと共にラミリスの配下として迷宮で働く[263]。
- 書籍13巻では、迷宮に侵攻してきた精鋭部隊に組み込まれた異世界人のルキウスとレイモンドをガドラと一緒に説得し、降伏して迷宮の見習いとなった2人の世話をする[264]。書籍16巻では、シュナの可憐さを想像していた折りに、ディーノの怪しげな行動に気が付いて偶然に声をかけたことが、ディーノの裏切りを失敗に導く[265]。
- ゴズール、メズー[266]
- ジュラの大森林で100年以上も戦争を続けていた種族の長[267]。魔王となったリムルに忠誠を誓い[268]、名付けられてゴズールは牛頭族(ゴズ)から牛鬼族へ、メズーは馬頭族(メズ)から馬鬼族へ進化し、ゴズールは物理攻撃特化、メズールは魔法攻撃特化となる[269]。武装大会での勝負を経て、50階層の階層守護者を交代で担当する。迷宮内で頂点の存在を知り、少し謙虚になる[270]。
- ディーノ[271][272]
- “八星魔王”の1人。
- 「#始原の七天使」を参照
迷宮のボス
- 迷宮十傑
-
- ガドラ[273]
- 元は東の帝国軍に所属する大魔法使い。同じ迷宮の守護者であるアダルマンとは千年来の親友で、彼が謀殺された一件からルミナス教に恨みを抱き、帝国に渡った。書籍12巻で弟子であるシンジたちと共に魔国連邦へ亡命し[274]、親友のアダルマンと再会する。書籍13巻で魔王の守護巨像(デモンコロッサス)の操縦と60階層の階層守護者を任され、魔導王(ルーンマスター)の二つ名が与えられる[275]。書籍15巻のゴウザリン戦において自爆魔法を発動した後、ディアブロに気に入られていたために黒の眷属に転生する[276]。これにより、魔王の守護巨像の残骸と融合した金属性悪魔族へと進化し、外見も白髪長髭の姿から若造に変化する[276]。
- 公には尊大に振る舞うが、根は優しくノリが軽い[277]。身内には優しく、弟子のシンジやルキウスの身を案じて帝国から亡命を勧めたり、亡命後もユウキとの個人的な繋がりを大事にしたりする[274][278]。また、国に対する帰属心のない自分勝手な性格であり[279]、帝国に義理はないと言った直後にリムルへ忠誠を誓うが、その態度についてリムルから嫌いでないと評される[278]。東の帝国による迷宮への侵攻が始まっても普段通りの態度のラミリスやヴェルドラの態度に感心し、それを従えるリムルに対して畏怖の念を抱く[275]。
- 正確な鑑定眼を持ち、相手の実力を推し量る力に長け、戦闘では元三武仙のサーレやグレゴリーを簡単に退ける実力がある[277][275]。金属性悪魔族への進化により力が増し、リムルが管理する魔法の数々を記し、それを使用することができる究極贈与「魔道之書(グリモワール)」を獲得する[276][注 15]「#ガドラ(東の帝国)」も参照
- アダルマン[281][282]
- 髑髏の姿の死霊。元はクレイマン配下の五本指の一人[283]。生前は神聖魔法の使い手だったが、書籍6巻で神聖魔法に関する自身の思い込みを利用されてシュナに敗れ、部下の死霊と共に魔国連邦に加わる[284]。書籍8巻でシュナから推薦され、当初、60階層の階層守護者を司る[285]。魔国連邦に参画した直後は死霊(ワイト)に退化するが[123]、迷宮の膨大な魔素を吸収して死霊の王へ再進化する[286]。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて光属性の中位聖魔霊である光霊骨に覚醒進化し、聖魔十二守護王の一人として冥霊王(ゲヘナロード) の称号を拝命する[287]。
- リムルとシュナを大袈裟な態度と言葉で敬うので、シュナからは暑苦しいと評され[285]、慣れたとはいえリムルから苦手意識を持たれている[123]。弱体化により神聖魔法を失っていたが、書籍10巻でリムルにより信仰と恩寵の秘奥を授けられ、リムルを信仰対象して力と神聖魔法を取り戻す[123]。書籍12巻においてシンジたちを倒した急成長が認められて70階層の階層守護者へ格上げされ[288]、また、生前からの親友であるガドラと再会を果たす[274]。
- ルミナスから詫びとして贈られたスキルをもとにベレッタの協力で生み出したエクストラスキル「聖魔反転」により、自らとその配下を聖属性とすることで弱点である神聖魔法を克服する[289]。また、覚醒進化により、敵兵を含む死者たちを配下とする支配力と死者たちへの加護が強化され、究極贈与「魔道之書(ネクロノミコン)」を獲得し[注 15]、多数の死者から成る軍勢の勢力も拡大する[290]。「#示指のアダルマン」も参照
- アルベルト[281][282]
- 元はクレイマン配下の死霊騎士。生前は西方聖教会の聖堂騎士としてアダルマンの警護を務め[291]、死霊となっても忠誠を尽くすアダルマンの副官。魔国連邦に参画した直後は骸骨剣士(スケルトン)まで退化したが、迷宮に移住した後に死霊聖騎士(デス・パラディン)へ進化し[286]、骸骨の姿から青年の姿となる。書籍14巻において東の帝国から鹵獲した神話級の霊剣をリムルから授与され[292]、アダルマンの覚醒進化により彼に隷属する従者として中位聖魔霊である炎霊人へと覚醒進化し、冥霊聖騎士(ゲヘナ・パラディン)の称号を得る[290]。
- アダルマンと同様にリムルを過剰に敬う面がある[290]。ハクロウと互角に斬り合える剣の達人であり[293]、アダルマンが「聖魔反転」を獲得した後は、その加護を受けて弱点もなくなる[289]。その後、アダルマンの前衛として70階層の階層守護者を務める傍ら、修行のために迷宮を訪れる聖騎士たちに剣術を指導する。覚醒進化により究極贈与「不老不死(イモータル)」を獲得し、魂をアダルマンに預け、彼が死なない限り肉体が消滅しない不老不滅の存在となる[290]。
- ウェンティ[281][282]
- 死せる魔物の頂点に位置する巨軀の死霊竜(デス・ドラゴン)であり、生前のアダルマンと対峙して相打ちとなり、アダルマンと主従関係を結び、彼のペットになる。書籍6巻ではシュナにアダルマンが敗北した影響で消滅するが[284]、書籍10巻で力を取り戻したアダルマンにより迷宮へ召喚される[123]。書籍14巻においてリムルによって名付けされて闇色の衣を纏う美女へ変身できるようになり[294]、アダルマンの覚醒進化により彼に隷属する従者として冥霊竜王(ゲヘナ・ドラゴン)へと覚醒進化し、冥獄竜王の称号を得る[290]。
- 身に纏う妖気に触れるだけで精神を破壊され[284]、腐食吐息(ゾンビブレス)を放ち、その瘴気で精神汚染された者はアダルマンの命令に従う腐肉者(ゾンビ)となる[295]。魂への直接攻撃しか有効ではないが[295]、覚醒進化により究極贈与「不朽不死(エターナル)」を獲得して、アルベルトと同様に魂をアダルマンに預けているため、アダルマンが死なない限り肉体が消滅しない存在となる[290]。
- アピト[281][266]
- 元はリムルがジュラの大森林で保護した体長30センチほどの蜂の蟲型魔獣[296]。リムルから名付けされた後、樹人族の集落で希少花の花蜜を集める仕事を任されていたが[296]、書籍8巻でトレイニーから推薦され[297]、79階層を担う領域守護者となる[298]。書籍10巻時点で完全変態が完了して蟲型魔人(インセクター)へ進化して全魔物の中で最速の素早さを持つ女王麗蜂(クイーンワスプ)となり[299]、蟲女王(インセクトクイーン)を名乗る[298]。外見は漆黒の生体魔鋼の外骨格と2対4枚の翅を持つ女性型に変化する[300]。
- リムルから見てゼギオンの系譜となる二次的眷属にあたり[301]、書籍14巻で覚醒進化したゼギオンの祝福を受け、天星麗蜂(スターワスプ)の中位聖魔霊・風霊蜂に覚醒進化する。また、リムルからの褒美としてミニッツ戦で失った軍団蜂(アーミーワスプ)の魂を集めてもらい、9体の蟲型魔人を新たに生み出す[302]。書籍16巻のリムルとの個人面談において9体の眷属たちに名付けしてもらい、シエルにより本人が希望する前線で戦う英雄型へと能力改変され、究極贈与「女王崇拝(プロセルピナ)」を獲得する[301]。
- 負けん気が強く[303]、戦闘では毒針や羽の振動で放つ衝撃の刃を武器とする[304]。戦闘経験が足りなかったものの、訓練を引き受けたヒナタを相手に経験を積み[299]、未来予測に近い直感力を身に付ける[305]。書籍13巻では迷宮に侵攻したミニッツを仕留めきれなかったが[304]、書籍16巻ではディーノの裏切りを止めるための時間稼ぎに貢献する[306]。
- ゼギオン[281][307]
- 元はリムルがジュラの大森林で保護した体長50センチほどの兜虫と鍬形虫を折衷したような蟲型魔獣[296]。リムルから名付けされた後、樹人族の集落を護衛する仕事を任されていたが[296]、書籍8巻でトレイニーから推薦され[297]、80階層の階層守護者となる[298]。書籍12巻時点で蟲型魔人へ完全変態が完了し、漆黒の外骨格に紅玉に輝く一本角を持つ細身の人型に進化する[298][308]。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて蟲神(コガミ)の上位聖魔霊・水霊蟲へと覚醒進化し、聖魔十二守護王”の一人として幽幻王(ミストロード)の称号を拝命する[309]。
- リムルへの忠誠以外では強さにしか興味を持たない寡黙な男[310]。リムルの細胞と魔鋼が馴染んだ外骨格と、桁違いの肉体性能を持つ[311]。これを「智慧之王」が存分に超最適化して、ヴェルドラが訓練を施した結果、書籍13巻時点のリムルに近い能力を獲得して、ヴェルドラに次ぐ迷宮最強の戦士と評される[275][311]。書籍13巻では迷宮に侵攻した帝国軍の精鋭部隊の強者を圧倒的な力で瞬殺しており、書籍16巻では裏切ったディーノも余裕で対処する[312]。
- 戦闘では近接戦闘に特化しており[313]、リムル配下の三頂点の一角を担う強さを持ち、ディアブロでも敗北しそうになり、ベニマルよりも強いと示唆される[311]。刻印(ノロイ)を刻んだ対象が術者の意に沿わない行動を取った瞬間に心核を破壊する夢の終わり(ドリームエンド)という技を編み出しており[313]、覚醒進化により外骨格は神話級となり、自身がほぼ無敵となる幻想世界を生み出す究極能力「幻想之王(メフィスト)」を保有する[313]。
- クマラ(九魔羅)[281][314]
- 複数の尾を持つ妖狐[315][注 16]。元はクレイマン配下の五本指の一人[283]。魔国連邦に保護された後に四尾まで成長し、書籍8巻でランガから階層守護者に推薦され、リムルに名付けられて九尾まで進化する[297]。9本の尾のうち8本を尾獣として従えており、迷宮では尾獣が81階層から89階層の領域守護者を担い、自身は90階層の階層守護者を務める[309]。書籍14巻でリムルから魂を譲渡されて天星九尾(ナインテイル)の上位聖魔霊・地霊獣へと覚醒進化し、聖魔十二守護王の一人として幻獣王(キメラロード) の称号を拝命する[309]。
- 元の外見は子狐で人に変身した姿は少女であり、魔国連邦に移住してから学校に通い、ケンヤたちと友達になる[317]。外見や廓言葉を喋る印象からは想像できない腹黒さと計算高い面があり、実直なアピトとは相性が悪い[309]。大人の姿にも変身でき、その姿は傾国の美女となり、書籍13巻では、この姿で母の仇であるカンザスを討ち取り復讐を果たす[318]。覚醒進化により美しさと魅力が増しており、髪が茶褐色から黄金色へ変化する[309]。
- 覚醒進化前にリムルに八尾の名を呼んでもらって名付けに似た効果を得ており、戦闘では八尾を合体した合成獣形態で最強の力を発揮する[319]。自身の覚醒進化により八尾にもその効果が及び、その恩恵の全てが自身にも還元され[309]、自らの意思で完全に八尾を統率できるようになり、広範囲の重力操作も可能となる究極贈与「幻獣之王(バハムート)」を獲得する[320]。戦闘経験が少ないので実力は聖魔十二守護王でも下位の方だが、スペックだけを見れば上位に食い込む[320]。「#母指の九頭獣」も参照
- エウロス / ゼピュロス / ノトス / ボレアス
- 迷宮の階層に地形効果を付与する目的で、ミリムに捕獲され迷宮に連行され[321]、それぞれ99階層から96階層の階層守護者を任される。当初は家畜並みの知能しかなかったが[322]、迷宮内の魔素を摂取したことで竜王へと進化を遂げ、それぞれ火炎竜王(ファイアドラゴンロード)、氷雪竜王(アイスドラゴンロード)、烈風竜王(ウィンドドラゴンロード)、地砕竜王(アースドラゴンロード)となり、迷宮十傑に加わる。
- 東の帝国軍による迷宮侵攻では押し寄せる軍隊を相手に善戦したものの、戦闘経験の不足から敗北する。書籍14巻において、リムルがギリシア神話の東西南北の風を司る神から考え、ラミリスから名と称号を与えられ、エウロスは炎獄竜王、ゼピュロスは氷獄竜王、ノトスは天雷竜王、ボレアスは地滅竜王の名となる。また、種族は変わらなかったが魔素量が数倍に上昇して人に近い姿へ変化できるようになり[323]、エウロスは赤髪の美女、ゼピュロスは細身の美男子、ノトスは小柄な幼女、ボレアスは筋肉質な大男の姿となる[323]。
- ヴェルドラ=テンペスト
- 100階層の階層守護者を務める迷宮のラスボス。詳細は「#竜種」を参照
ミリム領
忘れられた竜の都
- ミリム・ナーヴァ[328][329]
- 声 - 日高里菜[WEB 7]
- 種族:竜魔人(ドラゴノイド)
- 破壊の暴君(デストロイ)の二つ名を持つ最古の魔王の一人で、ヴェルドラの兄である最初の竜種、“星王竜”ヴェルダナーヴァが人間との間に作った子供[330]。長い桜金髪をツインテールにした14、5歳くらいの少女の姿をしている。竜皇女として“竜を祀る民”からは信仰されている。
- 性格は天真爛漫そのもので子供っぽい。周囲には短気で単純だと思われているが、物事の道理を弁え順序立った思考をした上で過程を飛ばして答えに直結する行動を取ることが多いだけで、実は魔王の中でも1、2を争う天才である[331]。父ヴェルダナーヴァの力の大半を受け継いでる。隠された魔素量なども見抜く解析系ユニークスキル「竜眼(ミリムアイ)」や「竜耳(ミリムイヤー)」を持つ。さらに自己防衛回路として、「狂化暴走(スタンピート)」という制御不能の状態を有する[332]。
- 数千年前に人間(あるいはエルフ[204])の手により最愛のペットを失った悲しみから暴走し世界を滅ぼしかけ、それを止めようとした魔王ギィ・クリムゾンと七日七夜戦い[330]、膨大な数の“魂”を得て魔王に覚醒した。退屈しのぎに魔王クレイマンの謀略に協力していたが、魔国連邦を訪れた折にリムルとの間で友情が生まれ親友(マブダチ)となる。リムルと一度別れた後、クレイマンによる魔国連邦への妨害工作に勘付き、連邦が害されることを良しとせず、フレイと協力してクレイマンに支配された振りをしてクレイマンを出し抜く。カリオンとフレイが傘下に入り、将来的に死亡したクレイマンの領土も支配することが内定しており、大陸南方の広大な魔王領を全て領有することが決定している。フレイから統治の勉強をさせられており、小競り合いする国々を制裁したり、大魔獣に襲われる国で人々を助けて回ったりと、人類を管理するという魔王の仕事を真面目に頑張っている[333]。
- ”魔王達の宴”にて自らの叔父とも言えるヴェルドラと邂逅し、彼の漫画の知識から出た必殺技に驚愕。リムルがクレイマンを倒した後、ヴェルドラが持っていた漫画に目が釘付けとなる[334]。テンペストの開国祭にてリムルの迷宮づくりについて直感にて嗅ぎ付け、自身も強引に参加して4体のドラゴンをテイムし、迷宮のボスとして提供する。迷宮づくりを通じてリムル、ヴェルドラ、ラミリスたちと迷宮(ゲーム)仲間として良好な関係を築く[335]。 マリアベルの策略でペットの混沌竜が復活した際は、リムルに助けを求めて“擬似魂”へ心核を保護してもらい、ガイアの“名”を与えて転生させた[336]。その後、ドラゴンとして生まれ変わったガイアと再会し、大いに喜び、ガイアの育成を踏まえて迷宮での攻略に勤しむ[337]。
- ミッドレイ、ヘルメス[338][339]
- 種族:龍人族(ドラゴニュート)
- 竜の都を統治する神官団の神官長と神官。
- ミッドレイはミリムの組手相手が出来るほどの実力者で、ユーラザニア侵攻の際はスフィアとガビルを同時に相手取って圧倒している。豪放磊落を絵に描いたような人物だが、固定観念に凝り固まった部分も強く、ミリムからは嫌われている。特に御馳走として出される生の野菜盛りはミリムにとって苦痛でしかなかった。後にテンペストの開国祭でシュナに諭され自らの過ちを認めた[44]。ガビルとは仲が良く、青色軍団に配備する飛空龍(ワイバーン)の捕獲や、“飛竜衆”の「竜戦士化」訓練にも協力している。ヘルメスはミッドレイの側近だが、他国を旅したことがあり、自国が停滞していること、ミリムが自分たちに「我慢して付き合っていること」に気づいているが、国内では異端扱いされている。
- ガイア[339]
- 種族:精霊竜(エレメンタルドラゴン) → 混沌竜(カオスドラゴン) → 小竜(ミニドラ)
- ミリムのペット。かつては“星王竜”ヴェルダナーヴァの転生体[340]の精霊竜[341]だったが、耳長族の古代魔導王国に殺されてしまう。ミリムが魔王に進化した影響で復活したものの、意思のない邪悪な混沌竜として蘇生してしまったため、封印されていた[342]。その力は竜王よりも強大で、覚醒魔王級を遥かに超える巨大な魔素量を秘めている[343]。
- 封印を解かれ、マリアベルの「強欲者」で操られて古代遺跡“アムリタ”を襲撃した際、ミリムが精神体と星幽体を砕いて摘出した心核を“擬似魂”に吸い込ませ、さらに名付けをしたことで転生に成功、全長50センチほどの小竜として復活する。「地」の属性を備え、重力操作が可能なほか、あらゆる物質を腐蝕させる呪いを帯びた「瘴気呪怨吐息(カオティックブレス)」を使うことができる[344]。ミリムが直接鍛えるには幼すぎるので、現在はリムルが迷宮で預かり育てている。
獣王国ユーラザニア
- カリオン[345][346]
- 声 - 内匠靖明[WEB 12]
- 種族:獣人族(ライカンスロープ)[347]
- 獅子王(ビースト・マスター)の異名を持つ獅子の獣人にして、元魔王の一人。豪快な体育会系だが、物事を見抜く洞察力も高い。前王であった父を下克上で弑逆した異母兄グラディムを当時の“三獣士”と共に追放し、王位を得て[348]、500年周期の天魔大戦を生き延びた後、400年前[349]にミリムとカザリームの推薦で魔王に就任する[350]。
- 当初は魔国連邦を傘下に収めようと考えていたが、暴走したフォビオを引き取る際にリムルと邂逅し、彼を救ってもらった事に感謝して友好国として交流を図る。魔王ミリムから宣戦布告を受けた時は国民を魔国連邦まで避難させた後で、魔王同士の一騎討ちに臨んだが敗北。しばらくは死んだことにして、クレイマンの企みを暴くために正体を隠してミリムとフレイに協力する。”魔王達の宴”の最中に魔王として立つ力量が自分にないと認め、魔王の座を降り、臣下共々魔王ミリムの配下となる道を選ぶ。
- 魔国連邦の武闘大会では、ミリムの指示で「獅子仮面(ライオンマスク)」として出場。1回戦で互いにスキルを使わない格闘戦を繰り広げてゲルドを降したものの、2回戦ではゴブタが正体を明かさないというハンデを突いてきたため、棄権する。帝国によるドワルゴン制圧作戦では同盟国の救援として出陣し、異母兄である魔獣軍団大将グラディムを撃破し、真なる魔王へと進化する[351]。
- 獣人の固有能力「獣身化」が進化したユニークスキル「百獣化」により、あらゆる獣の特徴を調和させた姿へ変身することで真の力を発揮する[352]。必殺技は「獣魔粒子咆(ビースト・ロア)」。ミリムの配下になってからは彼女との修行でさらに強くなっている[353]。
- 三獣士
-
- アルビス[354][346]
- 声 - 加隈亜衣[WEB 10]
- 黄蛇角(オウダカク)の二つ名を持つ三獣士のまとめ役で最強の戦士。金と黒のまだら髪の妖艶なる獣人の美女[355]。書籍4巻で使節団の代表として魔国連邦を訪れ[355]、魔国連邦の酒と魔絹の織物と、自国の果実と金との交易を決定し、従者を技術習得のために残してスフィアと共に国へ戻る[356]。
- ミリムによるユーラザニアへの宣戦布告により、カリオンの命で先行して住人を連れて魔国連邦へ避難し[357]、他の三獣士と共に国とカリオンを取り戻すためにリムルに共闘の意志を示す[358]。クレイマン軍の迎撃のために国へ戻りヤムザと対峙して圧倒するが、ヤムザのカリュブディス化により死を覚悟するものの、危機を察して現れたベニマルに助けられる。戦後、スフィアと共に魔国連邦に戻り[359]、ベニマルと共にテング族の里を訪れ、モミジとベニマルの嫁の座を巡る争いが勃発する[184]。書籍14巻で魔国連邦の婚姻のルールを逆手に取り、一時的に未亡人となった後、ベニマルの第二夫人の座を獲得する[186]。
- 各種状態異常を付与するエクストラスキル「天蛇目(ヘビノメ)」と空間系のユニークスキル「制圧者(アッスルモノ)」を保有し[360]、獣身化により黄金の二本の角を持つ全身が龍麟に覆われた半人半蛇となり、毒や石化などの状態異常を駆使する特殊な近距離戦闘を得意とする[361]。
- フォビオ[362][363]
- 声 - 山下誠一郎
- 黒豹牙(コクヒョウガ)の二つ名を持つ黒豹の獣人で、三獣士の中で唯一の男性獣人[364]。書籍3巻においてカリオンの命により調査と強い者をスカウトするために、エンリオらと共に魔国連邦を訪れる[364]。
- 書籍3巻ではミリムへの復讐心を利用され、ティアとフットマンの甘言に乗りカリュブディスの依り代となって魔国連邦で暴れるが[365]、無事に解放される。カリオンとミリムの戦いを見届けた後に魔国連邦に身を寄せ[358]、書籍6巻でクレイマン軍を迎撃するために国に戻り、ティアと再戦する[366]。戦後、国の再建と捕虜としたクレイマン軍の魔人を監視するためにゲルドと共に国に残る[359]。その後、アルビスとベニマルが結婚するための作戦を手伝わされ、勝てたら本当に結婚できるという条件で迷宮内で殺し合いを行うが敗北し、書籍14巻では同じく失恋したゴブアと急接近する[367]。
- 実力は確かだが、直情的な性格で相手の実力を見抜く視点に欠けるため、カリュブディスの事件後、冷静さを身につけようと努力している[366]。
- スフィア[362][363]
- 声 - 大地葉[WEB 10]
- 白虎爪(ビャッコソウ)の二つ名を持つ獣人で、白髪長髪の猫の瞳を持つ美人[355]。書籍4巻で交易のための使節団として魔国連邦を訪れて、力試しのためにシオンと勝負する[368]。その後の宴会でアルビスと共に魔国連邦の酒を気に入り、我も忘れて呑みまくる[369]。書籍5巻で魔国連邦に身を寄せ[358]、書籍6巻で他の三獣士と共にクレイマン軍と戦い、戦後、魔国連邦の開国祭まではアルビスらと共に魔国連邦に滞在する。
- 血気盛んで怖いもの知らず。雷を操る能力を持ち、爪に電気を宿して戦い[368]、獣身化により白い大虎となる[369]。
- グルーシス詳細は「#グルーシス」を参照
天翼国フルブロジア
- フレイ[370][363]
- 種族:有翼族(ハーピィ)
- 天空女王(スカイクイーン)の異名を持つ有翼族の女王であり魔王の一人だった。母である先代女王を倒して有翼族の女王となり“魔王種”を得[371]、天魔大戦を生き延びて400年前に魔王に就任する[349]。
- クレイマンによる企てに巻き込まれ、ミリムの精神支配を手伝わされるが、実際には難局を乗り切る為にミリムと手を組んでクレイマンを欺いており、秘密裏に確保していたカリオンを自らの従者に扮装させ”魔王達の宴”の場へと連れて行き、謀略を暴く一手とした。その後、自らの力不足を感じ、リムルの魔王就任を機に魔王の座を返上し、カリオンと共にミリムの配下に入る[372][373]。ミリムの配下にはなったが国王としての経験は伊達ではなく、仕事を放り出してはテンペストで遊んでいるミリムにとってはリムルとは別の意味で勝てない相手となっている。
- 以前から魔導王朝サリオンの首都を欲し、そのための戦力として長鼻族を支配下に置こうとして三竦みの膠着状態となっていたが、現在は魔国連邦の技術協力で建造予定である新都摩天楼に執心している[374]。帝国のドワルゴン制圧作戦に対しては同盟国として出陣。双子の姉妹だった“朱雀”ナジムを討ち取り、真なる魔王へと進化する[375]。
武装国家ドワルゴン
- ガゼル・ドワルゴ[376][377]
- 声 - 土師孝也[WEB 13]
- 種族:ドワーフ
- ドワーフ王国「武装国家ドワルゴン」の3代目国王。ドワーフの平均を超える身長170センチメートルの長身で、筋肉質ながっしりした体付き。初代国王の祖父に似て自由奔放な性格をしているが、それで苦労した父王を見て育ったために普段は厳格な王を演じている[378]。
- 深層意識まで読み取る読心スキルを有する。表層意識までしか読めないリムルを「暴風竜のような怪物」と認識して警戒していたが、魔国連邦と最初に国交を結び、以後も最後まで同盟国として全ての面で味方に付きリムルを後押しする。見返りとして回復薬を初めとする魔国連邦の技術力を相互提携する技術交換条約を締結したほか、ドワーフ王国とテンペストを結ぶ街道の整備を、全額テンペスト負担で敷設・整備させている。
- “剣聖”と称される達人で、子供のころにジュラの森で迷った際に大鬼族の剣鬼(後のハクロウ)と出会い“朧流”の剣技を学んだ過去がある。そのため、同じくハクロウを指南役として剣技を学んでいるリムルをことあるごとに「弟弟子」と呼び、為政者の先達として様々なアドバイスを送る。帝国軍機甲軍団が侵攻して来た際に、近藤との一騎打ちに臨み、剣での勝負へのこだわりを捨て究極能力を行使された事で敗北[379]、戦後は自分を鍛え直したいとリムルに相談し、ドワルゴンへ派遣されるアゲーラを相手に鍛錬する事になる[195]。
- バーン、ドルフ、アンリエッタ、ジェーン[376][380]
- 声 - 江川央生(ドルフ)、朝日奈丸佳(アンリエッタ)
- 種族:ドワーフ
- ガゼル王に仕える武装国家ドワルゴンの幹部達。
- バーンは漆黒の重鎧を纏う、ドワルゴンの軍部の最高司令官(アドミラルパラディン)。ガゼルに次ぐ“仙人”級の実力者。やや堅い性格であるが、ガゼルが信用するリムルのを自身も信用している。帝国との戦争では、フォビオと共にフットマンと交戦する。
- ドルフはドワルゴンが誇る最強戦力の秘密部隊、天翅騎士団(ペガサスナイツ)の団長を務める純白の騎士。バーン同様、ガゼルとは親しい間柄だが、やや堅い性格。リムルとは盟約を結んだ後、復活した暴風大妖渦(カリュブディス)を倒すため、天翅騎士団を率いてリムル率いるテンペストの軍勢と共闘した。
- アンリエッタはドワルゴンの暗部の長(ナイトアサシン)を務める美女。リムルがベスタ―との一件でカイジンと共にドワルゴンを追われた際、ガゼルの密命によりリムルを監視する。自身の抱える諜報員たちがソウエイに軒並み追い払われた苦い経験があり、テンペストとの盟約の場でソウエイと火花を散らしていた。帝国との戦争ではゴブアと組んでティアを足止めする。
- ジェーンは宮廷魔導師(アークウィザード)を務める老婆で、先王の代から国に仕えている。バーン達と同様にガゼルと親しい。ガゼルを信用しているとはいえ、リムルの規格外の行動にたびたび驚き、ガゼルに警鐘を鳴らす。
ブルムンド王国
- ドラム・ブルムンド[381][382]
- ブルムンド王国の国王。王妃とはおしどり夫婦であり、国民から親しまれている。一見すると温厚で無害な印象だが、計算高く強かで、信じ難いほどのギャンブラー[383]。小国の生き残りを賭けて、打算と長期的な視点を合わせてリムルやミョルマイルと相対する。
- 書籍4巻においてリムルと直接対面し、魔国連邦と正式に国交を結ぶ[384]。書籍6巻の人魔会議では、人間社会の西方聖教会よりも魔物の国との共存共栄を決断し、人魔共栄圏への参画をフューズに指示する[385]。開国祭前夜に魔国連邦を訪れ、リムルに国の命運を賭けたと明言し、リムルの人魔共栄圏構想におけるブルムンド王国への要望を聞き、その意義に直ぐに気が付いて興奮する[386]。その後、土地の国有化、農業の廃止、貴族の名誉職化などの政策を進め、その支援を得るためにミョルマイルと交渉し、四ヶ国通商連盟への全力投資を決断する[387]。
