ショーシャンクの空に

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ショーシャンクの空に
The Shawshank Redemption
監督 フランク・ダラボン
脚本 フランク・ダラボン
原作 スティーヴン・キング
刑務所のリタ・ヘイワース
製作 ニキ・マーヴィン
製作総指揮 リズ・グロッツァー
デイヴィッド・レスター
出演者 ティム・ロビンス
モーガン・フリーマン
音楽 トーマス・ニューマン
撮影 ロジャー・ディーキンス
編集 リチャード・フランシス=ブルース
製作会社 キャッスル・ロック・エンターテインメント
配給 アメリカ合衆国の旗 コロンビア映画 / ワーナー・ブラザーズ
日本の旗 松竹富士
公開 アメリカ合衆国の旗 1994年9月10日
日本の旗 1995年6月3日
上映時間 143分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $25,000,000[1]
興行収入 $28,341,469[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
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ショーシャンクの空に』(原題:The Shawshank Redemption)は、1994年に公開されたアメリカ映画。刑務所内の人間関係を通して、冤罪によって投獄された有能な銀行員が腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず、生き抜いていくヒューマン・ドラマ[2]

原作はスティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘイワースRita Hayworth and Shawshank Redemption)』。監督・脚本はフランク・ダラボンが務め、彼の初監督作品でもある。原題の「The Shawshank Redemption」は直訳すると「ショーシャンクの贖い」になる(作品解説も参照のこと)。

本作は興行的には成功したとはいえないが、批評家達からの評価は高く、AFIアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)において72位にランクインしており、日本では1995年キネマ旬報ベストワン(洋画)に選ばれている[2]。また受賞には至らなかったが、第67回アカデミー賞で7部門にノミネートされた。

ストーリー[編集]

1947年、若くして銀行副頭取を務めるアンディ・デュフレーンは、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無実を訴えるも、終身刑の判決が下り劣悪なショーシャンク刑務所への服役が決まる。それから数日後、ショーシャンクに長年服役する「調達屋」のレッドことエリス・ボイド・レディングはもう何度目かとなる仮出所の審査を受け、更生したことを訴えるがやはり拒否されてしまう。レッドが落胆し部屋を出ると、アンディを含む新しい受刑者達が来たのを知る。アンディら新しい囚人達はノートン所長とハドレー刑務主任から脅しを含めたショーシャンク刑務所の紹介をされ、その晩、取り乱した新人受刑者はハドレーの暴力で死んでしまう。

孤立していたアンディはやがてレッドに声をかけ、鉱物採集の趣味のためロックハンマーを注文する。それをきっかけにアンディはレッドと交友を重ね始める。他方、アンディはあらくれ者のボグズ一派に性的行為を強要され、抵抗のため常に生傷が絶えない生活が続いた。

1949年、アンディは屋根の修理作業中、ハドレーの遺産相続問題を知り、作業仲間達へのビールと引き換えに解決策を提案する。ビールを手に入れ仲間達から尊敬される一方で、ハドレーら刑務官からも一目置かれるようになる。相変わらずボグズらはアンディを襲って1ヶ月の重傷を負わせるが、ハドレーに半殺しにされ、以後アンディを襲う者はいなくなった。アンディが治療を終え自分の房に戻ってくると、レッドに注文してたリタ・ヘイワースの大判ポスターが退院祝いに置かれていた。

やがて、アンディは図書係に配置換えとなり、もう50年刑務所にいる老囚人ブルックスの助手となる。だが、その本当の目的はノートン所長や刑務官達が自身の税務処理や資産運用を行わせるためだった。アンディは有能な銀行家としての手腕を発揮する一方で、名ばかりだった図書係としても精力的に活動を始め、州議会に図書館予算の請求を毎週送るようになる。

