モーガン・フリーマン

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モーガン・フリーマン
Morgan Freeman
Morgan Freeman
本名 Morgan Porterfield Freeman, Jr.
生年月日 1937年6月1日(77歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国テネシー州
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
民族 アフリカ系アメリカ人
ジャンル 映画俳優映画監督ナレーター
活動期間 1960年代-
活動内容 1971年:映画デビュー
1993年:映画初監督
2004年アカデミー賞受賞
配偶者 ジャネット・アデア・ブラッドショー1967年 - 1979年
主な作品
ドライビング Miss デイジー
許されざる者
ショーシャンクの空に
セブン』『宇宙戦争
ミリオンダラー・ベイビー

モーガン・フリーマンMorgan Freeman, 1937年6月1日 - 、本名: Morgan Porterfield Freeman, Jr.)は、アメリカ合衆国テネシー州メンフィス出身の俳優映画監督ナレーター

2004年『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー助演男優賞を受賞。その他『ショーシャンクの空に』『セブン』などのヒット作に出演歴があり、その安定感と味のある演技によってアメリカのみならず世界各国で賞賛を浴びる実力派国際俳優であり、最も名誉ある俳優の一人である。身長189cm。左利き

生い立ち[編集]

1937年6月1日、テネシー州メンフィスに出生。父モーガン・ポーターフィールド・フリーマン(1961年肝硬変により死去)は床屋で、母メイミー・エドナは清掃婦だった。モーガンには3人の兄がいる。フリーマン家はミシシッピ州グリーンウッドインディアナ州ゲーリーなど多くの地を転々とした後イリノイ州シカゴに居を据えた。モーガンは9歳の時小学校の演劇で主役を務めている。

12歳の時には州の演劇コンクールで優勝し、高校時代にはテネシー州ナッシュヴィルでラジオ演劇に出演していた。1955年、ジャクソン州立大学の演劇奨学金を断り合衆国空軍の機械工となった。

1960年代前半、モーガンはロサンゼルスへと移住。ロサンゼルスの短期大学に事務員として勤務した。一時期はニューヨークにも住んでいたことがあり、1964年に開かれたニューヨーク万国博覧会でダンサーを務めた。またサンフランシスコではオペラ歌劇団にも所属していた。

モーガンの実質的な役者デビューは、巡業劇団に所属していた時に出演した『The Royal Hunt of the Sun』という劇で、1965年公開のシドニー・ルメット監督の『The Pawnbroker』という映画にも出演している。1967年には『The Niggerlovers』でヴィヴィカ・リンドフォースの相手役としてオフ・ブロードウェイにデビュー。翌年の1968年には、役者全員が黒人バージョンの『ハロー! ドリー』でブロードウェイの舞台に立った。

経歴[編集]

端役としてではないフリーマンの最初の出演作品は1971年公開の『Who Says I Can't Ride a Rainbow?』という映画であったが、彼が有名になったのは連続テレビドラマシリーズ『Another World』とPBSテレビの子供番組『The Electric Company』だった。後に彼はもっと早く出演をやめるべきだった、と語っている。

「『The Electric Company』に関しては1 - 2年やって辞めるべきだった。でもお金に目が眩んだね。特別優遇措置みたいのがあってね。多くの俳優がそれを享受していた。彼らは真面目に役者業をやる気がなかった。僕もその一員になっていたけどね。それで「若者たちを愛しているぜ!」なんて言っていたんだ。そんなところに3年という長い月日いてしまったよ」と後に彼は述べている。

1980年代前半からフリーマンは、知的で温かみのあるキャラクターで助演男優として頭角を現す。有名になった彼はブルース・ベレスフォード監督の『ドライビング Miss デイジー』(1987年)やエドワード・ズウィック監督の『グローリー』(1989年)など次第に主役級の役柄を演じるようになった。1994年、フランク・ダラボン監督の『ショーシャンクの空に』ではティム・ロビンスと共に主役レッドを演じ最高の評価を得た。彼の魅力が一気に開花したこの作品を機にケヴィン・レイノルズ監督『ロビン・フッド』、デヴィッド・フィンチャー監督『セブン』、ミミ・レダー監督『ディープ・インパクト』など多くの映画で成功を収めた。

フリーマンはその特徴的な声色からナレーターとしての仕事も頻繁に入るようになった。2005年、スティーヴン・スピルバーグ監督『宇宙戦争』、アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞した『皇帝ペンギン』のナレーターを務めた。

『N.Y.ストリート スマート』(1987年)、『ドライビング Miss デイジー』、『ショーシャンクの空に』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされていたが、遂に2004年にクリント・イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』で同賞を受賞。会場の映画人がスタンディング・オベーションで讃えた。

1997年、映画プロデューサー、ロリー・マクリアリーと共に映画制作会社「リヴェレーションズ・エンターテイメント」を設立。また二人は、これの姉妹会社にあたるオンライン映画配給会社「クリックスター」も立ち上げた。

