是枝裕和
これえだ ひろかず 是枝 裕和 | |||||||||||||||||||||||
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2015年、第68回カンヌ国際映画祭にて | |||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1962年6月6日(61歳) | ||||||||||||||||||||||
出生地 | 東京都練馬区 | ||||||||||||||||||||||
職業 | 映画監督、テレビドキュメンタリー演出家 | ||||||||||||||||||||||
ジャンル | 映画、テレビ | ||||||||||||||||||||||
活動期間 | 1995年 - | ||||||||||||||||||||||
配偶者 | 既婚[1] | ||||||||||||||||||||||
事務所 | 分福 | ||||||||||||||||||||||
公式サイト | KORE-EDA.com | ||||||||||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||||||||||
映画 『幻の光』 『DISTANCE』 『誰も知らない』 『歩いても 歩いても』 『そして父になる』 『海街diary』 | |||||||||||||||||||||||
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是枝 裕和(これえだ ひろかず、1962年6月6日 - )は日本の映画監督、テレビドキュメンタリー演出家。
来歴・人物
曾祖父は鹿児島県の出身。東京都練馬区生まれ[2]。東京都立武蔵高等学校卒業。駿台予備学校で現代文を担当していた、「イイタイコト」で知られる藤田修一に影響を受ける。1987年早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。
番組制作会社テレビマンユニオンに入社し、テレビ番組のADをしながらドキュメンタリー番組の演出家をつとめる[3]。1995年に『幻の光』で映画監督デビュー。新作を発表するたびに多くの国際映画祭に招待されるなど、国内外で高い評価を受ける映画監督の一人である。若手監督のプロデュースや、CM作品、ミュージックビデオの演出も手がけている。
主な作品として、映画『誰も知らない』、『ワンダフルライフ』、テレビドキュメンタリー『しかし… 福祉切り捨ての時代に』、ノベライズ『歩いても 歩いても』、プロデュース作品として西川美和監督作品がある。『誰も知らない』は第57回カンヌ国際映画祭で柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、『そして父になる』は第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞するなど、世界でも高い評価を受けている。
2005年より立命館大学産業社会学部客員教授。2013年2月現在、BPOにおける放送倫理検証委員会の委員を務める[4]。2014年4月より、早稲田大学理工学術院教授に就任[5]。
監督作品
長編映画
- 幻の光(1995年)
- ワンダフルライフ(1999年)
- DISTANCE(2001年)
- 誰も知らない(2004年)
- 花よりもなほ(2006年)
- 歩いても 歩いても(2008年)
- 大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-(2008年) - 2015年に再上映[6]
- 空気人形(2009年)
- 奇跡(2011年)
- そして父になる(2013年)[7]
- 海街diary(2015年)
- 海よりもまだ深く(2016年)[8]
テレビドラマ
テレビドキュメンタリー
- NONFIX(フジテレビ)
- しかし… 福祉切り捨ての時代に(1991年)
- もう一つの教育〜伊那小学校春組の記録〜(1991年)
- 公害はどこへ行った…(1991年)
- 日本人になりたかった…(1992年)
- 侯孝賢とエドワード・ヤン(1993年)
- 彼のいない八月が(1994年)
- シリーズ憲法 〜第9条・戦争放棄「忘却」〜(2006年)
- 心象スケッチ それぞれの宮沢賢治(1993年、テレビ東京『ドキュメンタリー人間劇場』)
- 記憶が失われた時…〜ある家族の2年半の記録〜(1996年、NHK)
- いのちの響(出演、1999年、TBS)
- 歩くような速さで〜37,319人のオーディション(2002年、日本テレビ)
- 私がこどもだった頃 谷川俊太郎篇(2008年、NHK)
- あの時だったかもしれない 〜テレビにとって「私」とは何か〜(2008年、BS-i、TBS『報道の魂』)
