東名高速道路

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高速自動車国道
(有料)
東名高速道路
東名高速道路
地図
路線延長 346.8 km
開通年 1968年昭和43年)- 1969年(昭和44年)
起点 東京都世田谷区東京IC
主な
経由都市
川崎市横浜市厚木市
沼津市静岡市浜松市
豊川市岡崎市豊田市名古屋市
終点 小牧市小牧IC
接続する
主な道路
記法
記事参照
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

東名高速道路(とうめいこうそくどうろ、TOMEI EXPRESSWAY)は、東京都世田谷区東京ICから、神奈川県静岡県経由し、愛知県小牧市小牧ICへ至る高速道路高速自動車国道)である。通称東名高速(とうめいこうそく、TOMEI EXPWY)、東名(とうめい)、新東名高速道路と特に区別する場合には旧東名など。法定路線名は第一東海自動車道である[1]。また、 アジアハイウェイ1号線の一部である。

概要

全区間を中日本高速道路(NEXCO中日本)が管理・運営している。中央自動車道名神高速道路新東名高速道路新名神高速道路東名阪自動車道西名阪自動車道とともに、東京23区付近から名古屋付近を経由し大阪付近につながる日本の大動脈となっている。名神と一体とした呼称で東名神と呼ぶこともある。

東京IC - 厚木IC大都市近郊区間であり、普通区間に比べて通行料金が割高になっている。

東京IC・横浜青葉IC裾野ICの3箇所のICを除き、全てトランペット型ICとなっている。また台風接近時は高波の影響で下り線(名古屋方面)の富士IC - 清水JCTが度々通行止になる。

東京ICから小牧ICまでの直線距離は248.4km[注釈 1]であるが、東名の延長距離は346.8kmと、約98kmも迂回している(東海道新幹線東京駅 - 名古屋駅とほぼ同じ距離)。

毎年10月〜11月に2週間(土・日・祝日を除く)の工期で「東名集中工事」が実施されている(後述)。

道路名

「東名高速道路」の名称は東京IC - 小牧IC間の道路名であり、小牧IC以西の道路名は「名神高速道路」である。便宜上、名古屋IC - 小牧ICを名神に含める場合もある。法令(国土開発幹線自動車道建設法の別表、高速自動車国道の路線を指定する政令の別表)による路線名は、それぞれ第一東海自動車道中央自動車道西宮線である。また、中央自動車道西宮線は、東京都から西宮市までの一貫した路線であるため、小牧JCTから小牧ICまでは重複している。これは、逆にすると、高速自動車国道の路線11,520kmの内訳である第一東海自動車道(東名)347kmと中央自動車道西宮線(名神)465kmと合わなくなることからもわかる。

「高速道路」という呼称を使用しているのは、現在、新東名・東名と新名神・名神のみであるが、これは東名・名神の計画建設の進められる過程で広く民間において「高速道路」という通称が使用され、一般的に定着して馴染みがある名称となったという歴史的な背景を考慮して採用されたものである[2]。ただし新聞等のメディアでは、東名開通後も暫く「東名高速自動車道」「名神高速自動車道」と表記していた[3]。なお、中央道については開通当初「中央高速道路」と称していたこともあり、現在でも中央高速と呼ばれることがある(中央道日野バス停付近を並走する一般道路の看板には、中央高速と書かれている)。近年開通した新東名、新名神についてはそれぞれ東名、名神のバイパスルートとして建設されたという経緯を踏まえた特例である。逆に一部のサービスエリアの案内板や一部の公的文書[4]などにおいて「東名高速道路」「新東名高速道路」「名神高速道路」「新名神高速道路」の略称として「東名道」「新東名道」「名神道」「新名神道」と表記されるケースもある。

新東名高速道路との関係

新東名高速道路は東名と並行しながらもより短絡しており、御殿場JCT - 三ヶ日JCTで新東名 - (浜松いなさJCT) - 引佐連絡路を利用した場合、従来の東名経由より約10km短縮、さらに10分~20分の短縮になっている。複数ルートが選択出来る場合は最短ルートの通行料金が適用されるため、御殿場IC以東⇔豊川IC以西を相互に利用した場合は従来より通行料金が値下げされた。

また、新東名においては台風などの高波による通行止めや大規模地震による路面点検などの通行止等、現行の東名では常識的に行われていた処置を最小限にかつ迅速に対応して東西の物流確保に対応している。

2012年4月14日に御殿場JCT - 浜松いなさJCT、連絡道の清水JCT - 新清水JCT・浜松いなさJCT - 三ヶ日JCTがそれぞれ開通し、2016年2月13日には浜松いなさJCT - 豊田東JCTが開通した。今後、海老名南JCT(仮称) - 厚木南IC(仮称)が2017年度、厚木南IC(仮称) - 伊勢原北IC(仮称)が2018年度、伊勢原北IC(仮称) - 御殿場JCTが2020年度に順次開通予定である。

