蜂女

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蜂女
仮面ライダーシリーズのキャラクター
初登場仮面ライダー
作者 石ノ森章太郎(原作)
沼波輝枝(『仮面ライダー』)
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蜂女(はちおんな)は、仮面ライダーシリーズ第1作『仮面ライダー』およびその派生作品に登場する怪人。

『仮面ライダー』に登場する蜂女

諸元
蜂女
別名 妖怪[出典 1]
身長 157cm[出典 2]
体重 46kg[出典 2]
出身地 スペインの原野[出典 3]
アジト 廃工場の地下室[出典 4]
鳴き声
弱点 羽根[13][5]

『仮面ライダー』第8話・第13話に登場[10]

ハチをモチーフとする(ハチの特性を備えた[10])改造人間。「仮面ライダーシリーズ」初の女性怪人である[15]

催眠音波で人間を操る能力を持つ[出典 5]。毒針を仕込んだ剣を武器とし[出典 6][注釈 2]、配下の戦闘員もこれを用いる。廃工場の地下に構えた毒ガス工場の工場長を務める[出典 7]

影村めがね店で販売する特殊な装置が付いた眼鏡をかけた人間を自らの羽音で操り、毒ガス工場の作業員にしている。アジトに潜入した本郷猛を剣の先端の毒針で眠らせて捕らえた後に捕虜ともども逃走されるが、すでに緑川ルリ子に仕掛けていた催眠装置で本郷を毒殺しようとする。催眠装置の音波を追ってやってきた仮面ライダーと対決し、剣戟を繰り広げた後、剣を弾き飛ばされてライダーキックを受けて崖下に転落し、溶けて黄色い液体となって消滅する。

第13話では、トカゲロンに率いられた再生怪人の1体として登場。

  • 演:岩本良子(第8話・第13話)[出典 8]瀬島達佳[出典 9][注釈 3]
  • 声:沼波輝枝[10]
  • 美術を担当した三上陸男は蜂女を特に好きな怪人に挙げており、シンプルでスラリとした体型が人間を元にした改造人間であることが表されていると評している[21]
  • 第4話として執筆された準備稿「怪!?蜂女」では、最後は剣を折られて羽根も破られ、生死不明となるという展開であった[2]
  • 脚本を担当した滝沢真里によると、蜂女の正体は「彼女の被害者である会社員・池田の(劇中では既に死んだとされる)妻であり、少女・サチ子の母」という設定であったとのこと[9]
  • ブリヂストン自転車『ドレミ』のCMではベルトをつけた状態で登場している[22][2]。『仮面ライダー』第8話と同じく岩本良子が演じた[18][22]

『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』に登場する蜂女

諸元
蜂女
身長 157cm[8][23]
体重 46kg[8][23]

映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』に新規デザインで登場。

スーパーショッカーの女性怪人で、幹部候補。元ショッカー所属でスーパー死神博士に気に入られている。ネオ生命体の誕生と組織の勢力拡大のために行動する。

ワスプフルーレ[8][23]という名のレイピアが武器で、剣先に仕込まれた毒針を突き刺すスティングショック[8][23]で攻撃し、敵を数秒で死に誘う。タックルとは対戦した過去があるために因縁を持っており、再度の対戦でウルトラサイクロンを受けて重傷を負い、ネオ生命体の力を得ようとするが、逆に取り込まれてしまう。

  • 演:及川奈央[23]
  • SmaSTATION!!』で印象に残る怪人のアンケートを取ったところ、第4位にランクインしたことと、秀逸なデザインに仮面ライダーの奥深さを感じたため登場させることが決定した[24]

漫画作品に登場する蜂女

  • 漫画『新 仮面ライダーSPIRITS』の過去編では、死神博士に命令されて第13話の時点で一文字隼人の捕獲に関わっていたことが明かされており、彼に催眠術をかける姿も描かれている。

石ノ森章太郎の漫画版

石ノ森章太郎による漫画『仮面ライダー』では、ショッカーの基地内で、本郷がくも男を倒したことについてこうもり男と会話する。

常に全身に影が差しており、明確な姿は描かれていない。戦闘シーンは無い。

小説作品に登場する蜂女

  • 小説『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER DEN-O EDITION -1971年4月3日-』では、ネガタロスが構想する「ネガタロス軍団(決)」のメンバーとして登場。構想のみで戦闘シーンはない。

『蜂女物語』

東映プロデューサーの平山亨は、蜂女の供養をしていたファンの女子高生に触発されて小説『蜂女物語』を執筆し、書籍『仮面ライダーV3カード』(日本文芸社)に掲載している[25]