- ベルヤード[381][382]
- 声 - 山本格[WEB 10]
- ブルムンド王国の貴族。頭脳明晰なやり手であり、先見の明に長けた大臣として王からの信頼も厚い。フューズとは長らく親交がある。
- 書籍4巻においてフューズの紹介でリムルと交渉し、言葉巧みに東の帝国に対する防衛をも魔国連邦に担わせる安全保障条約を締結させ、一本取られた形のリムルから素直に称賛される[384]。魔導列車の中継地(世界中央駅)をブルムンド王国に設置する経済的利益を正確に予想してリムルを驚かせる。書籍17巻では、四ヶ国通商連盟の本部設置と国民の雇用、魔国連邦への永代借地契約についてミョルマイルと交渉する[383]。また、貴族が名誉職となる政策が決定したため、無職になる前にミョルマイルの下で働く約束を取り付ける[383]。
- フューズ
- 声 - 成田剣[WEB 10]
- 自由組合に所属するブルムンド王国の支部長(ギルドマスター)。元冒険者で、現役時代はA-ランクの実力者。書籍6巻時点で、ブルムンド王国の情報局統括補佐の席を与えられる。
- 書籍1巻でヴェルドラの消失を確認するために、エレンたちをジュラの森へ派遣し、魔物の町を作ったリムルを警戒しつつ自分の目で確かめるために魔国連邦を訪れ、リムルと出会う。滞在するうちにリムルを信用するようになり、個人的な信頼関係を結び、それが後に国家間の関係へ発展する。書籍3巻では魔国連邦と友誼を結ぶように国王に働き掛け[388]、書籍4巻で魔国連邦との国交樹立を仲介する[384]。書籍6巻の人魔会議では国の全権を託され、ブルムンド国の人魔共栄圏への参画を図り、ヨウムを王とする新国家設立に同意し、付き合いのあるファルムス王国の貴族らを懐柔する役割を引き受ける[385]。
- エレン[389][390]
- 声 - 熊田茜音[WEB 10]
- フューズを直属の上司とする冒険者。法術師のエレン、重戦士のカバルと盗賊のギドから成る3人組で活動しており、気のいい前向きな気質だが軽率な行動も多いのでフューズから三馬鹿と呼ばれる[384]。3人ともサリオン国の出身。エレンは自由な冒険者に憧れて国を飛び出したお嬢様であり[391]、国の幹部エラルドの娘である[385]。耳長族(エルフ)だが、普段は薬で外見を人間に変えている[392]。ガバルとギドはエレンの護衛であり、本来はサリオン国の魔法士団(メイガス)の一員だが、普段は魔法の指輪で能力を制限している[392]。冒険者としてのリーダはカバルだが、本来の立場を越えて仲間意識は強く、最後にはエレンの意向を組む[391]。
- 書籍1巻において、フューズの依頼で調査に訪れた封印の洞窟でリムルから目撃され[393]、洞窟の周辺を再調査するためにジュラの大森林を冒険中に同行を申し出たシズと共にモンスターに襲われるが、リムルの仲間たちに救われてリムルとの出会いを果たす[384]。リムルが初めて出会った人間社会の人物であり、魔物の国と人間社会を結ぶ最初の理解者である。書籍5巻では、シオンたちを生き返らせるために、エレンは自分や人間社会に対するリスクを覚悟の上で死者が蘇生するお伽噺を伝えて、リムルに魔王種への進化を促す[391]。
- ガルド・ミョルマイル
- 「#ミョルマイル」を参照
ファルムス王国 ⇒ ファルメナス王国
- エドマリス[394][395]
- 声 - 家中宏
- ファルムス王国を治める強欲で有名な国王[396]。書籍5巻において、ルミナス教の教義を大義名分に利権を狙って、2万人もの軍勢を率いて魔国連邦に侵攻するが[397]、リムルの魔法により軍勢を全て失う[146]。自身は捕虜として生き残るものの、復活したシオンにより生きた肉塊に改造され[398]、その状態で国へ送還されて臣下の前に晒され、肉塊状態を治療したディアブロの傀儡となる[399]。
- 戦後は、欲に目が眩んで国の舵取りを間違ったことを心から猛省し、国と民を思って王座を降り、幼い自身の長男(エドガー)では国難を乗り切れないと判断して、弟のエドワルドを次の王に指名する。退位後は正体を隠してファルメナス王国の顧問となり、ヨウムを支える[400]。
- ラーゼン[394][395]
- 声 - 花輪英司
- ファルムス王国へ仕えている宮廷魔術師長。他人の体に憑依する秘術により何百年も生き長らえており、ファムルスの守護者にして、魔法を極めた英雄、叡智の魔人とも呼ばれる[401]。魔国連邦との戦争では、ショウゴの肉体を乗っ取って若い身体を得るものの、ディアブロに手も足も出ず[402]、エドマリスとレイヒムと共に捕虜となる。シオンに肉塊にされるが国への送還の道中でディアブロに解除され、エドマリスの命を救うために彼に恭順する[398]。
- 戦後は新たな王として擁立されたヨウムを助けており、書籍12巻では師であるガドラと再会し、リムルと魔国連邦の脅威を伝え、敵対せぬよう強く忠告する[263]。
- レイヒム[394]
- 声 - 藤井隼
- 西方聖教会のファルムス王国支部の最高司祭。魔国連邦との戦争で生き残った3人の一人。エドマリスらと共に捕虜となり、ディアブロの傀儡となる[398]。書籍7巻において、西方聖教会との協調を願うリムルの伝言を携えてルベリオス国を訪れるが、ディアブロの計画を邪魔するために七曜の老師に利用され、最期には暗殺される。
- ショウゴ・タグチ(田口 省吾)[403]
- 声 - 小林千晃[WEB 10]
- 数年前にラーゼンによって召喚された日本人の異世界人。我が強く自己中心的で、凶暴であり、対人欠陥を持つ快楽殺人者。書籍5巻でキョウヤ・タチバナ(橘 恭弥)(声 - 野上翔)、キララ・ミズタニ(水谷 希星)(声 - 河野ひより)と共に先遣隊として魔国連邦へ侵攻し[404]、シオンや住人たちを殺害する[405]。後にキョウヤはハクロウに敗れて死亡し[406]、ショウゴはゲルドと対峙するものの圧倒され、キララを殺害して新たなスキルを得たが、全く歯が立たずに追い詰められる[407]。ラーゼンに救われて逃げ延びたが、ラーゼンに精神を破壊されて死亡する[407]。
- エドワルド[394][395]
- 書籍7巻において、王座を求める野心を七曜の老師のグラン、三巨頭のダムラダに利用され、一度は王座に着いて再び魔国連邦と対立するためにルベリオス国の法皇直属近衛師団に協力を仰ぐものの、ディアブロと実際に対峙してその恐怖を実感し、ヨウムへの譲位を承認する[408]。
- ヨウム(ヨウム・ファルメナス)[409][410]
- 声 - 細谷佳正[WEB 10]
- ジュラの大森林と接する領地を持つニドル・マイガム伯爵が組織した辺境調査団の団長。元は小悪党だが、人を惹きつける魅力と統率力を持つ。書籍3巻では「豚頭帝の軍勢に見つかり全滅した」という体裁でメンバー全員が姿をくらまし、他国へ渡ろうとしていたが、人間との対立を避けたいリムルによって豚頭帝を倒した英雄へなるように言いくるめられ、ハクロウとの訓練を通じて相応しい強さを身につけ[411]、上位魔人であるグルーシス並の実力を得る[368]。魔国連邦とファルムス国の都市や村々を巡って魔物退治を行い、豚頭帝ゲルド討伐の噂が貴族に伝わるまでの英雄へと登り詰める[412][413]
- 書籍5巻でミュウランに愛を告白し[414]、生涯の親友となるグルーシスとも知り合う。書籍6巻の人魔会議においてファルムス国の新王となるリムルたちの計画を受け入れ、ガゼルやエラルドからも認められる[415]。書籍9巻でディアブロによって篭絡されたエドワルド王から王権を禅譲され、即位と共に国名をファルメナスへと改め、自身もヨウム・ファルメナスと名乗る[386]。
- ミュウ・ファルメナス
- ファルメナス国王の王妃[386]。書籍9巻で王となったヨウムと結婚して名を改めたミュウラン。クレイマンにいろいろと仕込まれた経験を活かし、礼儀に疎く学のないヨウムの代わりに公的な場での挨拶や交渉を担い、魔国連邦の開国祭最終夜の会議において、リムルの構想を端的に表した人魔共栄圏という言葉を最初に用いる[416]。その後、ヨウムの子を身籠り[400]、女児ミームを出産する[417]。「#ミュウラン」も参照
- グルーシス[418][410]
- 声 - 日野聡[WEB 10]
- 書籍4巻でユーラザニア国の使節団の一人としてアルビスらと共に魔国連邦を訪れ、力試しのためにヨウムと勝負する[368]。魔国連邦に滞在して警備隊で働く中、書籍5巻でミュウランに惚れ、ヨウムとも親友の間柄になる。
- ヨウムが王位に就いた後、ヨウムに請われて、魔国連邦との戦争で死んだフォルゲンの欠員を埋めるべく、騎士団長に就任する[386]。ミュウランの懐妊を知って落ち込むが[400]、出産後には父性が芽生えてミームを勝手に自分の娘と呼んでいる[263]。
イングラシア王国
- シズ[注 17] / シズエ・イザワ(井沢 静江)[420]
- 声 - 花守ゆみり[WEB 10]
- 元日本人の異世界人の魔人。外見は火傷の痕がある16、17歳前後の黒髪の儚げな美少女だが[421][422]、実年齢は70歳前後。転生したリムルが初めて出会った異世界人であり、人型時のリムルの姿の原型となる人物[421]。かつて爆炎の支配者と呼ばれた有名な英雄[421]。
- 書籍1巻で、唯一の心残りを果たすために、レオンの居城へ向かう途中、エレンと共にリムルの村に保護されてリムルと出会うが、自身に宿るインフリートが暴走して意識を失う。リムルが「捕食者」でインフリートを捕食して暴走を止めるが、シズの肉体は急速に老化する。最期のとき、シズは自分から願い出てリムルに捕食されること希望し、レオンへの憎しみと自身のスキル「変質者(ウツロウモノ)」をリムルに引き継ぎ、リムルの中で安らかに眠る。その後、リムルの心象の中に登場し、書籍4巻ではクロエたちへの心残りリムルに伝え、書籍11巻ではヒナタやクロエと再会する[注 18]。
- 書籍1巻ではシズの過去が描かれている。60年程前、8歳のシズは全身に大火傷を負った状態でレオンにより召喚され、インフリートを憑依させられる[424]。当初はインフリートを完全に制御できず、友達を焼き殺す悲劇を経験するが[419]、レオンの城を訪れた女勇者から“抗魔の仮面”を贈られ、イフリートの力を制御できるようになる[425]。勇者に保護されて共に冒険者として活動し、初老の域に冒険者を引退してイングラシア王国で教導官となる[425]。ユウキとヒナタはシズの教え子であり、最期の生徒がクロエやケンヤたちである。寿命を悟り、レオンに対する憎しみとも付かない複雑な思いをレオンに質すために、最期の旅に出立する。
- 神楽坂 優樹(ユウキ・カグラザカ)[203][429]
- 声 - 花江夏樹[WEB 12]
- 種族:人間
- 元日本人の“異世界人”で加齢しない肉体を得ており、高校生の外観を保っている[33]。
- 元の世界では念動力などの超能力を扱う格別の才能を有していたが、中学生になったころに両親が事故死し、社会の理不尽に対し怒りを覚える。報復として社会の破壊を検討するものの、大勢の人間を不幸にするために割り切れず、社会を改善するために政治家になるか悩んでいた時、体を奪い取る目的で魔王カザリームによりこの世界に召喚される。召喚時に得たユニークスキルによりカザリームを倒し、自分がこの世界を支配し、正しい方向に導くという思想のもと、世界征服を志す[430]。
- 物語の当初、イングラシア王国を訪れたリムルに、自由組合総帥(グランド・マスター)として、元の世界への帰還方法が生涯の課題であると語り[33]、師匠に当たるシズが残した子供たちを助けるためにリムルを教員として採用するなどの便宜を図り、それ以降、魔国連邦の開国祭までは友好的な関係を構築している。その裏では、東の犯罪組織“三巨頭”のリーダーとして活動し[46]、魔導王朝サリオンで作成されたホムンクルスの身体を入手し、カザリームを自身の副官である「カガリ」として復活させ、その過程で中庸道化連のボスにもなり、クレイマンの魔王としての立場も利用して勢力の拡大を図っている。
- テンペストの開国祭の折にリムルからクレイマンの黒幕であると看破され、自身もリムルから疑われたことに勘付く[204]。マリアベルの起こした事件を利用し、これまでの悪行をロッゾ一族になすり付けようとするものの、グランベルの策略に嵌って勇者クロノアの解放に利用され、リムルやその場に居合わせたレオン、ルミナスに正体が露見する[431]。東の帝国に逃亡を図るが、それを快く思わなかった魔王ギィの襲撃を受け、「封殺能力」や“聖人”の力でも全く歯が立たず[432]、大きな挫折を味わう。それでも折れずにギィに取引を持ち掛け、東の帝国を内側から崩壊させ、力を蓄えてギィに再挑戦するという宣告をし、これに興味を持ったギィを含む魔王勢と一時的に休戦協定を結ぶ。
- ギィに宣言した通り、1年足らずで帝国軍の“大将”となって「混成軍団」を率いる軍団長に任命される[433]。魔国連邦とは一時休戦し、カリギュリオを唆して機甲軍団と魔獣軍団を西方に出兵させる事で、手薄になった本国にてクーデターを起こそうと画策するが、実行前に近藤に計画が露呈し、自らはルドラに精神支配を受け、ドワルゴンの東部都市に待機していた混成軍団はヴェルグリンドに粛清されて、配下のカガリは妖死冥産の材料にされる。
- 当初、リムルには転移時に能力を獲得できなかったと語るが、スキルを隠し持っている。ユニークスキルを生み出すユニークスキル「創造者(ツクルモノ)」で作り出した、能力や魔法を攻撃・防御問わずすべて無効化する「封殺能力(アンチスキル)」により、近接戦においては魔王となったリムルと互角に戦う[注 19]。また、対象の能力を奪う能力を持ち、マリアベルから特殊能力「強欲者」を奪っている[336]。ユウキ本人も例外的な能力であると発言しており、発動には制限がある[注 20]。さらに「強欲者」を進化させた大罪系の究極能力「強欲之王(マモン)」[430][429]を獲得し、触れた相手からエネルギーを奪う力や、感情を刺激して記憶にまで影響を及ぼす権能を有する[435]。
- 三崎 剣也(ケンヤ・ミサキ)、関口 良太(リョウタ・セキグチ)、アリス・ロンド、ゲイル・ギブスン、クロエ・オベール[201][436]
- エルリック・フォン・イングラシア[437]
- イングラシア王国の国王であるエーギルの息子であり同国の王子。自信過剰な面があり、書籍10巻でヒナタの忠告を聞かず、リムルが参加した西方諸国評議会の場に乱入し、強引にリムル討伐の決議を図るものの失敗し、事態を把握しきれない中、グレンダにより暗殺されかけるが、狙撃を察知したリムルに命を救われる。この時点でギャバンに騙されたことに気づき、王になるだけが人生ではないとリムルにも諭され、大人しく父の元での再教育を受け入れる[438]。
- ライナー[437]
- イングラシア騎士団の総団長。マリアベルの精神支配の影響下にあり、自分こそが最強であると信じ切っており、他者への礼儀にも欠ける人物[439]。評議会の場において武力行使を試みるが、ヒナタにあっさり投げ飛ばされ、ヒナタのプレッシャーに追い詰められ、泣き喚いて失禁する。国王と共にその場に現れた魔法審問官に傲慢な態度をとるものの、呆気なく取り抑えられて連行される[438]。
- ガイ[437]
- 流麗なる剣闘士の異名を持つAランク冒険者。マリアベルの精神支配の影響下にあり、自己中心的な欲望が肥大化されている。書籍9巻の魔国連邦の開国祭では、武闘大会に参加して1回戦でゴブタとランガのペアに敗退する[440]。地下迷宮のお披露目にも参加するが、迷宮のルールに反したために樹妖精に罰せられ、獲得したアイテムも没収される[441]。書籍10巻ではエルリック王子と共に評議会に乱入するが、シュナの霊子崩壊により鎧だけを消失させられて戦意を喪失し[442]、ライナーと共に魔法審問官に拘束される[438]。ロッゾ一族の力で釈放された後、マリアベルにより残りの寿命と引き替えに力が強化され、彼女と共にリムルの襲撃に参加するが、リムルにより瞬殺される[443]。
神聖法皇国ルベリオス
- ルミナス・バレンタイン[444][445]
- 5番目の魔王であり[446]、夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア)の異名を持つ吸血鬼族の女王[447]。高貴な出身で品が良く、外見は銀髪に金銀妖瞳の美少女[447]。かつて、自らを生み出した吸血鬼族の神祖を始末して一族の長となり[446]、2000年程前に、ヴェルドラに当時の国の首都を壊滅させられた後、吸血鬼族の生存のために人間を保護するシステムとして宗教を軸としたルベリオス国を興し、1500年程前からその信仰の対象である神ルミナスとなり、見た目がヤバそうなロイを表の魔王に立て、国の管理はルイなどの配下が行い、自身は隠遁していた[448]。
- 1000年もの間、時間遡行したクロエと友として過ごし[注 10]、リムルの存在と未来を知らされていた[449]。ヒナタがこの世界に転生した後、クロエの身体とクロノアを封印し[注 11]、リムルの動向を注視するものの、リムルとヒナタの衝突やリムルが魔王を名乗るなど、未来の話と違う展開に内心で焦りを抱く[450]。書籍6巻では万が一のためにリムルを保護するつもりで正体を隠して魔王達の宴に参加するが[450]、ミリムやヴェルドラの不注意で自身の正体が暴露される[451]。書籍7巻で七曜の老師の陰謀に自ら始末を付け、書籍8巻でヴェルドラにお仕置きをした後、リムルと手打ちを行い[452]、魔国連邦と100年の不可侵条約を結ぶ[453]。魔国連邦の開国祭に参加した後、信仰と恩寵の秘奥をリムルに授け、文化や技術の交流を望み[454]、書籍11巻で音楽交流のためにリムルらを国に招いた際に、クランベルとユウキらの襲撃を受けてクロエとヒナタを失いかけるが、リムルとの協力により彼女らの復活を果たす[218]。
- 大罪系ユニークスキル「色欲者(ラスト)」を所持し、生と死を司る権能を所持する。書籍11巻でグランベルにより一度ヒナタが殺害された無念と怒りから究極能力「色欲之王(アスモデウス)」に覚醒し[455]、クロエの「無限牢獄」に取り込まれていたヒナタの魂を掬い上げる[218]。
- 三公
- 神ルミナスの正体を知る、ルミナスに直接仕える三人の吸血鬼。
- ルイ・ヴァレンタイン[456][457]
- ルベリオスの最高指導者である法皇として1500年に渡って神ルミナスの威光を支える。ロイの双子の兄であり、ロイの死後、元々狂暴過ぎたためにルミナスの力で2人に分けられていた力が復活し、往年の力を取り戻した完全体になる[458]。書籍11巻では、ルベリオスに再び進入したラプラスと対峙する[458]。
- ロイ・ヴァレンタイン[456][457]
- 鮮血の覇王(ブラッディーロード)として魔王ルミナスの代役として魔王を演じる。1500年の間、ロイが魔王として君臨し、ルイが法皇として人間を守るというマッチポンプ的な支配体制を兄弟で維持していた。書籍6巻では代役として魔王達の宴に参加するものの[459]、ミリムとヴェルドラのせいで正体が露顕する[460]。魔王達の宴の後、自信過剰な性格が祟って奥の院に侵入したラプラスの実力を見誤り、あっけなく殺される[461]。
- ギュンター[456][457]
- ルミナスの執事。ルミナスの雑事と夜想宮廷(ナイトガーデン)の仕切りを任される。遥か古の時代は敵対勢力の王だったが、ルミナスの配下となってからはその支配体制の構築に協力する。書籍11巻では、ルベリオスに進入したフットマンと対峙する[458]。
- ニコラウス・シュペルタス[462][463]
- ルベリオス法皇庁の執政官であり、西方聖教会の実質的な最高位でもある枢機卿。法皇ルイの懐刀であり、冷酷な知恵者として知られるが、ヒナタには懐いている[464]。神ルミナスの正体について気付いているが興味はなく、ヒナタと繋がるためにグランと同様に神を利用する異端の者である[465]。その信仰心と忠誠心はヒナタにだけへ向けられており、書籍7巻では、リムルの伝言について改竄の証拠を発見し、ヒナタを殺害しようとしたグランを抹殺する[465]。
- 七曜の老師[466]
- 西方聖教会の最高顧問であり、ルベリオスの大幹部。日曜師グランを長として[465]、月曜師から土曜師までの7名の仙人で構成される。数百年に渡り神ルミナスに仕えており、人類の守護者、偉大なる英雄と呼ばれて尊敬されている。グランは、ルミナスの寵愛を失うことを恐れる他の七曜の感情を利用してヒナタを嫉妬するように誘導し、強大に成り過ぎたヒナタの暗殺を画策する[465]。
- 書籍7巻において、ヒナタの暗殺とファルムス国を陥れようとする悪魔(ディアブロ)の排除を目的として、リムルがレイヒムに託した伝言を改竄してヒナタらを騙し、ファルムス国へ法皇直属近衛師団を派遣し、謝罪のために1人で出立したヒナタの意向を無視して魔国連邦へ聖騎士団を派遣する[465]。
- ヒナタとリムルの再戦が決着した後、月、火、金の七曜はヒナタの謀殺を図るものの失敗し[467]、ルミナスに粛正される[468]。水、木、土の七曜はファルムス王国の地でレイヒムの死の罪をディアブロに被せようとするが、ディアブロに始末されて失敗に終わる[469]。ルベリオスに残ったグランもニコラウスにより始末され計画は失敗に終わるが、グランの精神体はグランベルの元へ戻り生き残る[465]。日曜師グランの正体については「#グランベル」を参照
- ヒナタ・サカグチ(坂口 日向)[470][471]
- 声 - 沼倉愛美[WEB 10]
- 法皇直属近衛団の筆頭騎士と聖騎士の団長を兼任する十大聖人の一人[472]。神の右手と称される西方世界最強の剣士[472]。日本人の異世界人であり、母親のために暴力的な父親を殺害した過去を持つ[472]。異世界に転移後、ユウキと共にシズの教え子となるが、シズやユウキの考えでは自分の目的を実現できないと判断して彼女のもとを去る[473]。聖騎士の団長となってルミナス教の真実を知るが、争いのない平等で公平な社会、皆が幸福に生きることが許される世界の実現を生きる目的として、ルミナスの存在を重視するようになる[473]。理想を実現するために、不断の努力と覚悟で自身に試練を与え続けており[473]、頑固で冷徹な面はあるが[注 21]、聖騎士団の部下からは慕われており[475]、世話好きな面もあって子供からも慕われる[476]。
- リムルとは二度対戦しており、一度目は勝利するが[477]、二度目は魔王種へ進化したリムルに敗北し[478]、七曜の老師の陰謀により死にかける[467]。最初の対戦では誤情報に騙されてリムルをシズの仇と見なしていたが[479]、二度目の対戦の後に誤解が解る[480]。その後の交流を経て、全力で日本食を再現するリムルの姿を見て呆れたり[481]、デリカシーのない彼に対して辛辣な態度を取るものの[474]、そのお人好しさに心を救われており、リムルに父の面影を求めるようになる[482]。書籍11巻ではグランベルと対峙してクロエを庇って死亡するが[483][注 11]、リムルとルミナスが協力して、時間遡行を経たクロエの中に宿るヒナタの魂を分離し[注 13]、この魂を過去に跳んで魂の抜けた元の身体へ定着させることに成功し、無事に生き返る[218]。
- 自動で魔素を分解して影響を無効化する体質であり、魔素を介在しない神聖魔法以外の魔法が通用しない[484]。論理的思考を支え戦闘時に常に最適解を選び取るユニークスキル「数学者(カワラヌモノ)」と[485]、格上の相手から力を奪い取る「簒奪者(コエルモノ)」を持つ[486]。書籍11巻後のヒナタは、クロエにクロノアと名付けをした影響で「簒奪者」を失っており[222]、自身の勇者の卵もクロエの卵と融合して喪失している[221]。
- 法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)
-
- サーレ[487][232]
- 蒼穹のサーレと呼ばれる三武仙のトップであり、外見はエルフの特徴を持つ少年だが十大聖人の最年長[488]。ヒナタの前に団長を務めていた[488]。書籍7巻において、七曜の指示により近衛師団を率いてファルムス王国へ向い、グレンダと共にディアブロと対峙するが[489]、グレンダが裏切ったためにディアブロと単身で交戦する羽目になる[490]。その戦いの中、七曜の裏切りに気付くが[491]、圧倒的な実力差の前に完敗する[469]。
- グレゴリー[487][232]
- 巨岩のグレゴリーと呼ばれる三武仙かつ十大聖人の一人[488]。書籍7巻において、ファルムス王国でヨウムと退位したエドマリスの制圧に向かう中、ハクロウ、ランガ、ガビルと対峙するものの、ランガによって味方を全滅させられてしまう[469]。その後、この失態が原因で法皇庁へは戻れず、サーレと共にラーゼンに拾われて将来的にはファルメナス王国の裏方の仕事を任される予定である[492]。
- グレンダ・アトリー[487][232]
- 荒海のグレンダと呼ばれる三武仙かつ十大聖人の一人。傭兵あがりの異世界人であり[493]、最近頭角を現した野性的な美女[488]。五大老から金で雇われたスパイであり[493]、東の商人について偽情報を流しており[494]、書籍7巻において、サーレと共にファルムス王国でディアブロと対峙するものの[489]、サーレにディアブロを押しつけて逃亡する[490]。その後、書籍10巻でイングラシア王国の評議会でエルリック王子の暗殺を試みるが、ソウエイに阻止されて捕らえられる[493]。魂を縛っていたマリアベルの術式を解除したリムルに忠誠を誓ってソウエイの手下となる[493]。書籍14巻では三賢酔のボスの役割を演じていることが明かされる[495]。
- 聖騎士団(クルセイダーズ)
- 西方聖教会本部に所属する聖騎士団の六大隊長は、それぞれが十大聖人であり、光のレナード、空のアルノー、地のバッカス、水のリティス、火のギャルド、風のフリッツと呼ばれる[488][496]。
- レナード・ジェスター[497][498]
- 聖騎士団の副団長[488]。光の精霊と契約する聖魔道師。学生のころからヒナタに憧れており、聖騎士になる。書籍7巻において、魔国連邦に出立したヒナタの後を追わず、副団長として国に残るが[499]、後に七曜の指示に従って別働隊として聖騎士団を率いて魔国連邦へ向かう。その道中で七曜の指示に疑問をもつものの、ギャルドに煽られてシオンと対決する[500]。裏切ったギャルドに刺されて重傷を負うが、ヒナタにより治癒される[468]。
- ギャルド[497][498]
- 炎槍を使う長身の騎士[488]。くじ引きに負けため、レナードと共に国に残るが[499]、後に七曜に指示に従って別働隊として魔国連邦へ向かい、シオンと対決する[501]。本物のギャルドは既に行方不明になっており[502]、彼に成り代わった火曜師がヒナタを炎の精霊魔法で撃ち抜き、レナードを剣で刺して重傷を負わせるが[503]、ルミナスによって粛正される[468]。
- アルノー・バウマン[497][498]
- ヒナタに次ぐ最強の戦士[488]。書籍7巻においてヒナタの後を追い掛けて道中で合流し、彼女と共に魔国連邦へ向かい[499]、ベニマルと対決する[500]。書籍8巻におけるルミナスとの手打ちの会議の結果、国家間交流のために魔国連邦に滞在する[504]。
- バッカス[497][498]
- 神聖戦棍を使う大柄で寡黙な男[488]。ヒナタと共に魔国連邦へ向かい[499]、三獣士と対決する[500]。書籍8巻において、アルノーと共に国家間交流のために魔国連邦に滞在する[504]。
- リティス[497][498]
- 聖騎士団の紅一点。水の精霊を使う美女[488]。ヒナタと共に魔国連邦へ向かい[499]、ソウエイと対決して敗れるものの[500]、その後、紳士的だったとして彼に好意を抱く[453]。
- フリッツ[497][498]
- 風魔法と双剣術を使いであり、ヒナタを誰よりも崇拝する自由人[488]。ヒナタと共に魔国連邦へ向かい、三獣士と対決する[500]。
魔導王朝サリオン
- エルメシア・エルリュ・サリオン[505][506]