通過する自治体

接続高速道路

インターチェンジなど

  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示す。施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
  • スマートICは背景色で示す。
  • 路線名の特記がないものは市町道
  • BSのうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
    • 浜松IC、名古屋ICは▲としている。これは当該BSはIC近隣に設置された施設でIC設備からも離れており、本高速道路に属すBSではないためである。しかし実際の運用上の扱いは一緒である。
IC
番号
施設名 接続路線名 東京
から
km
BS 備考 所在地
首都高速3号渋谷線 大橋谷町方面
1 東京IC 都道311号環状八号線 0.0 東京都 世田谷区
- 東名JCT 東京外かく環状道路(事業中)[5] - 2020年開通予定
- 宿河原JCT 川崎縦貫道路(II期) - 調査中 神奈川県 川崎市
- 東京TB/向ヶ丘BS - 6.7
3 東名川崎IC 市道野川菅生線 7.6
- 江田BS - 10.5 横浜市
3-1 横浜青葉IC/JCT 国道246号
横浜環状北西線(事業中)
13.3 JCTは2021年度完成予定
- 港北PA - 14.1
14.8
名古屋方面
東京方面
4 横浜町田IC 国道16号大和バイパス/保土ヶ谷バイパス 19.7 BSは1999年(平成11年)廃止
- 大和BS - 24.0 大和市
- 綾瀬BS/IC 県道42号藤沢座間厚木線 28.8 ICは2017年度供用予定[6] 綾瀬市
- 海老名SA - 31.3 海老名市
4-1 海老名JCT 首都圏中央連絡自動車道 33.9 -
5 厚木IC 国道129号
小田原厚木道路
35.0 厚木市
- 厚木BS - 36.7
- 伊勢原BS - 41.7 伊勢原市
- 伊勢原JCT 新東名高速道路(事業中) - 2018年度開通予定
5-1 秦野中井IC/秦野BS 県道71号秦野二宮線
厚木秦野道路(未事業化)
50.1 秦野市
- 中井PA - 53.6 中井町
- 大井BS - 57.1 大井町
6 大井松田IC 国道255号
県道78号御殿場大井線
57.9
- 松田BS - 60.2 松田町
- 山北BS - 63.6 山北町
- 鮎沢PA - 71.9
72.5
下り線左ルート
上り線
- 小山BS - 75.5 下り線は左ルート 静岡県 小山町
- 足柄BS - 79.2
- 足柄SA - 80.9 SIC設置構想あり
御殿場市
7 御殿場IC第二出入口 国道138号御殿場バイパス 83.7 東京方面出入口
御殿場IC第一出入口/御殿場BS 県道401号御殿場箱根線
7-1 御殿場JCT 新東名高速道路 88.3 - 東京方面のみ接続
- 駒門PA - 89.9
90.0
名古屋方面
東京方面
7-2 裾野IC 県道82号裾野インター線 93.8 裾野市
- 裾野BS - 95.5
8 沼津IC 伊豆縦貫自動車道
県道83号沼津インター線
県道405号足高三枚橋線
103.3 沼津市
8-1 愛鷹PA/SIC - 105.9
- 原BS - 112.2
- 中里BS - 115.7 富士市
9 富士IC 国道139号西富士道路 121.5
- 松岡BS - 125.0
9-1 富士川SA/SIC 県道10号富士川身延線 127.5 ハイウェイオアシス併設
- 蒲原BS - 133.1 静岡市
- 由比PA - 138.6
139.7
名古屋方面
東京方面
- 興津BS - 142.5
9-2 清水JCT 新東名高速道路 146.4 -
10 清水IC 国道1号静清バイパス 147.8
- 日本平PA - 155.8
- 東名静岡東SIC 静岡県道74号山脇大谷線 - 2017年度供用予定[6]
11 静岡IC 県道84号中島南安倍線 161.8
- 日本坂PA - 171.5
171.6
東京方面
名古屋方面
焼津市
12 焼津IC 県道81号焼津森線 173.6
- 焼津西BS - 176.1
12-1 大井川焼津藤枝SIC/大井川BS 181.4
13 吉田IC 県道34号島田吉田線 185.6 吉田町
- 牧之原SA/牧の原BS - 194.5 牧之原市
13-1 相良牧之原IC 国道473号金谷御前崎連絡道路 197.0
14 菊川IC 県道37号掛川浜岡線 201.8 菊川市
14-1 掛川IC 県道38号掛川大東線
県道403号磐田掛川線
207.8 掛川市
- 小笠PA - 209.7
- 岡津BS - 212.9
15 袋井IC 県道61号浜北袋井線 219.4 袋井市
15-1 磐田IC 県道86号磐田インター線
県道283号横川磐田線
223.3 旧磐田原PA 磐田市
15-2 遠州豊田PA/SIC 225.2
- 磐田BS - 226.2
16 浜松IC 県道65号浜松環状線 230.0 浜松市
- 浜松北BS - 233.5
- 三方原PA/SIC - 234.9 スマートICは2016年度供用予定[6]
16-1 浜松西IC 県道65号浜松環状線 240.5
- 舘山寺BS/SIC 静岡県道320号引佐舘山寺線 244.7 スマートICは2016年度供用予定[6]
- 浜名湖SA - 247.9
17 三ヶ日IC 県道85号三ヶ日インター線
県道308号鳳来三ケ日線
251.1
- 三ヶ日BS - 255.0
17-1 三ヶ日JCT 新東名高速道路
三遠伊勢連絡道路(調査中)
255.8 -
- 新城PA - 261.1 愛知県 新城市
- 豊橋北BS - 262.3 豊橋市
- 豊橋TB - 本線料金所(検札所)
2007年5月31日廃止
18 豊川IC 国道151号 269.0 豊川市
- 赤塚PA - 274.0
- 音羽BS - 279.1
18-1 音羽蒲郡IC 国道1号
県道73号長沢蒲郡線音羽蒲郡道路
280.2
- 本宿BS - 285.4 岡崎市
- 美合PA - 289.7
19 岡崎IC 国道1号 293.4
- 名称未定(SIC 都市計画道路岡崎環状線 - 設置を検討中[7]
- 岩津BS - 301.5
19-1 豊田JCT 伊勢湾岸自動車道 304.1 豊田市
- 上郷SA/SIC - 305.8 スマートICは2016年度供用予定[6]
20 豊田IC 国道155号豊田南バイパス
県道76号豊田安城線
310.8
20-1 東名三好IC/三好BS 県道54号豊田知立線 315.8 みよし市
- 東郷PA - 318.1 日進市
- 日進BS - 319.3
20-2 日進JCT 名古屋瀬戸道路 322.3
21 名古屋IC 名古屋第二環状自動車道支線
県道60号名古屋長久手線
325.5 名古屋市
- 旭BS - 329.5 尾張旭市
- 守山PA/SIC - 333.6 スマートICは2017年度供用予定[6] 名古屋市
22 春日井IC 国道19号春日井バイパス 337.6 春日井市
23 小牧JCT 中央自動車道 339.8 - 小牧市
24 小牧IC 国道41号名濃バイパス
名古屋高速11号小牧線
346.7
名神高速道路 米原京都・神戸(西宮)方面

※ちなみにIC番号2は欠番となっている。

SA・PA

  • 東名は全区間を通して交通量が多いために、海岸脇で用地がなく設置困難な由比PA下り線を除く、すべてのSA・PAに売店がある。
  • すべてのSAに24時間営業のガソリンスタンドが設置されているが、PAには設置されていない。
  • すべてのSAと港北PA下り線・日本平PAにレストランが設置されている。
  • すべてのSAに電気自動車用の急速充電器設備が設置されている(利用には事前登録が必要)。