フリーマンは宇宙工学航空工学などの科学分野に造詣が深い。前述のクリックスターでは『私たちの宇宙』というコーナーを持っており、科学系のビデオクリップを制作配信している。テレビにおいても、ディスカバリーチャンネルにてシリーズ番組『モーガン・フリーマンが語る宇宙』のホストを務め、宇宙に関する解説を行っている。

実の息子で俳優のアルフォンソ・フリーマンと、『最高の人生の見つけ方』で親子役として共演を果たしている。

コマーシャルには出演していないが、その理由について「自分が宣伝すればみんなが信じて買ってくれるからだ。不要なものを買わしてしまうのは申し訳ないからね」と答えている。

私生活[編集]

1967年10月22日、ジャネット・アデア・ブラッドショウと結婚したが1979年離婚。1984年に結婚したマーナ・コリー・リーとは2008年8月に離婚。最初の結婚の前に生まれた二人の息子アルフォンソとサイフォレイ、前妻との間に娘モーガナがおり、前妻の連れ子エディーナを養女としている。

現在はミシシッピ州チャールストンとニューヨークに居を構えており、自家用飛行機運転免許を所有している[1]。またミシシッピ州クラークスデールには、「マディディ」というレストランとブルースクラブ「グラウンド・ゼロ」を所有している。2008年にはメンフィスに「グラウンド・ゼロ」2号店を開店した。

フリーマンはアフリカ系アメリカ人のコミュニティーが主催する「黒人の歴史月間」に対して公式に、それらのイベントに参加しない姿勢をとっている。『黒人の歴史はアメリカ合衆国の歴史である』というのが彼の理由である[2]。彼の強い主張によれば『黒人差別を無くすには、その話をしないことだ』と語っており『アメリカに「白人の日」は無い』と述べている。CBS放送のドキュメンタリー番組に出演した際にはインタビュアー(白人)に対し「私はあなたを「白人」とは呼ばない。そして私はあなたにお願いする、私を「黒人」と呼ばないように、と」と述べた[2]。また、アクターズ・スタジオ・インタビューでは司会者が「映画『ディープ・インパクト』では黒人の大統領を演じました」と発言したのに対し、「私は黒人だ。黒人を演じているのではない」と返し、聴衆はその言葉に拍手を送った。その後、好きな言葉を聞かれて「ファック」と答えている。

2006年5月13日、ミシシッピ州のデルタ州立大学より名誉博士号を贈られた。

2006年10月28日、ミシシッピ州ジャクソンで行われたミシシッピの最優秀賞授賞式にて、長年映画に出演している功績を評価され、生涯業績賞が贈られた。「彼はまるで父親のような存在だ」と大会主催者は語った。「フリーマン氏はどんな役を演じようとも誰も近づけない尊敬に値する人物の一人だ」と賞賛が贈られた。

2008年8月3日深夜、自動車を運転し自宅に戻る途中に車道の路肩を飛び越え横転、命に別状は無かったものの骨折などの重傷を負い、テネシー州メンフィスの病院に搬送された。その際、レスキュー隊に救出される時に多くのやじ馬が周囲を撮影しようとしたところ「ただ撮りはダメだよ」と冗談まじりに話していた[3]。なお、事故の際に酒気帯び運転をしていたのではないかという指摘が同乗の女性より主張されたが、モーガンはこれを否定。女性と裁判で争う構えを見せていたが、2009年11月に双方の間で示談が成立している[4]

出演作品[編集]