- 魔導王朝サリオン皇帝の風精人(ハイエルフ)[507]。国も自身が興したもので自らを天帝と定めており、絶大な権力を有する[508]。利権に聡い慧眼の持ち主であり、多くの権益を持つ大金持ち[509]。見た目は美少女だが、年齢は2000歳以上[508]。臣下の前では冷徹な無表情で接するが[507]、親しい者には普通に感情を見せ、祖父の代から知るガゼル王を子供扱いしてガゼル坊と呼んだり[157]、友である魔王レオンを茶化してレオン君と呼んだりする[510]。戦士としての実力は魔王級と推定される[157]。
- 対外的には会うだけでも半年を要する大物だが[508]、書籍9巻で自らの身体で魔国連邦の開国祭に出向いてリムルと初めて対面し、その技術や文化、リムルの大物ぶりを気に入り、正式に魔国連邦との盟友関係を宣言してリムルの相談役となり[157]、技術協力と魔道列車の軌道敷設を申し入れる[511]。また、王族は民の奴隷ではなく自由に生きて良いという考えを語り、リムルとミョルマイルとで悪巧み三人衆を結成し[157]、直ぐに遊びに行けるように転移魔法陣が設置された別荘を購入する[512][392]。
- 書籍14巻では、悪巧み三人衆が酔った勢いで決めた計略が語られ、エルメシアは裏の秘密結社である三賢酔と、ロッゾ一族の生き残りを集めた表の組織である西方総合商社のトップを務めていることが明かされる[513]。また、東の帝国と戦争中に多数の配下を覚醒進化させたリムルに危惧を抱き、緊急でその真意を問い詰めている[513]。
- エラルド・グリムワルト[514][506]
- エルフの貴族で、皇帝エルメシアの叔父にあたる大公爵で十三王家の一人[508]。実子のエレン(エリューン)を溺愛しており[515]、国の魔法士団を護衛に付けている[516]。エルメシアより遙かに年下で子供扱いされるが、公私共に重用される[507][157]。ガゼル王とは親友であり、罵り合える間柄[385]。
- 書籍6巻では、国の全権を預かり、自身を憑依させた人造人間(ホムンクルス)を魔国連邦へ派遣し、リムルを信用に足る人物と認め、人魔会議においてサリオンと魔国連邦との友誼を確約する[385]。後に、魔国連邦との街道設置を全て相手負担とした交渉を、エルメシアから長期的利権の観点で悪手であると叱責され[517]、魔道列車の軌道設置の交渉では自国の分担を申し出る[511]。
- エリューン・グリムワルト
- エラルドの娘であり、エレンの正体。エルメシアは従姉妹にあたる。エルメシアとは友達でもあり、皇帝を「エルちゃん」と呼び、父を焦らせる[511]。詳細は「#エレン」を参照
傀儡国ジスターヴ
- クレイマン[518]
- 声 - 子安武人[WEB 15]
- 種族:妖死族(デスマン[519][520][518])
- 中庸道化連の一人、喜狂の道化(クレイジーピエロ)であり、十大魔王の元魔王の一人人形傀儡師(マリオネットマスター)。カザリームと同郷の出身であり、故郷が滅んだ屈辱を忘れないためカザリームによって死体から作り出され、妖死族として生まれ変わる[521]。300年程前に魔王となり[349]、200年前にカザリームが殺された後はその地盤を引き継ぐ。他人を一切信用せず、「五本指」と呼ばれる配下にも冷酷に接するが、本来の仲間である中庸道化連の面々に対しては親しく接していて、特に親代わりであるカザリームに心酔している。
- 策謀や軍団の指揮を得意とする一方、戦闘は不得意である[522]。精神魔法を得意とし、ユニークスキル「操演者(アヤツルモノ)」を使い、派遣した自分の配下の目と耳を通じて情報を得ている[523]。十大魔王の中でもっとも財力を持ち、金の使い方を知っている魔王であり、東の帝国やドワーフ王国と貿易を行い、最新式の武器と防具を揃え、過去の遺物や魔法装置で配下の戦力を増強する。また、貿易で得た利益をばら撒き、調略を駆使している[524]。
- 「あの方」から渡された支配の宝珠(オーブ・オブ・ドミネイト)によりミリムを支配しようと考えるが、ミリムが操られたフリをしたことで、彼女の力を手に入れたと思い込むあまり増長し、今までの慎重さを失う。真なる魔王への覚醒のために、ファルムス王国の扇動とミュウランを暗躍させテンペストへの被害を拡大させたことでリムルの怒りを買い、ミリムを操りユーラザニアを滅ぼしたこと、その片棒を担がせ弱みを握り、高圧的な態度に出たことでカリオンとフレイも敵に回す。度重なる失敗により焦り、仲間たちの忠告を無視して”魔王達の宴”を開催する裏で再度ユーラザニアとテンペストへの侵攻を秘密裏に実行するものの、ベニマル率いるテンペストとユーラザニアの連合軍により軍勢を壊滅させられ、拠点もシュナたちによって陥落する。”魔王達の宴”において嘘の証言でリムルを始末しようとするが、精神攻撃効果を持つ武器を所有し精神攻撃を無効化できるシオンに圧倒され、ミリムたちに欺かれていた事を知って追い詰められる。そして、”魔王達の宴”の場で不完全覚醒による起死回生を図るが、リムルの「暴食之王」で魂も残さず吸収され消滅する[525]。
- 実は数十年前から近藤に精神支配を受けており、時折暴走するようになったのもその影響だった[526]。
- 五本指
-
- ヤムザ[257]
- 幹部筆頭の魔人。中指のヤムザ[283]。卑怯で残忍で、悪徳を極めたような性格で、氷結魔剣士の異名を持つ、五本指で最強の戦士[283]。五本指の中で唯一自らクレイマンの配下となったが[283]、命を捧げるほどの忠誠心は無い[527]。書籍6巻において、ユーラザニア国へ侵攻したもののアルビスに敗れる[527]。クレイマンの仕掛けた策によりカリュブディスの欠片に魂を取り込まれ、カリュブディスと化した本体もベニマルによって焼き尽くされて死亡する[527]。
- アダルマン[281]
- 示指のアダルマン[283]。元々は西方聖教会の枢機卿だったが[528]、七曜の老師に嵌められてジスターブの地で死亡する。友人ガドラの輪廻転生の魔法により仲間と共に死霊として蘇るが[529]、ジスターヴを支配するカザリームにより、この地に束縛される。その後、千年もの間、この地の防御を担う死霊の王(ワイトキング)として過ごしてきた[530]。書籍6巻において、クレイマンの拠点に侵攻したシュナに敗れるが、シュナの神聖魔法により束縛から解放され[293][注 22]、彼女の「神」に興味を持ち、その手下となる[284]。「#アダルマン」も参照
- 九頭獣(ナインヘッド)[281]
- 母指の九頭獣[283]。超稀少な最高位の妖狐だが、300歳と非常に幼い個体[315]。20年前に帝国軍の妖魔郷殲滅作戦で故郷を失い、クレイマンに引き渡されて配下となる[531]。書籍6巻において、魔王達の宴にクレイマンの護衛として随行してランガと対峙するものの[532]、助けを求める自分の声に気が付いたリムルによりクレイマンの呪縛が解除され[533]、魔国連邦へ移住する。「#クマラ」も参照
- ミュウラン[534][410]
- 声 - 種﨑敦美[WEB 10]
- 薬指のミュウランと呼ばれる女性。元々は300年を生きる魔女であり、クレイマンの秘術により、人間から魔人となって若さと永遠の寿命を得た代償に、クレイマンに生殺与奪を握られる。
- 書籍5巻において、クレイマンに命じられて魔国連邦に潜入し、当初はただのバカと見ていたヨウムを愛するようになる[535]。クレイマンからヨウムの身の危険を仄めかされたために、魔法不能領域の結界で首都リムルを覆い、ショウゴたちがシオンらを惨殺する手助けを行う。リムルに全てを告げた後、リムルから許され、リムルの手術によりクレイマンの呪縛からも解放される。シュナと協力して死者の魂が拡散しないように結界の維持に協力し、リムル(ラファエル)による反魂の秘術の目撃者となり、ヨウムをリムルと敵対させないように導くと心に誓う。書籍9巻において、 ファルメナス国王として即位したヨウムと結婚して王妃となり、ミュウ・ファルメナスと改名する。「#ミュウ・ファルメナス」も参照
- ピローネ
- 小指のピローネと呼ばれる魔人。クレイマンに忠誠を誓っており、主に偵察任務を担う。魔国連邦とファルムス王国の戦争の偵察中に、ディアブロに見つかってしまい、ラーゼンの核撃魔法を自身に誘導されて抹殺される[536]。
- ゲルミュッド[537]
- 声 - 河西健吾[WEB 16]
- クレイマンの魔王種誕生計画のために雇われた魔人。傲慢な性格で自分より弱いと判断した者には横柄な態度を取る[538]。自身が操られているとは気が付かずにリグルの兄、ガビル、豚頭帝ゲルドに名付けを行い、自身が魔王となることを目論んでいた。書籍2巻において、リムルたちの加勢により計画が大きく狂い、やむを得ず自ら前線に出向くが、最期は自身が育てた豚頭帝ゲルドに喰われて死亡する[539]。
中庸道化連
- 神楽坂 優樹(ユウキ・カグラザカ)
- 中庸道化連の会長カザリームを復活させたことで、中庸道化連を率いる存在となった少年。東の帝国にある“三巨頭”の総帥でもある[540]。
- 「#神楽坂優樹」を参照
- カザリーム[541] / カガリ[542]
- 中庸道化連の会長。呪術王(カースロード)と称される1500年ほど生き延びた古き元魔王。かつて、エルフの王族として混沌竜を生み出した結果、魔王になる前のミリムの怒りを買って国が滅ぼされ、その罪でダークエルフへ変質し、妖死族に進化して魔王となる[212]。死体と怨恨の念を集合させることで強力な妖死族を生み出す禁忌呪法を使用でき、国が滅んだ屈辱を忘れないために、同郷の者を死体に宿させた妖死族としてクレイマン、ラプラス、フットマン、ティアを生み出す[543]。
- 200年前に魔王を名乗ったレオンを襲い、返り討ちとなり死亡する[544]。魂は星幽体として生き延び、自身の復活のために、10年前にユウキを召喚するもののユウキに敗北し、彼の肉体に憑依する。書籍6巻でユウキによりホムンクルスの身体に星幽体を移されて復活を果たし、ユウキをボスと認めて従い[544]、表向きは自由組合の副総帥(サブマスター)を務める。肉体が脆弱なエルフの女性だったため女言葉を使い、かつての能力は十全に使用できない[544]。クレイマンの死を受け、レインへの復讐を遂げるまでカザリームの名を封印して「カガリ」と名乗る。東の帝国に拠点を移した後、近藤に精神支配され[545]、妖死族を生み出すために利用される。
- ラプラス[456][542]
- 声 - 中井和哉[WEB 10]
- カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人[543]。中庸道化連の副会長で、享楽の道化(ワンダーピエロ)の異名を持つ。同族への仲間意識が高く、狡猾で用心深い性格[546]。中庸道化連ではカザリームに次ぐ実力者で[547]、精神魔法の使い手[548]。自身曰く、特別製の妖死族であり[549]、カザリームの命令を無視できる[550]。関西弁で喋り、普段から胡散臭い言動が多いので、真面目な話でもなかなか他人に信用してもらえない[264]。
- 作品の初期では、クレイマンの覚醒魔王への進化のために、ジュラの大森林で不和の種を蒔いて裏工作を行う。書籍6巻では魔王達の宴と同時刻にルベリオス国へ潜入し、クレイマンの死を知り、友達である彼を侮辱したロイを瞬殺する[461]。事前にクレイマンに忠告し、彼のらしくない行動に疑念を抱いていたが[524]、書籍7巻では、悲しむ仲間の怒りが自分に向くように、態と「調子にのったクレイマンが悪い」と語る。書籍10巻のルベリオス国への襲撃では完全体となったルイに苦戦し、重傷のフットマンを連れて逃走する。書籍14巻では、魔国連邦との同盟のために連絡員を任され、東の帝国には不在だったためルドラや近藤による粛清を免れ[543]、近藤に支配されてしまった仲間を救うためにリムルたちに心から協力を依頼する。
- クレイマン
- 「#傀儡国ジスターヴ」を参照
- フットマン
- 声 - 川田紳司
- カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人[543]。中庸道化連の一員で、怒った道化(アングリーピエロ)の異名を持つ。当時のカザリームが未熟だっため、魂と力の配分に失敗してしまい、強大な力に呑まれて精神が未熟なままとなっている[551]。波動や質量を意のままに増幅でき、莫大な運動エネルギーをぶつける攻撃を得意とし[552]、戦闘での技量が高い。
- 作品の初期では、豚頭帝ゲルドの事件で暗躍して大鬼族の里を滅ぼしたりするなど、ティアらと共にジュラの大森林を混乱に導く実行役として動く。書籍6巻では、クレイマンの要請でユーラザニア国の戦場を監視していたが、因縁のあるゲルドらに発見されて戦闘となり、彼を圧倒する[553]。書籍10巻のルベリオス国への襲撃ではギュンターと戦い、死にかける。カガリには逆らえない制約があることから、書籍15巻では、近藤に精神支配されたカガリの命令で東の帝国に致し方なく協力し[554]、本気を出せないように敢えて理性を飛ばしてフォビオやバーンと戦う[554]。
- ティア
- 声 - 本渡楓
- カザリームによって妖死族として生まれ変わった同郷の仲間の一人[543]。中庸道化連の一員で、涙目の道化(ティアドロップ) の異名を持つ女性。素早い動きを得意とする。フットマンと同様の理由で、精神は未熟である。
- 作品の初期、フットマンらと共にフォビオを扇動してカリュブディスを復活させたりするなど、ジュラの大森林に混乱を起こす。書籍6巻では、フットマンと共にユーラザニア国の戦場を監視していたが、カリュブディスの事件で騙したフォビオらに見つかり、彼を相手に戦い、接戦となるが仕止め切れないまま撤退する[553]。書籍10巻のルベリオス国への襲撃では、隙を突いてクロノアを攻撃し、クロノアの注意をレオンに向けさせて両者を争わせる事に成功する。書籍15巻では、近藤に逆らえなかったため、極限まで本気を出さずにアンリエッタやゴブアと戦う[554]。
シルトロッゾ王国 / ロッゾ一族
- グランベル・ロッゾ[555][556]
- シルトロッゾ王国を束ねるロッゾ一族の長。西方諸国評議会の創設者かつ評議会を牛耳る五大老のまとめ役でもあり、自由組合にも影響力を有する人物[557]。かつては、勇者の卵が孵った者にして光の勇者だった男であり、人の生存圏を守り抜くために1000年もの間戦った伝説的な人物であり[558]、七曜の老師の長グランとなり人間社会を真に支配するためにルミナス教をも利用していた[559]。
- マリアベルの意を受けて経済による人間社会の支配を目指しており[559]、目的が競合するリムルと強大になったヒナタの排除を目論み、ユウキやダムラダと共に裏工作を行うが[557]、書籍9巻においてルミナスの介入により阻止され、七曜の老師としての立場を失う[465]。書籍10巻では評議会の権力と一族の次世代を担うマリアベルを失い、将来に絶望する[560][561]。書籍11巻において、人間社会を守る役割に疲れ果て、一時の社会的混乱の先にある不確かな希望に縋り、一族の総力を挙げて最後の賭けに出る[562]。自身はユウキを利用したクロノアの復活とルミナスの討伐を試み[563]、妻マリアの死霊蘇生(レイズデッド)に貯えたエネルギーで最盛期の若さを取り戻し[564]、戦いの中で究極能力に覚醒するもののルミナスに敗北する[565]。最期の時、最愛のマリアが死亡して以来綻んでいた健全な精神を取り戻し、ルミナスに看取られて希望を抱きながら消滅する[566]。
- ユニークスキル「不屈者(アキラメヌモノ)」を所持しており、ルミナスとの闘いの中でマリアとラズルの魂の力が昇華された結果、天使系の究極能力「希望之王(サリエル)」へ進化する[567]。最期には自身に宿った究極能力を世界の守護者であるクロノアに託す[566]。「#グラン」も参照
- マリアベル・ロッゾ[555][568]
- 元は欧州の支配者として君臨した異世界人であり、シルトロッゾ国の姫として生まれた十歳にも満たない少女[569]。多数の者を精神支配して操り、かつて金融市場を操った知識と技術を用いてこの世界の支配を志向する、ロッゾ一族のNo.2の地位を占める人物[570]。グランベルの妻であるマリア・ロッゾの転生体でもあるが、人格は別物である[注 23]。
- 魔国連邦の開国祭でリムルや街を観察した後、リムルの狙いと強大な力を確信し、経済社会のルールを決める唯一の立場になれないという観点から、リムルとの協力と敵対を否定し、五大老やユウキを操りリムルの排除または無害化を検討する[572]。書籍9巻ではミューゼを利用したリムルに恩を売る企みが失敗し[573]、書籍10巻ではギャバンを利用したリムルの政治的失脚を狙う企みも失敗する[574]。ついに一族の切り札である混沌竜を繰り出し、自ら出向いてリムルの支配を試みるが、ユウキに裏切られて殺害される[560]。
- ユニークスキル「強欲者(グリード)」を所持し、相手の欲望に干渉して精神支配する能力を持ち、生者の本能を反転させて死に至らしめる攻撃能力も有する。精神支配の強度は相手の欲望の強さと接触の頻度が関係し、欲望が小さく頻繁に会えない相手への支配は弱い。
- ミューゼ[437]
- ガストン王国の公爵。書籍9巻の魔国連邦の開国祭において、グランベルに唆されて、小売商たちを操り魔国連邦に現金不足を起こし、これに助け舟を出してリムルに恩を売る企てを実行するが、リムルがガゼルやエルメシアの協力を得て現金の調達に成功したために計画は失敗する[575]。その後、取引の場に集められた記者によりこの顛末を記事に書かれて失脚し、グレンダにより暗殺される[576]。
- ラズル[577]
- グランベルが名付けをした蟲型魔人。グランベルが全盛期だったころの相棒で、彼の1000年頼の友人[578]。魔法と物理の両方に耐性を持つ強固な外骨格を持ち、大陸北方から来襲する悪魔への備えとしてイングラシア王国のシードルが治める領地を守護する[579]。
- 書籍11巻でグランベルと共にルベリオス国の襲撃に参加し、単独でシオンとランガを同時に相手取り、当初は圧倒したが、戦いの中で成長したシオンに敗れて死亡し、その魂のエネルギーはグランベルに究極能力を覚醒させる[567]。
- 五大老
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- ギャバン[577]
- イングラシア王国の伯爵。書籍10巻のリムルが参加する西方諸国評議会において、買収による多数派工作を行い、自国のエルリック王子を唆してリムル討伐の決議を強引に図るものの、マリアベルの精神支配が解除されて良識を取り戻した議員たちの賛同を得られずに失敗に終わる[580]。エルリック王子の暗殺が防がれた後、王子により主犯であることが評議会議員の眼前で暴露され、イングラシア王国の魔法審問官に拘束されて[438]、密やかに処分される[233]。
- ヨハン・ロスティア
- ロスティア王国の公爵。書籍10巻では評議会におけるギャバンの暴挙を非難する側に回り、彼の言い逃れを封じる[581]。これは、魔法審問官の実力把握とリムルの信用を得ることを目的とした、ギャバンたちを犠牲とするマリアベルの企みだったが、エルリック王子の暗殺失敗とグレンダの捕縛により、その思惑は破綻する[582]。書籍11巻でグランベルの覚悟を知り、これが最後となる覚悟の上で、自身はイングラシア王国の防衛結果を破壊して評議会の中枢を皆殺しにする役割を引き受ける[583]。評議会の場においてテスタロッサに魔法通話が探知されたが、願いに応じたミザリーにより防衛結界の破壊には成功する。しかし、テスタロッサとの戦いを避けたミザリーがそのまま帰還したため計画は失敗し、最期は、グランベルの最後の頼みを果たせなかった失意の中、魔法審問官に連行され密やかに処分される[233]。
- シードル[577]
- イングラシア王国の辺境伯。書籍11巻においてグランベルの覚悟を知り、自身は大陸北方の防衛を破棄し、ラズルをグランベルの下に向かわせると共に北の悪魔たちを西方諸国に引き入れる役割を担う[583]。
- ドラン[577]
- ドラン将王国の国王。書籍11巻においてグランベルの覚悟を知り、世界の混乱が収まった後に人間社会を復興させ、ロッゾ一族を絶やさないために生き残る選択をし、グランベルと仲間の今生の別れを察して涙する[583]。
- その後、この世の覇者となるであろうリムルと世界へ絶大なる影響力を有するエルメシアが手を組んだことを知り、一族の生き残りのために彼等に与することを決意、エルメシアが筆頭株主の西方総合商社に一族と共に参画し、代表取締役として息子のフィガロが務める体制が構築される[584]。
黄金郷エルドラド
- レオン・クロムウェル[585][586]
- 声 - 福山潤[WEB 15]
- 種族:人間 → 人魔族(デモノイド)
- “八星魔王”の一角で、白金の悪魔(プラチナデビル)、白金の剣王(プラチナムセイバー)とも呼ばれる[587][586]。元々は異世界から渡ってきた人間で、かつてはラミリスの配下の元“勇者”。200年ほど前、当時の魔王カザリームに戦争を仕掛けられ、単身返り討ちにして魔王に覚醒する。長い金髪が目立つ女性のような顔立ちの美丈夫。魔王としては新興勢力だが戦闘能力は古き魔王ギィに匹敵するほどで、ギィからは親友として認められている。詳細は不明ながら究極能力を獲得している[588]。
- クロエ・オベールと幼馴染の関係であり、共に異世界に渡るものの、クロエが再び姿を消してしまい、それ以来ずっと彼女を探し求めており、クロエの召喚を何度も試み、ギィに対し人生の目的とまで語っている。クロエと再会するために、悪行と理解しながらこの世界に現れた異世界人の子供を集めており、シズを召喚したのもその一環である。西側諸国にも特定人物の召喚方法を広めるために、東の商人であるダムラダや、ユウキら中庸道化連とも取引をしている。
- 旧交のあったエルメシアの情報から、リムルの保護した子供たちの中にクロエの存在を確認し、ルベリオスに赴いたところ、グランベルの策略により自分の悪行が暴露されてリムルとの対決を差し向けられる。しかし、リムルの一撃をあえて受けたことで、リムルから逆に信用され共闘する。この時、クロエと邂逅するものの、グランベルにより致命傷を負わされたヒナタの魂と共にクロエが時空を渡ってしまうが[431]、復活したクロノアをリムルと共に抑え込み、リムルとルミナスの活躍によりクロエとの再会を果たす[589]。日を改めて魔国連邦にて事件に関わったリムル、ルミナスたちと魔王会談を開き、クロエに何が起こったのか説明を受ける。
- 幼馴染のクロエを最愛の女性と認識しており、彼女に対して恥ずかしげもなく「超絶美少女」と言ったり、勇者となったクロエに目をつけたギィが腕試しと称してクロエに斬りかかったときにはギィ相手にも強く抗議したりする[590]。しかし肝心のクロエからは全く相手にされていない。そのクロエがリムルに好意を寄せていることには納得しておらず、リムルに対しては話の通じる魔王として高く評価しているが、クロエが絡むと打って変わって辛辣な態度を見せる。
- 子供のころは泣き虫で、本当は優しい人物だが、無口すぎる上に融通が利かず、人々からの誤解を恐れず、誰にも本心を打ち明けず、全ての業を自分で背負おうとする[591]。そのため、リムルからはマサユキとは逆で誤解を受けやすいタイプだと本質を見抜かれており、クロエに相手にされない不憫さから内心同情されている[589]。
- クロード[592]
- 種族:種族不明
- 黒騎士卿と呼ばれる黄金郷エルドラド最強とされるレオンの側近で、礼儀正しく気の回る武人。同僚のアルロスと共にギィと面識がある。シズの剣の師匠でもある。
- アルロス[592]
- 種族:種族不明
- 銀騎士卿と呼ばれるレオンの配下筆頭。
白氷宮
- ギィ・クリムゾン[593][594]
- 最古の魔王であり[595]、暗黒皇帝(ロード・オブ・ダークネス)の二つ名を持つ悪魔族[596]。元は原初の悪魔の一人であり、原初の赤(ルージュ)とも呼ばれ[注 24]、外見は妖艶な赤髪を持つ艶のある美丈夫である[597]。数万年前に召喚され、自身を召喚した国とその敵対する国を滅亡させて覚醒進化する[598]。その後、創造主であるヴェルダナーヴァに挑むものの惨敗し、彼から依頼されて世界と人間を管理する調停者の役割を引き受け、魔王を名乗る[599]。白氷宮に居を構え[596]、北方の大陸を支配しており[600]、小競り合いする国を滅ぼしたりするが[601]、人間を可愛いと思っており[599]、人間の敵でもなく味方でもない立場にある[602]。
- 勇者として自らの討伐に訪れたルドラと出会い[注 25]、彼を気に入って親友となった後[603]、お互いに直接戦わずに手駒だけで相手に勝つというゲームを2000年以上続けるが[604]、野望のために壊れてゆくルドラを見届けることしかできず、ゲームの決着を先延ばしにしていた[605]。書籍6巻の魔王達の宴においてリムルと出会い[597]、書籍11巻でかつて自身と引き分けたディアブロと邂逅し[606]、原初の悪魔4名がリムルの配下に就いたと知り、リムルに興味と脅威を抱く[607]。書籍12巻でリムルと直接対談し、リムルの理想に理解を示して西側諸国の管理をリムルに任せる[602]。書籍14巻ではリムルに最後の希望を託して東の帝国と戦うように要請し[608]、書籍16巻でルドラの死を感じ取って涙を流す[605]。
- 魔王になると決意した心を具現化したユニークスキル「傲慢者(プライド)」を獲得し[599]、ヴェルザードとの戦いを経て究極能力「傲慢之王(ルシファー)」に覚醒する[600]。かつては暴れ回るヴェルドラを殺害したこともあり[609]、未来のある時間軸では暴走したクロノアを始末しており[610]、作品世界における最強の人物の一人として描かれている。
- ヴェルザード[593]
- 「#竜種」を参照
- ミザリー[593][611]
- 元は原初の悪魔の一人である原初の緑(ヴェール)[注 24]。太古の昔、レインと共にギィに挑んで敗北し[612]、ギィが受肉した際に雑用を任せるために召喚され、名を与えられて悪魔公へ進化してギィに忠実なメイドとなる[613]。外見は緑髪の美女で、暗紅色のメイド服を身に着けている[614]。名前の由来は「苦痛に歪む人間の表情」。
- 勘が鋭く、仕事熱心でまめな性格[612]。レインのいい加減さには呆れる事も多いが、同僚として信頼している[615]。書籍6巻では魔王達の宴に参加するリムルたちを出迎え[616]、白水宮に帰ってくるなり「クレイマンは死ぬ」という予想をレインに伝える[617]。書籍11巻ではギィの命により王都で暴れるために、自身の配下である緑の使徒による召喚に応えて西方諸国評議会に乱入し、テスタロッサと邂逅する[618]。彼女がリムルの配下となり名を授けられたことを知り、直ぐに撤退してその情報をギィに伝え[607]、ディアブロを初めとする原初たちを配下にしたリムルに一目置くようになる[619]。書籍14巻ではギィと共に魔国連邦を訪れ、シュナのケーキを気に入ったギィの命により彼女からレシピを提供されると共に、リムルから魂を授与されて悪魔王へ覚醒進化し、リムルに感謝の意を示す[620]。
- レイン[593][611]
- 元は原初の悪魔の一人である原初の青(ブルー)[注 24]。太古の昔、ミザリーと共にギィに挑んで敗北し[612]、ギィに召喚されて名を与えられ、悪魔公へ進化してギィに忠実なメイドとなる[613]。外見は青髪の美女で、暗紅色のメイド服を身に着けている[614]。名前の由来は「血の雨」。書籍17巻の第4話では語り部を務める。
- 書籍6巻の魔王達の宴では会議の進行役を担い[621]、書籍11巻ではディアブロと戦うものの圧倒され[622]、リムルが彼に加えてテスタロッサやウルティマ、カレンを配下にしたと知り[607]、リムルを自身の警戒すべき者リストのトップに据える[619]。元々のスライム好きもあり、有能そうなリムルに好感も抱いていたが[623]、書籍14巻で魔国連邦を訪れて、リムルの丁寧な対応や気配りから彼への好感度がアップし、自身を悪魔王へ覚醒進化させてくれたリムルに驚き、協力を惜しまないと誓う[624]。
- 書籍17巻では、怠惰でいい加減な性格や、ギィが困るのを見て内心楽しんだり、常に勝ち組でいたいという思いや、特技の抽象画を描いてモデルのミザリーを怒らせて楽しんだり、極寒の白氷宮で「結界」の中だけ常夏モードにしてバカンス気分を味わう趣味が語られてる[625]。また、ギィと引き分けたディアブロに苦手意識を持ち[626]、はた迷惑な吸血鬼の神祖やさぼり癖のあるディーノを内心で酷評する一方で、ルミナスやラミリスに敬意を払っている内心が語られている[627]。