1954年、ブルックスに仮釈放の許可が下りるが50年服役した老人は塀の外の生活に恐れ取り乱す。アンディらに説得され、仮釈放を受けるが、結局、外の生活に馴染むことはできず、最期は首を吊って死んでしまう。死の間際に送られた感謝の手紙を読んで、アンディとレッドは苛まれる。一方、手紙に根負けした州議会はわずかばかりの寄付金と古書をショーシャンクに送ってくる。アンディは送られてきた荷物の中に『フィガロの結婚』のレコードを見つけ、それを館内放送で流し懲罰房送りとなる。その後、仲間達からレコードを流した理由を尋ねられるとアンディは音楽と希望は刑務所が奪えないものと説明するが、レッドはそれを否定する。

1963年、アンディが州議会にさらに手紙を送り続けた結果、年度毎の予算まで獲得し、倉庫同然だった図書館は囚人達の娯楽と教養を得る場となっていた。その頃、所長は囚人達の社会更生を図るという名目で、彼らを労働力として野外作業をさせ始め、そのピンハネや土建業者達からの賄賂を受け取り始める。そしてアンディは「ランドール・スティーブンス」という架空の人物を作り出し、その多額の不正蓄財を見事に隠蔽していた。

1965年、新たに入所したコソ泥のトミーは、すぐにレッドの仲間達と打ち解け、アンディも彼を気に入る。更生を望むトミーにアンディは文字の読み書きから勉強を教え始め、やがて高校資格を申請するにまで至る。トミーはアンディの過去を知ると、その真犯人に心当たりがあることを話す。すぐにアンディは所長に再審請求するように頼み込むが、優秀な経理担当者と同時に不正蓄財を知っている彼を自由にさせる気のない所長はアンディを懲罰房に入れ考えを改めるよう迫る。3ヶ月経っても折れないアンディに業を煮やした所長は、無実の鍵を握るトミーを脱走したように見せかけ殺害する。

トミーの死から2ヵ月後、アンディは再び不正経理を行うことを条件に懲罰房から出される。しかし、アンディの様子はどこかおかしくレッドに要領を得ない伝言を残す。レッドら仲間達はアンディが自殺を考えていると疑い、嵐の晩に心配が募る。

翌朝、点呼の際、アンディが房から消えていることが発覚する。所長やハドレーもアンディの房に向かい、マリリン・モンローからラクエル・ウェルチへ代替わりしていたポスターの裏に穴が開いていることを見つけ出す。アンディは約20年間ロックハンマーで壁を掘り続け、ついに1966年、脱獄したのだった。アンディはスティーブンスに成りすまして所長の不正蓄財を引き出すと同時に告発状を新聞社へ送り、難なくメキシコへ逃亡する。そしてアンディの告発状によってハドリーは逮捕され、所長は拳銃自殺する。

間もなくレッドは40年の服役を終えて仮釈放されるが、ブルックスと同様に外の生活に順応できない。ブルックスと同じ道を辿る中、レッドはアンディの伝言を信じ、メキシコへ向かう。そして、青海の海岸線で悠々自適の生活を送るアンディと再会し、喜びの抱擁を交わす。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
DVD・BD TV
アンディ・デュフレーン ティム・ロビンス 大塚芳忠 安原義人
エリス・ボイド・"レッド"・レディング モーガン・フリーマン 池田勝 坂口芳貞
サミュエル・ノートン刑務所長 ボブ・ガントン 仁内建之 佐々木勝彦
ヘイウッド ウィリアム・サドラー 江原正士  
バイロン・ハドリー主任刑務官 クランシー・ブラウン 田中正彦
トミー・ウィリアムズ ギル・ベローズ 真地勇志
ボッグス・ダイアモンド マーク・ロルストン 金尾哲夫
ブルックス・ヘイトレン ジェームズ・ホイットモア 宮田光
  • TV版吹き替え:初回放送 1997年3月30日TBS「春の映画スペシャル」 14:00-16:54

スタッフ[編集]

作品解説[編集]

タイトル[編集]

製作当初、作品名は原作と同じ "Rita Hayworth and Shawshank Redemption"(リタ・ヘイワースとショーシャンクの贖い)となっていた。しかしリタ・ヘイワースのドキュメンタリーと勘違いされ、リタ・ヘイワース役のオーディションを熱望する者まで現れた。その女優は「脚本はすばらしかった。ぜひリタを演らせてほしい!」と言ったという。このため作品名が "The Shawshank Redemption"(ショーシャンクの贖い)となった経緯がある[3]