ルート分岐

下り線の大井松田ICから足柄BS付近の間と、上り線の日本坂TN入口付近と日本坂TN出口付近の間が左右2つのルートにわかれる。ほぼ並行して走っており、距離は左右ルートでさほど変わらない。

大井松田IC~足柄BSは下り線がほぼ並行した左ルート2車線+右ルート2車線の計4車線、上り線は1ルート3車線となっている。鮎沢PA(下り)は左ルートからしか入れない。右ルートは分岐手前で最右車線(第3車線)から1車線により分岐する形態となっている。また、大井松田ICから下り線に入る場合は右ルートには入れない。

なお、左右ルート分岐直前で「大貨等」の特定の種類の車両の通行区分が解除されているが分岐までの距離が短いため、大型貨物自動車等(重トレーラーを除く)は右ルートには入りにくい[注釈 3]。また、重トレーラー[注釈 4]車両通行帯#牽引自動車の高速道路等の通行区分などにより原則第一通行帯通行のため、左ルートの全車線が渋滞で最低速度(50km/h)以下、または通行止め等のような場合を除いては右ルートに入ることができない。

現在の下り線右ルートは以前上り線として使用されていたが、交通量の増加などで新たに現在の上り線をまったく別ルートで建設して転用した。途中、鮎沢PAは上り線と下り線左ルートのみに設置されており、下り線右ルートには上り線として使用されていた頃の鮎沢PAの跡地がみられる。

日本坂TN東側坑口付近~西側坑口付近は下り線が新築トンネルを利用した1ルート3車線、上り線が従来のトンネルを改築した左ルート2車線+右ルート2車線の計4車線となっている。 この区間の改築完成時には上り日本坂PAは左右ルート分岐付近にあり、PAからの合流車両は強制的に左ルートに入る構造になっていた。現在は日本坂PAが焼津側に移転新築したためにPAを利用してもどちらのルートにも入れるようになっている。また、トンネル東側合流部は左ルートを手前で1車線に車線絞り込みした上で右ルートに合流させる制御をしていたが、現在は手前での車線絞り込み制御を廃止し、右ルートと合流した先で左1車線を減少させる制御方法に改善された。

主なトンネルと橋

富士川橋 日本坂トンネル下り線入口
富士川橋
日本坂トンネル下り線入口
東名足柄橋 浜名湖橋
東名足柄橋
浜名湖橋
  • 多摩川橋(東京IC - 東京TB)
  • 大和トンネル (横浜町田IC-海老名JCT・厚木IC) : 280m
  • 相模川橋(海老名SA - 厚木IC)
  • 皆瀬川橋(大井松田IC - 鮎沢PA)
  • 吾妻山トンネル(大井松田IC - 鮎沢PA) : 上り線300m 下り線右ルート340m 左ルート360m
  • 都夫良野トンネル(大井松田IC - 鮎沢PA) : 上り線1720m 下り線右ルート1,650m 左ルート1,680m
  • 鳥手山トンネル(鮎沢PA - 大井松田IC 東京方面のみ): 840m
  • 太郎ヶ尾トンネル(鮎沢PA - 大井松田IC 東京方面のみ): 710m
  • 北畑トンネル(鮎沢PA - 大井松田IC 東京方面のみ): 330m
  • 桜平トンネル(足柄SA - 鮎沢PA 東京方面のみ): 480m
  • 高尾トンネル(足柄SA - 鮎沢PA 東京方面のみ): 570m
  • 所領トンネル(足柄SA - 鮎沢PA 東京方面のみ): 130m
  • 白旗トンネル(足柄SA - 鮎沢PA 東京方面のみ): 220m
  • 酒匂川橋(大井松田IC - 鮎沢PA)
  • 東名足柄橋(鮎沢PA - 足柄SA 東京方面) : 370m(1991年度土木学会田中賞受賞)
  • 富士川橋(富士IC - 富士川SA) : 780m
  • 蒲原トンネル(富士川SA - 由比PA) : 710m
  • 興津トンネル(由比PA - 清水IC) : 上り線510m 下り線520m
  • 清見寺トンネル(由比PA - 清水IC) : 上り線780m 下り線790m
  • 袖師トンネル(由比PA - 清水IC) : 上り線360m 下り線370m
  • 東名安倍川橋(静岡IC - 日本坂PA)
  • 日本坂トンネル(静岡IC - 日本坂PA) : 上り線右ルート2,370m 左ルート2,380m 下り線2,555m
  • 大井川橋(焼津IC - 吉田IC): 850m
  • 天竜川橋(遠州豊田PA - 浜松IC): 1071m
  • 浜名湖橋(浜松西IC - 浜名湖SA) : 603m
  • 三ヶ日トンネル(三ヶ日IC - 新城PA) : 上り線470m 下り線370m
  • 宇利トンネル(三ヶ日IC - 新城PA) : 上り線960m 下り線910m
  • 矢作川橋(岡崎IC - 豊田JCT)

トンネルの数

区間名 上り線 下り線
東京IC - 横浜町田IC 0 0
横浜町田IC - 海老名SA 1 1
海老名SA - 大井松田IC 0 0
大井松田IC - 足柄SA 9 2
足柄SA - 富士川SA/SIC 0 0
富士川SA/SIC - 清水JCT 5 5
清水JCT - 静岡IC 0 0
静岡IC - 日本坂PA 1 1
日本坂PA - 三ヶ日IC 0 0
三ヶ日IC - 三ヶ日JCT 1 1
三ヶ日JCT - 新城PA 1 1
新城PA - 小牧IC 0 0
合計 18 11

開通時には静岡IC - 焼津IC間に小坂トンネル(長さ270m)が存在したが、同区間の改築工事に伴い日本坂トンネルに結合された。日本坂トンネル静岡側坑口からわずか60mしか離れておらず、連続性を持たせた方が安全性を確保出来ると判断されたため、この部分にシェードが造られ1本のトンネルとなった。