東の帝国
- ルドラ・ナム・ウル・ナスカ[628]
- 種族:人間
- 東の帝国・ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国の皇帝。灼熱竜ヴェルグリンドを元帥として長く覇道を共にしている[628]。“星王竜“ヴェルダナーヴァの弟子であり、始まりの勇者だった存在[629]。
- 覚醒した勇者として究極能力を与えられている上に技術を極めているので、かつてギィと拮抗するほどに強かったが、勝たなければ正義ではないと考えているので、戦い方はギィから苦言を呈されるほど汚い。貧困や不平等をなくして誰もが笑って暮らせる世界を作るという理想を持ち、師から”調停者“を任されていたギィに認めてもらおうと幾度となく戦いを挑む。ギイとは2000年以上も世界の覇権をかけて争ってきた好敵手である。妹ルシアと子を為したヴェルダナーヴァを安心させたいとの想いから、互いに直接手は出さず配下を競わせるというゲームで”統一国家の樹立“を目指すが、敵国のテロでヴァルダナーヴァとルシアを殺害された事で最大の目的を失い、以降も度重なる苦難と人の醜さを突きつけられていく。
- 世界をチップに人と魔物を駒にしたゲームを長きに亘り続けるために、自我と記憶および竜種”を超えるほどの強大過ぎる力「正義之王」を自らの子に継承させてきた。しかし、転生を繰り返すたびに魂が磨耗していくという代償を抱えており、聖なる力は摩耗して”勇者“の資格を失い、理想を求める執念から”聖人“ではあり続けたが、心が限界に達して当初の理念は失われ、ギィに勝利するためならどんな手段も厭わない冷酷で残酷な人物へ変貌する[注 26]。基本戦術として、臣民が納得できる理由を作りつつ、軍を鍛え上げてから脅威に晒し、生き残りから進化する者を見出し[631]、100万の犠牲が出ようと1人でも覚醒した手駒が集まれば釣り合うと考えて[632]、非道とも取れる手段を取り続ける。裏切りを防ぐために近衛騎士団は団長と副団長以外は互いに正体を知らず[633]、序列6位未満の者は皇帝の顔も見たことがない[634]。
- 非情な戦略は“神智核”ミカエルに乗っ取られた影響であり、ミカエルに害されたヴェルグリンドの「別身体」を庇った際に、僅かに残っていた“魂”の欠片が肉体から飛び出し、彼女と共にフェルドウェイによって異空間へ飛ばされてしまう。その後、「火神之王」を得たヴェルグリンドと合流して旅を続けた後、ある世界で自身の転生体であるマサユキと融合、そのまま元の世界へ転移する。
- ミカエル
- ルドラが所有している「支配」に特化した天使系究極能力「正義之王(ミカエル)」[635]が、自我を持つ“神智核”へ進化した存在[636]。本来はヴェルダナーヴァが所有していた究極能力だが、支配の力を嫌った彼がルドラの「誓約之王」と交換している[87]。
- “竜種”を含め意思ある者全てを支配する権能[637]、支配した対象の能力を自在に操つる権能[638]、ヴェルダナーヴァが生み出した天使系の究極能力に対し絶対支配を行う権能を持ち[639]。また、発動中は一切他の行動が出来なくなるものの、臣民や配下の忠誠心をエネルギー源に破壊不可能な常時発動型の防御結界を展開する能力もある[640]。さらに、“聖人”へと至った人間に究極能力を与える能力を持ち[641]、限定的とはいえ究極能力の所有者を量産できる[注 27]。また、制御が難しいものの、全てを滅ぼす天使軍団を召喚するという切り札も存在する[643]。
- 自分の本来の主人である“星王竜”ヴェルダナーヴァの完全復活を目的としており、1000年以上も前から自我を有し、接触したフェルドウェイから戯れに呼び名を与えられたため、確固たる意思が芽生える[644]。転生で“魂”が磨耗したルドラの肉体を乗っ取り、天使系の究極能力を持つでヴェルグリンドたちをも支配する。カレラの攻撃から自らを庇わせたヴェルグリンドの前で本性を現し、「奪命掌」で彼女の力を奪った後にフェルドウェイを連れ帝国から拠点を移す。
- ヴェルグリンド[645]
- 「#竜種」を参照
- 近藤 達也(タツヤ・コンドウ)[646]
- 種族:人間(聖人)
- 帝国でもほとんど知られていない情報局を束ねる大日本征覇帝国出身の“異世界人”。帝国情報局局長[647]にして、帝国皇帝近衛騎士団(インペリアルガーディアン)の団長。“ひとけた数字(ダブルオーナンバー)”序列1位。皇帝に心の底からの忠誠を誓い、帝国にて全ての情報を握る情報に巣食う怪人[648]と呼ばれ、帝国の闇として恐れられている。冷徹な合理主義者であり、帝国の利益のためならば非道な手段も厭わないが、自身が学んだ剣技に関しては誇りを持ち、私情を挟む癖がある。
- 元の世界では旧帝国海軍の軍人で、70年前に特別攻撃作戦に参加し、“妖魔”との戦いの中で異形に乗っ取られた敵艦隊に特攻した[649]。死の間際に世界を渡り、帝国の秘密庭園で寛ぐ皇帝ルドラと出会い、その縁と実力で現在の地位に至る。ただ、かつての戦友のために当時の中尉という階級にこだわり、昇進していない。カレラから「人間とは思えないくらい強い」と評される実力を持ち、ユウキからも帝国で警戒すべき人物と認識されている。
- ユウキがクーデターを企てていることを見抜き、暗殺したミーシャから情報を奪ってクーデターを阻止し、カザリを支配下に置く。ドワルゴン制圧作戦では剣術でハクロウを退け、“呪壊弾”でガゼルを無力化し、ヴェルグリンドと戦うヴェルドラに隙を作る。八門堅陣ではカレラとアゲーラのコンビを圧倒し死を覚悟させたが、彼女が究極能力に目覚めたことで逆転され敗北する。ダムラダと同じくルドラから理想を見失った時は殺して欲しいと頼まれており、死に際にそのことを思い出し、自分がミカエルの支配下に置かれていたことを悟る。最期に自らの魂を報酬に自分の銃でルドラを殺すようカレラに頼んで絶命、心核は解脱していった。
- 荒木白夜の弟が伝えた“朧心命流”の達人[650]で、軍刀と南部式大型自動拳銃を武器とする。“戦い”を司る天使系究極能力「断罪之王(サンダルフォン)」[379]に自力で覚醒している。権能の効果は防御結界を壊す“破界弾(リムーブ)”、魔法効果を打ち消す“解呪弾(ディスペル)”、魔力回路を破壊する“呪壊弾(ネクロシス)”、高密度の魔力弾“消滅弾(イレイザー)”の4つからなり、さらに1日1回しか使えない切り札に全ての効果を併せ持つ“神滅弾(ジャッジメント)”がある[651]。接触した対象の思念思考を読み取るユニークスキル「解読者(ヨミトクモノ)」[652]も所有する[653]。また、ルドラの「代行権利」により、撃った他者を操る“支配の呪弾(ドミニオンブレット)”を使用可能[545]。一方、天使系の究極能力をもつため、ミカエルに支配されてしまう。
- ダムラダ[555][654]
- 種族:元人間(聖人)
- 帝国皇帝近衛騎士団の副団長を務める序列2位[655]。2000年以上生きる“聖人”であり、近藤が現れる前は団長を、元ナスカ王国では宰相を務めていたルドラの親友[656]。狡猾で、配下の事を信じず、石橋を叩いて渡るような慎重な性格[657]。純粋に対人、対個体相手に技量を磨いており、千差万別の応用力を持つ拳聖[658]。ルドラの「代行権利」によって、如何なる精神攻撃をも無効化する能力と、あらゆる防御を貫く能力という相反する力を与えられている[659]。
- 東の帝国に拠点を持つ犯罪組織“三巨頭(ケルベロス)”を取り仕切る頭領のひとりでもあり、金のダムラダの異名を持つ。狡猾なユウキでも利用しきれないリムルに対して最大級の警戒心を抱き、ジュラの大森林に接する西側諸国周辺で暗躍し、東の武器商人を装って中庸道化連、魔王レオン、ファルムス王国、シルトロッゾ王国にまで情報をばら撒いてさまざまな謀略に関る。ヒナタにシズを殺したのがリムルだと吹き込んだ張本人でもある。
- 帝国を裏切ったガドラを近藤と共に始末しようとするが[注 28]、生き延びたガドラから情報を得たユウキによって皇帝側のスパイであることが露見する。ミカエルに記憶を封じられながらも、正気が残っていた頃にルドラから与えられた「自分を殺せる者を探す」という勅命に従っており、ユウキに協力していたのもそのため。また、バーニィとジウには皇帝と瓜二つの容姿を持つマサユキを守るよう命じている[660][661]。最期は八門堅陣でウルティマと激突し、壮絶な格闘戦の末に致命傷を負い、自分の技と魂を代価にルドラを弑しマサユキを守るようウルティマに頼み絶命、解脱していった。
- グラニート、ガードナー、ガルシア、ミナザ
- 四騎士と呼ばれる、“ひとけた数字”序列3位から6位までの聖人。
- 序列3位のグラニートは四騎士の長を任される。帝国の礎を築き1000年の平和を実現せしめた立役者。2000歳を超える長齢の、歴史書にも記される“軍神”であり、あらゆる武器や格闘術を使いこなす戦闘士(ウォーリア)[662]。ルドラの「代行権利」で究極能力以外の相手の戦闘能力を見極める能力を与えられている[663]。軍神の異名にふさわしい実力と戦術眼を備えているが、長らく強者として君臨しつづけてきたせいで慢心しており、ダムラダとは長きに渡る戦友であり、団長として自らの上位に立っている近藤に対してもその実力を評価しながらも自分たちよりはるかに新参者であるためか年長者としての態度を取っている。八門堅陣では対峙したベニマルを自軍に勧誘するが拒絶され、格下と侮って長話したのが仇となり、突然究極能力「陽炎之王」に覚醒した彼に倒された。
- 序列4位のガードナーは、加虐的な性格をしており、抵抗力を奪った敵を命乞いさせながらいたぶることを好む。“聖人”になったばかりの頃にヴェルグリンドの「別身体」に惨敗した事でヴェルグリンドに憧れを抱き、ルドラの「代行権利」でヴェルグリンドと同じ「並列存在」を習得する[664]。しかし、その用途は「分身体」でも運用可能なものであり、「別身体」の利点を生かしきれていないことをソウエイから指摘されている。八門堅陣ではソウエイに手玉に取られ、捨て身の攻撃に打って出たが、究極贈与「月影之王」を得た彼に敗北。
- 序列5位のガルシアは、「代行権利」により敵を倒すという意思を己の力へと還元する事で、敵を罵るだけで肉体が強化される権能「討伐制覇」を所有する[665]。その権能のため、敵対者に対して口汚く罵る癖があり、テンペストの幹部たちに大きな不興を買っていた。八門堅陣では、アゲーラ、エスプリ、ゾンダを迎え撃つが、能力発動のためにリムルたちを嘲った事で全員の逆鱗に触れて微塵切りにされ、死後もウルティマの“呪怨狂滅罪”で1000年の苦しみを魂へ与えられることになる。
- 序列6位のミナザは蟲型魔人の女性で、生み出した上位魔人以上の力を持つ蟲型魔人達の死骸を喰らうことで何度も再生させる能力を持ち、さらにルドラの「代行権利」によって再誕時間を短縮している[666]。八門堅陣ではシオンと戦い、速さと数で苦戦させたが、戦闘中に闘霊鬼に進化し究極の意志力を得た彼女に敗れた。死に際に蟲魔王の存在をシオンに伝えた。
- バーニィ、ジウ[667]
- 種族:人間(聖人)
- マサユキの仲間になった男女。バーニィはアメリカ出身の“異世界人”でイングラシア学院を卒業した魔法使い[668]、ジウは回復魔法も使える〈精霊魔法〉の使い手[669]。その正体は帝国皇帝近衛騎士団の“ひとけた数字”であり、ルドラから究極能力を貸与されていた“聖人”。
- バーニィは序列7位で45歳、ジウは序列9位[670]。ルドラの「代行権利」で魔法やユニークスキルに対する絶対優位と自己の権能の完全隠蔽を与えられている[671]。団長からマサユキを利用してリムルに接近するよう命令を受けていたが、一方で副団長のダムラダにはマサユキを守るよう命令されていた[672]。帝国軍による迷宮侵攻が失敗した直後、正体を晒してリムルを暗殺しようとしたが、ベニマルとクロエによって退けられる。隠し持っていた復活の腕輪で迷宮から脱出したものの、ミーシャの護衛として撤退中、ディアブロに発見されて殺害される。
- 以降は捕虜として力を失った状態で蘇生される。マサユキに対して悪意を抱いていた訳ではなく、彼がフェルドウェイらに暗殺されそうになった際には身を呈して守ろうとし、これをきっかけに和解を果たす。マサユキの即位後は彼自身の要望から直轄護衛となり、相談相手やちょっとした任務に就く[673]。魔国連邦との戦争後、ひとけた数字の生き残りとなっている[674]。
- マルコ
- 種族:人間(聖人)
- “ひとけた数字”序列8位。800年前にダムラダに抜擢されて近衛騎士になった“聖人”。
- 目にした人物とまるまる同じに擬態できる潜入に特化したユニークスキルを持ち[675]、ルドラの「代行権利」を上乗せすることで、究極能力の再現こそできないが模倣精度を高められる[676]。「変装者」でも模倣しきれない強さを持つ近藤に心酔し、中尉という地位にこだわる彼にならって少尉の地位に留まっている。
- 平凡な情報局員としてドワルゴンの攻撃部隊に紛れ込み、近藤に化けてガビルを技量の差で降し重傷を負わせるが、駆けつけたヴェイロンに妨害されて止めをさせずに終わる。八門堅陣でヴェイロンと再戦し、当初は圧倒したが、究極贈与を得て全盛期の荒木白夜に変身した彼に敗れる。その後生け捕りにされ、ヴェイロンからウルティマへの献上品として扱われる。その後の状況は不明だが、カリギュリオからはひとけた数字の生き残りはバーニィだけだと語られている[674]。
- フェルドウェイ
- 帝国皇帝近衛師団序列10位。
- 「#始原の七天使」を参照
- デイビス、バルト、ゴードン[646]
- 種族:人間
- 近衛騎士団の団員。序列はそれぞれ11位、38位、64位[677]。中でもデイビスは“ひとけた数字”を補助する立場の“仙人”級に至った実力者で、“紅に染まる湖畔事変”を解決した立役者。しかし、かつて倒したはずの「原初の白」が受肉し名を得て進化したことで絶望的な力量差が生じており、一矢報いることもできぬまま全滅する。
- クリシュナ、バザン、レイハ[678]
- 種族:人間
- 近衛騎士団の団員。序列はそれぞれ17位、35位、94位。
- 迷宮侵攻では、バザンが死霊竜を止めている間に、剣士のクリシュナがアルベルトを倒し、魔法使いのレイハと共にアダルマンを撃破するが、ミニッツと合流して挑んだゼギオンに瞬殺される。クリシュナだけは復活の腕輪で脱出に成功しカリギュリオに作戦失敗を伝えたものの、ディアブロに殺害される。クリシュナは蘇生後にリムルを神の如く崇めるようになり、アダルマンに説得されて帝国が安定してから軍を辞めて魔国に引っ越す意思を示している[679]。
- カリギュリオ[628]
- 種族:人間
- 帝国機甲軍団の軍団長を務める隻眼の大将。策と必勝にこだわり冒険しない軍人らしい性格だが、一方で理由さえあれば損失を厭わない強欲さを持つ[680]。下級貴族の騎士爵の家に生まれ、主家であるヒース男爵家へ婿入りしたが、当時の妻に裏切られて放逐され、薬を盛られて左目を失明、同時に自分に子種が無い事を知る。その時の怒りと憎しみを原動力に、裏切った者達を見返す為にあらゆる手段で出世を目指す事を決意し、ミニッツやカンザスを味方に付けて、20代半ばで佐官、30代前半で将官、そして30代半ば過ぎで軍団長である“大将”となる[674]。
- ヴェルドラの打倒を目指して魔国連邦とドワルゴンへの侵攻を行い、主力の「機甲改造兵団」70万名による迷宮攻撃を指揮するが、敵戦力を見誤り3名を残して部下は全滅。その絶望から“聖人”へと覚醒し、神話級装備から真の主人だと認められて精神生命体をも殺し得る力を得たが、目覚めたばかりの力を使いこなすことができず、究極能力も持たなかったため、ディアブロの本気も引き出せないまま殺される。その後は70万程の配下とともに“擬似魂”を用いて蘇生され、自分たちの力で食い扶持を稼ぐため魔国連邦で働いている。空っぽの身体に魔素を溜め込み、悪魔公並みの力を得る禁じ手を編み出している[681]。
- 迷宮で出会ったマサユキには、皇帝ルドラと同じ顔をしているため敬意を持って接している。“始原”により迷宮が攻撃された際には、ミニッツと共にヴェノムに助力してコルヌからマサユキを守るべく戦う。ヴェルグリンドがマサユキのもとに「時空跳躍」してきた際に、マサユキがルドラの転生体であることを知り、魔国連邦とドワルゴンとの会談でマサユキを新たな皇帝として仰ぎ、帝国の再興に尽力することを表明する。
- 三大軍団長で唯一残った為、新体制では軍務大臣を兼任する形になり、蘇生された70万の部下と共に帝国の治安維持に当たる。後にモスの調査で20年前の事件がブルダフ伯爵の陰謀である事が判明した為、伯爵一派を捕らえた後、全てが誤解だったとして男爵家と和解し、結婚生活をもう一度やり直す事にした[674]。
- ミニッツ[678]
- 種族:人間
- カリギュリオの腹心を務める少将。軍閥系の侯爵家の出身でありながら、自分の才覚だけで勝負したいと軍に入った変わり者[674]。優雅たることを美学とする一方、好戦的な性格をしている。視界の全てに心理的な圧迫から引力操作による物理的な圧縮まで多様な効果を及ぼすユニークスキルを持つ能力を持つ[682]。
- 迷宮侵攻作戦では精鋭の指揮官として内部に突入、部下と分断されながらも魔蟲の群れを殲滅してアピトを相打ちに近い形で倒し、クリシュナ達と合流するが、ゼギオンに瞬殺される。魔国連邦の捕虜として蘇生された後、一度は失ったユニークスキルを再び獲得する[683]。想像を絶する強者がいる事を身をもって知れて満足しており、特に恨みは抱いていない。
- マサユキが皇帝の転生体と判明した後は、彼を即位させる為に貴族達への根回しを担当する。その際の会議で目立ってしまったため、リムルからマサユキの相談相手に任命され、新体制では宰相職に任じられてしまい、前宰相を副官として政務に励む[674]。現侯爵である弟とは不仲だったが、尊敬する兄に侯爵家を譲られて拗ねているだけで、責任感に押し潰されないよう表面上反発していたことがモスの調査で判明し、和解する[674]。
- ガスター、ファラガ[645]、カンザス[678]
- 種族:人間
- ガスター中将は20万名の「魔導戦車師団」を率いるカリギュリオの腹心。2000台の魔導戦車を指揮してドワルゴンを攻め、ゴブタが率いる第一軍団と激突、ランガと「同一化」した彼の力で部隊は壊滅。自身はテスタロッサの相手を近衛騎士団に任せて撤退を図ったが、本気を出した彼女に瞬殺された。
- ファラガ少将は4万の兵士と100隻の飛行船で構成される「空戦飛行師団」を率いる[684]。ガドラの弟子で、優秀な魔導師でもある。戦争では“飛竜衆”と交戦し、他の龍人族より10倍以上強力なガビルをヴェルドラと勘違いした。その最中に艦橋に乗り込んできたウルティマに部下を全滅させられ、自身は核撃魔法を浴びて戦艦もろとも蒸発した。
- カンザス大佐は20年前の“妖魔郷殲滅作戦”を成功させた英雄で、ミニッツの直属の部下の叩き上げの軍人。クマラにとっては故郷を滅ぼし自分をクレイマンに売り飛ばした仇。迷宮侵攻では単独でクマラの元へ転移させられ、彼女の母である先代九頭獣を使役して戦闘経験の少ない尾獣を圧倒したが、クマラ本体には敵わず切り刻まれて死亡。恐怖で心核が壊れたため、“擬似魂”では蘇生できなかった[685]。
- ザムド
- 種族:人間 → 人造人間
- 「機甲軍団」の少将。戦争では飛行船300隻を指揮して友軍である「魔獣軍団」3万名の輸送を担当する。当初は大陸中央まで送り届ける予定であったが、突如ドワルゴン制圧作戦に参加する事が決定しヴェルグリンドによってドワルゴンへ転移させられる[686]。皇帝旗艦における戦闘でテスタロッサの魔死光線を浴びて肉体ごと消滅する[687]が、カリギュリオからの助命嘆願で“魂”だけを回収され、これを宿した“擬似魂”を人造人間の肉体に定着させる事で蘇生する[688]。以降はリムルが語った世界の空を支配する計画に感化されて自ら協力を申し出て、迷宮内の飛行船改良場で嬉々として働く[689]。
- グラディム[628]
- 種族:獣人族
- 3万名の「魔獣軍団」を率いる帝国軍の大将[690]で、カリオンの腹違いの兄。自分勝手が過ぎて父である前王に王位継承権を剥奪され、逆恨みで下克上を企て前王を弑逆するが、弟と当時の三獣士の手でユーラザニアを追放される[348]。300年前に天魔大戦を生き延びて帝国で愚連隊の真似事をしていたときに帝国からの討伐軍に敗れ、配下となる。帝国で一番強いとされる元帥を倒し、皇帝を弑逆して帝国を乗っ取り世界を征服するという野望を抱いている。
- 魔獣軍団の構成員は様々な魔獣の特徴を統合して生み出された人造合成獣(バトルキマイラ)という人造生命体を従え、獣身化をベースに開発された特殊投与能力(メディカルスキル)「獣魔合身(ザ・ビースト)」の投与で人魔一体となる。ただし、現状での成功率は1割と非常に危険な技術である[691]。
- イングラシア王国北部へ向け出撃していたが、計画変更でヴェルグリンドの「空間連結」によって全軍でドワルゴンに転移。ガゼルを狙い救援に現れたカリオンと交戦し、配下を「獣魔合身」させて戦局を有利にしようとするが、図らずも副作用で死亡した配下達から大量の“魂”を得たために魔王への進化が始まってしまい、耐えがたい眠気に襲われた隙をつかれて弟に倒される。
- ナジム、バラガ、ゴウザリン
- 三将と呼ばれるグラディムの忠実な部下。
- “朱雀”のナジムはフレイの双子の姉妹。有翼族の変異種で、3対の翼を持ち、生殖能力を失う代わりに突出した戦闘力を有する魔王種。生まれてすぐに母親だった先代女王に追放された事を恨んでいたが、女王としての能力を持たずに生まれた娘に群れとは関係なく幸せになって欲しいという母の願いによる行動だった。ドワルゴン制圧作戦では救援に現れたフレイと戦うが、女王として有翼族の攻撃を無効化する彼女に敗れ死亡する。
- “青龍”バラガは、グラディムが倒した上位龍族の水撃竜(ウォータードラゴン)を模した人造合成獣を従え、近衛騎士の中堅クラスの実力を持つ壮年。「獣魔合身」の完全適合者となった魔獣騎士(キマイラナイト)で、水撃竜と合体することで龍人族に似た姿に変身する。作戦中にグラディムとナジムが殺されたことで激昂、仲間を吸収し人為的に覚醒魔王級の力を得たが、究極贈与「心理之王」に目覚めたガビルに回復能力を奪われて死亡した。
- “玄武”ゴウザリンは岩妖精(ローレライ)を従える異民族の巫女で、多様な魔術を得意とする。「獣魔合身」によって聖人に準ずる力を得て、「金属操作」で身体構造を魔鋼成分に置き換える事が可能[692]。一度はガドラを自爆にまで追い詰めたが、金属性悪魔族に転生した彼に敗れた。
- ミーシャ、ヴェガ[654]
- 種族:人間
- それぞれ“三巨頭(ケルベロス)”の頭領のひとりで、「女のミーシャ」、「力のヴェガ」の異名を持つ。
- ミーシャは“女”としての魅力を存分に駆使して男を籠絡するのが得意で、ヴェガやダムラダには劣るが戦闘能力にも秀でる[693]。カリギュリオの籠絡を任され、帝国機甲軍団の魔国連邦侵攻に同行して戦況を監視、ユウキとリムルが停戦中ということもあって助命され帰国するが、クーデターの準備中に近藤に暗殺された。
- ヴェガは魔物の因子を取り込み過ぎて魔人と化した“魔法審問官”の父が強姦した母から、妊娠3日で生まれ落ち、人間を含む様々なものを喰って十数年生きてきたが、人間を喰うようになってから討伐対象とされる。シズの協力を受けたユウキに捕獲されるが、類まれなる戦闘センスと強靭な肉体を持つ実力を惜しまれたことでダムラダを通じて帝国で教育を受ける。獣以上に本能に忠実で、考えることがほぼできず、利害関係や実力差などのことも全く計算に入れられないため、仲間からも頭が悪すぎると評される。ユウキに従っているのも自分より強いと認めていたからで、ユウキがルドラに敗れたと聞くと平然と見捨てようとしたが、それに激怒したラプラスに叩きのめされ恐怖から従順となる。しかしラプラスと共にユウキの救出に向かい、支配されたユウキからラプラスの討伐を命じられるとあっさりとラプラスを裏切る。
始原の七天使
- フェルドウェイ
- 種族:天使族(エンジェル) / 熾天使(セラフィム) → 妖天(ようてん)
- 妖魔族を統べる妖魔王と呼ばれる異界の存在。かつて”始原の七天使”と呼ばれた天使族の最上位個体の筆頭でもある。
- “光”の大聖霊からヴェルダナーヴァに創造され、名を与えられて意思を獲得し、忠誠を誓う。ヴェルダナーヴァから異界に封じられたイヴァラージェの監視を命じられ、イヴァラージェの魔素を長い年月に渡って浴び続けた事で“妖天”へと変質する。しかし、ヴェルダナーヴァの消失から数百年経過した後、見捨てられたと推測するようになり、地上の全人類を憎悪し滅ぼそうと考え、人類の敵対者たる“魔族”となる。
- 1000年以上も前に「正義之王」から接触を受け、ミカエルと対等の協力関係を結び[694]、「並列存在」を使ったミカエルの器となり、ミカエルの権能の一部を使用できようになる。本体はまだ異界から出てこられないため、物質世界にはミカエルの権能である並列存在によって自分と配下の三妖帥たちの別身体を送り込んでいる。帝国の皇帝近衛騎士団序列10位として潜伏し、ミカエルの解放を目的としてミカエルの権能を使って裏で近藤らを支配する[695]。
- 帝国最高戦力が魔国連邦幹部と戦っている間に、“始原”たちを引き連れて迷宮の破壊を試み、ミカエルの権能により支配した勇者クロノアにマサユキの暗殺を命じ、致命傷を負ったヴェルグリンドの「別身体」を“時空転送”で異界へ追放するが、「時空跳躍」したヴェルグリンドによってマサユキ暗殺は阻止される。
- ザラリオ
- 種族:天使族 / 熾天使 → 妖天
- 妖魔族を統べる“三妖帥”の1人であり、フェルドウェイ配下筆頭[696]。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質する[697]。ゼギオン同様「空間歪曲防御領域(ディストーションフィールド)」を使う事が出来る[698]。
- マサユキ暗殺の為に迷宮に侵入し、囮としてトレイニー、カリス、竜王たちを相手に時間稼ぎを行うが、コルヌとディーノが作戦に失敗した為、負け惜しみを言いながら撤退する。
- コルヌ
- 種族:天使族 / 熾天使 → 妖天
- 妖魔族を統べる“三妖帥”の1人[696]。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質する[697]。獰猛な肉食獣のような眼光と、精悍な肉体美を持つ[200]。
- 数十年前に行われた異世界侵略を担当するが、配下の自我の弱さから計画が綻び始め、未来の“基軸世界”から「時空間跳躍」していたヴェルグリンドの灼熱竜覇加速励起で“冥界門”越しに攻撃を受け、自らは大怪我を負った挙句、配下の者も焼き尽くされる[699][700]。この出来事の原因がコルヌにはわからなかったため、異世界侵略の失敗はコルヌの責任とされ、フェルドウェイの失望を買ってしまう。それ以降三妖帥の立場でありながら配下を持たず、失敗とそれに伴うフェルドウェイからの粛清に対するプレッシャーから三妖帥としての余裕を失ってしまう。
- マサユキ暗殺のために物質世界に別身体を派遣し迷宮侵攻を行うが、帝国軍の捕虜や超克者の思いがけない抵抗により時間を稼がれ、マサユキには究極能力に覚醒された上、「時空跳躍」の権能で地上に帰還したヴェルグリンドの「時空連続攻撃」により異界にあった本体ごと消滅する。
- オベーラ
- 種族:天使族 / 熾天使 → 妖天
- 妖魔族を統べる“三妖帥”の1人[696]。かつて“始原の七天使”と呼ばれた元熾天使であり、フェルドウェイと共に異界の管理を行う過程で妖天へ変質した[697]。ザラリオ、コルヌが迷宮へ侵攻するなか、異界の奥地にある"妖異宮"の守りに残る。
- ディーノ[271][272]
- 種族:天使族 / 熾天使 → 堕天族(フォールン)
- 眠る支配者(スリーピング・ルーラー)の異名を持つ、第2世代の古き魔王の一人。少年のような風貌で、2本の剣を腰に差している。 かつての“始原の七天使”の1柱であり、地上に残り監視者としてヴェルダナーヴァの手足となって働いていたが[701]、ある出来事がきっかけで堕落し堕天族となる。
- 働かない事に美学を持つ怠け者であり、数百年前から自分で金を稼いだことも、自分の金で飲み食いしたこともなく[702]、”魔王達の宴”の時点ではダグリュールの元に居候している。後にギィの勧めで魔国連邦へと移住し[注 29]、リムルに「働かざる者食うべからず」と言われて止む無くラミリスの下で働く。