また、"Redemption"は「罪を贖う」という意味と同時に、債券などの「満期償還」や「買戻し」「回収」という意味をもつ。

製作[編集]

監督のダラボンは1983年にスティーヴン・キングの短編小説『312号室の女』を映画化して彼に注目され、その後、1987年に本作の映画化権を得ている[4]。この映画化権を得るまでの4年間、2人はペンフレンドとして交友を重ねてはいたが共に仕事をしたことは無かった。本作はキングが意欲的な映画製作者に向けて作った有名な「en:Dollar Deals」の1つである。ダラボンは本作の後も、キングの『グリーンマイル』(1999年)や『ミスト』(2007年)の映画化に関わった。

当初、脚本と監督は『スタンド・バイ・ミー』(1986年)をヒットさせたロブ・ライナーが250万ドルでオファーを受けていた。ライナーはアンディーにトム・クルーズ、レッドにハリソン・フォードを充てる構想を提案した。ダラボンは、ライナーの構想を気に入っていたが、結局、自身が監督することで大きなものを得られる機会だと考え、監督兼脚本を担当することとした[5]

映画のセットはメイン州に作られたが、ショーシャンク刑務所の全景はオハイオ州マンスフィールドの使われなくなったオハイオ州立少年院(Ohio State Reformatory)を利用している。刑務所の大半は撮影終了後に取り壊されたが、主な管理棟と2つの独房棟は残された。敷地はその後、映画『エアフォース・ワン』の一部シーンのため、再利用されている[6]。入場室および監視員のオフィスのような専門の刑務所設備の内部のシーンは少年院で撮影されている[6]。屋外での撮影は他の場所で行われたが、ブルックスとレッドが対面した入所室の内部は管理棟に位置した[6]。刑務所の敷地は観光名所となっている。刑務所監獄棟の内部場面で使われたのは、近くの閉鎖されたウエスティングハウスの工場内部に作られた防音スタジオである[6]。ダウンタウンの場面は、近隣のアシュランド(オハイオ)やマンスフィールドでも撮影が行われた。

アンディーがレッドへの手紙を埋めるオークの木はオハイオ州ルーカスの、マラバル海岸農業州パークの近く、40°39′14″N 82°23′31″Wにある。木は2011年7月29日にあった雷雨を伴う突風で酷く損傷を受け、職員達は枯死した可能性を考えていたが、その後、回復グループ及び山林学組織による検査によってまだ生きてることが判明し、今日までまだ立っている[7][8]

ラストシーンの海岸はメキシコ南部のシワタネホ(Zihuatanejo)であり、本作によって有名になった。しかし、近年はハイレベルの海洋汚染によって閉鎖されている[9]

原作との違い[編集]

  • 原作でアンディは小柄な男性として描かれているが、アンディ役のティム・ロビンスは190cmを超える長身である。そのため作中でも、レッドの台詞の中に「あの背の高い男だ」と長身であることが逆に強調されている箇所がある。
  • 原作・映画ともに、レッドはアンディに「なぜ(渾名が)レッドなんだ?」と聞かれ、「(赤毛が多い)アイルランド系だからさ」と答えるシーンがある。原作でのレッドは実際にアイルランド系移民である点と、ファミリーネーム(Redding)に因んだ渾名であることを説明するただの会話である。一方、映画でのレッドはモーガン・フリーマン扮する黒人であることから、原作を踏まえたジョークになっている。
  • 原作ではアンディが利用する架空の人物「スティーブンス」は服役前から存在していたが、映画では服役中に作り出した存在となっている。
  • アンディが流したレコードの曲は「フィガロの結婚」第3幕「手紙の二重唱」である。このエピソードは原作にはなく、脚本執筆当時にオペラにはまっていた監督のアイディアである。
  • 原作ではアンディの服役中に看守や所長が何度か代替わりするが、映画ではハドリーとノートンに統一されている。
  • 原作には、映画のラストにある海のシーンはない。

その他エピソード・解説[編集]