公開年 題名 役名 備考
1971 The Electric Company PBS子供向けテレビシリーズ
1978 Roll of Thunder, Hear My Cry ハマー叔父さん テレビ
1980 ブルベイカー
Brubaker
ウォルター
1981 マーヴァ・コリンズ ストーリー
The Marva Collins Story
クラレンス・コリンズ CBSテレビ映画
1984 りんご白書
Teachers
アル・ルイス
1985 目撃者マリー
Marie
チャールズ・トラバー
1987 NYストリート・スマート
Street Smart
ファスト・ブラック アカデミー助演男優賞ノミネート
Fight for Life ドクター・シャレード ABCテレビ映画
1989 ジョニー・ハンサム
Johnny Handsome
ドローンズ警部補
グローリー
Glory
ジョン・ローラインズ
ドライビング Miss デイジー
Driving Miss Daisy
ホーク・コルバーン アカデミー主演男優賞ノミネート ベルリン国際映画祭最優秀共演賞
ワイルド・チェンジ
Lean on Me
ジョー・ルイス・クラーク
1990 虚栄のかがり火
The Bonfire of the Vanities
レナード・ホワイト裁判官
1991 ロビン・フッド
Robin Hood: Prince of Thieves
アジーム MTVムービー・アワードのベストコンビ賞ノミネート(ケビン・コスナーと)
1992 許されざる者
Unforgiven
ネッド・ローガン アカデミー作品賞受賞
パワー・オブ・ワン
The Power of One
ヘール・ピート
1994 ショーシャンクの空に
The Shawshank Redemption
レッド アカデミー賞主演男優賞ノミネート
1995 セブン
Se7en
ウィリアム・サマセット MTVムービー・アワードのベストコンビ賞ノミネート(ブラッド・ピットと)
アウトブレイク
Outbreak
ビリー・フォード准将
1996 チェーン・リアクション
Chain Reaction
ポール・シャノン
モル・フランダース
Moll Flanders
ヒブル
1997 アミスタッド
Amistad
セオドア・ジャドソン
コレクター
Kiss the Girls
アレックス・クロス博士
1998 ディープ・インパクト
Deep Impact
トム・ベック大統領
フラッド
Hard Rain
ジム
2000 ベティ・サイズモア
Nurse Betty
チャールズ
アンダー・サスピション
Under Suspicion
ヴィクター
2001 スパイダー
Along Came a Spider
アレックス・クロス博士
2002 トータル・フィアーズ
The Sum of All Fears
ウィリアム・キャボット
ハイ・クライムズ
High Crimes
チャーリー・グライムス
2003 ブルース・オールマイティ
Bruce Almighty
ドリームキャッチャー
Dreamcatcher
エイブラハム・カーツ
最高の人生
Levity
2004 ミリオンダラー・ベイビー
Million Dollar Baby
エディ・デュプリス アカデミー助演男優賞受賞
クリントンの真実
The Hunting of the President
ナレーター 日本未公開
ザ・ビッグ・バウンス
The Big Bounce
ウォルター・クルーズ
2005 ウォーキング・オン・ザ・ムーン 3D
Magnificent Desolation: Walking on the Moon 3D
ニール・アームストロング 声の出演
ダニー・ザ・ドッグ
An Unfinished Life
ミッチ・ブラッドリー
宇宙戦争
War of the Worlds
ナレーター
皇帝ペンギン
March of the Penguins
ナレーター
バットマン ビギンズ
Batman Begins
ルーシャス・フォックス
アンフィニッシュ・ライフ
Unleashed
サム
2006 F.R.A.T./戦慄の武装警察
Edison Force
アッシュフォード
ラッキーナンバー7
Lucky Number Slevin
ボス
素敵な人生のはじめ方
10 Items or Less
※役名なし 兼製作
ザ・スナイパー
The Contract
フランク・カーデン
2007 エバン・オールマイティ
Evan Almighty
『ブルース・オールマイティ』の続編
最高の人生の見つけ方
The Bucket List
カーター
ゴーン・ベイビー・ゴーン
Gone, Baby, Gone
ジャック・ドイル刑事 日本未公開
ラブ・アペタイザー
Feast of Love
ハリー・スティーヴンソン 日本未公開
2008 ウォンテッド
Wanted
スローン
ダークナイト
The Dark Knight
ルーシャス・フォックス
愛の伝道師 ラブ・グル
The Love Guru
本人 声のみの出演
2009 Prom Night in Mississippi 本人 ドキュメンタリー映画
ザ・エッグ 〜ロマノフの秘宝を狙え〜
Thick as Thieves
キース・リプリー ビデオ映画
ザ・バッド
The Maiden Heist
チャールズ
インビクタス/負けざる者たち
Invictus
ネルソン・マンデラ 兼製作総指揮
2010 RED/レッド
Red
ジョー
2011 BORN TO BE WILD 3D -野生に生きる-
Born to Be Wild
ナレーター
イルカと少年
Dolphin Tale
キャメロン・マッカーシー
2012 最高の人生のはじめ方
The Magic of Belle Isle
モンテ・ワイルドホーン
ダークナイト ライジング
The Dark Knight Rises
ルーシャス・フォックス
2013 エンド・オブ・ホワイトハウス
Olympus Has Fallen
アラン・トランブル下院議長
オブリビオン
Oblivion
マルコム
グランド・イリュージョン
Now You See Me
サディアス
ラストベガス
Last Vegas
アーチボルド・”アーチー”・クレイトン
The Last Knights
2014 LEGO ムービー
The Lego Movie
ウィトルウィウス 声の出演
トランセンデンス
Transcendence
ジョセフ・タガー
LUCY/ルーシー
Lucy
ノーマン博士

日本語吹き替え[編集]

吹き替えは坂口芳貞が担当することが多い。その他には池田勝が担当することもある。

監督作品[編集]

  • ボッパ! (Bopha! / 1993年)
タイトルは、ズールー語発音では「ボーファ!」である。

受賞歴[編集]

受賞[編集]

ノミネート[編集]

  • 1987年アカデミー賞助演男優賞:『NYストリート・スマート』
  • 1987年ゴールデングローブ賞助演男優賞:『NYストリート・スマート』
  • 1989年アカデミー賞主演男優賞:『ドライビングMissデイジー』
  • 1992年MTVムービー・アワード・コンビ賞:『ロビンフッド』(ケヴィン・コスナーと)
  • 1994年アカデミー主演男優賞:『ショーシャンクの空に』
  • 1994年ゴールデングローブ賞男優賞:『ショーシャンクの空に』
  • 1996年MTVムービー・アワード・コンビ賞:『セブン』(ブラッド・ピットと)
  • 2004年ゴールデングローブ賞助演男優賞:『ミリオンダラー・ベイビー』
  • 2004年放送映画批評家協会賞助演男優賞:『ミリオンダラー・ベイビー』

脚注[編集]

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外部リンク[編集]