- ラミリスとは砕けた会話を行う間柄であり、魔国連邦の研究者たちにも仲間意識を感じていたが、ミカエルの権能を使える元上司フェルドウェイには逆らう事ができず、帝国最高戦力との戦争の最中にやむなく魔国連邦を裏切る。ヴェルドラが帝国に支配された直後に迷宮を破壊すべくラミリスを狙うが、シンジに気付かれてしまい、格下であるはずのベレッタとアピトに時間を稼がれ、最終的にゼギオンにより存在を“虚無”へと掻き消され、計画は失敗する“復活の腕輪”で蘇生したものの、“夢の終わり”の刻印を刻まれて魔国連邦の者に殺意を抱けば心核が破壊される状態となる。
- 所有する大罪系ユニークスキル「怠惰者(スロウス)」は、普段動いていなければいないほどに力を増し、エネルギーの貯金が出来るという性質を持ち[703]、発動するのに時間がかかるのが欠点だが、究極能力保有者以外は抵抗できない目覚ぬ眠りに誘う非殺傷性広範囲無力化攻撃などの強力な精神系の権能を有し[704]、「怠惰者」の認識阻害を応用した剣技“幻影流”を編み出している[705]。さらにヴェルダナーヴァからは、自分の能力限定で望む形の効果が得られるよう進化させられる権能を内包する天使系究極能力「至天之王(アスタルテ)」を与えられており、「怠惰者」を究極能力「怠惰之王(ベルフェゴール)」へと進化させる。能力の本質は所有者が溜め込んだ力を仲間に貸し与える“配下や仲間への支援”であり、本来なら恐るべき力を発揮する権能だが、ディーノ自身の攻撃手段も強力であることから、ディーノは権能の本質を理解しておらず、自身が動くほと力が弱くなる特性と相まって力を使いこなすことができずにゼギオンに完敗する[706]。
- ガラシャ
- 種族:天使族 / 熾天使 → 堕天族
- 大柄で筋肉質な女戦士[707]。“始原の七天使”の1柱にしてディーノの部下で、普段は人間の国に潜入して暮らしている[708]。武装は片手剣と円形盾で、力に関してはディーノよりも上[709]。
- フェルドウェイに命じられてヴェルグリンドが迷宮に開けた穴の修復を妨害していたが、進化の眠りから目覚めたゲルドと戦いになり、ディーノが敗北しコルヌが死亡した事で撤退する。
- ピコ
- 種族:天使族 / 熾天使 → 堕天族
- 小柄な美少女[707]。“始原の七天使”の1柱にしてディーノの部下で、普段は人間の国に潜入して暮らしている[708]。槍を武器とし、「黒雷天破(ブラックサンダー)」という雷撃を使う[710]。
- フェルドウェイに命じられてヴェルグリンドが迷宮に開けた穴の修復を妨害していたが、進化の眠りから目覚めたクマラと戦いになり、ディーノが敗北しコルヌが死亡した事で撤退する。
その他
- 豚頭帝ゲルド
- 声 - 乃村健次
- 書籍2巻において、大飢饉から生き残るために周囲の豚頭族を率いて武力蜂起し、養父と慕うゲルミュッドにより名付けられて豚頭帝(オークロード)となる。20万もの大軍を率いて大鬼族の里などを滅ぼし、蜥蜴人族の王国において、蜥蜴人族と援軍として駆け付けたリムルたちと対峙する[711]。戦いの中、ゲルミュッドの願いを叶えるために彼自身を喰い、彼の狙い通り魔王種へ進化する[539]。最期はリムルの「捕食者」に喰われて敗北し、リムルが自分の罪まで背負ってくれることに安堵しながら消滅する[539]。
- 豚頭帝は数百年に一度、突発的に発生する特異個体であり、隔世遺伝する特殊な種族固有のユニークスキル「飢餓者(ウエルモノ)」により[712]、尽きることのない飢餓感と、喰った物をエネルギーに変換する力、そして喰らった魔物の能力をも配下の豚頭族に授ける能力を持つ。このため、周囲の魔物や有機物を喰らい尽くす厄災を引き起こす[713]。過去に出現した豚頭帝は、人間が捕食対象にならないため、全て人間に討伐されている[714]。
- 暴風大妖渦(カリュブディス)
- 古に大空を支配した伝説の精神生命体で、数百年サイクルで再生と死を繰り返し、顕現すると外見は全長50メートルを超える一つ目の竜となる[715]。魔王に匹敵する強さを持つが、自我が無く、本能のままに暴れ回る災厄級の魔物。勇者によってジュラの大森林に封印されていたが、書籍3巻において、中庸道化連の暗躍によりフォビオと融合してヴェルドラの魔素溜まりを利用して復活する。魔国連邦とドワルゴン国の天翔騎士団による総力戦でも倒しきれなかったが、参戦したミリムにより素体となったフォビオだけを残して消滅する。書籍6巻では、ヤムザと融合して再復活を遂げようとしたが、完全体になる前にベニマルの黒炎獄により焼滅する。
- 空泳巨大鮫(メガロドン)を召喚して群をなして高高度を飛行するため接近が困難であり、魔素を乱す能力により魔法攻撃も通用しないため、地上からの討伐は困難である[716]。攻撃手段として目から放つ怪光線や、数万以上の楯鱗を砲弾として発射する広範囲殲滅攻撃を持つ[715]。ミリムによる討伐後、多数の楯鱗は防具の素材として活用され、フォビオに融合していた魔核はリムルによって分離され、カリスの核として利用される。
- 荒木 白夜(ビャクヤ・アラキ)
- 種族:人間
- 400年ほど昔、ジュラの大森林にあった大鬼族の集落に現れた“異世界人”の鎧武者の集団の一人[717]。闘気によって魔を祓う至高の剣技である“朧心命流”開祖の兄。
- 異世界へと転移して遭難しかけた所を大鬼族達に救われ、その恩返しとして“朧流”[注 30]の戦闘技術を伝授した。 そして、大鬼族の女性との間に女児をもうけ、さらにその娘が産んだのが後のハクロウである[718]。自然のままに生きることを良しとした変わり者で、“仙人”に至る事なく300年ほど前に死去[719]。その後は記憶の殆どを失い、原初の黄の眷属の悪魔族に転生、それから300年後にリムルから「アゲーラ」という名を授かる。
- ブランシェ・ナム・シルベリア[720]
- 種族:人間
- ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国の属国である小国、シルベリア王国の第一王女。シルベリア王国の初代女王と原初の白(ブラン)の交わした契約により、代々ブランの器となる肉体を十数世紀に亘って調整を繰り返しており、ブランシェはブランの肉体にふさわしい器として誕生した。そのため彼女の外見はブランと酷似している。王国でも誰よりも高い魔力を持ち、他人には視えないモノまで見える王家特有の特殊体質。性格は奥手で人見知りが激しく、本を読むのが好き。
- 15歳のころにはブランの助力により、王宮の外では天才と称されるようになり、帝国の大貴族であるガリアス公爵家のジーニアスに見初められたことで、政略的にも次の女王と目されるようになった。しかし、ジーニアスの真の狙いはブランの復活を阻止するため自分をシルベリア王国から引き離すことであり、ジーニアスに懐柔された国民たちと彼女の排斥を狙うアーミラと父のバーンズ侯爵一派たちによって16歳の誕生日にジーニアスの愛妾として国から追い出される事態となってしまう。自分が女王として必要とされていると信じていたブランシェは突然の裏切りに耐えられず、ブランとの契約の履行を認めてしまい、彼女に肉体を渡して魂だけがブランの手に残されてしまう。初めての友人の末路に悲しみ、そして友人を絶望に追いやった者たちに対する怒りからブランがブランシェの肉体に受肉したことで、帝国でも忌むべき事件とされる「紅に染まる湖畔事変」と呼ばれる惨劇が起きた。
- オルトス
- 声 - 興津和幸
- 種族:悪魔族 / 上位魔将
- アニメ1期24話に登場するフィルトウッド王国で英雄とされる国家騎士を名乗る魔族。
魔王の一覧
八星魔王(オクタグラム)
名前 | 二つ名 | 読み | |||
1. | ギィ・クリムゾン | - | 暗黒皇帝 | - | ロード・オブ・ダークネス[721] |
2. | ミリム・ナーヴァ | - | 破壊の暴君 | - | デストロイ[722] |
3. | ラミリス | - | 迷宮妖精 | - | ラビリンス[722] |
4. | ダグリュール | - | 大地の怒り | - | アースクエイク[722] |
5. | ルミナス・バレンタイン | - | 夜魔の女王 | - | クイーン・オブ・ナイトメア[722] |
6. | ディーノ | - | 眠る支配者 | - | スリーピング・ルーラー[722] |
7. | レオン・クロムウェル | - | 白金の剣王[723] | - | プラチナムセイバー[724] |
8. | リムル=テンペスト | - | 新星 ⇨ 聖魔混成皇 | - | ニュービー[722] ⇨ カオスクリエイト |
物語開始時点では、“十大魔王”として10名の覚醒魔王や魔王種が君臨していた。だが、覚醒進化したリムルが「魔王達の宴」の場でクレイマンを殺害して魔王の位に就き、その際に魔王種のカリオンとフレイが退位、ルミナスが影武者をしていたロイと交代した事で現行の8名となる。元々十大魔王という名称は、魔王達が会議を重ねても名前を決められずにいる間に人間達が便宜的に決めたものをそのまま使っていただけだった。現在の8名になった時に原因を作ったリムルに命名権が委ねられ、満場一致で“八星魔王(オクタグラム)”の呼称が定められた。
- ギィ・クリムゾン
- 「#白氷宮」を参照
- ミリム・ナーヴァ
- 「#忘れられた竜の都」を参照
- ラミリス
- 「#迷宮(ラビリンス)」を参照
- ダグリュール[271]
- 種族:巨人族(ジャイアント)
- 大きな体を持つ巨人族で、第2世代の古き魔王の一人。“不毛の大地”と呼ばれる荒野を挟んでルベリオスと接する大陸最西部を支配領域としており、領土的野心を持っている。
- 聖なる属性を身に纏うため魔王種は有していない[588]が、“竜種”と互角の異常に膨大な魔素量を誇る[725]。戦闘力も高く、ヴェルドラと何度も戦っているが未だに決着がついていない。戦闘力だけではなく冷静な判断力を持ち、物静かな人格者でもある。
- 暴走したミリムがギィと戦った際の被害を食い止める為に尽力したが、大地への影響を阻止できず支配地は不毛の大地へと変わり果ててしまう[726]。現代まで大破壊の後始末に追われ、砂漠化の進行速度を遅らせているが、その作業が忙しく人類の管理までは手が回らない[333]。
- 後に騒動を起こした3人の息子ダグラ、リューラ、デブラを修行のため首都リムルへと向かわせた[42]。
- ルミナス・バレンタイン
- 「#神聖法皇国ルベリオス」を参照
- ディーノ[271]
- 「#始原の七天使」を参照
- レオン・クロムウェル
- 「#黄金郷エルドラド」を参照
- リムル=テンペスト
- 「#ジュラ・テンペスト連邦国(魔国連邦)」を参照
元魔王
名前 | 二つ名 | 解説 | |||
カザリーム | - | 呪術王(カースロード) | - | #中庸道化連参照 | |
クレイマン | - | 人形傀儡師(マリオネットマスター[518]、パペットマスター[33]) | - | #傀儡国ジスターヴ参照 | |
フレイ | - | 天空女王(スカイ・クイーン)[370] | - | #天翼国フルブロジア参照 | |
カリオン | - | 獅子王(ビースト・マスター) | - | #獣王国ユーラザニア参照 | |
ロイ・ヴァレンタイン | - | 鮮血の覇王(ブラッディーロード) | - | #神聖法皇国ルベリオス参照 |
竜種
竜種は世界に4体しか確認されていない世界最上位、最強種で不老不滅の存在[330][727][728]。不死ではないが、一度死ぬとどこかで別の人格を持った竜となり、蘇る[729]。破壊されれば悪魔でも消滅を避けられない“心核”を壊されたとしても復活可能という理不尽なまでの不死性から、自然現象にも例えられる。最強の意思の力で単なる攻撃でも究極能力を打破出来る[730]。竜の姿の肉体も仮の姿であり、実態は精神生命体であり[731][727]、精霊の上位種で聖属性と魔属性の両方を併せ持つ聖魔霊の最上位に位置する存在[732]。人の姿と竜形態(ドラゴンモード)を持ち、どちらも攻撃力自体はまったく同じだが、エネルギー効率と継戦能力なら人の姿、攻撃範囲と防御力なら巨体の竜形態が圧倒的に優れており、どちらかと言えば竜形態の方が強い[733]。自由組合の評価では、4体とも特S級の天災級(カタストロフ)と分類される。
因みに竜族(ドラゴン)は“星王竜”ヴェルダナーヴァの劣化した因子を持って生まれた魔物で、“竜種”に姿は似ているが肉体を持つ物質生命体であり、本質は恐竜に近い。精霊竜が死んで竜の因子がばら撒かれたことで、下位龍族が魔素溜まりから生まれるようになった。地、水、火、風の竜王(ドラゴンロード)を頂点とし、火炎竜、氷雪竜、烈風竜、地砕竜の属性竜へと樹形図が描かれる。属性竜の強さに相性は関係なく、戦闘経験が重要になる。巣作りする習性があり、縄張りを自分好みの環境へ作り変えることができる[734]。
- ヴェルダナーヴァ
- 種族:竜種
- 世界最上位、最強種である“竜種”の長兄[727]にして、魔王ミリムの父。この世界の創造主たる最初の“竜種”であり[727]、“星王竜”の異名を持つ[330]。
- 元々は完全無欠の“全なる一”であり、生まれた時には自身の意思しか存在しなかったが、そんな世界はつまらないと自ら“全知全能”を捨てる[735]。数多の別次元世界(アナザーワールド)[736]を生み出し、自身の作業を手伝う天使族、大地の化身たる巨人族の狂王、星の管理者として妖精族の女王、地上に文明を築き繁栄させる為の吸血鬼族の神祖、そして、申し分のない繁殖力と、環境適応能力、個性豊かな自我と好奇心を備えた人類、といった数多の種族と世界を支える意思ある存在を生み出した[737]。夢想主義者(ロマンチスト)だが完璧主義者でもあり、理想は理想として、実現不可能なものは割り切って考える冷静さを併せ持つ[738]。
- その後、弟子の妹であるルシアと結婚してミリムを儲けるが、これによって殆ど人間と変わらない状態まで弱体化して”寿命“に縛られる存在になり、残された力をミリムのペット兼護衛である精霊竜へと転生させ、ドラゴンなどの「竜族」の始祖となる[330]。本人はルシアと一緒に逝けると喜んでいたが、娘が生まれてまもなく敵国がナスカ王国内で起こしたテロに巻き込まれて妻と共に命を落とした[739]。竜種は完全には滅びない存在のため、ヴェルダナーヴァもいずれ復活すると考えられているが[330]、今のところはその兆候は確認されていない[728]。
- 支配に特化した天使系究極能力「正義之王(ミカエル)」の元の所持者であったが、その力を嫌ってルドラの究極能力「誓約之王(ウリエル)」と交換していた。
- ヴェルザード[593]
- 種族:竜種
- ギィの居城に住む竜種で、“白氷竜”、“氷の女帝”などの異名を持つ。ヴェルドラ、ヴェルグリンドの姉[740][741]。ギィ・クリムゾンの相棒。竜形態は深海色の瞳の美しい白い竜[742]。人間態の顔立ちは姪のミリムに似て、艶のある白い髪と深い青の瞳を持つ[743]。
- 兄に認められたギィに嫉妬して戦いを挑み、戦いの中で自力で究極能力を進化させた彼と引き分けた事で兄が気に入った理由を悟り、自らもまた彼を気に入って共に歩む事を決めた。
- “運動エネルギーの停止”に特化した力の性質を持ち、完璧なまでに魔力放出を抑えることができ、絶対的停止“凍れる世界(エターナルワールド)”の鉄壁の防御はヴェルドラの能力の一切が通じない[744]。
- ヴェルドラが暴れるたびにあきらかにやりすぎな規模で叩きのめしていたので、彼からは強い苦手意識を抱かれていたが、その暴力に悪意は一切なく、リムルに指摘されるまで避けられている事を認識していなかった[745]。
- 兄から天使系究極能力「忍耐之王(ガブリエル)」を与えられている[746]。
- ヴェルグリンド[741][645]
- 種族:竜種
- “灼熱竜”の異名を持つ。ヴェルドラの姉、ヴェルザードの妹。東の帝国にて代々総帥に指名されてきた皇帝ルドラの側近。巨大な深紅の竜形態と、蒼髪を特徴的なシニョンにした美女の姿を持つ。ルドラを愛し[747]、帝国で“元帥”を務めると共に、“燃え盛る神山”に住まう守護竜として祀られるが、一般には両者が同一人物だとは知られていない[748]。ルドラの為であればどんな事でもするが、政治等には無関心。実は金銭以外の賄賂に弱いという一面がある[749]。
- 司る属性は火。力の性質は熱に由来する「加速」で、エネルギーを自在に操作し“支援”を本質とする天使系究極能力「救恤之王(ラグエル)」を持ち[750]、直撃すれば相手を強制的に加速し情報すらエネルギーに換算して熱崩壊させる最強奥義「灼熱竜覇加速励起(カーディナルアクセラレーション)」[751]、熱量を極大に増幅し数万度という灼熱の溶岩の牢獄に閉じ込める「灼熱の抱擁(バーニングエンブレイス)」[752]などの技を持つ。
- 完全に意識を分割した「別身体」によって複数の作戦を同時進行し、ユウキによるクーデターを鎮圧、悪魔3人娘を打倒し、魔獣軍団を輸送、リムルたちの拘束を成功させる。ルドラ、近藤と協力しヴェルドラを精神支配したが、これによってリムルの怒りを買い、シエルの演算能力の前に敗北し「虚数空間」に捕らえられる。その際、ミカエルの支配下にあることが判明した為、シエルの「能力改変」により、「救恤之王」と譲渡された「誓約之王」を統合した究極能力「火神之王(クトゥグァ)」を獲得して支配から脱し、世界中に散ったルドラの“魂”を探知できるようになる[88]。
- フェルドウェイに送り込まれた異空間へ「時空跳躍」してルドラの魂の欠片と共にあった「別身体」と合流。それからはいくつもの世界と時代を超えてルドラの“魂”の欠片を宿した転生者達を探す長い旅を経験し、旅の果てにある世界で遂に発見したマサユキに欠片が融合して異世界に転移した事を確認し、自らも彼を追いかけて再び世界を渡り、フェルドウェイらによる襲撃の最中の迷宮に跳躍してマサユキを狙うコルヌを滅ぼした。そして、マサユキをルドラの“魂”を持つ者だと認定し、帝国の皇帝に即位させる。
- リムルと出会いその考えに触れた事で、自分が去った時に残されるルドラが愛した民達と血脈が何も出来なくならないように配慮して、彼らの成長の余地を見極める為に自分では動かないなど、大きな視点で物事を見られるように考えが変化している[753]。
- ヴェルドラ=テンペスト[754][755]
- 声 - 前野智昭[WEB 7]
- 種族:竜種
- “暴風竜”の異名を持つ“竜種”の末弟。リムルが最初にこの世界に出現したジュラの大森林の洞窟内で最初に言葉を交わした魔物[10]であり、その際は300年前に戦った勇者クロノア[注 31]によって「無限牢獄」に封印されていた[10][731]。
- 封印前は世界中を飛び回って大暴れしており、社会的には「邪竜」と恐れられている。ギィやヴェルザードに殺害されては復活を繰り返しており、姉2人に対しては強い苦手意識を持ち、頭が上がらない。2000年ほど前にはルミナスの都・夜薔薇宮を破壊しており[注 32]、ルミナスからは「クソトカゲ」と罵られることもしばしば。あと100年ほどで封印されたまま消滅するはずだったが、リムルに名付けを行ってリムルと苗字を交わしてこの世界で最初のリムルの友達となる[10]。消滅を避ける為にリムルの「胃袋」に「無限牢獄」ごと収納され、約2年後に覚醒魔王になったリムルが「智慧之王」を獲た事で復活を遂げる。しばらくはリムルの家で半ばニート化していたが、後に迷宮の最奥でラスボスを任されると共に、本来の竜の姿で魔素を発散し続けても地上まで影響を及ぼさない居室を作ったことで気軽に過ごせるようになり[42]、カリスを助手として迷宮内の研究所でそれなりに忙しく働いている。リムルの中で得た漫画の知識を参考にして魔素の抑制が可能となるが、ときどき魔素を発散開放しないと暴発してしまう危険性があり、実際迷宮で全力発散させた際には爆風で迷宮が歪みラミリスが身の危険を感じたほど[42]。
- 竜形態では威厳のある巨大な漆黒のドラゴンの姿であり[注 33]、リムルの「強化分身」を依代として復活した際は、金髪かつ褐色肌でがっしりとした体格の青年という姿になっている[74][757]。性格は単純で調子に乗りやすく、思ったことをそのまま口にしてしまうためトラブルに発展することが多く[740]、また非常に好奇心が旺盛[740]で物知り。リムルからは人間好きで寂しがりな所があると認識されており[10]、煽てに弱いので、内心では「チョロゴンさん」と呼ばれている。
- 風・水・空間の3属性を支配し[758]、現存する“竜種”の中では最大の魔素量を誇る[759]。暴風系魔法“死を呼ぶ風”・“黒き稲妻”・“破滅の嵐”[760]、及び究極能力の効果を上乗せした“黒き破滅の嵐(ルインテンペスト)”[761]を操る。復活後は、リムルの究極能力「暴風之王」の「暴風竜復元」により、彼が無事である限り完全な不死性も獲得し[762]、「ヴェルドラ流闘殺法」なる漫画知識由来の戦闘術や、口から放った「雷嵐咆哮(サンダーストーム)」で空間に干渉する奥義「収束暴風攻撃(ストームブラスト)」を開発している[763]。対象の情報を知るユニークスキル「究明者(シリタガリ)」を持ち[740]、復活後にリムルの覚醒進化に伴い解析系の究極能力「究明之王(ファウスト)」を獲得。帝国との戦争の際、近藤の“神滅弾”に撃たれてルドラに強制支配されるが、駆けつけたリムルにより再度「捕食」されて支配から脱する。この時に、シエルが「能力改変」を行い、「究明之王」は究極能力「混沌之王(ナイアルラトホテップ)」へと進化する[764]。
- 漫画版の巻末おまけ小説「ヴェルドラのスライム観察日記」では、その巻におけるヴェルドラ視点の感想を知ることができる。リムルの異空間に身を置いているがその魔力を駆使して多少感覚にアクセスできるようになっており、見聞きした情報を共有している(リムルは知らない)。「究明者」を持つ彼でさえ知らなかった自律型スキル「大賢者」によるサポートをリムルが意識的に行っていると思い込んでおり、若干過大評価中。リムルの常識を超えた行いの数々を観察することで、感心したりかつての行いを反省したりしている。また、暇つぶし相手として取り込まれたイフリートを自身のいる亜空間に誘い込んでおり、一緒にリムルの言動を観察したり、記憶の中にある書物(漫画などのサブカルや参考書など)や将棋といったゲームを嗜んでいる[765]。
設定・用語
本作品では、ヴェルダナーヴァが文明レベルや法則の異なる多種多様な別次元世界を生み出したという設定がなされている。
リムルが活躍する世界は”基軸世界”とも称される物質世界であり、魔素が満ち、魔物、魔法が存在する。”基軸世界”に加えて精霊、悪魔、天使といった精神生命体が住む”精神世界”[766][767]に加えて、精神生命体が顕現出来る”混沌世界”、”半精神世界”[766][767]や侵略種族(アグレッサー)が住む”冥界”という名の世界が設定されている[768]。また、同一世界は1つであり、並列世界(パラレルワールド)は存在せず、同一時間軸において同じ存在の重複は不可能という設定がある[736]。
”基軸世界”の文明・技術レベルの設定は、中世ヨーロッパレベルでオーバーテクノロジーとして「精霊工学」等が存在するとされる[767]。経済社会の設定は、大都会では主に貨幣経済であるが、農村部では物々交換が主流とされ、貨幣経済において格差社会であるとされる。人間と魔物とは敵対的な関係であり、魔王も同様だが相互不干渉という関係とされる。金の使い道が制限されており、常に生命の危険があるため、娯楽や文化は発展していない。謎の存在である“世界の声”がスキルの獲得や種族の進化を告げる設定がなされている[767]。
国家、地名
- ジュラの大森林[769]
- 主人公リムルが転生した地域。300年前にヴェルドラが封印され、人間、魔王、魔物の緩衝地帯であったため、ヴェルドラの封印が解けないように不可侵条約が結ばれていた[770]。ジュラの大森林は作品世界の地理的な中心に位置しており[769]、ジュラの大森林を挟んだ東西の諸国は東側諸国、西側諸国と呼称され、ジュラの大森林よりも北の大陸、南西の大陸にも魔王の支配地域がある。
- ジュラ・テンペスト連邦国[771][772]
- 魔国連邦(テンペスト)とも称される。リムルを盟主としてジュラの森に住む魔物の集落が連携・同盟した大同盟国家[771]。物語開始当初、支配領域は森の3割程度であったが[773]、リムルの魔王就任によりジュラの大森林全域が支配下に置かれる。
- 人間と魔物の友好を志向しており[769]、西方諸国評議会にも加盟し安全保障を結び、武装国家ドワルゴン、ブルムンド王国、ミリム支配領域、ファルメナス王国、魔導王朝サリオンといった国々が手を取り合い、人間と魔物が共存共栄するという人魔共栄圏構想における中心地となる[774]。
- 統治体制は、連邦国家の名に反して国家大権をリムル個人が有する事実上の独裁国家であるが、将来を見据えて三権分立を進めている。建国最初期はヒポクテ草による回復薬を主力商品とし、その後酒類など発酵食品の生産を開始し[775]、シオンの「料理人」による結果改竄の力を利用した作物の品種改良[776]を進め、食文化はリムルの前世の世界と同レベルまで発展する。また、衣服や工芸品等の水準も高く、これらの生産物や文化を国家間交流に活かしている。
- 常備軍は、約5万2000名の規模であり、総帥権は王であるリムルにあるが、指揮権はベニマルが持つ[777]。3つの常備軍団と個人に属する小規模な軍団があり、規模は大きくはないが質が高い。山岳地帯から産出されるる鉄鉱石をヴェルドラが放出する魔素にさらして自然に“魔鋼”を大量生産できるために武装の質も高い。書籍14巻では幹部12名が覚醒魔王に相当するまでに進化しており、彼らには聖魔十二守護王の称号が与えられている[778]。
- 中央都市リムル[779]
- 魔国連邦の首都。元々はリグルドたちが暮らしていた小規模な集落が発展した都市。門と中央広場を繋ぐ十字の道筋を基幹として、中央部に行政府としての執務館があるほか、居住区画、農地、中央広場、幹部用住居区画、迎賓館、工業区画、倉庫街、公共施設区画などに区分けされている。ラミリスの移住により、有事の際は街全体を迷宮101階に転移させることが可能となる。
- 迷宮(ラビリンス)
- ラミリスが作り出した全100階層の地下迷宮。迷宮内部では不死となるため、この特徴を活かした冒険アトラクションの施設として運営されると共に、テンペストの技術開発や魔素を利用した資源の生産拠点となる。また、生命体情報の数値化及びデータベース構築という隠された役割もある[780]。
- 迷宮内部は10の倍数階層を階層守護者が守り[781]、50階層より下には迷宮の守護者である迷宮十傑が控える。91階層は鉄鉱石の保管倉庫、92階層は魔鋼の製造工場、93階層は花畑、94階層は蜂蜜加工場であり、これらは外部から隔離されている[782]。95階層は迷宮都市(ラビリンス)と呼ばれる街があり、エルフや樹人族などが移住し、ダンジョンの休憩所や研究施設、ヒポクテ草の栽培地などが存在する[42]。
- 武装国家ドワルゴン[783][784]
- 1000年の歴史を持つドワーフの王国。人口はドワーフだけで5000万人、他種族を含めると1億人。ジュラの大森林の北部に位置する自然の大洞窟内に築かれた国家。書籍3巻で魔国連邦をいち早く国家として認め、相互不可侵条約、街道の舗設、相互技術提供を図る[785]。
- 中立国家であり、自由貿易や異種族間交易が盛ん[786]。技術水準が高く、「精霊工学」の研究が盛ん[787]。ドワーフ王国で加工された貨幣が世界共通の貨幣として流通する[788]。
- 忘れられた竜の都[789][790]
- ミリムが支配する領地。総人口は10万人に満たない。ジュラの大森林の南側に位置し、西はユーラザニア、東はジスターヴと国境を接する。
- 首都にミリムの住む神殿があるものの、政治機能が存在しない。正規な常備軍はないが、神殿守護のための神官騎士団が存在する。住民は人化したドラゴンが人として交わった者の末裔であり[791]、住民が生産した富は中央神殿に集約され、神官らが住民に富を再配分する体制で治められている。ミリムを崇拝するあまり、挑戦することを忌避する民族性があり、食事は素材のままで頂く事が最高のご馳走だという思想がある。