- 悪いのはみんな萩本欽一である(2010年、フジテレビ『チャンネルΣ』)
- 未来への手紙2014〜あれから3年たちました〜(2014年、NHK)[10]
- きょうの、あきない(2015年4月11日 - 、TBS)[11]
- いしぶみ〜忘れない。あなたたちのことを〜(2015年8月1日、広島テレビ)[12][13]
CM
- 日産 ニューセレナ「モノより思い出」シリーズ(1999年-2003年)
- サントリー なっちゃん「3年目のなっちゃん」
- ポッカ「じっくりコトコト煮込んだスープ」
- Sony Music Auditionシリーズ(2001年-2002年)
- フジテレビ・キャンペーン「きっかけはフジテレビ」(2002年)
- ソニー PS2ソフト『アークザラッド 精霊の黄昏』(2003年)
- ネスカフェ「朝のリレー 寝顔篇」(2004年)
- ダイハツ ミラ・カスタム(2006年)※柳楽優弥とYOUが親子役で再共演
- ミツカン 金のつぶ(2007年)
- サッポロビール(2012年1月2日、1月3日)※小説家の村上春樹がナレーションを執筆[14]
- JCBグループ(2015年) ※福山雅治が出演[15]
- KINCHO「虫コナーズ」(2016年) ※長澤まさみ・高畑淳子が出演[16]
ミュージック・ビデオ
- Cocco「水鏡」(2000年)
- Cheri「ためいき」(2003年)
- タテタカコ「宝石」(2004年)
- Cocco「陽の照りながら雨の降る」(2006年)
- スネオヘアー「やさしいうた」(2007年)
- AKB48「桜の木になろう」(2011年)
- AKB48「Green Flash」(2015年)[17]
- 高橋優 「さくらのうた」(2016年) ※ 監修[18]
プロデュース作品
- カクト(2002年、監督:伊勢谷友介)
- 蛇イチゴ(2003年、監督:西川美和)
- 扉の向こう 〜エレファントカシマシ・宮本浩次という生き方〜(2004年、フジテレビ『NONFIX』、ディレクター:千切谷知子)[19]
- ゆれる(2006年、監督:西川美和)
- ビューティフル アイランズ(2010年、ドキュメンタリー、監督:海南友子)
- エンディングノート(2011年、監督:砂田麻美)
出演
- ドキュメンタリー映画
-
- The Two Directors: A Flame in Silence(2015年、監督:海南友子)[20]
書籍
- しかし…-ある福祉高級官僚 死への軌跡(1992年、あけび書房)ISBN 978-4900423664
- 官僚はなぜ死を選んだのか-現実と理想の間で(2001年、日経ビジネス人文庫)ISBN 978-4532190682
- 小説ワンダフルライフ(1999年、ハヤカワ文庫)ISBN 978-4150306113
- DISTANCE 〜映画が作られるまで〜(2001年、スイッチパブリッシング)ISBN 978-4884180003
- あの頃のこと-Every day as a child(共著、2004年、ソニーマガジンズ)ISBN 978-4789723398
- 花よりもなほ(2006年、角川書店)ISBN 978-4048737029
- 歩いても 歩いても(2008年、幻冬舎)ISBN 978-4344015142
- それでもテレビは終わらない(共著、2010年、岩波ブックレット)ISBN 978-4002707976
- 奇跡(2011、文藝春秋)ISBN 978-4163301402
- そして父になる(2013、宝島社文庫)ISBN 978-4800215154
- 歩くような速さで(2013、ポプラ社)ISBN 978-4591136720
- 是枝裕和 対談集「世界といまを考える 2」(2016、PHP出版)[21]
受賞歴
- 幻の光
- 第52回ヴェネツィア国際映画祭 金オゼッラ賞
- バンクーバー映画祭 グランプリ
- シカゴ映画祭 グランプリ
- 第10回高崎映画祭 若手監督グランプリ
- 第69回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第4位
- 新藤兼人賞金賞
- ワンダフルライフ
- ナント三大陸映画祭 グランプリ
- トリノ映画祭 最優秀脚本賞
- ブエノスアイレス映画祭 グランプリ、最優秀脚本賞
- サン・セバスティアン国際映画祭 国際批評家連盟賞
- 第14回高崎映画祭 最優秀作品賞
- 第73回キネマ旬報ベスト・テン 読者選出日本映画ベスト・テン第9位
- DISTANCE
- 第16回高崎映画祭 最優秀作品賞
- 誰も知らない
- 第77回アカデミー賞外国語映画賞部門・日本代表作品
- フランダース国際映画祭 グランプリ
- シカゴ国際映画祭 金のプラーク賞
- 第29回報知映画賞作品賞
- 第26回ヨコハマ映画祭 日本映画ベストテン第3位