大井松田IC - 御殿場IC間は上下線でかなり離れた所を通過するため、上下線のトンネル数も大幅に異なる。新規開設された上り線の方が7本も多くなっている。

歴史

東名高速道路の構想は、1953年(昭和28年)に右派社会党によって提出された議員立法「国土開発中央自動車道事業法案」に対し、同年5月に建設省(当時)がこれに対抗する東海道案として公表した「東京神戸間有料道路計画書」によって始まった。「国土開発中央自動車道事業法案」とは、静岡県出身の有力実業家田中清一が戦後まもなく発案した「国土開発縦貫自動車道構想」を下敷きとして、田中の構想に同調した議員らで結成された「国土建設推進連盟」を中心に、本州中心部を貫く基幹幹線道路である東京・神戸間高速自動車道中央道(現在の中央自動車道)をまず建設しようとする具体的な計画であったが、建設省から公表された「東京神戸間有料道路計画書」は、この事業法案の考え方を遠回しに否定するものであり[8]、元々、内務省によって策定された戦前の自動車国道構想を継承して復活させる動きを示す形となった[9]

この問題は政治を巻き込んで次第に大きくなってゆき、政府はとりあえず整備すべき区間を名古屋 - 神戸間に限定し、名神高速道路として先行建設されることになった[10]。名神高速道路では、建設に際し日本道路公団が外国から道路計画の技術専門家であるクサヘル・ドルシュを雇って、ドルシュの指導の下で高速道路の計画設計がなされ、引き続く東名高速建設においてもドルシュが顧問を務めた[11]。1957年(昭和32年)に建設省から日本道路公団へ施工命令が出されたことより名神高速道路の建設は始められたが、東京から名古屋までを東名高速にするか中央道とするのかで建設ルートは依然として決まらなかった[12]。ワトキンス調査報告書 (1957)では、「比較すべきは計画ではなく、それぞれ異なった根拠で有益」との見解が示された。このような混乱の中、超党派議員らにによって提出された、田中構想を軸に約5000kmの自動車道を整備するとした「国土開発縦貫自動車道建設法案」が同年4月に成立した[13]

建設省事務局では、一貫して開発優先の中央道よりも技術面・財政面で東海道案を支持していたが、1960年(昭和35年)に、東海道幹線自動車道建設法案が議員立法される動きがでたことにより、中央道派議員は激しく反発し、結局、東名高速派と中央道派双方の妥協によって同年「東海道幹線自動車国道建設法」と「中央道予定路線法」が成立し、両路線は同時に着工されることで決着した[12]。しかし、翌年の予算編成で経済企画庁が東海道と中央道の同時着工に難色を示したことが影響し、建設省は1962年(昭和37年)に中央道の東京 - 富士吉田間の施工命令を出して以後保留したのに対し、東名高速には次々と全線に渡って施工命令を出した[12]。このため東名高速道路の建設は順調に進められてゆき、7年後の1969年(昭和44年)5月に大井松田IC - 御殿場ICの供用により、全線開通した。

年表

  • 1958年昭和33年)3月19日 : 松永安左エ門の私設シンクタンク産業計画会議」が東京 - 神戸間 高速道路の建設政府に勧告。
  • 1962年(昭和37年)
  • 1963年(昭和38年)
    • 9月27日 : 世界銀行との間で日本道路公団第3次借款の調印(東京 - 静岡間,1次と2次借款は名神高速道路建設プロジェクト)75,000千USD, 金利:5.5%, 期間:26年(据置期間:5.5年)。
    • 10月6日 : 静岡IC - 豊川IC間 工事着手。
  • 1964年(昭和39年)4月22日 : 世界銀行との間で日本道路公団第4次借款の調印(豊川 - 小牧間)50,000千USD, 金利:5.5%, 期間:25年(据置期間:5年)。
  • 1965年(昭和40年)5月26日 : 世界銀行との間で日本道路公団第5次借款の調印(静岡 - 豊川間)75,000千USD, 金利:6.5%, 期間:25年(据置期間:4.5年)。
  • 1966年(昭和41年)
    • ?月?日: 東京IC - 静岡IC間の建設工事に対し、世界銀行から1億米ドルの融資。
    • 7月29日 : 世界銀行との間で日本道路公団第6次借款の調印(東京 - 静岡間)100,000千USD, 金利:6.625%, 期間:15年(据置期間:3年)。
  • 1968年(昭和43年)4月25日 : 東京IC - 厚木IC間・富士IC - 静岡IC間・岡崎IC - 小牧IC間が開通し、小牧ICで名神と接続。
  • 1969年(昭和44年)
    • 2月1日 : 静岡IC - 岡崎IC間 開通。
    • 3月31日 : 厚木IC - 大井松田IC間・御殿場IC-富士IC間 開通。
    • 5月26日 : 大井松田IC - 御殿場IC間 開通により、全線開通
  • 1971年(昭和46年)12月21日 : 首都高速3号渋谷線渋谷出入口 - 用賀出入口間開通により、首都高速道路と接続[14]
  • 1972年(昭和47年)10月5日 : 小牧JCT開通により、中央道と接続。
  • 1974年(昭和49年)3月26日 : 浜松西IC開通。
  • 1977年(昭和52年): 足柄SA上り線に高速国道初の仮眠休憩所であるレストイン足柄がオープン。
  • 1979年(昭和54年)7月11日 : 日本坂トンネル火災事故発生。
  • 1981年(昭和56年)4月25日 : 秦野中井IC開通。
  • 1986年(昭和61年)11月21日 : 音羽蒲郡IC開通。
  • 1988年(昭和63年)3月29日 : 裾野IC開通。
  • 1991年平成3年)
    • 3月28日 : 御殿場IC - 大井松田IC間の新上り線(東名足柄橋を含む)開通。これに伴い御殿場IC - 大井松田IC間の旧上り線は同日午前10時30分を以て閉鎖、下り線右ルートへの改築工事開始。
    • 8月9日 : 午後1時から8月19日午前6時までのお盆期間限定で、御殿場IC - 大井松田IC間の下り線右ルートを暫定供用[15]
    • 8月24日 : 足柄SA下り線の施設拡張工事が完成[16]
    • 12月24日 : 大井松田IC - 御殿場IC間の改築工事 完了(上り線2車線・下り線2車線を、上り線3車線(新設)・下り線2+2車線(改築)化)。
  • 1993年(平成5年)
  • 1995年(平成7年)4月22日 : 大井松田IC - 厚木IC間の6車線化完了。
  • 1997年(平成9年)4月1日 : 横浜ICが「横浜町田IC」に名称変更。
  • 1998年(平成10年)
    • 3月20日 : 横浜青葉IC開通。
    • 3月27日 : 日本坂トンネル 新下り線(3車線)供用開始。
  • 1999年(平成11年)4月4日 : 磐田IC開通。
  • 2001年(平成13年)10月19日 : 小牧ICで名古屋高速11号小牧線と接続。
  • 2003年(平成15年)
  • 2004年(平成16年)
    • 11月27日 : 日進JCT開通により、名古屋瀬戸道路と接続。
    • 12月12日 : 豊田JCTが完成し、伊勢湾岸道(四日市方面)と接続。
  • 2007年(平成19年)
    • 4月1日 : 富士川PAスマートIC・遠州豊田PAスマートIC供用開始。
    • 5月31日 : 豊橋TB(豊橋北BS - 豊川IC間) 廃止。
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)2月27日 : 海老名JCT開通により、圏央道と接続。
  • 2011年(平成23年)
    • 1月23日 : 相良牧之原ICで金谷御前崎連絡道と接続。
    • 3月1日 : 大井川焼津藤枝スマートICの連結を許可[18]
    • 10月21日 : 上り線の豊田JCT - 音羽蒲郡IC間・下り線の美合PA - 豊田JCT間を暫定3車線化。
  • 2012年(平成24年)4月14日 : 新東名高速道路・新東名 清水連絡路・引佐連絡路と接続(御殿場JCT・清水JCT・三ヶ日JCT)。
  • 2014年(平成26年)6月25日 : 上り線の海老名JCT-海老名SA間の付加車線が延伸[19]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月12日 : 大井川焼津藤枝スマートIC供用開始。
    • 3月19日 : 愛鷹スマートIC供用開始[20]