- 獣王国ユーラザニア[372][792]
- カリオンが支配する獣人族(ライカンスロープ)中心の国家。総人口は3億人。ジュラの大森林の南側に位置し、西はフルブロジア、東は忘れられた竜の都と国境を接する。
- 弱者は立ち入る事のできない修羅の国で、農業が盛ん[793]。一夫多妻が一般的である[794]。書籍5巻でミリムにより首都が壊滅し[795]、カリオンがミリムの配下となったので、ミリム領に併合される[796]。魔国連邦とは書籍4巻で国交を樹立し、書籍6巻で戦禍復興支援をリムルが申し出たことから、永世友好国となる[797]。
- 天翼国フルブロジア[372][798]
- 魔王フレイが支配していた有翼族(ハーピィ)中心の国家。総人口は100万人未満。ジュラの大森林の南側に聳えるクシャ山脈を挟んだ場所に位置し、西は海に接し、東はユーラザニアと国境を接する。首都は山脈の中心部をくり抜いて造られた積層型都市。
- 翼ある者を上位とする社会であり、自力で空を飛べない者は強力な上位魔人でも厚遇されない[799]。希少金属や宝石類が採掘される。有翼族はほぼ女性しかいないので一妻多夫が基本。フレイの側近として、希少な戦士型の有翼族で構成された“天翔衆”が存在する[800]。書籍6巻でフレイが魔王の座を辞してミリムの臣下となったため、ミリム領に併合される[796]。
- 傀儡国ジスターヴ[801][792]
- 元々は魔王カザリームの支配地で、クレイマンが統治を引き継いだ黒妖耳長族(ダークエルフ)などの魔物種族が中心の国家。総人口は1億人。ジュラの大森林、忘れられた竜の都、東の帝国と国境を接する。
- 国民のほとんどが奴隷階級で、墓守を自認する。首都のアムリタは、ミリムが滅ぼした超魔導大国のソーマを模してカザリームが築いた古代遺跡でもあり、魔法技術を駆使した呪術や魔人形(ゴーレム)による防衛機構を備える[802]。自由な行商を許可しており、貨幣経済が成立している[803]。東の帝国との間に険しい山々が聳えるため東の帝国との緩衝地帯となっているが、帝国と往来は可能である[804]。書籍6巻でクレイマンが消滅した後は、ミリムとリムルのの共同管理となる[注 34]
- ブルムンド王国[806][807]
- ジュラの大森林の西側で接する小国で、西方諸国評議会の加盟国。人口は100万人程で自由民が50万人。貴族は1%しかおらず、小さな村々の領主(地方監理者)でしかない[808]。
- 街と言えるのは王都くらいであり、その町並みは中世ヨーロッパのように古風[809]。辺境にある国らしく、街中でも武装している者が目立つ[809]。テンペストに最も近い人間の国で、ドワルゴンに続いて魔国連邦との友好条約を締結する[806]。情報を売り物にしている情報国家だったが、リムルの人魔共栄圏において、各国を繋ぐ魔導列車の中継地点の設置され、物流の集積地としての役割を担う予定となる[810]。これを見越して国民は一丸となって世界情勢の調査や経済学を学び、国策として土地の国有化、貴族の名誉職化などが進められる[811]。
- ファルムス王国(ファルメナス王国)[812][807]
- 西方諸国の大国で、人口は国民3000万に自由民1000万の計4000万人[812]。ジュラの大森林、ブルムント、ドワルゴンと国境を接する。
- 専制君主制の封建国家で軍事強国でもあり、独自の召喚儀式を行い大量の異世界人を抱え込む。西方諸国とドワルゴンを結ぶ交易路の玄関口に位置し、観光と貿易が盛んであり、輸入品の税収で栄えているが、貿易以外の産業の水準は低く、民にはその富は再配分されない[813][814]。 魔国連邦を経由したドワルゴンとの新たな交易路に危惧を抱き、書籍5巻で魔国連邦に侵略戦争を仕掛けるが完全に敗北する。国王は退位して、庶民出身のヨウムが新王となり国名をファルメナス王国へと改め[805]、農作物の生産国への転換を目指す[815]。
- イングラシア王国[816][817]
- 大陸のほぼ中央に位置する西方諸国でも有数の大国。人口は国民と自由民が2000万ずつの計4000万人。ジュラの大森林に接していないので、魔物の被害を受け難い安定した国家。
- 西側諸国の交易路の要所であり、自由組合の本部、西方聖教会の実務拠点などがある。首都は大都市であり、中心部の大きな湖の中央には白亜の城が聳え、城を中心にして放射状に町並みが広がる。通常の軍や騎士の他に、王直属の秘密部隊に魔物の因子を取り込んだ魔法審問官が存在する[818]。
- 神聖法皇国ルベリオス[819][820]
- 2000年程前に建国された大陸西部に位置する宗教国家。およそ2000万人の国民が唯一神ルミナスを信奉するルミナス教徒である。
- 下等な吸血鬼族の生存に不可欠な生気を得るために、仕方なくルミナスが人間と吸血鬼の共存共栄を図るために建国した国家であり、国と西方聖教会の支配階級をルミナスと吸血鬼が支配して偽りの魔王の脅威を演出し、人間に幸福な生活を保証する代償に、人間から生気を得るために献血を求める体制が維持される[821]。西方聖教会の主要施設の地下には吸血鬼族が住む真の皇都夜想宮庭(ナイトガーデン)が広がり、皇国貴族により自然界のルールを見出し物理法則を定める「物理工学」の研究が行われている[822]。書籍7巻で「魔物の生存を認めない」というルミナス教の教義が撤廃され、魔国連邦を正式に国家として認め、100年の国交を結ぶ[823]。
- シルトロッゾ王国[824][825]
- ファルムス王国とイングラシア王国に接し、北海に面する人口200万人の小国。
- グランベル・ロッゾを頂点とするロッゾ一族が支配し、グランベルが創始した西方諸国評議会を通じて、五大老と共に西側諸国に強い影響力を有する。経済面からの人間社会の支配を目標としていたが[555]、グランベルとマリアベルの死により計画が潰え、ロッゾ一族の生き残りはドラン将王国へ落ち延びる[825]。
- 魔導王朝サリオン[826][827]
- 2000年程前に建国されたエルフ十三王家を従える古いエルフ王朝を主軸に置く王朝国家。人口は1億、自由民が2000万ほど。西方諸国と国境を接し、ジュラの大森林との間にはクシャ山脈が聳える。
- 神の末裔を自称する皇帝エルメシアが支配する列強国家として知られ、ドワルゴンと同様に西方諸国評議会に加盟していない。皇帝は軍部の最高指導者を務め、皇家は十三王家が支配する各国の調停を司り、十三王家から納められる税収で賄われる。国民は耳長族の血を引いており、魔法研究が盛んで元素魔法を極めた者による「魔導科学」が発展している[787]。信仰の自由があり、独特の宗教感が根付いており、西方聖教会の影響下にはない。
- ウルグレイシア共和国[828]
- サリオンと接し、大陸中央の南端に位置する人口1000万人未満、自由民100万ほどの小国。
- サリオンとの交易で成り立つ民主的な平和な国であり、西方聖教会の影響下になく、西方諸国評議会にも加盟していないため、西方諸国との直接的な繋がりが希薄。国内には大量の精霊が存在しており、国の最北部にラミリスが暮らす“精霊の棲家”への入り口が存在していた。
- ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国[540][829]
- ジュラの大森林の東方に位置する大陸北東の一帯を支配する帝政国家。臣民の人口が8億人、自由民も推定数千万人という巨大国家。
- 正式名称が長いため東の帝国と呼ばれている。政治の主権も軍事統帥権も統一皇帝ルドラ・ナム・ウル・ナスカが所有する最も古き国家の一つで、2000年をかけて大国となる。実力主義の特殊な形態を持つ巨大な軍を所有しており、その軍勢は100万程である。真の戦力として皇帝を守護する帝国皇帝近衛騎士団(インペリアルガーディアン)という100名からなる仙人級の実力者が存在し、伝説級(レジェンド)を装備する。特に序列上位のひとけた数字(ダブルオーナンバー)は全員が“聖人”であり、皇帝より究極付与「代行権限」を与えられ、限定的に究極能力を扱え、”元帥”と3人の“大将”には皇帝から最強の神話級(ゴッズ)武具が与えられている[830]。保護した転移者が持つ科学の知識を応用した兵器開発が盛ん[831]。
- 魔国連邦との戦争により全戦力の3分の2を失い、皇帝ルドラがミカエルに乗っ取られて消息不明になる。「ヴェルグリンドが認めた者が皇帝(ルドラ)になる」という皇室典範に鑑み、ルドラの“魂”を持つマサユキが新皇帝に即位する。
- 氷土の大陸[832][833]
- イングラシア王国の更に北方にある極寒の大陸[834]で、ギィの支配領域。数万年前までは超魔導帝国が存在していたが、敵国との戦争に利用しようと召喚したギィによって滅亡する。ギィとヴェルザードの3日3晩の戦いにより人の住めぬ凍土に変貌し、その影響でギィの居城である白氷宮は氷に覆われている[835]。
- 黄金郷エルドラド[836]
- 魔国連邦とは海を隔てた別大陸にある魔王レオン・クロムウェルが支配する国家。原初の黄(後のカレラ)が昔住んでいた。
- 不毛の砂漠
- 西側諸国の更に西に広がる砂漠地帯。魔王ダグリュールの支配領域に面している為、支配者がいない空白地帯となっている[837]。かつて長耳族の古代魔導王国があった場所で、当時の首都にして現在では世界最大級の遺跡となっている“ソーマ”が存在している。砂漠化の原因はミリムとギィの戦いであり、ダグリュールが砂漠化の進行を止めようとしている。
組織
- 西方諸国評議会(カウンシル・オブ・ウェスト)[769][838][839]
- ジュラの大森林より西方に存在する複数の国家群が寄り集まって形成された評議会。創始者はグランベル・ロッゾ。西側諸国内でさまざまな紛糾を調停する緩やかな国際機関であると同時に、東の帝国に西側諸国が対抗するための連合国家の側面も持つ。テンペスト建国以前に西側諸国の中心として機能していたイングラシア王国に設置されている。評議会に参加していない小国、帝国もある。
- 中立公平を謳っているが、国力の大きいファルムス王国やイングラシア王国の発言力が優遇され、グランベルを頂点とする“五大老”の息がかかった者が多くの議席を有して利権に関わる問題に干渉していた[824]。ロッゾ一族と五大老の失脚後は、テスタロッサ達の活躍により魔国連邦が一番発言力のある国家となった。
- 自由組合[838][839]
- 元々存在していた冒険者互助組合が、神楽坂優樹の手により改変され各国首脳との交渉権や相互互助規定を確立した民間国際組織。本部はイングラシア王国に存在する。、評議会は出資する見返りとして様々な仕事を依頼する関係。
- 自由組合員は所属国家を自由に変更出来るほか、組合と提携した国家においては身分が証明されるので行き来も自由である[840][841]。主な活動形態は所属冒険者(組合員)によって行われるアイテム類の採取、現地の調査、魔物の討伐の3つに大別される[841]。また、組合員養成施設としての側面を持つ学校「自由学園」も存在し、引退した冒険者などが教師をしている。国家協定に基づき動員令を受けると所属組合員の一定人数が国家の指揮下に入る傭兵集団の側面も持っている。
- 書籍11巻以降、総帥と副総帥が東の帝国へ出奔したため混乱している[839]。また、東の帝国にも類似の組織として、専門職を派遣する「請負連合会(コントラクター)」がある[842]。
- 中庸道化連[843]
- 何でも屋を自称する道化の格好をした魔人の集団。仲間と依頼主を裏切らない事を絶対のルールに掲げている[76]。元々は魔王カザリームと、その配下である妖死族で構成された集団であったが、200年前に魔王レオンによりカザリームが殺害され、さらに10年程前にカザリームの復活を条件に神楽坂優樹の傘下に入る。世界征服を最終目標に、不可解な戦力として世界で暗躍している。
- 西方聖教会[844]
- ルミナス教を布教する目的で組織された宗教団体。形式上ルベリオス国とは独立した組織であり、実務はイングラシア王国が拠点であるが、本部はルベリオス国内に存在する。元々は武力を持たず神の教えを広めるだけだったが、布教する者達の安全を守るため、法皇庁が各国に要請し、中央の聖教会神殿から各国に派遣される騎士団が結成され、その数は数万を超える。この中の特に優れた者が聖騎士団(クルセイダーズ) に所属を許され、聖騎士(ホーリーナイト)と称される[845]。聖騎士団長ヒナタの手で、西側諸国に点在している教会に騎士を派遣し、“弱者を守る正義の味方”として効率的な組織活動を行う精強な組織に変わっている[548]。
- 三巨頭(ケルベロス)
- 東の裏社会を支配する巨大な秘密結社[846]。東の帝国の裏社会を支配していた「闇の母(エキドナ)」をユウキが潰して出来た組織[847]。ユウキを総帥とし、男の欲望を象徴する“金”、“女”、“力”を冠する3人の頭領が三巨頭と呼ばれる。
種族
人間以外の種族は全て、人間側の視点から便宜上の区別がされており、人間と友好的で人類の一員と見なされているドワーフや耳長族(エルフ)などの人間と交配している人間に近しい種族を亜人(デミヒューマン)、それ以外の人類に敵対する動物以外の種族の総称が魔物(モンスター)とされる[848][10]。また、魔物のうち、知性が高く生殖能力のある種族を魔族と呼び、その中でも強大な力を持つ魔物を魔人と呼ぶ[848][10]。
魔物は人間に対する危険度の大きさで自由組合によりランク付けされる[849]。ランク内での強弱をプラス、マイナス記号を付記しB-、C+のように表記される[850]。動物と魔物の区分けは難しいが、明確な違いとして魔物は動物より遥かに強く、動物が魔素を浴びて変質した魔獣は動物と同じく肉や木の実を食事にし、一方で食事が魔素メインなのは妖獣と区分される[851]。
魔族(魔人)は成長の果てに魔王種へと進化し[852]、3人以上の魔王に承認されれば称号として魔王を名乗ることができる[853]。そして、一定の条件を満たし、1万の魂を得たものは真なる魔王(覚醒魔王)へ進化して最上位の強さを得る[5][854]。また、魔王への覚醒進化に成功すると、魂の系譜にある配下の魔物に収穫祭(ハーヴェストフェスティバル)の祝福が分配され、配下の者も進化したり新たな能力を得る。
人間は過酷な修練の果てに半精神生命体の仙人(せんじん)へと進化し、さらに進化を果たすと覚醒魔王に匹敵するとされる聖人へと至る[661]。人間は魔物と違って進化しても身体がすぐには適応できず、長い年月をかけて馴染ませる必要があるが[855]、完全な聖人に至れば肉体に囚われない精神生命体と等しくなり、睡眠や呼吸も不要となる[430]。
能力、技術
- 能力(スキル)[856]
- 何らかの成長を世界が認めた時に獲得することがある能力。獲得の契機は進化や、強い意志によるものなど様々。その他に種族特性として先天的に獲得している能力もある。また、複数のスキルを獲得した場合に統合されて新たなスキルに成長する場合もある。
- スキルの種類としては大まかに、共通能力(コモンスキル)、特別能力(エクストラスキル)、特殊能力(ユニークスキル)、究極能力(アルティメットスキル)の4つに分類される。エクストラスキルは、コモンスキルより威力も性能も段違い[857]。ユニークスキルは、これらよりさらに強力で、自らの感情や願望が形となり望むまま固有の権能を与える。魂に根付く場合が多いので、保有者はスキルによって魂が保護されており、魂に影響を与える権能の効果を緩和できる。究極能力は真なる魔王、聖人、勇者といった特別な域に至った極僅かな者だけが得る、天使や悪魔、神の名を冠したスキル。中でも人の根源的な欲求に由来する大罪系のスキルは特に強力とされる。ユニークスキルの限界を超えた先にあるのが究極能力なので、基本的に似通った究極能力はない[858]。究極能力には究極能力で対抗するしかなく、下位の能力は通用しないのが絶対的な法則となっている[859]。
- 技術(アーツ)[860]
- 個体が自らの努力と修練で獲得する後天的な技術で、武術や魔術などがこれに該当する。魔素を持たず、魔力に乏しい人間が力を得る際に習得する事が多いが、知性の高い上位の魔物も習得している場合がある。闘気を魔法力に変換して武器に纏わせるエクストラスキル「魔法闘気」などのように、アーツとスキルを複合させて使用することもできる[861]。
- 魔法[862]
- 設定資料集では、魔法は「何らかの効果を生じさせるイメージ」を、特定の法則によって具現化するもの、と解説されている。能力でありながら技術でもあるので、魂のエネルギーの代わりに大気中の魔素を利用する事で法則を操作できる[863]。魔素の薄い別次元世界では呪術や魔術が主流で使われる。
- 魔法は、元素魔法、精霊魔法、神聖魔法、召喚魔法の4つに大別でき、これを四大魔法という。この大別により、魔法を使う職業の名前も元素魔法系の使い手は法術師(ソーサラ)、精霊魔法系は呪術師(シャーマン)、召喚魔法系は召喚術師(サモナー)と区別され、2系統以上の魔法を習得した者は魔術師(マジシャン)、3系統以上の魔法を習得した者は魔導師(ウィザード)と呼ばれる。四大魔法の他にも、幻覚魔法、刻印魔法、死霊魔法、核撃魔法、精神魔法、暗黒魔法、竜種魔法などが存在している。魔法属性は地・水・火・風の自然属性と空間属性の空を合わせた五大属性と、光、闇、時の上位の三要素から成る[787][864]。五大属性は「地>空>風>水>火>地…」という相克関係になっていて、光と闇は背反し、時は何者にも囚われず全ての属性の上に君臨する[864]。
-
- 神聖魔法
- 通常では干渉できない霊子を効率的に運用する魔法[873]。奇跡を信じる信仰の力が習得の条件で、善悪は関係なく想いの強さが力に変わる[874]。その原理は“信仰と恩寵の秘奥”と呼ばれ、信仰対象となる神の名を媒体に力の一端を借り受ける事で術者が魔法を使用可能になる[875]。この場合の神とは霊子に干渉可能な存在を指し、神との契約が成立してさえいれば、大気中の魔素を集める必要もなく、自身の魔素量にも左右されず、十分な知識と詠唱時間だけで大魔法を行使可能[876]。祈りの言葉はイメージを伝えるのが目的で、演算処理は個々人に任されている。
- 信者が増えれば魔力が増大して“神”としての格が上がり、信者との繋がりで自分の演算領域を代用させるという裏技も可能になるので、膨大な信者がいれば大規模な魔法でも一瞬で行使出来るようになる[877]。神聖系最強の“霊子崩壊(ディスインテグレーション)”は、究極能力保有者にも通用する魔法のひとつである[868]。
- 召喚魔法
- 上位存在としての精神生命体や、使役する魔物を召喚し、行使する魔法。他の魔法を修めたうえで初めて習得可能な魔法であり、魔物の召喚なら元素魔法を習得し空間系の理を理解する必要が、精霊召喚の場合は精霊魔法の習得が必要[878]。術者の技量で大体の魔物の強さが決まり、自分の実力以上に強い魔物を召喚するには様々な条件が必要[879]。
- 幻覚魔法
- 妖術などを含み[880]、元素魔法に基づくものと、精霊魔法に基づくものがある[878]。
- 刻印魔法
- 魔法効果を付与する魔法。自分だけでなく他者の魔法も刻印可能。札や宝珠のようなアイテムに魔法を込めておくのが一般的で、一時的に武具に魔法効果を付与することも可能[878]。
用語
- 転生者、召喚者、異世界人[882]
- 「転生者」は転生前の記憶を引き継いで転生した者全てを指す。作中ではリムル、マリアベル、アゲーラ、ヴェノム、ガドラなどがこれに当たる。異種族への転生者の例はあるが、「前世の記憶を持ったまま元の世界から次元を渡り別種族に転生する例(別種族への転生者かつ異世界人)は非常に稀」とされており、リムルはこれに該当するが、世界の年齢とほとんど同年月を生きているヴェルドラですら聞いたことがない珍しい事例であることが説明されている[10]。ガドラは神秘奥義:輪廻転生で転生を繰り返しているものの失敗のリスクがあり、死霊として復活したアダルマンの実例が存在する。
- 「異世界人」については、現実世界と異世界の間に開いた裂け目やゲートなどに落ちたことで次元移動してしまった来訪者と、この世界から故意による召喚儀式で元の生活を強制的に奪い無理やり呼び出された召喚者をまとめて指す。どちらの場合でも自力で元世界へ帰還することは不可能となっている。界を渡る際に浴びる魔素の影響でユニークスキルなどの強力な能力を得る場合が多い。そのスキルの影響は当人の性格、人格などにも後天的に及ぶ。
- 「召喚者」は転生者とは別に、元の世界で自身が持っていた肉体を失うことなく召喚術によりこの世界へやって来た者を指す。主に魔物へ対抗するための兵器として喚ばれる場合が多く、召喚主に逆らえぬよう呪いを刻まれる場合も多い。世界を渡る際に肉体が一度滅び、大量のエネルギーを取り込んで半物質化する。必ず個々特有の“ユニークスキル”を持っているが、強い“魂”がなければ召喚に耐えられずエネルギーに飲み込まれて滅んでしまう。様々な条件を提示する場合は、30人以上の召喚術師で7日かけて儀式を行う上、成功例は1%未満と極端に少なく、33年から66年のインターバルが必要になる。条件を示さない不完全な召喚ならインターバルは短くなるが、成功率は低いままな上、成功しても子供が呼ばれてしまう事が多く、身の丈に合わない大量の魔素の為に5年ももたずに死亡する[883][884]。西側諸国では異世界人の召喚は禁忌とされているが、ファルムス王国やシルトロッゾ王国など秘密裏に召喚を行っている国家も存在する。
- 「来訪者」は召喚術によるものではなく、偶発的な要因により元の世界からこちらの世界へ迷い込んで来た者を指す。召喚者との区別は困難で、非合法な召喚者を保護した来訪者だと主張された場合、真偽を確かめる術はない。
- 勇者
- 人類の切り札となる存在。異世界において人類は圧倒的に強い魔物の勢力の脅威に常に晒されている為、対魔物への戦力として希望となる勇者が求められる。“勇者”はそう簡単には生まれないが、飛び抜けて強い“異世界人”を召喚する方が効率が良いと考えた各国では禁忌を犯して極秘裏に勇者召喚が行われており、これで呼ばれた者が“召喚者”である[885]。
- 勇者になりうる可能性を持つ者には“勇者の卵”が宿り、試練を超え卵が孵る事で真なる勇者として覚醒する。本来の“勇者”の資質とは光か闇の上位精霊を従える事[886]であり、全ての罪や咎を背負う覚悟を持たなければ精霊の試練に打ち克てない。ミリムによれば、「特別な存在で、勝手に名乗っていいものではない」との事[887]だが、何も考えず、精霊の怒りを買う事を恐れない馬鹿が名乗る事もあるという[885]。
- 勇者を名乗る者には因果が巡り[887]、対となる魔王との縁が必ず生じる。例として、勇者グランベルは、魔王ルミナスの配下になった後、再び離反するという複雑な縁をもつこととなった。また、本人が勇者であり魔王でもあるレオンは因果が自己完結している[853]。
- 魔素[888]
- この世界の魔法の根源となる物質で、主に高い魔力を持つ魔物の個体から放射されるほか、空気中に存在する魔素を用いて魔法として行使出来るような性質を持つ。魔素濃度の高い場所ではヒポクテ草(回復薬の原料)などが発生・栽培できるほか、「魔素溜まり」と呼ばれるポイントからは魔物が発生することもある。
- 魔物に限らず人間でも、種族または個人能力により耐えられる分量に限界点があり、限界を超えると死に至ると説明されている。一方で魔法行使の際のエネルギー源となることから、魔素が染み込んだ食品は魔力回復剤としての性格も持つ[889]。
- 魔国連邦でガビルとベスターが行った実験により、「意思」に反応するものである事が判明した[890]。
-
- 霊子
- 魔素を構成する特殊な粒子。時間と空間を無視した特殊な動きをする為にあらゆる障壁を素通りする性質を持ち、自然転移する法則性である乱数位相を看破しなければ、「絶対防御」でも貫通する[891]。
- 思念伝達
- 物語の根幹を成す固有能力で、魔物であれば全員が苦もなく使いこなすとされている。名無し魔物同士の個別認識のほか、意志を乗せて話せば言語が違っても相互理解可能、肉声が届かないほど距離が離れても通話可能、などの特徴がある。
- 名付け[894]
- 主に名無し魔物に名前を付ける儀式を指す。上位の魔物が下位の魔物に“名付け”した場合のみ効力が発揮され、“名付け”られた魔物は名付けた魔物から所有魔素を奪うことにより進化する。魔素は生命力と同義であることから、子を成す行為によって生命力を子に奪われた親が死亡することもあるのと同様、簡単に行われる行為ではない[42]。
- 上位存在に“名付け”られると性質が変化してしまうため、自力で獲得した“魂”を使っても“真なる魔王”に覚醒する事はできない。他者に“魂”を与える場合のエネルギー効率は1割程度に低下するので、“魂”のエネルギーを変化させる能力があっても10万の魂が必要になる[895]。
- 影空間
- スキル「影移動」によって利用できる空間。主な使用者はランガ、ソウエイで、影の中に潜むことで移動距離を無視して常に側に居られる別空間待機所(ランガ)、影から影へ繋がる異空間を通過することにより移動距離をゼロにしてしまう空間能力(ソウエイ)として活用されている。ただし空気が存在しないので、人鬼族などは息を止めていられる間しか利用できない。
- 影空間の内部では熱の移動が起こらないので、遠隔の温泉地より鉱泉を引き常時入浴出来る露天風呂の源泉輸送経路として活用されている[896]。
- 後にリムルの発案として影空間と魔鋼を利用した世界規模での通信伝達網構築構想が語られた[42]。
- 回復薬
- ヒポクテ草から不純物を取り除いた抽出液を魔素と融合させて作製される薬品。抽出率99%の完全抽出液を“完全回復薬(フルポーション)”、これを20倍希釈したのが“上位回復薬(ハイポーション)”で、更に5倍に薄めると“下位回復薬(ローポーション)”になる。抽出液は非常に反応しやすい性質がある為、不純物が何もない完全な真空状態でなければ抽出率99%は達成できず[897]、98%以下の抽出率では上位回復薬と同等の効果にしかならない[898]。回復薬は遺伝子情報をもとに効果を発揮するので、完全回復薬なら部位欠損すら治療可能[注 35][899]で、所有者が長く愛用して意思が宿った“魔鋼”製の武具まで回復させる[900]が、魂の蘇生まではできない[901]。
- 完全回復薬の量産に成功している魔国連邦では、下位回復薬を銀貨4枚、上位回復薬を銀貨35枚で販売している[902]。
- 魔鋼
- 鉄鋼より硬度が高く、柔軟で、魔法との相性もいい金属[904]。沸点が1万度近くと超高温にも耐性があり、自己再生能力もある[905]。魔素の誘導と非常に相性が良く、使用者のイメージに添って徐々に理想の形態へと姿を変える“成長する武器”となる。
- 原石である“魔鉱石”は、魔素濃度の濃い場所にあった鉄鉱石が、長い年月をかけて魔素を大量に取り込んで突然変異した物質であり、最低でもBランク相当の魔物の生息地にしか存在しない。“魔鉱石”から取れる“魔鋼”は3〜5%であり、“魔鋼塊”は同等の金の20倍以上の価値を持つ。その価値の高さから純魔鋼の武器はほとんど製造されず、魔鋼を芯に刀身を鋼鉄で整えるのが普通。その為、長い年月を経て魔素の侵食が進んだ武器の方が強く、古くなっても周囲の魔素を取り込んで自動再生するので、錆びや欠けも起こらない。また、命が宿るとも言われており、折れたり完全な歪みが出来た時、魔素が一気に抜けて風化するという[906]。
-
- 竜気魔鋼(ドラゴタイト)
- 魔鋼がヴェルドラの波動にて変質した、黒銀色の特異な生体魔鋼の一種。神輝金鋼に匹敵する強度を持つ[909]。
- 抗魔の仮面
- 仮面型の魔法道具(マジックアイテム)。付与された効果は「魔力抵抗、毒中和、呼吸補助、五感増強」の4つ。「魔力抵抗」は敵の魔法への対抗と自身の魔力の隠蔽、「呼吸補助」で無酸素の環境下でも呼吸が可能になり、残る「毒中和」「五感増強」も冒険者には必須と言える[911]。
- 元々は“勇者”の所持品であったが、50年前近く昔にイフリートを抑制する目的でシズに譲渡される[912]。時を経てイフリートが暴走した際に破損[913]、シズの死後は形見として最期を看取ったリムルが継承、「捕食者」で取り込んで再生され[911]、その後はリムルとの別れを悲しんだクロエにプレゼントされた[914]。