- 第78回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・ワン、読者選出日本映画監督賞、読者選出日本映画ベスト・テン第1位
- 第47回ブルーリボン賞 作品賞・監督賞
- 第19回高崎映画祭 最優秀監督賞
- 花よりもなほ
- 第21回高崎映画祭 最優秀作品賞
- 歩いても 歩いても
- 第56回サン・セバスティアン国際映画祭 脚本家協会賞
- 第4回ユーラシア国際映画祭 最優秀監督賞
- 第23回マール・デル・プラタ国際映画祭 最優秀作品賞
- 第30回ヨコハマ映画祭 日本映画ベストテン第3位
- 第23回高崎映画祭 最優秀監督賞
- 第82回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第5位、読者選出日本映画ベスト・テン第3位
- 第51回ブルーリボン賞 監督賞
- 第59回毎日映画コンクール 日本映画優秀賞
- 第18回東京スポーツ映画大賞 作品賞
- 第3回アジア・フィルム・アワード 監督賞
- 空気人形
- 第24回高崎映画祭 最優秀作品賞
- 第83回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第6位、読者選出日本映画ベスト・テン第7位
- 奇跡
- 第59回サン・セバスティアン国際映画祭 最優秀脚本賞・カトリックメディア協議会(SIGNIS)賞
- 第3回TAMA映画賞 最優秀作品賞
- おおさかシネマフェスティバル2012 日本映画ベストテン第5位
- 第26回イスファハーン国際青少年映画祭(イラン) 最優秀作品賞
- エンディングノート
- 第31回藤本賞・奨励賞
- ゴーイング マイ ホーム
- 第75回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 監督賞
- 第50回ギャラクシー賞 テレビ部門 奨励賞
- そして父になる
- 第66回カンヌ国際映画祭 審査員賞・エキュメニカル賞特別表彰
- 第61回サン・セバスティアン国際映画祭 観客賞(PEARLS部門)
- 第32回バンクーバー国際映画祭 観客賞(Rogers People’s Choice Award)
- 第7回アブダビ国際映画祭 Child Protection Award 脚本賞(Child Protection Award for Best Script)
- 第37回サンパウロ国際映画祭 観客賞
- 第35回ヨコハマ映画祭 日本映画ベストテン第4位・脚本賞
- 第26回日刊スポーツ映画大賞 監督賞
- 第87回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第6位、読者選出日本映画ベスト・テン第2位
- おおさかシネマフェスティバル2014 日本映画ベストテン第8位
- 第56回アジア太平洋映画祭 最優秀作品賞・最優秀監督賞
- 第37回日本アカデミー賞 優秀作品賞・優秀監督賞ほか
- 芸術選奨文部科学大臣賞映画部門
- クロトゥルーディス賞 監督賞
- 第23回東京スポーツ映画大賞 監督賞
- 海街diary
- 第63回サン・セバスティアン国際映画祭 観客賞(PEARLS部門)
- 第7回TAMA映画賞 最優秀作品賞
- 第39回山路ふみ子映画賞 山路ふみ子映画賞
- 第37回ヨコハマ映画祭 作品賞・監督賞
- 第89回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第4位、読者選出日本映画監督賞、読者選出日本映画ベスト・テン第1位
- 第57回毎日芸術賞特別賞
- 第25回東京スポーツ映画大賞[注 1] 監督賞
- 第39回日本アカデミー賞 最優秀監督賞[24]、最優秀作品賞、優秀脚本賞、編集賞
- 個人として
ドキュメンタリー作品において、ギャラクシー賞やATP賞などを数多く受賞。
推薦図書
- 姜尚中著「心の力」(集英社新書)
脚注
注釈
出典
- ^ a b “是枝裕和監督、加瀬亮主演のテレビドラマ「後の日」が第59回サンセバスチャン国際映画祭で招待上映”. シネマトゥデイ (2011年9月24日). 2014年5月18日閲覧。
- ^ 是枝裕和公式Twitter2011年8月20日の発言
- ^ 山形国際ドキュメンタリー映画祭 日本のドキュメンタリー作家インタビュー No. 12
- ^ 委員会説明 | BPO | 放送倫理・番組向上機構、2013年2月15日参照。
- ^ “映画監督・是枝裕和氏、理工学術院教授に就任へ 映画に関係する講義を担当”. 早稲田大学 (2014年1月16日). 2015年10月15日閲覧。
- ^ “是枝裕和×Cocco「大丈夫であるように」、米軍基地問題を受け全国で再上映”. 映画.com (2015年8月6日). 2015年10月15日閲覧。