道路管理者

  • NEXCO中日本 東京支社
    • 横浜保全・サービスセンター : 東京IC - 大井松田IC
    • 御殿場保全・サービスセンター : 大井松田IC - 沼津IC
    • 富士保全・サービスセンター : 沼津IC - 清水IC
    • 静岡保全・サービスセンター : 清水IC - 浜松IC
    • 浜松保全・サービスセンター : 浜松IC - 豊川IC
  • NEXCO中日本名古屋支社
    • 豊田保全・サービスセンター : 豊川IC - 豊田IC
    • 名古屋保全・サービスセンター : 豊田IC - 春日井IC
    • 羽島保全・サービスセンター : 春日井IC - 小牧IC

ハイウェイラジオ(路側放送)

当初は愛鷹局[注釈 5]以東や豊橋局以西などに限られていたが、新設や区間延長などにより他の高速道路よりもかなり多くの箇所でハイウェイラジオが放送されるようになり、現在では三ヶ日IC - 三ヶ日JCT間、春日井IC - 小牧JCT間以外の全てのIC間で放送されている。また、場所によっては1つのIC間で複数箇所放送されている所もある。

豊川ICを境に東側は東京支社の川崎管制による独特のメロディで始まる放送形態、西側は名古屋支社の一宮管制による4点チャイムの後に「○○時○○分現在の高速道路情報をお知らせします」で始まる放送形態に分かれている。かつては三ヶ日ICを境に分かれていたが、2012年4月14日の新東名高速道路の開通を機に三ヶ日IC - 豊川ICの管轄が名古屋支社から東京支社へ移管されたことに伴い、ハイウェイラジオの放送形態も豊川ICを境に変更された。

川崎管制については2011年10月に新東名高速道路開通を見越してシステムが改修され、機械音声に変更された上で2-3分毎に情報が提供される様になった。また、主要ICまでの所要時間情報に加え、新東名または連絡路に接続するジャンクションに近い局ではルート別に所要時間情報が提供される。なお、始まりのメロディは変更されていない。一方、新システム導入により旧システム時にはなかった「システム障害」が発生するようになった。さらに、2015年8月には一宮管制と同様の機械音声に変更された。

また、2012年4月の新東名の部分開通時に新東名と並行する御殿場IC - 豊川IC間ではハイウェイラジオ放送区間であることを知らせる「ハイウェイラジオここから」などの標識が一部を除き取り外され、代わりに新東名と同様の電光掲示板が多数設置された。さらに、新規局の開設や既存局の吸収・分離などの再編が多数行われている。

