青野くんに触りたいから死にたい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
青野くんに触りたいから死にたい
ジャンル 青年漫画恋愛漫画
漫画
作者 椎名うみ
出版社 講談社
掲載誌 月刊アフタヌーン
レーベル アフタヌーンKC
発表号 2017年2月号 -
発表期間 2016年12月24日[1] -
巻数 既刊6巻(2020年1月23日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

青野くんに触りたいから死にたい』(あおのくんにさわりたいからしにたい)は、椎名うみによる日本青年漫画。作者の連載デビュー作であり[2]、『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2017年2月号から連載中。

本作は人間と幽霊の恋物語であり[2]、2人の関係性が「ユーモアと狂気の描写を織り交ぜ」ながら描かれている[3]。連載開始後、講談社のウェブコミック配信サイト『モアイ』で第1話が公開され、2人の恋愛模様がインターネット上で話題となった[4]

あらすじ[編集]

加々智高校の女子生徒・刈谷優里は、6月のある日、隣のクラスの青野龍平と会話し、彼に好意を抱く。優里は青野に告白し、交際をスタートさせるが、2週間後、青野は交通事故で亡くなってしまう。優里は後追い自殺をしようとするが、そこに幽霊となった青野が現れる。青野は傍にいるから死なないよう優里に伝え、優里もそれを受け入れる。

あるとき、優里は、青野に憑依を試すよう提案する。それ以来、青野に別の人格・黒青野が現れ、優里など周囲の人間に乗り移ろうとするようになる。そして、青野が、生前の自分と親しかった藤本雅芳に憑依した際、別の生徒が負傷する事件が起きる。この事件を機に、優里と藤本は、優里のクラスメイト・堀江美桜を合わせた3人で、青野について調べるようになる。一方、青野の中では黒青野の力が増し、優里を異界に連れて行こうとする。優里は黒青野と向き合い、黒青野の力を弱めることに成功する。

夏休み、優里と藤本は学童保育のアルバイトを始める。2人の勤務先の小学校には、寿命の一部を霊に捧げると願いが叶うおまじないがあった。これを知った美桜は、優里もおまじないと同じく青野に命を捧げた状態にあるのではないか、という仮説を立てる。

登場人物[編集]

刈谷 優里(かりや ゆうり)
本作の主人公[5]。加々智高校の女子生徒で、クラスは2年D組。天然ボケで、かつ一途な性格の持ち主[2]。生前の青野と交際しており、青野が幽霊となった後も引き続き彼と交際している。青野とは「生け贄の契約」を結んだ状態にあり、契約の影響で外見にも変化が生じている[注釈 1]
青野 龍平(あおの りゅうへい)
優里の恋人。加々智高校の男子生徒で、クラスは2年C組。優里との交際を開始してから2週間後に亡くなり、以降は幽霊として登場する。優しく、誠実な性格の持ち主[2]。ただし、幽霊となってからはブラックな別人格が生じており、作中ではその状態の青野は黒青野と呼ばれている。
藤本 雅芳(ふじもと まさよし)
青野の友人。加々智高校の男子生徒で、クラスは2年C組。物言いは辛辣だが、根は優しい。青野が幽霊となったことを知る1人だが、優里とは異なり、青野を視認することはできない。
堀江 美桜(ほりえ みお)
加々智高校の女子生徒で、優里のクラスメイト[注釈 2]ホラー映画に造詣が深く、優里や藤本と協力して青野について調べている。

制作背景[編集]

本作は、作者の椎名がTwitterに投稿した「幽霊の男の子と付き合ってる女の子」の漫画が原型となっている[6]。この漫画は、当時、連載用の漫画のネーム作りで苦戦していた椎名が息抜きで描きたいように描いたもので、それを読んだ担当編集者の提案により、連載用のネームに起こすことが決まった[6]

椎名によると、本作で最初に誕生したシーンは、女の子が幽霊に向かって「君に触れないなら死ぬしかない」と言い放つシーンだという[7]。椎名は、このシーンについて、女の子の「感情が振り切れる瞬間」を描写したかった、と述懐している[2]

作風[編集]