- ^ 渡邊玲子 (2013年10月10日). “是枝裕和監督インタビュー 福山雅治主演『そして父になる』 父とは何かを考える。”. dacapo the web-magazine. 2014年5月18日閲覧。
- ^ “是枝裕和の新作で阿部寛&樹木希林が親子に、「海よりもまだ深く」公開決定”. 映画ナタリー (2015年12月25日). 2015年12月25日閲覧。
- ^ 是枝裕和. "「ゴーイング マイ ホーム」は是枝監督、人生の総括 両親の死が作品に与えた影響明かす" (Interview). Interviewed by 中山治美. 2015年7月10日閲覧。
{{cite interview}}
: 名無し引数「date2013-03-04」は無視されます。 (説明) - ^ “是枝裕和が初めて震災をテーマに…『未来への手紙2014〜あれから3年たちました〜』”. テレビドガッチ (2014年2月28日). 2014年5月18日閲覧。
- ^ “「きょうの、あきない」”. TBS. 2015年4月12日閲覧。
- ^ “広島出身・綾瀬はるか、戦後特番で遺族手記を朗読 是枝監督と再タッグ”. ORICON STYLE (2015年7月10日). 2015年7月10日閲覧。
- ^ 戦後70年特別番組「いしぶみ〜忘れない。あなたたちのことを〜」(広島テレビ)、2015年8月1日閲覧
- ^ サッポロビール2012年企業広告特別篇について 〜 村上春樹さんが初めてCMナレーションを執筆、監督は是枝裕和さん 〜サッポロビール株式会社
- ^ “福山雅治、是枝監督と再びタッグ 映画『そして父になる』以来”. ORICON (2015年5月21日). 2015年5月21日閲覧。
- ^ “長澤まさみ「海街diary」是枝裕和監督と再タッグ 関西弁&コミカルな演技で魅せる”. モデルプレス (2016年3月31日). 2016年4月1日閲覧。
- ^ “AKB48:ぱるる、珠理奈が“本気の涙” 新曲MVは4年ぶり是枝作品”. MANTANWEB. (2015年2月13日) 2015年2月14日閲覧。
- ^ “門脇麦がバレエ披露、是枝裕和監修の高橋優MV「さくらのうた」完成”. 映画ナタリー (2016年2月6日). 2016年2月8日閲覧。
- ^ NONFIX : 扉の向こう 〜エレファントカシマシ・宮本浩次という生き方〜 - フジテレビ
- ^ “山田洋次監督&是枝裕和監督に追るドキュメンタリー、釜山で上映”. 映画.com (2015年10月10日). 2015年10月15日閲覧。
- ^ “是枝裕和の対談集「世界といまを考える」第2弾、岸田繁やスガシカオら多彩な顔ぶれ”. 映画ナタリー (2016年2月2日). 2016年2月2日閲覧。
- ^ “海街diary:たけしの思い付きで「東スポ映画大賞」1冠増え4冠に 綾瀬、長澤、すずがコマネチ”. まんたんウェブ (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
- ^ “【東スポ映画大賞】授賞式、受賞者一覧”. 東京スポーツ (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
- ^ “【第39回日本アカデミー賞】是枝裕和が最優秀監督賞!”. 映画.com (2016年3月4日). 2016年4月2日閲覧。
- ^ “是枝裕和が伊丹十三賞受賞、映像作家としての姿勢を評価され喜びのコメント”. 映画ナタリー. ナターシャ (2016年3月14日). 2016年3月14日閲覧。
関連項目
- 村木良彦
- 萩元晴彦
- タテタカコ
- 森達也
- アメリカ横断ウルトラクイズ - 1987年の第11回でADを務めた。
関連文献
- PUBLIC-IMAGE.ORG インタビュー
- 映画『空気人形』是枝裕和監督インタビュー/CINRA.NET 2009年9月18日掲載
- 『映画の未来へ』黒沢清×是枝裕和/CINRA.NET 2009年12月30日掲載
- 『映画の未来へ』黒沢清×是枝裕和×西島秀俊×寺島進/CINRA.NET 2010年1月1日掲載
- マル激トーク・オン・ディマンド 第456回(2010年01月06日)新年映画特集 映画監督・是枝裕和がまだテレビにこだわる理由 ゲスト:是枝裕和氏(映画監督・テレビディレクター) - ビデオニュース・ドットコム
- ほぼ日刊イトイ新聞 ぼくはなぜ物語を書くのか。ー是枝裕和監督に訊く『海街ダイアリー』とその周辺
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 是枝裕和 (@hkoreeda) - X(旧Twitter)
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- 是枝裕和 - KINENOTE
- 是枝裕和 - 日本映画データベース
- Hirokazu Koreeda - IMDb(英語)