オシロイバナ
オシロイバナ | |||||||||||||||||||||
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![]() オシロイバナ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Mirabilis jalapa L. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
オシロイバナ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
marvel of Peru four o'clock flower |
オシロイバナ(白粉花、白粧花; 学名: Mirabilis jalapa)は、オシロイバナ科の多年草または一年草である。南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来した。花が美しいため観賞用に栽培されるが、広く野生化もしている。
リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[1]。
特徴[編集]
茎はよく枝分かれして灌木状となるが節がはっきりしていて、木質化はしない。全体にみずみずしい緑。花は赤、黄色、白や絞り模様(同じ株で複数の色のものもある)などで、内、白と黄の絞りは少ない。花は夕方開き、芳香がある。このため和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれるが、この名はアカバナ科のものにも使われているので注意を要する。英語ではFour o'clock、中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)、煮飯花(夕飯の時間から)などと呼ばれる。夜間に開き花筒が長いので口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。オシロイバナは網状脈である。
花弁はなく、花弁に見えるのはがくで基部は緑色でふくらんでいる。また花の根元にある緑色のがくのようなものは総苞である。花が咲き終わった後、がくは基部を残して脱落し果実(種子を1つ含む)ががくの基部に包まれたまま熟して全体が黒い種子のようになる。種子には粉状の胚乳があり、これからオシロイバナの名がついた。根はいも状になり、暖地では冬に地上部が枯れてもこの地下部が生き残り次の年に根から芽を出す。
利用[編集]
オシロイバナ属には観賞用に栽培されるもののほか、アンデス山脈周辺でいもを食用にするもの(maukaまたはchago、M. extensa)もある。
根を利尿、関節炎の生薬として処方される。また、葉は切り傷、たむしの治療に用いられる[2]。
脚注[編集]
- ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 177
- ^ 羽根田治『新装版・野外毒本:被害実例から知る日本の危険生物』山と渓谷社 2014年、ISBN 9784635500357 p.146.