  • 東京(東京IC - 多摩川橋付近)
  • 横浜青葉(東名川崎IC - 横浜青葉IC)
  • 港北(横浜青葉IC - 横浜町田IC)※旧横浜局
  • 横浜(港北PA - 横浜町田IC)
  • 海老名(横浜町田IC - 厚木IC)※旧厚木局
  • 厚木(厚木IC - 秦野中井IC)
  • 伊勢原(厚木IC - 秦野中井IC)※一旦消滅したものの復活
  • 秦野中井(厚木IC - 秦野中井IC)
  • 中井(秦野中井IC - 大井松田IC)
  • 大井松田(大井松田IC - 鮎沢PA)
  • 都夫良野(大井松田IC - 鮎沢PA)※都夫良野TN内は新鮎沢局のものを放送
  • 新鮎沢(大井松田IC - 足柄SA)※旧新鮎沢局→旧鮎沢局。音声変更に伴い新鮎沢局に戻された
  • 御殿場(足柄SA - 御殿場JCT)※新東名開通前までは足柄SA - 御殿場IC間が放送区間だったが、新東名開通時に御殿場IC以西の旧駒門局を吸収する形で延長
  • 駒門(駒門PA - 裾野IC)※旧御殿場局。新東名開通前までは御殿場IC - 駒門PA間が放送区間だったが、新東名開通時に移設
  • 裾野(裾野IC - 沼津IC)
  • 沼津(裾野IC - 沼津IC)
  • 愛鷹(沼津IC - 愛鷹PA)※旧沼津局
  • 富士東(愛鷹PA - 富士IC)※新東名開通に伴い設置
  • 富士(富士IC - 富士川SA)※新東名開通前までは富士IC - 蒲原TN間が放送区間だったが、富士川局新設に伴って縮小
  • 富士川(富士川SA - 蒲原TN)※新東名開通に伴い、富士局の富士川SA以西を分離
  • 由比(由比PA - 清水IC)
  • 清水(由比PA - 清水IC)
  • 日本平(清水IC - 日本平PA)※新東名開通に伴い設置
  • 静岡(日本平PA - 静岡IC)
  • 日本坂(静岡IC - 焼津IC)
  • 焼津東(静岡IC - 焼津IC)※新東名開通に伴い、日本坂局の日本坂TNから西側を分離し、更に焼津IC付近まで延長した新設局
  • 焼津(焼津IC - 吉田IC)
  • 牧之原(吉田IC - 相良牧之原IC)
  • 相良牧之原(相良牧之原IC - 菊川IC)
  • 菊川(菊川IC - 掛川IC)
  • 掛川(掛川IC - 袋井IC)
  • 磐田(袋井IC - 遠州豊田PA)※新東名開通に伴い、浜松局の遠州豊田PAから東側を分離し、更に袋井IC付近まで延長した新設局
  • 浜松(遠州豊田PA - 浜松IC)※新東名開通前までは磐田IC - 浜松IC間が放送区間だったが、磐田局新設に伴って縮小
  • 三方原(浜松IC - 三方原PA)※新東名開通に伴い設置
  • 浜松西(三方原PA - 浜松西IC)
  • 浜名湖東(浜松西IC - 浜名湖SA)※旧三ヶ日局。新東名開通時に変更
  • 浜名湖西(浜名湖SA - 三ヶ日IC)※新東名開通に伴い設置
  • 豊橋(宇利TN - 豊川IC)※新東名開通に伴い、宇利局(宇利TN - 新城PA)を吸収した上で一宮管制から川崎管制へ移管
  • 豊川東(豊川IC - 赤塚PA)
  • 豊川(赤塚PA - 音羽蒲郡IC)
  • 岡崎東(音羽蒲郡IC - 岡崎IC)
  • 岡崎(音羽蒲郡IC - 岡崎IC)
  • 岡崎西(岡崎IC - 豊田JCT)
  • 豊田(上郷SA - 豊田IC)
  • 東名三好(豊田IC - 東名三好IC)
  • 名古屋(東郷PA - 名古屋IC)
  • 春日井(名古屋IC - 春日井IC)
  • 小牧(小牧JCT - 小牧IC)

車線・最高速度

区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度 備考
東京IC - 秦野中井IC 6=3+3 100km/h
秦野中井IC - 大井松田IC 80km/h
大井松田IC - 足柄BS 7=3+4
足柄BS - 御殿場IC 6=3+3
御殿場IC - 駒門PA 100km/h
駒門PA - 蒲原TN 4=2+2
蒲原TN内 80km/h
蒲原TN - 薩埵TN 100km/h
薩埵TN内 80km/h
薩埵TN - 東名興津BS 100km/h
東名興津BS - 袖師TN内 80km/h
袖師TN - 静岡IC 100km/h
静岡IC - 日本坂TN 5=3+2
日本坂TN内 7=4+3 80km/h
日本坂TN - 日本坂PA 6=3+3 100km/h
日本坂PA - 焼津IC 5=2+3
焼津IC - 勝間田高架橋付近 4=2+2
勝間田高架橋付近→牧之原SA
勝間田高架橋付近←牧之原SA
下り線
上り線
80km/h
牧之原SA - 相良牧之原IC 100km/h
相良牧之原IC→菊川IC
相良牧之原IC←菊川IC
80km/h 下り線
上り線
100km/h
菊川IC - 三ヶ日TN
三ヶ日TN内 80km/h
三ヶ日TN - 宇利TN 100km/h
宇利TN内 - 新城PA 80km/h
新城PA - 本宿BS 100km/h ※1
本宿BS→美合PA
本宿BS←美合PA
5=3+2 下り線
上り線
60km/h
美合PA - 豊田JCT 6=3+3
豊田JCT - 日進JCT 4=2+2 100km/h
日進JCT - 名古屋IC 6=3+3
名古屋IC - 春日井lC 4=2+2
春日井IC - 小牧JCT 6=3+3
小牧JCT - 小牧IC 4=2+2

※1下り線の音羽蒲郡IC手前から約4kmほどの登坂車線あり。

中央自動車道と比べると平地部のルート中心で全体的に直線が多く、概ねの区間が100km/h制限だが、一部の区間は80km/hに規制されている。特に大井松田IC - 御殿場IC間は山間部のルートで急勾配や急カーブが連続しているため、走行には十分な注意が必要である。また、大和トンネルを除く全てのトンネルで80km/hに規制されている。

他の高速道路と同様、雨天降雪濃霧台風などの荒天時、事故や工事などの場合は50-80km/hの速度規制が行われる。

上記区間以外にも登坂車線、付加車線が設置されている区間がある。特に名古屋市近郊の丘陵地を通る区間ではかなり距離のある付加車線が設置されている。現在、清水JCT - 清水IC間で6車線化工事が行われている。

また、2011年(平成23年)10月21日から2016年2月の新東名高速道路 浜松いなさJCT - 豊田東JCT間開通までの予定で、上り線 豊田JCT-音羽蒲郡IC間、下り線 美合PA-豊田JCT間の4車線区間の暫定的6車線化が行われている[21][22]。この区間は路肩の幅員が0.75m、1車線当たりの幅員が3.25mと狭くなるため、最高速度は60km/hに設定されている(車線数が増える直前は緩衝地帯として80km/hに設定)。なお新東名の開通後、この区間は4車線に戻される予定である。

なお、大井松田IC - 足柄SA間の上り線は東名集中工事などの際は同区間を通行止にした上で、下り線右ルート(旧上り線)を上り線として使用する場合がある。

冬季の通行規制

東京IC - 厚木IC間では降雪時にチェーン規制が実施される。それ以西の区間ではチェーン規制はなく、降雪時は50km/h規制→通行止という段階で規制措置がとられる。標高が高い大井松田IC - 沼津IC間や強い冬型気圧配置時に雪雲が流れ込む豊川IC以西では通行止になる場合がある。通行止区間では融雪剤散布などの作業が行われるが、雪が止んでも除雪設備の不足や夜間の凍結により通行止措置が長引く場合がある。