マンガ情報サイト「このマンガがすごい!WEB」では、本作は「死んでも離れることのないカップルの純粋で切実な恋心を描く、異色のラブストーリー」と紹介されている[8]。特に、恋人が幽霊となっても一途に想い続ける優里については、読者から様々な意見が寄せられている。作者によると10代の女性読者から共感の声が多く寄せられているといい、一方で、マンガライターの門倉紫麻は優里への共感を示しつつも「狂気めいたものを感じずにはいられない」と評している[2]。書評サイト「マンガHONZ」に掲載されたレビューでは、優里がどう考え、どう動くか予想できないところが、他の作品にはない本作の特徴だと評されている[9]

また、本作にはホラーミステリーといった要素も含まれている[2]京都国際マンガミュージアムの倉持佳代子は、「ラブコメかと思いきや本格ホラーへ変化していく展開が斬新」と本作を評し[10]、不安定な絵柄と相俟って「読者に色んな感情を巻き起こす」ことに成功している、と述べている[11]

賞歴・ノミネート歴[編集]

発表年 部門 対象 結果
2018 次にくるマンガ大賞 2018 コミックス部門 青野くんに触りたいから死にたい 14位[12]

書誌情報[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 作中では、夏休みに入る前に髪の色が黒から白へ変化している。
  2. ^ ただし、物語開始の時点で自宅に引きこもっており、高校には通っていない。

出典[編集]

  1. ^ 【新連載】本日発売のアフタヌーン2月号より、椎名うみ『青野くんに触りたいから死にたい』新連載開始! 萩尾望都氏が感嘆した気鋭の新人、満を持して連載デビュー!”. アフタヌーン公式サイト. 講談社 (2016年12月24日). 2017年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 門倉紫麻「『青野くんに触りたいから死にたい』椎名うみインタビュー」『ダ・ヴィンチ』第24巻第10号、KADOKAWA、2017年10月6日、 190-191頁。
  3. ^ 青野くんに触りたいから死にたい”. 文化庁メディア芸術祭公式サイト. 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品. 文化庁. 2018年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月24日閲覧。
  4. ^ ピュアな狂気が押し寄せる! 漫画「青野くんに触りたいから死にたい」がクレイジー過ぎると話題に”. ねとらぼ (2017年1月27日). 2017年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月28日閲覧。
  5. ^ 切なくて怖い新感覚ラブストーリー「青野くんに触りたいから死にたい」1巻”. コミックナタリー. ナターシャ (2017年6月23日). 2017年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月23日閲覧。
  6. ^ a b 【担当とわたし】「青野くんに触りたいから死にたい」椎名うみ×担当編集対談<その2>”. コミックDAYS. 編集部ブログ. 講談社 (2018年4月27日). 2018年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月19日閲覧。
  7. ^ 【担当とわたし】「青野くんに触りたいから死にたい」椎名うみ×担当編集対談<その3>”. コミックDAYS. 編集部ブログ. 講談社 (2018年5月2日). 2018年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月19日閲覧。
  8. ^ 【8月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】今月の第1位は、あの“悪魔的”中間管理職も思わず「ざわ・・ざわ・・」なスピンオフ!?”. このマンガがすごい!WEB. 宝島社. p. 2 (2017年7月20日). 2017年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月23日閲覧。
  9. ^ 岡本真帆 (2017年7月14日). “ピュアな恋心と狂気は、きっと紙一重。死線を超える恋のゆくえ『青野くんに触りたいから死にたい』”. マンガHONZ. 2017年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月19日閲覧。
  10. ^ 【回顧2017】マンガ 本年のベスト3作品を選ぶ”. YOMIURI ONLINE. 読売新聞社 (2018年1月1日). 2018年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月19日閲覧。
  11. ^ 倉持佳代子 (2018年3月26日). “展開 予想外のホラー”. 読売新聞東京夕刊 (読売新聞東京本社): p. 7 
  12. ^ 次にくるマンガ大賞「錦田警部はどろぼうがお好き」3位で青山剛昌がエール、新装版も発売決定”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年8月23日). 2018年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月24日閲覧。

講談社コミックプラス[編集]

以下の出典は『講談社コミックプラス』(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

  1. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (1)”. 2018年8月19日閲覧。
  2. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (2)”. 2018年8月19日閲覧。
  3. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (3)”. 2018年8月19日閲覧。
  4. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (4)”. 2018年11月24日閲覧。
  5. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (5)”. 2019年5月22日閲覧。
  6. ^ 青野くんに触りたいから死にたい (6)”. 2020年1月23日閲覧。

外部リンク[編集]