蜂女の前身はサダエという昭和20年2月生まれの日本人の少女で、誕生直後に母は憲兵から逃れようとして死亡し、孤児院の大台園で育てられていた[25]。サダエは9歳の時にアメリカの資産家リグリーの養子となるが、16歳の時にリグリーが破産して南アフリカ共和国に移住する[25]。人種差別の激しい南アフリカでサダエは迫害され、養父母のもとからも逃げ出して黒人夫人に保護されるが、黒人居留区で白人のスパイと疑われ、日本へ強制送還されることとなる[25]。強制送還のために乗せられた貨物船の中でサダエはショッカー大幹部の死神博士から誘われ、腐敗した権力社会へ復讐するために改造人間となることを選ぶ[25]

ゲーム作品に登場する蜂女

  • スーパーファミコン用ソフト『仮面ライダー』では、第3ステージ以降のステージに登場。
  • プレイステーション用ソフト『仮面ライダー』では、使用キャラクターの1体として登場。他の怪人同様、ショッカーストーリーで勝ち抜けば、最強怪人となった姿を見ることができる。
  • PlayStation 2用ソフト『仮面ライダー 正義の系譜』では、1号編の敵キャラクターとして登場。担当声優は中谷ゆみ。催眠術で作業員を操るなどの行動をし、最期は1号に恨みを晴らすために襲いかかるが再び倒された。

コンパチヒーローシリーズ

『仮面ライダーSD』

漫画『仮面ライダーSD マイティライダーズ』
地獄大使の作戦で、スパイとして潜入するが、ミーハーな性格からスーパー1に惚れてしまう。
OVA『仮面ライダーSD 怪奇!?クモ男』
プロポーズ大作戦でRXにプロポーズされるが、ライダーマンに横取りされる。

『お昼のショッカーさん』

ショッカー戦闘員たちの上司として登場。完璧な女性として、戦闘員やイカデビルから一目置かれているが、実はドジな面などがある。

関連するキャラクター

モチーフにしたキャラクターなど。

ハチ女 ズー
仮面ライダーJ』に登場する怪人。ショッカーの初期怪人のモチーフということでハチが選ばれた[26]
ビーロード
仮面ライダーアギト』に登場する怪人。武器がレイピアであるなど蜂女を意識したものとなっている[27]
アピス・ウェスパ
声:塩野勝美
第22話に登場。男性怪人。
アピス・メリトゥス
声:高田由美
第22話と第23話に登場。女性怪人。
イーグラ
演:長澤奈央
映画『仮面ライダー1号』で登場するノバショッカーのメンバー。蜂女同様にサーベルを使って攻撃する。同映画のパンフレットでは、「蜂女と同系統の改造人間」と推測している[28]
クイーンビー・デッドマン
声:浅倉唯
仮面ライダーリバイス』に登場する怪人。蜂女のオマージュで、女王蜂をモチーフとしている[29]

脚注

注釈

  1. ^ 書籍『仮面ライダー画報』では「キィーッ」[7]、書籍『仮面ライダー大研究』では「キー、キェーッ」[3]と記述している。
  2. ^ 書籍『仮面ライダー大全』ではフェンシングの名手と記述している[6]
  3. ^ アクションを担当[19][20]