道路設備

所要時間情報板

交通量の多い東名では、上り線の浜松西IC - 浜松IC間や下り線の三ヶ日IC-豊川IC間などの一部区間を除き、ほぼ全ての区間に所要時間情報板が設置されている。次のIC、2-3区間先のIC、50-100km先の主要ICまでの所要時間が表示される。また、下り線の東京IC先、岡崎IC手前、上り足柄SA手前には上記の情報板の代わりに所要時間と交通障害を図形で表示する横長の案内板が設置されている。また、東名・新東名の2ルート区間となる下り線の御殿場JCTの手前と上り線の三ヶ日JCTの手前には東名経由・新東名経由での御殿場JCT - 清水JCT / 新清水JCT-三ヶ日JCTの交通情報と所要時間情報を表示する大型の図形表示板が設置されている。また、名神・新名神の2ルート区間になる下り線の岡崎IC先には名神経由・新名神経由での草津JCTまでの所要時間情報を表示する可変LED表示板、さらにその先には名古屋高速都心環状線までのルート情報を表示する大型の図形情報板が設置されている。

道路照明灯

  • 東京IC - 御殿場IC
  • 裾野BS - 沼津IC
  • 静岡IC - 焼津IC
  • 相良牧之原IC - 菊川ICの一部、音羽蒲郡IC-岡崎ICの一部などカーブが連続する区間

連続照明区間の設定基準は1日平均5万台の交通量であり、本来なら東京ICから小牧ICまでの全線に設置されるはずであるが、現状では東京IC-御殿場IC間、静岡IC - 焼津IC間の(新東名開通やETC割引など後発的要素が発生する以前から)特に交通量の多い区間、または行楽渋滞が多発する裾野BS-沼津IC間やその他カーブ連続区間など円滑交通の確保の上で特に必要とされる区間のみ設置されている。豊川IC - 小牧ICも京浜地区や日本坂トンネル区間に匹敵する交通量があるが、こちらには連続照明は設置されておらず、現段階で設置する予定もない。また、裾野BS - 沼津IC間は連続照明の設備はあるが日によっては点灯していない場合がある。

尚、1990年代初期まで連続照明区間は都市部である東京IC - 東名川崎ICと急勾配でカーブが多い山北BS - 足柄BS手前(現在の下り線右ルート・左ルートの合流地点)のみであった。1990年代の一部区間の新設および拡幅工事に伴い、上記の区間まで拡大された。

道路幅員

日本平パーキングエリア付近。2016年2月撮影。

道路幅員は3.0m(路肩)+3.6m(車線)×2(または3)+0.75m(中央側帯)+3.0m(中央分離帯)+0.75m(中央側帯)+3.6m(車線)×2(または3)+3.0m(路肩)=24.9m(または32.1m)[23]であり、現在の道路構造令において車線や路肩など各部の幅員は0.25m刻みとなっているが、東名の車線は3.6mである。これは、当時の日本に高規格道路の明確な基準が無く、車線幅にアメリカで用いられる12フィートを採用したためといわれている[24]

交通量

24時間交通量(台) 道路交通センサス

区間 平成17(2005)年度 平成22(2010)年度
東京IC - 東名川崎IC 112,746 114,690
東名川崎IC - 横浜青葉IC 110,523 114,053
横浜青葉IC - 横浜町田IC 106,762 113,763
横浜町田IC - 海老名JCT 120,679 130,425
海老名JCT - 厚木IC 120,679 128,920
厚木IC - 秦野中井IC 84,398 90,752
秦野中井IC - 大井松田IC 77,587 83,327
大井松田IC - 御殿場IC 68,473 74,541
御殿場IC - 御殿場JCT 61,580 65,328
御殿場JCT - 裾野IC 61,580 65,328
裾野IC - 沼津IC 62,645 66,029
沼津IC - 愛鷹PASIC 66,837 71,460
愛鷹PASIC - 富士IC 66,837 71,460
富士IC - 富士川SASIC 64,855 69,033
富士川SASIC - 清水JCT 64,855 69,226
清水JCT - 清水IC 64,855 69,226
清水IC - 静岡IC 69,756 70,134
静岡IC - 焼津IC 78,763 79,155
焼津IC - 大井川焼津藤枝SIC 73,330 75,136
大井川焼津藤枝SIC - 吉田IC 73,330 75,136
吉田IC - 相良牧之原IC 68,669 70,883
相良牧之原IC - 菊川IC 68,733 71,861
菊川IC - 掛川IC 67,816 71,357
掛川IC - 袋井IC 68,207 71,559
袋井IC - 磐田IC 72,480 77,141
磐田IC - 遠州豊田PASIC 73,904 77,611
遠州豊田PASIC - 浜松IC 73,904 77,523
浜松IC - 浜松西IC 66,408 68,549
浜松西IC - 三ヶ日IC 64,996 66,992
三ヶ日IC - 三ヶ日JCT 63,368 65,246
三ヶ日JCT - 豊川IC 63,368 65,246
豊川IC - 音羽蒲郡IC 76,625 77,353
音羽蒲郡IC - 岡崎IC 87,764 89,338
岡崎IC - 豊田JCT 95,937 101,090
豊田JCT - 豊田IC 69,634 56,526
豊田IC - 東名三好IC 81,510 69,309
東名三好IC - 日進JCT 87,496 75,643
日進JCT - 名古屋IC 88,535 77,848
名古屋IC - 春日井IC 66,019 54,972
春日井IC - 小牧JCT 69,295 56,883
小牧JCT - 小牧IC 89,457 76,385

(出典:「平成22年度道路交通センサス」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

2002年(平成14年)度

  • 区間別日平均交通量(全区間平均) : 76,657台(前年度比99.5%)

区間別に見ると横浜町田ICから厚木ICまでが126,614台(前年度比98.9%)で最大である。

  • 交通量
    • 年間 : 1億5141万6468台(前年度比98.8%)
    • 日平均 : 41万4840台
  • 料金収入
    • 年間 : 2588億5981万6000円(前年度比99.0%)
    • 日平均 : 7億920万5000円

他路線と比べた東名の利用の特徴としては、東海道物流の大動脈を担っていることから、夜間でも走行台数があまり減らないことと、大型車の割合が高いことが挙げられる。全区間を通して、大都市圏並の交通量があることも特徴となっている。