- “勇者”=クロエである事から、彼女と共に“時の輪廻”を繰り返している装備であった。その為、無限の時間厚を内包しており、仮面の創造に関った者でなければ傷付ける事が出来ないという性質を秘め、上位魔将時代の「原初の黒」(=後のディアブロ)でも破壊出来ず逆に腕を吹き飛ばされている[915]。
- 魔導列車[916]
- 魔国連邦にて開発された列車・鉄道網。車体は魔鋼製で、動力の蒸気機関に必要な燃焼力として“精霊魔導核”を搭載し、魔導科学で構築された制御魔術術式で運用され、魔素を熱量に変換させてタービンを回すだけでなく、タービンで生み出された電気を“精霊魔導核”に戻して溜め、蓄電池としても利用できる[注 36][917]。
- 試験運用中は動力車1両に貨物車2両と客室車3両の6両編成で、平均時速50キロメートルを維持して運行する。客室車は80座席で、最大150人まで収容可能。理論上は4倍の速度まで出す事が出来、積載量は1000トンを超えるので、将来的には時速100キロ以上、10両編成での運用を計画している[918]。
- ブルムンド王国を中継地点として、北側はファルメナス王国経由でドワルゴンの西口まで、南側はクシャ山脈を貫くトンネルを経てサリオンまで線路を伸ばす予定[810]。
- 精霊魔導核
- 精霊を利用した動力炉。魔素を各種属性の精霊に与える事で、使い勝手の良いエネルギーへと変換する機能を有しており、エネルギーを循環させる事も可能。大気中に含まれる魔素が燃料で、足りない場合は魔石を用意するだけで済み、メンテナンスが必須とはいえ常に魔素が存在する場所なら永久に活動可能[919]。
- 孔空き装備[920]
- クロベエとカイジンが共同開発した新式の魔法武具(マジックウェポン)。カイジンとベスターによる“精霊魔導核”の研究を元に属性を付与した魔石「精霊属性核(エレメント・コア、通称「魔玉〈コア〉」)」を、クロベエが製造したベースとなる特質級(ユニーク)武具に空いたビー玉サイズの孔へ嵌め込む事で、魔法を固定する事のない属性変更が可能な魔法武具が完成した。孔の数は最大で3個が限界であり、クロベエでも成功率は1%未満。なお、カイジンは2個孔、クロベエの高弟4人は1個孔が最高で、他の弟子達では成功していない[921]。
- また、帝国との戦争では、魔玉にカリスの炎の魔力を込めた「炎爆玉(フレアボム)」という形で爆弾として利用された[922]。
- 魔導戦車
- 帝国が実用化した新兵器の1つ。5人で操縦され、古代遺跡から発掘した魔導制御動力炉を現代風に改良して、石油の代わりに魔素を利用した内燃機関を有し、大気を循環させる事でエネルギーをチャージ、放熱と魔素供給を同時に行う[923]。
- 主砲の“魔導砲”は初速2000メートル/秒、装弾数50発、1分間あたり5発連射可能で、最大射程30キロメートルの有効射程3キロメートル、破壊力は超高等爆炎術式に匹敵し、魔法原理で発射されただけの質量兵器なので対魔法結界は効果がない[924] [925]。さらに、数万度の熱と爆風で範囲数十メートルを吹き飛ばす特殊弾も試作されている[925]。
- 飛空船
- 帝国の魔法技術の結晶といえる秘密兵器。最大400名が搭乗可能で[926]、操作を行う運用部門、対物理、対魔法、対属性の「防御結界」を担当する防御部門、計5門の魔法増強砲関係に携わる攻撃部門に各100名ずつ割り振られ、残る100名は予備、連絡や医療関係に従事する[927]。最高速度は音速を凌駕し[928]、最大の特徴として魔素撹乱放射(マジックキャンセラー)発生装置が搭載されている[929]。
- 擬似魂(ギジコン)
- リムルが開発したデバイスで、魂の器の代用として働く。
- これを核とし魔精核で形作った魔物に埋め込むことで、本来の身体とは別の「仮魔体(アバター)」を持つことが可能となる。作中ではリムルやラミリス、そして強すぎて活躍の場が限定されるヴェルドラやミリムが、仮魔体を利用して迷宮内の魔物側「遊撃パーティ」として活動するのに使用している[930]ほか、混沌竜の魂を擬似魂に吸わせることで別の魔物へ復活させることにも使われた[336]。
- 東の帝国との戦争では、奪い取った魂から抜き取った“情報子”を含ませた擬似魂を遺体に埋め込むことで殺した帝国将兵を蘇生させている。擬似魂で蘇生された者は普通に生きていく分には問題なく、鍛えた身体能力や魔法の知識、習得した技術は損なわれないが、スキルは魂と強く結びついたものなので、魂のエネルギーを奪われた擬似魂では使用できない[931]。
- 魔王達の宴(ワルプルギス)
- 魔王3人以上の合意により開催される魔王集会。元々はギィ、ミリム、ラミリスの3名で行われていたお茶会だったのだが、現在では魔王視点で世界に関わる様々な合意が必要な事項が話し合われるほか、新しい魔王の就任も認定されるなどの側面を持つ。
- なお、「魔王の総称」を決定するための会合でもあり、十大魔王となる以前は「名称を決定するたびに(魔王の数が)増減した」という理由で何度も開催された上、結局は人間側の呼称によりなし崩しに決定となり魔王たちの命名に関する数年以上に及ぶ努力は全て無駄になったとされている[932]。
- 天魔大戦
- 500年周期で発生する大戦。地上の発展した都市を目標に天使族(エンジェル)の軍勢が侵攻し、呼応するように魔人も活性化することで、天、魔、人が入り混じって大戦が行われる。ドワーフ王国が地底に、サリオンが神樹の洞に都市を築くのは、天使から都市を守るためである[933]。
各版の相違点
ここでは全版の大筋プロット版として無償公開されているWEB版と、その他の媒体でのそれぞれの描写相違点を列挙する。ただし、物語の進行にほとんど影響しない細かい相違点についてはあらかじめ省いた。
巻数が進むにつれWEB版との相違点が増えていくため、最終的には全てを列挙する事が困難になることも考え得る。
また、書籍版以下の出版物媒体は書籍版を下敷きにしているため、特別に個別変更点がなければ書籍版のみ記載し以下は記述を省略した。
- シズの口調が変わっている
- 書籍版では中性的な喋り方をするが、漫画、アニメでは女性らしい喋り方となっている。
- シズとカバル、エレン、ギドの交流について
- 書籍版:カバルたちはシズが暴走してイフリートと分離するまで仮面の中の素顔を見ておらず、シズを老婆だと思っていた。シズの最期についても途中でリムルに後を託してブルムンドに戻っている。
- 漫画、アニメ版:カバルたちがシズの素顔を知っており、シズの最期のときも彼女の無事を案じて村に残り続け、シズの死を聞かされた際には事実を受け止め、シズの姿に擬態したリムルにシズへの感謝を告げた。
- シオンらが殺害される主原因が違う
- WEB版:西方聖教会の信徒に殺害される[WEB 17]
- 書籍版:ファルムス王国所属の異世界人3人に殺害される[934]
- 田口省吾、橘恭弥、水谷希星[403]
- WEB版には登場しておらず、書籍版で初出(外部リンクWEB版参照)。
- 魔王レオンの二つ名が違う
- WEB版:金髪の悪魔(プラチナデビル)[WEB 18]
- 書籍版:白金の剣王(プラチナムセイバー)[723]、白金の悪魔(プラチナデビル)[587][585]
- 漫画版にのみシズの故郷回想がある
- 講談社コミックプラスのインタビューにて作者伏瀬が漫画版2巻の追加点として語っている[WEB 19]。
- ユウキの性格や行動理念が違う
- WEB版:「世界の破滅」を目論み、自分以外の存在すべてを利用し嘲笑うなど「純粋な悪」、「倒すべき敵」としての面が強調されている。小さな蟲を使い思考誘導で相手を洗脳する手段を用いる。
- 書籍版:「世界征服」を目論み、自分がこの世界を導くという理念を持つ。目的のためなら如何なる犠牲も厭わない冷酷な合理主義者ではあるものの、信頼する仲間を大事にしたり、強敵を前にしても折れずに自分と仲間の力で目的を達成するなど、リムルと対をなす「もう一人の主人公」のような位置づけである。リムルとは敵対することもあれば共闘したりすることもある。
- ユウキの裏の顔が明かされるタイミングが違う
- 書籍版:開国際でリムルがユウキがクレイマンの黒幕だと見抜くまで中庸道化連のボスの正体は「少年」という記述で伏せられていた。
- 漫画版:ラプラスが最初に西方聖教会の潜入から帰還してカガリとして復活したカザリームと再会した際に中庸道化連のボスがユウキであることが明かされている。
- 5人の子供を引き取る経緯が違う
- WEB版:シズの幻影からシズとヒナタがユウキから思考操作を受けていたと聞かされたリムルはイングラシア中がユウキの影響下にある可能性を考え、フューズに自由組合内部の思考操作の進行具合を確かめるように内偵を依頼する[WEB 20]。しかしその間にヒナタが子供達の救出に向かってユウキと一戦交える[WEB 21]。
- 書籍版:リムルはユウキと子供達を開国祭に誘い[805]、そのまま子供達を返さずに[204]転校手続きをした[935]。
- 悪魔の設定にて色(原初)が追加され、「七柱」存在する[936][937][431]
- 黒(ノワール)ディアブロ
- 赤(ルージュ)ギィ・クリムゾン
- 青(ブルー)レイン
- 緑(ヴェール)ミザリー
- 白(ブラン)テスタロッサ
- 黄(ジョーヌ)カレラ
- 紫(ヴィオレ)ウルティマ
- 七曜の老師の設定の変更とロッゾ一族の登場
- WEB版:七曜の老師たちは最後までルミナスの忠臣として働いている。アダルマンとアルベルトを謀殺した点は同じだが、彼らが勇者とならずに仙人となったことと、自分たちを脅かす才能を持ち、ルミナスの正体に疑念を抱いていたことから危険視して排除したという理由になっている[938]。
- 書籍版:ロッゾ一族の登場と、その長であり元勇者であるグランベルが七曜の老師の長、日曜師であるという設定がなされた。グランベルの野望のため、ルミナスの寵愛を受ける者が増えることでルミナスから愛の接吻(ラブエナジー)を受けられなくなることを恐れる他の七曜たちの嫉妬心を操ることで、自分の保身のために他人を蹴落とし踏みにじる腐敗した存在となってしまった。アダルマンとアルベルトを謀殺し、ヒナタもリムルとの対立を演出し抹殺しようとしたが、リムルとルミナスによって阻まれ、ルミナスに裁かれることで七曜は滅びた。
- ルドラの設定が違う
- WEB版:転生のたびに魂が摩耗し、かつての理想を失いただ「ギィに勝利する」という目的にのみ囚われ非道な行為にも手を染めるようになった。リムルを甘く見た結果ヴェルドラを奪い返され、自身の勢力を殲滅され最期は生き残っていたユウキに「天使之軍勢」を発動させられたうえで「正義之王」を奪われ死亡した。
- 書籍版:転生のたびに魂が摩耗し、「正義之王」が神智核として進化したミカエルに自我を乗っ取られていった。僅かに残るルドラの残滓の影響でギィとのゲームを続行していたが、ほぼミカエルの性質に置き換わっており、自分一人を正義とし、民を愚民と見下し、覚醒者を生み出すため平然と多くの犠牲者を許容するなど人間としての情がほぼ残っていなかった。リムルとの戦いで自身の戦力が壊滅したことでギィとのゲームに「敗北」という形で決着がついたことで完全にミカエルに乗っ取られ、ヴェルグリンドの力を奪い取り、フェルドウェイと共に帝国でないどこかへと去っていった。
- 異界の住人の登場と、天使の設定に始原の七天使の設定が追加された[939][940]
- 妖魔族、蟲魔族、幻獣族の設定とフェルドウェイ、ザラリオ、コルヌ、オベーラの登場。ディーノとガラシャ、ピコも始原のメンバーとなっている。
- マサユキがルドラの転生体であると明言されている
- WEB版:最終決戦までマサユキがルドラの転生体であることは触れられず、判明後もあくまで明言はせずに抽象的な表現にとどめている。最終決戦後にヴェルグリンドと剣と融合した疑似魂に宿ったルドラに見つかり、彼らや友人となったヴェノムと共に旅に出たことがほのめかされた。
- 書籍版:ヴェルグリンドがフェルドウェイによって異次元に追放された際に、リムルの虚数空間にいた別身体がスキルの改変を受け、次元跳躍を得たことで散らばったルドラの魂の欠片を回収する旅に出ることになり、その旅の最後にマサユキのいた世界でマサユキと出会い、彼が基軸世界に転移したことで自らも基軸世界に跳躍し、自分が飛ばされた直後の時間軸にてマサユキの前に現れ、彼の窮地を救う。そこでマサユキがルドラの転生体であることを明言する。それによってミカエルに乗っ取られ、姿を消したルドラの代わりに東の帝国の皇帝として抜擢されることとなった。[941]
書誌情報
小説『転生したらスライムだった件』
マイクロマガジン社(GCノベルズ)よりソフトカバー版、電子書籍版と合わせて続刊中。また、英語版、中国語版、韓国語版も他出版社より続刊している。オーディオブックサービスのAudibleも岡咲美保の朗読で2019年5月24日からシリーズが順次配信されている[WEB 22]。
漫画『転生したらスライムだった件』
講談社(シリウスKC)よりコミック版、電子書籍版と合わせて続刊中。また、英語版、中国語版、韓国語版も他出版社よりそれぞれ続刊している。
公式設定資料集
- 原作:伏瀬、編集:GCノベルズ編集部『転生したらスライムだった件 8.5 公式設定資料集』マイクロマガジン社、2016年8月30日。ISBN 978-4896375800。 / Kindle版:ASIN B01L6OVR5A
- 本誌には以下の外伝小説が掲載されている。リンクは同内容のWEB無償公開版。
- 原作:伏瀬、編集:GCノベルズ編集部『転生したらスライムだった件 13.5 公式設定資料集』マイクロマガジン社、2019年1月30日。ISBN 978-4896378450。 / Kindle版:ASIN B07N5ZFJ2N
- 本誌には以下の外伝小説が掲載されている。
- 魔物の国の給与事情(書籍11巻 限定小冊子)
- 常世の国の女神様(書籍12巻 限定小冊子)
- 紅に染まる湖畔事変(書き下ろし)
スピンオフ漫画
本作品は、本編設定を元にした外伝的作品(スピンオフ漫画)が複数存在する。
転生したらスライムだった件 魔物の国の歩き方
作画岡霧硝による、webコミック、コミックライドで連載中のスピンオフ漫画。時系列はヴェルドラ復活やディアブロ加入、ヒナタやルミナスとの和解後(本編8巻以降)となっている。
あらすじ
好奇心が旺盛な兎人族フラメアは、一緒にやってきた父親とは別行動で魔国連邦を探索していたところ[42]、審美眼と解析に特化したユニークスキル「好事家(モノズキ)」を持つことをリムルに着目され[942]、リムルより「魔国連邦のガイドブック作成」を頼まれる[943]。
登場人物
声はPV時の声優。
- フラメア
- 声 - 小原好美[WEB 23]
- 種族:兎人族(ラビットマン)
- 本作の主人公でウサギの耳を持つ兎人族の美少女。
- ジュラの大森林の弱諸部族の出身。かつてリムルの魔王就任後に忠誠を誓った兎人族族長の実娘でもある[42][944]。好奇心旺盛な性格で、謁見式に参加する父に無理を言って同行し、首都リムルに到着して直ぐに親の目を盗んで行方をくらまして町を散策していた[945]。感動した時の口癖は「星3つ」。
- 兎人族の中では唯一の“名付き”で、名付けをしたのは魔王ルミナスである[946][947]。森を出て正体を隠し他国を旅した経験があり[948]、ルミナスとはその時に偶然出会っている[949]。里では次期族長候補とされているが、自身にその気は全くない。
- 自分の経験を点数制で記録紙にまとめている事を知ったリムルから、外国人にもわかりやすいガイドブックの制作を依頼され、衣食住の保証と行動の自由、新商品や新施設の優先的な利用を条件に仕事を引き受ける[950]。広報担当という事で、所属上はミョルマイルの部下[951]。後にリムルからカメラを与えられ[952]、写真集の出版なども手がけるようになる[953]。
- 頭の硬い里の同朋を嫌い、開国祭以降長らく帰省していなかったが、父親や周囲の説得で一度故郷に帰る事となる。その際に長老派と諍いが起きるが、勝手に里まで着いてきたヴェルドラに威圧されて、結果的に和解に成功した。
- 審美眼、材料解析、年代測定を併せ持つユニークスキル「好事家(モノズキ)」を所有する[954]。兎人族は強さは普通の人間と変わらず「変身」もできない劣化獣人の一種だが、大森林で生き抜く為に「危険察知」に特化した能力を持ち[955]、俊敏性も高く[956]逃げ足には自信がある[957]。攻撃は苦手だが、戦闘ではカイジンが製作した「リーフブーメラン」[958]を使用する。森育ちなので空気の止まった場所[959]や暗いところ、狭いところが苦手[960]。
- 兎人族の族長
- 種族:兎人族
- フラメアの実父。娘が兎人族唯一の“名有り”であり、死亡した兎人族の里の長老の子の代理で族長をしている[961]。その為、一族での立場はあまり強くはなく、開国祭以降、里を出たきり帰ってこない娘を連れ戻すよう圧力をかけられ、再度首都リムルを訪問した。娘が魔国連邦の首脳陣と仲良くなっていた事や、帰省にリムルが着いて来る事が決定して頭を痛めながらも、発展し続ける首都を目にした事で、族長として里に変化を受け入れようと考える。
書籍情報
マイクロマガジン社(ライドコミックス)よりコミック版、電子書籍版と合わせて続刊中。
発売日 | ISBN | Kindle版 | |
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1. | 2017年 | 4月 7日ISBN 978-4-89637-628-9 | Kindle版:ASIN B06Y2PGKNN |
2. | 2017年12月 | 8日ISBN 978-4-89637-684-5 | Kindle版:ASIN B0785HM6D3 |
3. | 2018年 | 3月 9日ISBN 978-4-89637-701-9 | Kindle版:ASIN B07BDKDP16 |
4. | 2018年 | 9月28日ISBN 978-4-89637-820-7 | Kindle版:ASIN B07HY3THZW |
5. | 2019年 | 3月29日ISBN 978-4-89637-865-8 | Kindle版:ASIN B07PGV1VDK |
6. | 2019年10月30日 | ISBN 978-4-89637-935-8 | Kindle版:ASIN B07YXPXP4N |
7. | 2020年 | 6月30日ISBN 978-4-86716-025-1 | Kindle版:ASIN B08B5NRYQ7 |
転スラ日記 転生したらスライムだった件
作画 柴による、月刊少年シリウスで連載中の、4コマ形式のスピンオフ漫画。webコミック水曜日のシリウスでも不定期再掲載してる。
時系列は本編漫画の連載を超えない範囲で描かれており、魔国連邦テンペストでの日常がコミカルに、時々シリアスに描かれている。 また本編ではあまり触れられないサブキャラも深く掘り下げられているのが特徴である。
講談社(シリウスKC)よりコミック版、電子書籍版と合わせて続刊中。
発売日 | ISBN | Kindle版 | |
---|---|---|---|
1. | 2018年 | 9月28日ISBN 978-4-06-512744-5 | Kindle版:ASIN B07HCF36W8 |
2. | 2019年 | 3月29日ISBN 978-4-06-514857-0 | Kindle版:ASIN B07PRVXRXR |
3. | 2019年11月 | 8日ISBN 978-4-06-517464-7 | Kindle版:ASIN B07ZPXXMNL |
4. | 2020年 | 7月 9日ISBN 978-4-06-519725-7 | Kindle版:ASIN B08BWL81BS |
転生しても社畜だった件
作画 明地雫による、webコミック水曜日のシリウスで連載された、4コマ形式のスピンオフ漫画。月刊少年シリウスでも再掲載していた。
異世界に転生したはずが現代で、なのにスライム姿のまま、あちらで見た顔ぶれの揃ったテンペスト商事という会社で、サラリーマンをすることになったリムルを中心としたパラレルストーリー。
講談社(シリウスKC)よりコミック版、電子書籍版と合わせて刊行。完結済み。
発売日 | ISBN | Kindle版 | |
---|---|---|---|
1. | 2019年 | 7月 9日ISBN 978-4-06-516294-1 | Kindle版:ASIN B07TVBJ8LN |
2. | 2020年 | 3月27日ISBN 978-4-06-518831-6 | Kindle版:ASIN B085VMZ7HR |
転ちゅら! 転生したらスライムだった件
作画 茶々による、月刊少年シリウスで連載中の、スピンオフ漫画。webコミック水曜日のシリウスでも不定期再掲載している。
人間に擬態する術を身につけたはずのリムルが、擬態するもなぜか身体・精神ともに幼い3歳児化してしまうパラレルストーリー。
講談社(シリウスKC)よりコミック版、電子書籍版と合わせて続刊中。
発売日 | ISBN | Kindle版 | |
---|---|---|---|
1. | 2020年 | 3月27日ISBN 978-4-06-518897-2 | Kindle版:ASIN B085VFGHCZ |
2. | 2020年11月27日 | ISBN 978-4-06-521251-6 | Kindle版:ASIN B08NVRWJVQ |
転生したらスライムだった件 異聞 魔国暮らしのトリニティ
作画 戸野タエによる、webコミック水曜日のシリウスで連載中のスピンオフ漫画。月刊少年シリウスでも再掲載している。第1話の時系列は、ユーラザニアからの使節が帰国しリムルがドワルゴンに出立するまで(4巻の第1章と第2章の間)となっている。
あらすじ
獣人国ユーラザニアと魔国連邦テンペストが友好を深めた直後、魔王カリオンの密命を受けて狐獣人族の少女フォスがテンペストの実態調査に乗り出すが、成り行きでテンペストの警備隊に加入することになる。そして他の国からも密命で来た二人の少女と出会い、巻き起こる様々な物語。
登場人物
- フォス
- 種族:獣人族(ライカンスロープ)
- 獣人国ユーラザニア出身の、狐の獣人族の少女。獣王戦士団の候補[962]で、カリオンの勅命で使節団ではなくいち獣人として魔国連邦に来訪し、密かに相手国を探る事になる[963]。
- テンペスト入国後は所持金が不足して街道整備のアルバイトに名乗り出たが、そこで警備隊に遭遇してゴブタにスカウトされ、以後は警備隊の一員として行動することになる。当時警備隊で働いていたグルーシスとも面識があるが、任務については秘密にしている。
- 語尾に「〜です」を付ける独特の口調で話す(行くです、任せるです、等)。獣人族の中では成り上がりなので差別意識は低く、上司になった弱い種族から命令される事にも抵抗が薄い[964]。
- 人間との友好を願うリムルの意思に従い、ファムルス王国が魔国連邦を襲撃した際にも不殺を心がけていたが、無抵抗の魔物達が王国兵の手で虐殺されるのを見て激昂し、禁を破って周囲にいた人間達を全滅させてしまう。
- 獣人族なので察知能力、行動力、戦闘能力が高く[965]、固有能力「獣身化」によりさらに力が強化される。嗅覚が鋭いので探し物も得意[966]。一方で魔法については生活魔法ぐらいしか使えない[967]。猪突猛進すぎるところが欠点[968]で、たびたび警備隊の仕事を放り出してはゴブエモンから拳骨をもらっている。単純作業は苦手。また、ハクロウの修行に参加して〈気闘法〉を学び、技術を磨いている。
- ステラ
- 種族:龍人族(ドラゴニュート)
- 忘れられた竜の都の出身で、竜皇女ミリムを崇拝する竜を祀る民の少女。ミリムが気に入ったという魔国連邦を調査する為、神官長ミッドレイの命を受けてテンペストにやってくる[969]。
- 行動力に溢れ[970]、悪い人間ではないが、やや尊大な性格。かなりの方向音痴で、魔国連邦へはミッドレイに言われた方角にとにかく直進して来たらしい[971]。
- 当初は竜を祀る民の固定観念から“料理”を否定していたが、初めて食べたカレーの美味しさに感動してミリムの為の料理人を志し[972]、リムルの口添えでゴブイチに弟子入りする[973]。少々せっかちだが、集中力があり、ひたむきで仕事は丁寧。料理の腕前の上達はゴブイチも認めるところである[974]。
- 外見は普通の人間の少女だが、龍人族なので力は強く、投げや蹴りを使った格闘術ではフォスと互角という武闘派[975]で、“竜を祀る民”の中でも数少ない「竜戦士化(ドラゴンボディ)」の使い手[976]。神聖魔法の使い手でもあり、応急処置程度の簡単な回復魔法も使う事が出来る[977]。ただ、スピードで補ってはいるものの、力に頼りすぎて攻撃が少々素直すぎるのが欠点[970]で、攻撃魔法を小手先の卑怯な技術と考えているせいで魔法使いの実力を見抜けないのも弱点である[978]。
- ネム
- 種族:有翼族(ハーピィ)
- 天翼国フルブロシア出身。寝るのが大好きな怠け者で、寝る事以外は全て労働だと思っている。フレイから偵察指令を受けた諜報員であるが、本来の仕事を忘れかけている事がある[979]。
- 究極の寝床を作るという夢があり、色々な場所・物で寝ている[980]。フレイの膝枕で寝た事もあるらしく、フォスのもふもふな尻尾もお気に入り[981]。面倒臭がり屋だが手先が器用で単純作業にも強く、布作りの適性がある。服の肌触り目当てにシュナの織物工房へ不法侵入し、商品を駄目にした罰として工房の雑用をする事になり、その才能を見込まれてスカウトを受け工房の従業員になった。野生のスライムで寝ようとして溶かされかけた事があり、意思あるスライムであるリムルで寝るチャンスを伺っている[982]。
- 本能的に危険を察知する能力に長け、ハクロウに「魔力感知」の才能があると評されている[983]。飛行能力を駆使し、掴んだ相手を上空から落下させる[984]、高所から剣を投げつける[985]などの戦法を使う他、魔法も得意[986]。
書籍情報
講談社(シリウスコミックス)よりコミック版、電子書籍版と合わせて続刊中。
発売日 | ISBN | Kindle版 | |
---|---|---|---|
1. | 2019年12月 | 4日ISBN 978-4-06-516906-3 | Kindle版:ASIN B082159JW1 |
2. | 2020年 | 3月27日ISBN 978-4-06-518757-9 | Kindle版:ASIN B085VDDBN2 |
3. | 2020年 | 7月 9日ISBN 978-4-06-520044-5 | Kindle版:ASIN B08BWXMBYD |
転生したら島耕作だった件
講談社(イブニングKC)よりコミック版、電子書籍版と合わせて刊行。
発売日 | ISBN | Kindle版 |
---|---|---|
2019年 | 7月 9日ISBN 978-4-06-516834-9 | Kindle版:ASIN B07TVBGZK8 |
テレビアニメ
第1期は2018年10月から2019年3月まで、TOKYO MXほかにて原作者描き下ろしのオリジナルストーリーや閑話(総集編)を含めた全25話が放送された[WEB 24][WEB 25]。 第9話の放送直前の2018年11月26日には、読売新聞(全国版)の朝刊に全面広告が掲載され、新章の開幕が報じられた[WEB 26]。
第2期は分割2クールで、第1部は2021年1月から放送中。第2部は同年7月から放送予定[WEB 27]。2021年4月から放送予定のスピンオフアニメ「転生したらスライムだった件 転スラ日記」と合わせて9か月連続放送される[WEB 27][WEB 28]。
制作
作品は本編およびスピンオフともに漫画版が原作となっている。
コミックナタリーによる原作者の伏瀬とオープニングアーティストの寺島拓篤へのインタビューによれば、伏瀬がアニメ化の話を関係者内で最後に聞いたうえ、コミカライズの時点ですでに話が動いていたらしく、正式に伝えられた際には嬉しいを通り過ぎて原稿の締め切り1週間前だったこともあって執筆に集中できなくなり、締め切りを10日ほど延ばしてもらったという。寺島はコミカライズ版から原作に入り、バナー広告で知った原作をまったく内容も知らないまま読み始め、早く続きをと思いながら読み返したという。また、コミカライズ版の作画担当の川上泰樹も、伏瀬と最初に会った際に原作のファンであることを言ってくれたという[WEB 29]。