出典

  1. ^ a b c 超全集 1992, p. 60, 「ショッカー怪人図鑑」
  2. ^ a b c d e f OFM 特1 2005, pp. 18–19, 「大怪人図録 PART I かまきり男/死神カメレオン/蜂女/コブラ男/ゲバコンドル」
  3. ^ a b 大研究 2007, pp. 32–33, 「8 見所は冷酷非情な蜂女と初登場・おばけマンション」
  4. ^ a b c d e f g 怪人列伝 2011, p. 24, 「妖怪 蜂女」
  5. ^ a b c d e f g 怪人大画報 2016, p. 78, 「妖怪蜂女」
  6. ^ a b 大全 2000, pp. 56–58, 「ショッカーの誇る改造人間・その全容 PART I」
  7. ^ a b c 画報 2001, p. 32
  8. ^ a b c d e f g 超辞典 2011, pp. 588–622, 「は」
  9. ^ a b c d キャラクター大全 1号・2号編 2014, pp. 16–25, 「仮面ライダー1号 ENEMY」
  10. ^ a b c d e f 仮面ライダー図鑑 蜂女”. 東映. 2021年1月18日閲覧。
  11. ^ 仮面ライダーカード 1993, pp. 5–187.
  12. ^ カード図鑑 1997, pp. 17–172.
  13. ^ a b c カルビー仮面ライダースナック』付属の仮面ライダーカードNo.159「はち女」[11][12]
  14. ^ 大全 2000, pp. 114–115, 「ショッカー&ゲルショッカー全怪人声優&鳴き声リスト」
  15. ^ 怪人ランキング 2014, p. 40, 「第13位 382pts 蜂女」.
  16. ^ OFM Vol.1, pp. 22–25, 「ショッカー怪人目録」
  17. ^ 大全集 1986, pp. 16–19, 「メーキング オブ 仮面ライダー」
  18. ^ a b 怪人大全集 1986, pp. 14–15, 「ショッカー(第8話-第10話)」
  19. ^ a b OFM Vol.9, pp. 27–29, 「特集 大野剣友会 ライダーアクション 影の主役たち」
  20. ^ 受け継がれる魂 2002, p. 196.
  21. ^ 大全集 1986, p. 238, 「仮面ライダーSTAFF CASTインタビュー 三上陸男
  22. ^ a b OFM Vol.10, p. 24, 「CFに登場した再生怪人たち」
  23. ^ a b c d e 仮面ライダー図鑑 蜂女(DCD)”. 東映. 2020年2月27日閲覧。
  24. ^ パンフレット 2009, 「[W&ディケイド プロデューサー対談2010] 仮面ライダーを支える2人のプロデューサーが、今回の映画について熱く語る! 白倉伸一郎×塚田英明」.
  25. ^ a b c d e V3カード 1998, pp. 185–189, 平山亨「蜂女物語」
  26. ^ 竹書房/イオン 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、216頁。ISBN 4-88475-874-9 
  27. ^ 超辞典 2011, p. 805.
  28. ^ 映画『仮面ライダー1号』パンフレットより。
  29. ^ フィギュア王297 2022, p. 62, 取材・構成・文 大前京太郎「悪魔ライダー黙示録【第三章:華麗なる競演! 悪魔ライダー大狂宴!】終末は週末に救え! デッドマンズとウィークエンド」.

出典(リンク)

参考資料

  • 大全集シリーズ(講談社
    • 『創刊15周年記念 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー大全集』講談社、1986年5月3日。ISBN 4-06-178401-3 
    • 『創刊15周年記念 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー怪人大全集』講談社、1986年10月10日。ISBN 4-06-178402-1 
  • 『仮面ライダー超全集 1号・2号・V3・ライダーマン』小学館てれびくんデラックス愛蔵版〉、1992年3月10日。ISBN 4-09-101427-5 
  • 堤哲哉 編『仮面ライダーカード』日本文芸社、1993年11月25日。ISBN 4-537-02386-4 
    • 堤哲哉 編『仮面ライダーV3カード』日本文芸社、1998年7月25日。ISBN 4-537-02642-1 
  • 木下正信『仮面ライダー 仮面ライダーV3 カード完全図鑑』竹書房、1997年5月31日。ISBN 4-8124-0300-6 
  • 岩佐陽一 編『仮面ライダー大全』双葉社、2000年7月14日。ISBN 4-575-29121-8 
  • 竹書房/スタジオ・ハード 編『仮面ライダー画報』竹書房、2001年9月25日。ISBN 4-8124-0783-4 
  • 『仮面ライダーSPIRITS公式ファンブック 受け継がれる魂』講談社、2002年6月19日。ISBN 4-06-334551-3 
  • TARKUS 編『仮面ライダー大研究』二見書房、2007年6月5日。ISBN 978-4-576-07090-2 
  • 安藤幹夫 編『仮面ライダー怪人列伝 1号 2号 V3編』竹書房、2011年5月2日。ISBN 978-4-8124-4542-6 
  • 『仮面ライダー超辞典』監修:石森プロ東映、双葉社、2011年7月24日。ISBN 978-4-575-30333-9 
  • 講談社 編『キャラクター大全 仮面ライダー 1号・2号編 仮面の男パーフェクトファイル』講談社、2014年3月20日。ISBN 978-4-06-218825-8 
  • 『僕たちの「仮面ライダー」怪人ランキング』宝島社〈TJ MOOK〉、2014年9月28日。ISBN 978-4-8002-3083-6 
  • 『仮面ライダー1971-1984 秘蔵写真と初公開資料で蘇る昭和ライダー10人』講談社、講談社、2014年11月20日。ISBN 978-4-06-218566-0 
  • 宇宙船別冊 仮面ライダー怪人大画報2016』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2016年3月28日。ISBN 978-4-7986-1202-7 
  • 雑誌
    • 『KODANSHA Official File Magazine 仮面ライダー』講談社。
    • 『フィギュア王』No.297、ワールドフォトプレス、2022年11月30日、ISBN 978-4-8465-3281-9 
  • 劇場パンフレット
    • 『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』パンフレット 2009年12月12日発行 構成・取材・文:竹中清(オフィスクラッター!) 発行所:東映事業推進部