また、高速道路の中では交通量が(平日休日を問わず)多く、車線数が増やしても渋滞が年中激しい上に路面等の損傷も早く、車線規制を伴う全線(2012年以降は三ヶ日IC以東に短縮)に渡る東名集中工事が、毎年10月頃に2週間程の工期で行われている。この際は、渋滞がいつも以上に激しくなり、最後尾では大型車が絡む追突死傷事故が後を絶たず、並行する一般道路(国道1号や国道246号)も迂回する車両で渋滞が激しくなる(そのため、NEXCO中日本では集中工事の期間中は中央道の料金を東名並みに調節し、中央道への迂回を促している)。このため、東名は都市高速を除くと「日本一事故の多い高速道路」であり(警視庁「平成20年中の交通事故の発生状況」より)、上記の諸問題を解決するため、新東名の建設が進められている。

渋滞

特に交通量の多い区間は、小田原厚木道路保土ヶ谷バイパスなど、利用の多い接続路線からの車が集中する横浜町田IC-厚木IC間、伊勢湾岸道・東海環状道からの合流・分岐で交通量が激増し、かつ渋滞を発生させるサグがある岡崎IC - 豊田JCT間である。特に岡崎IC-豊田IC間の区間ではほぼ毎日、朝夕の渋滞が恒常化しているほか、ほぼ毎回の土日・連休に発生する横浜町田IC - 厚木IC間の大和トンネル付近、綾瀬BS付近を先頭とする渋滞は特に有名である。また、2009年3月28日から始まった「高速上限1,000円」の影響により、それまで大型連休時のみ渋滞発生地点となっていた沼津IC - 富士IC間の中里BS付近、富士IC - 清水JCT間の松岡BS付近、吉田IC付近をはじめとするほぼ全区間で週末に渋滞が発生するようになった。このほか、首都高速3号線上りの渋滞が東名本線へ延びてくることもある。

新東名の部分開通後は、並行区間の東名では渋滞が激減した一方で、今まで静岡県内の渋滞で堰き止められていた交通量が一気に流れるようになったため、新東名と合流した先の区間で渋滞が多発しており、上り線の鳥手山トンネル、下り線の宇利トンネルや豊川ICなど、元々日平均交通量が比較的少なかった区間で休日を中心に渋滞が起きている。(NEXCO中日本渋滞気をつけマップより)

2014年2月15日は大雪の影響で裾野ICを先頭に40kmの渋滞となり20時間以上にわたって立往生する車が出る事態となった。

記念発行物

1969年5月26日に、開通記念の切手が発行された。額面は15円。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 距離測定:キョリ測(ベータ)
  2. ^ 都県境を通過するが、東京都のカントリーサインは設置されていない。
  3. ^ 法律上は右分岐に向かうため予めその手前から最右車線に寄っていても問題はない。ただし通常時の最高速度は80km/hである。
  4. ^ 重被牽引車を牽引中の場合。ライトトレーラーのうち車両総重量が750kg以下(けん引免許が不要なパターン)は対象外(※ライトトレーラーが全てけん引免許不要と言うわけではない)。また通常時の最高速度は80km/hである。
  5. ^ 当時は沼津局として放送。この頃は主要ICの東側と西側の2ヶ所に同じ局が存在していた。解説文中の旧○○局のうち、横浜・厚木・御殿場・沼津の各局はこれに該当する局である。

出典

  1. ^ 浅井建爾 2001, p. 62.
  2. ^ 国土交通省道路局 道の相談室
  3. ^ 朝日新聞1969年5月27日
  4. ^ 今般の大雪による道路における対応状況とみなさまへのお願い”. 国土交通省道路局 (2014年2月18日). 2014年2月19日閲覧。 (PDF)
  5. ^ これまでの経緯(国土交通省関東地方整備局東京外かく環状国道事務所、2013年5月12日閲覧)
  6. ^ a b c d e f 主な事業の取組み 高速道路の建設”. 中日本高速道路株式会社. 2015年9月7日閲覧。
  7. ^ 首相官邸 構造改革特区に関する検討要請に対する各府省庁からの回答について 国土交通省(臨時提案第3回 検討要請回答) (PDF)
  8. ^ 武部健一 2015, pp. 182–183、「田中精一」より
  9. ^ 武部健一 2015, p. 189.
  10. ^ 武部健一 2015, p. 190.
  11. ^ 武部健一 2015, pp. 191–194、「クサヘル・ドルシュ」より
  12. ^ a b c 武部健一 2015, pp. 199–200、「東海道か中央道か」より
  13. ^ 武部健一 2015, pp. 197–198、「高速道路の二大潮流とその決着」より
  14. ^ 「交通マヒまた心配 首都高速と東名ドッキング 東名・首都高速が連結」『朝日新聞』1971年12月21日付東京本社版夕刊8面
  15. ^ 高速自動車道新聞 平成3年7月11日号「弾力的な交通運用第二弾(道公)」
  16. ^ 高速自動車道新聞 平成3年8月21日号
  17. ^ 国土交通省 報道発表資料:高速自動車国道へのインターチェンジの追加設置について
  18. ^ 国土交通省 報道発表資料:高速道路へのスマートインターチェンジの追加設置について
  19. ^ 東名高速道路(上り線) 海老名JCT〜海老名SA間付加車線が延伸します。 〜6月25日(水) 午前11時に運用開始〜 中日本高速道路 2014年6月17日付
  20. ^ 東名高速道路 愛鷹スマートインターチェンジ 2016年3月19日(土)15時に開通します”. 沼津市・中日本高速道路株式会社東京支社 (2016年1月22日). 2016年1月22日閲覧。
  21. ^ 東名高速 2車線の一部区間を暫定的に3車線にします -音羽蒲郡IC〜豊田JCT間の安全(渋滞・事故)対策として- NEXCO中日本 2011年2月23日付
  22. ^ 東名集中工事終了とともに3車線(暫定)運用を開始します〜音羽蒲郡IC〜豊田JCT間〜 NEXCO中日本 2011年9月22日付
  23. ^ 総務省消防庁「高速道路におけるヘリコプターの離着陸に関する検討」〜ヘリコプター離着陸の要件・連絡体制等の整理〜(平成17年8月18日) 別紙3 (PDF)
  24. ^ jamjam 土木用語辞典 (4) 高速道路

参考文献

  • 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日。ISBN 4-534-03315-X 
  • 武部健一『道路の日本史』中央公論新社〈中公新書〉、2015年5月25日。ISBN 978-4-12-102321-6 

関連項目

外部リンク