  • 幼虫をカラスの雛に与えるシーンには、動物愛護団体が立ち会った。彼らは生きている幼虫をヒナに与えないことを要求し、ダラボンは餌は釣具店で買ったので大丈夫だと説得した。
  • アンディ達が所内で見ていたリタ・ヘイワースの映画は『ギルダ』である。
  • ブルックスが壁に彫った文字「BROOKS WAS HERE」は、第二次世界大戦中にアメリカ軍人の間で流行した落書き「Kilroy Was Here(キルロイ参上)」のフレーズを捩ったものである。
  • 仮釈放審査において、レッドの書類に貼られていた青年時の写真は本人でなく、モーガン・フリーマンの実子アルフォンソの写真である。またアルフォンソは映画冒頭で、護送されて来たアンディら新入りたちをからかう囚人役の一人としても出演している。
  • トミー役は当初、ブラッド・ピットにオファーする予定だったが、スケジュールが合わずに断られ、当時無名だったギル・ベローズが起用された。
  • 映画の最後に「IN MEMORY OF ALLEN GREENE(アレン・グリーンを偲んで)」と字幕表示されるが、この人物はフランク・ダラボンの旧友であり、本映画の製作途中に亡くなっている。
  • 原作では、アンディの妻と愛人を射殺した犯人は、『スタンド・バイ・ミー』で主人公の親友だったクリスを刺殺する犯人と同一人物である。

評価[編集]

公開当時、本作は『フォレスト・ガンプ』や『パルプ・フィクション』『スピード』の影に埋もれ知名度は低かったが、批評家達から高い評価を受け、その後ビデオ販売やレンタルによって、徐々に人気を獲得し、ファンを広げていった。

  • 1994年のアカデミー賞では7部門にノミネートされた(作品賞、主演男優賞:モーガン・フリーマン、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、録音賞)が、ほぼフォレスト・ガンプが占め受賞には1つも至らなかった。
  • AFIの映画ベスト100シリーズでは「感動の映画ベスト100(23位)」「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)(72位)」にランクインしており、いずれも同時期のライバル作より高い。

受賞歴[編集]

DVD[編集]

ワーナーから発売されているDVDは、所長の自殺の傷口がCG修正されている。直前のカットの銃口の位置がずれていたためである。無修正版は松竹ビデオ版で見ることが出来るが、現在廃盤である。また、画面サイズがスコープ・サイズと表記されている。

舞台[編集]

2013年に河原雅彦演出・喜安浩平脚本で日本初の舞台化。[10]東京・大阪・福岡・名古屋・松本の5都市で上演された。主催はWOWOW産経新聞・ネビュラプロジェクト。

出演[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b The Shawshank Redemption”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年12月7日閲覧。
  2. ^ a b ショーシャンクの空に KINENOTE
  3. ^ 『ショーシャンクの空に』オーディオコメンタリー。
  4. ^ Rauzi, Robin (1993年12月1日). “Doing 'Redemption' Time in a Former Prison”. Los Angeles Times. 2013年3月11日閲覧。
  5. ^ Audio commentary with director and writer Frank Darabont
  6. ^ a b c d Cleveland: The Shawshank Redemption prison”. A.V. Club (2011年8月3日). 2011年8月3日閲覧。
  7. ^ Whitmire, Lou (2011年7月29日). “'Shawshank' tree ripped by high wind”. Mansfield News Journal (Gannett Company). http://www.mansfieldnewsjournal.com/article/B7/20110730/NEWS01/107300302/-Shawshank-tree-ripped-by-high-wind 2011年8月5日閲覧。 
  8. ^ Destries, Michael (2012年7月30日). “Good News: The Shawshank Oak Tree is Alive and Well”. Ecorazzi. http://www.ecorazzi.com/2012/07/30/good-news-the-shawshank-oak-tree-is-alive-and-well/ 
  9. ^ Gordon, Sarah (2014年4月9日). “Public health warning closes Mexican beach made famous by Shawshank Redemption”. Daily Mail. http://www.dailymail.co.uk/travel/article-2600451/Shawshank-Redemption-beach-Mexico-closed-public-health-warning.html 
  10. ^ ショーシャンクの空に”. ナッポスユナイテッド. 2013年5月22日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]