リムルの前世の三上悟については、原作で最初に挿絵がついた時点で野暮ったさに難色を示した伏瀬から「すごくカッコよくして」との指示があり、コミカライズ版の時点でさらに「「東京BABYLON」 (CLAMP) に出てくる桜塚星史郎みたいな感じのカッコいいサラリーマンで」との指示を経て、アニメ化の際には「ナイスガイを自称するが本当にナイスガイであることへのツッコミ待ちにしたい」という考えからリテイクを繰り返し、決定に至ったという[WEB 30]。
アニメの出来については、伏瀬は「もうこれ以上は望めないぐらいにいい出来になった」「自分では想像していなかったよさが生まれた」と絶賛しており、第1話のアフレコを見学してヴェルドラ役の前野智昭や悟役の寺島、リムル役の岡咲の演技を見て、「これはもういけるな」「これで大丈夫だ」と思ったという。また、伏瀬は全話を監修した脚本についても「かなり良い出来」と評しており、コミカライズの際に描けずあえて外していたシズのシーンもシリーズ構成の筆安一幸が上手に取り入れてくれたため、シズ役の花守ゆみりの演技で絶対泣いてしまうという[WEB 31]。
制作開始当初は第2期が決まっておらず、全体の構成もそのようにしていたため、脚本会議では尺の関係で飛ばさざるを得ないシーンは第2期があったらそこで回収しよう、ということで決まった[WEB 32]。
第1期第4話では、リムルの妄想シーンに「ロードス島戦記」(角川スニーカー文庫)風の極端に耳が長いエルフが登場しているが、これは漫画家・ことぶきつかさが制作の「アラフォーが妄想する90年代風のエルフ」という依頼に応じて描いたものである。同作側の許可を得たことがエンディングでクレジットされており、本放送後にはインターネットで話題になったという[WEB 33]。
第1期は第23話までが本編であり、第24話は外伝、第25話は総集編となる[WEB 24][WEB 25][WEB 32][WEB 34]。第24話「外伝:黒と仮面」は伏瀬が書き下ろしたもので、ディアブロとシズが邂逅した過去を描くアニメオリジナルストーリーが展開する[WEB 35][WEB 36]。このストーリーは担当が営業をかけた先で必ず「ディアブロは出るんですか?」という質問があり、それを勘案して制作委員会ではディアブロの登場シーンまでを考えていたが、尺を考えると無理があったため、伏瀬が苦し紛れにディアブロの話を書き下ろして出演させる方法を担当に伝えたところ、どのような話にするかの問い合わせもないまま採用され、制作が決定した[WEB 32]。第2期が無いことを前提にシナリオを考えていたため、ディアブロの名前が先行して明かされている[WEB 32]。当初、第24話までの予定だったところに急遽制作が決定した第25話「閑話:ヴェルドラ日記」はいわゆる総集編として制作され、リムルに取り込まれたヴェルドラとイフリートの視点から、本編映像を振り返る形で進行する[WEB 32][WEB 37]。
スタッフ
本編[WEB 38][WEB 39][WEB 27] | 転スラ日記[WEB 27] | |
---|---|---|
原作 | 伏瀬、みっつばー | |
川上泰樹 | 柴 | |
監督 | 菊地康仁(第1期) 中山敦史(第2期) |
生原雄次 |
副監督 | 中山敦史(第1期) | 葛西励 |
シリーズ構成・脚本 | 筆安一幸 | コタツミカン |
キャラクターデザイン | 江畑諒真 | 髙井里沙 入江篤 |
モンスターデザイン | 岸田隆宏 | |
色彩設計 | 斉藤麻記 | |
美術監督 | 佐藤歩 | |
美術設定 | 藤瀬智康、佐藤正浩 | |
撮影監督 | 佐藤洋 | |
グラフィックデザイナー | 生原雄次 | |
編集 | 神宮司由美 | |
音響監督 | 明田川仁 | |
音楽 | Elements Garden | R・O・N |
音楽制作 | ランティス | |
音楽プロデューサー | 吉江輝成 川野勝広(第2期) | |
プロデューサー | 杉本紳朗、伊藤洋平 | |
アニメーションプロデューサー | 小菅秀徳 | |
アニメーション制作 | エイトビット | |
製作 | 転スラ製作委員会 |
主題歌
第1期主題歌
- 「Nameless Story」[WEB 40]
- 寺島拓篤による本編第1期第1クールオープニングテーマ。作詞は寺島、作曲は上松範康、編曲は藤田淳平。
- 「メグルモノ」[WEB 41]
- 寺島拓篤による本編第1期第2クールオープニングテーマ。作詞は寺島、作曲は桑原聖、編曲は酒井拓也。
- 「Another colony」[WEB 42]
- TRUEによる本編第1期第1クールエンディングテーマ。作詞は唐沢美帆、作曲は中野領太、編曲はBBC。
- 「リトルソルジャー」[WEB 41]
- 田所あずさによる本編第1期第2クールエンディングテーマ、作詞はきみコ、作曲は新田目駿、編曲は堀江晶太。
- 「僕の中の君へ」
- TRUEによる本編第1期第23話挿入歌。作詞は唐沢美帆、作曲・編曲は山下洋介。
第2期主題歌
- 「Storyteller」[WEB 43]
- TRUEによる本編第2期オープニングテーマ。作詞は唐沢美帆、作曲・編曲は津波幸平。
- 「STORYSEEKER」
- STEREO DIVE FOUNDATIONによる本編第2期エンディングテーマ。作詞・作曲・編曲はR・O・N。
- 「黎明」[WEB 43]
- TRUEによる本編第2期前奏曲。作詞は唐沢美帆、作曲・編曲は兼松衆。
『転スラ日記』主題歌
各話リスト
第1期
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 暴風竜ヴェルドラ | 菊地康仁 | 中山敦史 | 米澤優 | 江畑諒真 | 2018年 10月2日 |
第2話 | ゴブリンたちとの出会い | 小島正士 | 井之川慎太郎 |
| 10月9日 | |
第3話 | ゴブリン村での戦い | 金崎貴臣 | 登坂晋 |
| 高岡じゅんいち | 10月16日 |
第4話 | ドワーフの王国にて | 吉田泰三 | 谷澤篤金 |
| 桂憲一郎 | 10月23日 |
第5話 | 英雄王ガゼル・ドワルゴ | 高岡じゅんいち | 森義博 | 高岡じゅんいち | 10月30日 | |
第6話 | シズ | 小島正士 | 伊藤康裕 |
| 桂憲一郎 | 11月6日 |
第7話 | 爆炎の支配者 | 中山敦史 | 米澤優 | 11月13日 | ||
第8話 | 受け継がれる想い | 寺東克己 | 堂山卓見 | 小澤早依子 | 豆塚隆 | 11月20日 |
第9話 | 大鬼族の襲撃 | 登坂晋 |
| 高岡じゅんいち | 11月27日 | |
第10話 | オークロード | 名村英敏 | 谷澤篤金 |
| 桂憲一郎 | 12月4日 |
第11話 | ガビル参上! | 吉田泰三 | 笹原嘉文 |
| 豆塚隆 | 12月11日 |
第12話 | 狂いゆく歯車 | 名和宗則 | 森義博 |
|
| 12月18日 |
第13話 | 大激突 | 頂真司 | 中山敦史 |
| 桂憲一郎 | 12月25日 |
第14話 | 全てを喰らう者 | 小島正士 | 伊藤康裕 |
| 豆塚隆 | 2019年 1月8日 |
第15話 | ジュラの森大同盟 | 寺東克己 | 山田晃 |
| 高岡じゅんいち | 1月15日 |
第16話 | 魔王ミリム来襲 |
| 名和宗則 |
| 桂憲一郎 | 1月22日 |
第17話 | 集う者達 | 小島正士 | 登坂晋 |
| 高岡じゅんいち | 1月29日 |
第18話 | 忍び寄る悪意 |
| 森義博 |
| 桂憲一郎 | 2月5日 |
第19話 |
| 中山敦史 |
| 豆塚隆 | 2月12日 | |
第20話 | ユウキ・カグラザカ | 小島正士 | 谷澤篤金 |
| 高岡じゅんいち | 2月19日 |
第21話 | シズさんの教え子達 | 寺東克己 | 安川央里 |
| 豆塚隆 | 2月26日 |
第22話 | 迷宮攻略 | 頂真司 | 深瀬重 |
| 酒井秀基 | 3月5日 |
第23話 | 救われる魂 | 小島正士 | 登坂晋 |
| 高岡じゅんいち | 3月12日 |
第24話 | 外伝:黒と仮面 | 頂真司 | 名和宗則 |
| 江畑諒真 | 3月19日 |
第24.5話 | 閑話:ヴェルドラ日記 | 中山敦史(ディレクター) | 3月26日 |
第2期
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
第24.9話 | 閑話:ヒナタ・サカグチ | 中山敦史 |
| 桂憲一郎 | 2021年 1月5日 |
|
第25話 | リムルの忙しい日々 |
| 名和宗則 |
| 伊藤智子 | 1月12日 |
第26話 | 獣王国との交易 | 吉田泰三 | 江口大輔 |
| 中野圭哉 | 1月19日 |
第27話 | 楽園、再び | 清水聡 | 北村将 |
| 酒井秀基 | 1月26日 |
第28話 | 謀略のファルムス王国 | 小島正士 | 加藤顕 |
| 田中雄一 | 2月2日 |
第29話 | 厄災の前奏曲 | 吉田泰三 | 吉田俊司 | 上原史也 | 伊藤智子 | 2月9日 |
第30話 | 動き出す麗人 |
| 石川俊介 |
|
| 2月16日 |
第31話 | 絶望 | 清水聡 |
|
|
| 2月23日 |
第32話 | 希望 | 頂真司 | 藤原和々 |
|
| 3月2日 |
OAD
巻数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第12巻 | 外伝:Mの悲劇? | 小島正士 | 井之川慎太郎 |
| 豆塚隆 |
第13巻 | 外伝:HEY!尻! | 吉田泰三 | 中田誠 |
|
|
第14巻 | 外伝:リムルの華麗な教師生活 その1 | 中山敦史 |
| 酒井秀基 | |
第15巻 | 外伝:リムルの華麗な教師生活 その2 | ||||
第16巻 | 外伝:リムルの華麗な教師生活 その3 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [987] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2018年10月2日 - 2019年3月26日 | 火曜 0:00 - 0:30(月曜深夜) | TOKYO MX | 東京都 | |
BS11 | 日本全域 | 製作参加 / BS放送 / 『ANIME+』枠 | ||
火曜 1:00 - 1:30(月曜深夜) | テレビ神奈川 | 神奈川県 | ||
2018年10月3日 - 2019年3月27日 | 水曜 3:30 - 4:00(火曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 『アニメ特区』第3部 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
---|---|---|
2018年10月3日 | 水曜 12:00 更新 |
|
水曜 23:00 - 23:30 | ニコニコ生放送 | |
2018年10月10日 | 水曜 12:00 更新 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [987] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2021年1月12日 - | 火曜 23:00 - 23:30 | TOKYO MX | 東京都 | |
火曜 23:30 - 水曜 0:00 | BS11 | 日本全域 | BS放送 / 『ANIME+』枠 | |
2021年1月13日 - | 水曜 3:30 - 4:00(火曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 「アニメ特区」第3部 |
水曜 2:05 - 2:35(火曜深夜) | テレビ愛知 | 愛知県 | ||
水曜 1:35 - 2:05(火曜深夜) | テレビ北海道 | 北海道 | ||
水曜 3:05 - 3:35(火曜深夜) | TVQ九州放送 | 福岡県 | ||
火曜 0:00 - 0:30 | とちぎテレビ | 栃木県 | ||
水曜 0:30 - 1:00(火曜深夜) | 群馬テレビ | 群馬県 | ||
水曜 21:30 - 22:00 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / リピート放送あり[WEB 46] | |
2020年1月16日 - | 土曜 1:55 - 2:25(金曜深夜) | テレビユー福島 | 福島県 | [WEB 46] |
土曜 21:00 - 21:30 | アニマックス | 日本全域 | BS/CS放送[WEB 46] | |
第2期第1部(1月 - )、「転スラ日記」(4月 - )、第2期第2部(7月 - )の順に9か月連続放送。 |
BD / DVD
BD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
---|---|---|---|
第1期[WEB 47] | |||
1 | 2019年1月29日 | 第1話 - 第6話 | BCXA-1411 |
2 | 2019年3月26日 | 第7話 - 第12話 | BCXA-1412 |
3 | 2019年5月24日 | 第13話 - 第18話 | BCXA-1413 |
4 | 2019年7月26日 | 第19話 - 第24話 閑話:ヴェルドラ日記 |
BCXA-1414 |
第2期[WEB 48] | |||
1 | 2021年3月26日予定 | 第25話 - 第30話 閑話:ヒナタ・サカグチ |
BCXA-1609 |
2 | 2021年5月26日予定 | BCXA-1610 | |
3 | 2021年9月28日予定 | BCXA-1611 | |
4 | 2021年11月26日予定 | BCXA-1612 | |
転スラ日記[WEB 48] | |||
1 | 2021年6月25日予定 | 第1話 - 第6話 | BCXA-1613 |
2 | 2021年8月27日予定 | BCXA-1614 |
DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 |
---|---|---|---|
第1期[WEB 47] | |||
1 | 2019年1月29日 | 第1話 - 第3話 | BCBA-4931 |
2 | 2019年2月26日 | 第4話 - 第6話 | BCBA-4932 |
3 | 2019年3月26日 | 第7話 - 第9話 | BCBA-4933 |
4 | 2019年4月26日 | 第10話 - 第12話 | BCBA-4934 |
5 | 2019年5月24日 | 第13話 - 第15話 | BCBA-4935 |
6 | 2019年6月25日 | 第16話 - 第18話 | BCBA-4936 |
7 | 2019年7月26日 | 第19話 - 第21話 | BCBA-4937 |
8 | 2019年8月27日 | 第22話 - 第24話 閑話:ヴェルドラ日記 |
BCBA-4938 |
第2期[WEB 48] | |||
1 | 2021年3月26日予定 | 第25話 - 第27話 閑話:ヒナタ・サカグチ |
BCBA-5037 |
2 | 2021年4月27日予定 | BCBA-5038 | |
3 | 2021年5月26日予定 | BCBA-5039 | |
4 | 2021年6月25日予定 | BCBA-5040 | |
5 | 2021年9月28日予定 | BCBA-5041 | |
6 | 2021年10月27日予定 | BCBA-5042 | |
7 | 2021年11月26日予定 | BCBA-5043 | |
8 | 2021年12月24日予定 | BCBA-5044 | |
転スラ日記[WEB 48] | |||
1 | 2021年6月25日予定 | 第1話 - 第3話 | BCBA-5045 |
2 | 2021年7月28日予定 | BCBA-5046 | |
3 | 2021年8月27日予定 | BCBA-5047 | |
5 | 2021年9月28日予定 | BCBA-5048 |
Webラジオ
リムル役の岡咲美保とリグルド役の山本兼平がパーソナリティーを務める「転生したらスライムだった件 ジュラの森放送局」が、2018年9月27日から2019年4月4日まで毎週木曜日にHiBiKi Radio StationとFRESH LIVE響チャンネルより配信された[WEB 11]。
Web動画
- 「ヴェルドラのスライム観察日記 番外編」
スーモとのコラボ企画「転居するならスーモだった件」として配信のコラボ動画。大賢者のコメントで進むため音声や動きはほぼない。
話数 | サブタイトル | 配信日 |
---|---|---|
第1回 | ヴェルドラの悩み | 2020年 2月18日 |
第2回 | イフリートの悩み | 2月21日 |
第3回 | ルームシェアする人の話し合い | 2月26日 |
ゲーム
「転生したらスライムだった件〜魔国連邦創世記(ロードオブテンペスト)〜」が2018年10月30日にスマートフォン向けゲームアプリとして、キック・アスとゲームゲートから配信開始された。基本無料の一部アイテム課金あり。
脚注
注釈
- ^ 「That Time I Got Reincarnated as a Slime」の名で発売されている。1巻 ISBN 978-0316414203
- ^ 「關於我轉生變成史萊姆這檔事」の名で発売されている。1巻 ISBN 978-986-366-753-7
- ^ 「전생했더니 슬라임이었던 건에 대하여」の名で発売されている。1巻 ISBN 979-1-15-710127-6
- ^ 小説版と同タイトルで発売されている。1巻 ISBN 978-1632365064
- ^ 小説版と同タイトルで発売されている。1巻 ISBN 978-986-470-203-9
- ^ 小説版と同タイトルで発売されている。1巻 ISBN 979-1-15-710324-9
- ^ 通常の擬態は魔素の黒霧によって体積の不足を補うが、人間への擬態はスライムの細胞のまま行われる。黒霧が発生しないため魔素を消費せず、また、脳から黒霧で補った部分への命令伝達のタイムラグが発生しないため、スライム時と同等の反応速度を保っている[80]。スライムには生殖の必要が無いため性別はなく、変身後の姿も無性体である[81]。なお、魔素を消費し黒霧で足りない部分を補うことで、見た目の年齢を含めて男寄り・女寄りに変化することも可能である[80]。
- ^ フェイントやレベルの低い攻撃など演算予測が可能なものは軌道が光って見え、予測不能な達人の本気の攻撃などは真っ黒に見えるので、どちらも対処可能になる。
- ^ 魂を与えられた時点では進化は保留されており、帝国のミナザとの闘いでシエルから最適の進化を見出され、進化を果たす
- ^ a b これまでのクロエの時間遡行では、ヒナタの死が切っ掛けとなり力が暴走して2000年以上前の過去に跳ばされ、その後、ヒナタの魂と共に勇者として過ごし、300年前の時点で異世界から召喚された自身が出現した直後に眠りにつき、召喚された自身は直ぐに身体と共に転移してシズに保護され[214]、その数年後にリムルと出会い、未来で死亡したクロノアがクロエに宿るという循環を繰り返していた[215]。
- ^ a b c 死亡したヒナタの魂はクロエに取り込まれ、共に2000年以上前に時間遡行し、異世界からクロエが召喚された時点から、クロエの身体をヒナタが掌握して勇者として活動する[216]。シズに抗魔の仮面を渡した後、異世界からヒナタが召喚された時点でクロエの身体の中で眠り付く[216]。
- ^ 今回のクロエの時間遡行では、精霊の棲家でクロノアが宿った時に未来を少しだけ思い出し、イングラシア王国から去るリムルを引き留めた結果、初めてリムルが生存する状況で過去に跳ばされる[215]。そのため、前回の過去をできるだけ踏襲するようにヒナタと共に心掛け、計画通りにルミナスに封印される[217]。
- ^ a b クロエと共に時間遡行したヒナタの魂は「数学者」に宿り、異世界からヒナタが転生した後、クロエの魂と共に「無限牢獄」の中に隔離される[218]。
- ^ 世界のバランスを公平に保つための管理者として生み出され、名付け親はヴェルダナーヴァだが、転生を繰り返し過ぎたせいで綺麗さっぱり忘れ去っている。
- ^ a b アダルマンとガドラの究極贈与は互いに得手不得手な魔法を補完する対を成す能力である[280]。
- ^ 書籍16巻でディーノはクラマを妖獣族と評する[316]。
- ^ 名を問われた時の返答をレオンが上手く聞き取れず、「シズ」と名乗るように指示され、生まれ変わるためにシズ自身もこれを受け入れる[419]。
- ^ 自分を救ってくれた勇者であるヒナタに感謝を伝える。また、レオンの本心も知ることができ、リムルが約束通りレオンを一発殴ってくれたため、この世界に対する蟠りから解放される[423]。
- ^ 完全無欠な能力ではなく、武器には適用されないので武装すれば弱くなるなどの欠点が存在する[336]。
- ^ 普通は他人の能力を奪うなんて出来ないというカガリの発言を認めたうえで、「強欲者」そのものがより欲望が大きい自分を選んだと返している[434]。
- ^ 近視のせいで目付きが悪いため、冷酷な印象を増長している[474]。
- ^ この時点でシュナが用いた神聖魔法は「解析者」による模倣であり、厳密には自ら神聖魔法を行使できる力はなかった[123]。
- ^ 書籍11巻において、グランベルの死の直後の心象に妻として登場し、なぜスライム(リムル)の手を取らなかったのかと疑問に思うものの、グランベルが人生に満足していることを知り素直に喜び、二人で共に歩んでゆく[571]。
- ^ a b c 天地が創造されるより以前、ヴェルダナーヴァが光の大聖霊から始原の七天使を創造した反動で闇の大聖霊から創造された7体の存在が原初の悪魔である[595]。
- ^ ギィの名が死に逝く者の叫び声であると知ったルドラから、髪の色からギィ・クリムゾンの名を改めて与えられる[603]。
- ^ 身近な者にはいつか暴走の兆しが出たなら自分を殺すよう頼んでいた[630]
- ^ 劣化した限定的な権能しか貸与できない制限があり、エネルギー消費が激しいので最低でも“仙人”に覚醒していないと受け皿になれない[642]。
- ^ 魔国連邦の情報が伝わることを阻止するため、始末すると見せかけてガドラが生き延びることを確信して逃がした。
- ^ ギィはリムルの監視要員として送り込む意図があったが、ディーノは観光気分っであった[590]。
- ^ 大鬼族に伝授した際に、「魔物に心命は似合わぬ」と改名した。
- ^ 後にこの時のクロノアはヒナタの人格で動いていた事が判明しており、迷宮で戦った際に手の内をさらけ出さされた事や、戦闘中に彼女を煽りすぎた事が敗因になった。
- ^ リムルたちの街づくりを見て折角建設したものを破壊されて怒る気持ちをある程度理解できるようになり、機会があれば謝るつもりでいた[756]。しかし、書籍7-8巻では聖騎士団員の前でルミナスの正体をバラしてしまった上、まったく謝罪にならない発言で尚更怒らせてしまう。
- ^ 性別的には雄であり、生殖能力については、本人曰く「個にして完全なる者」であるため必要ないとしている[740]。
- ^ 書籍6巻ではミリム領に併合[334]、[801]では魔国連邦の管轄下、書籍9巻ではテンペストが管理しているがいずれはミリム領に併呑する予定[805]、設定資料集13.5ではミリムとリムルの共同管理と記載[792]。
- ^ 魔素を集めて代用品が作られた後、新陳代謝が行われて本物になる。
- ^ 炉内に炎の精霊を直接召喚する方式では、列車の数だけ呪術師を育成し常駐させなければならない、十分な火力を得るにはB+ランクの中位精霊である火炎蜥蜴(サラマンダー)を召喚しなければならない、といった問題があった。
出典
- ^ 設定資料集8.5, p. 190.
- ^ 設定資料集8.5, p. 288.
- ^ 設定資料集8.5, p. 289.
- ^ 設定資料集8.5, p. 290.
- ^ a b 書籍5巻, 第五章 解き放たれし者.
- ^ 書籍11巻, 第二章 新しい仲間達.
- ^ 設定資料集8.5, p. 291-292.
- ^ 設定資料集8.5, p. 292-294.
- ^ a b 設定資料集8.5, p. 10.
- ^ a b c d e f g h i j k l 書籍1巻, 第一章 初めての友達.
- ^ 書籍1巻, 第二章 ゴブリン村での戦い.
- ^ 書籍1巻, 第三章 ドワーフの王国にて.
- ^ 設定資料集8.5, p. 11-12.
- ^ a b c d e f g 書籍1巻, 第四章 爆炎の支配者.
- ^ 書籍1巻, 第五章 受け継がれる姿.
- ^ 書籍1巻.
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- ^ 設定資料集8.5, pp. 28-33.
- ^ 書籍5巻.
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- ^ 書籍6巻.
- ^ 設定資料集8.5, pp. 40-45.
- ^ 書籍7巻.
- ^ 設定資料集8.5, pp. 46-51.
- ^ a b c d e f g h i 書籍8巻.
- ^ 設定資料集8.5, pp. 52-57.
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- ^ 設定資料集13.5, pp. 20-27.
- ^ 書籍11巻.
- ^ 設定資料集13.5, pp. 28-35.
- ^ 書籍12巻.
- ^ 設定資料集13.5, pp. 36-43.
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- ^ 設定資料集13.5, pp. -44-50.
- ^ 書籍14巻.
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- ^ & 書籍5巻, 第5章, 79%.
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- ^ 書籍6巻, pp. 335-336; 書籍14巻, p. 78; 書籍14巻, p. 78; 書籍15巻, p. 301.
- ^ 設定資料集8.5, pp. 72-73.
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- ^ 書籍17巻, pp. 11-13, 第1章.
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- ^ 設定資料集8.5, p. 89.
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- ^ 書籍16巻, p. 245.
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- ^ 設定資料集13.5, p. 79.
- ^ 書籍3巻, p. 58.
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- ^ 設定資料集8.5, p. 105.
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- ^ 書籍13巻, 第4章, p. 76%.
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- ^ a b c d e f 設定資料集13.5, p. 100.
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