JR貨物タキ1000形貨車

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JR貨物タキ1000形貨車
タキ1000-290日本石油輸送所有車(2006年10月 八王子駅)
タキ1000-290
日本石油輸送所有車
(2006年10月 八王子駅)
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本貨物鉄道
所有者 日本石油輸送
日本オイルターミナル
製造所 日本車輌製造川崎重工業
製造年 1993年 -
製造数 968両(2016年9月現在)
常備駅 郡山駅根岸駅
主要諸元
車体色 グリーン/グレー、青15号、他
専用種別 ガソリン
化成品分類番号 燃32
軌間 1,067 mm
全長 13,570 mm
全幅 2,960 mm
全高 3,918 mm
荷重 45 t
実容積 61.6 m3
自重 17.2 t
換算両数 積車 6.0
換算両数 空車 1.8
台車 FT21
車輪径 810 mm
台車中心間距離 9,370 mm
最高速度 95 km/h
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タキ1000形貨車は、1993年から製作されているガソリン専用の貨車タンク車)である。全車が日本石油輸送または日本オイルターミナル所有する私有貨車で、日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍編入されている。

概要[編集]

1984年2月ダイヤ改正貨物列車の輸送体系が拠点間直行方式に改められて以降、貨物列車の運用は行先別・荷種別に集約する「専用列車」への転換が進行してきた。コンテナ列車は従来よりコキ50000系コキ100系などによる高速運転が主体となっていたが、タンク車など一般の車扱貨物に用いられる貨車は依然として最高速度は75km/hにとどまり、到達時分の短縮やダイヤを組成する際の懸案事項となっていた。

これを受け、専用列車のうち特に占める割合の大きい石油類専用貨物列車の高速化を図る目的で製作されたのが、本形式である。タンク車初の高速貨車として開発された本形式は、輸送効率と高速走行とを両立させた形式として、2016年現在も製作が続いている[1][2]

構造[編集]

FT21形台車(2006年10月 八王子駅

車体の基本構造は、タキ43000形のフレームレス構造を踏襲し、車高を下げ、タンク体の形状を変更して、荷重をタキ43000形の43tから45tに増大した。昇降ハシゴ・タンク上部の踏み板は軽量化のためアルミニウム合金を使用し、タンク体が大型化したため、車両限界に抵触しないよう手すり高さを低くしている。

台車はコキ100系のFT1形を基本とし、車高を下げるため直径810ミリメートルの小径車輪を用いたFT21形を採用した。最高速度は従来車両の75km/hから95km/hに向上している。軸重は15tのままで、運用線区は限定される。

外部塗色は所有者によって異なり、以下のパターンが存在する。

日本石油輸送所有の車両は、タキ43000形243000番台と同一のグリーンとグレーの2色塗り分けとされた。うち、新日本石油油槽所製油所の間で使用される一部については、タンク体右側に新日本石油の「ENEOS」ブランドマーク[3]エコレールマークが標記されている。 米軍の燃料輸送に使用されている物は積載物を表す米軍表記(JP-8等)が施されている。

日本オイルターミナル所有の車両は、同社伝統の青15号(インクブルー)で塗装されている。初期の車両(93 - 102・303 - 347・373 - 417・443 - 462)はスカイブルーと銀色の帯を入れていたが、後に省略され2004 - 2005年製の643 - 676はタキ43000形・タキ44000形と同様の青一色塗りで導入されるようになった。既存の車両も検査時などに順次青一色に変更された。また、2006年度以降の693 - 752は同社の40周年記念としてカラフルな「矢羽」をあしらったステッカーを車体に貼り付けていたが、2011年から2013年頃にかけて検査時などに青一色に変更され、現在は消滅している。

移籍[編集]

2000年に日本オイルターミナル所有の338 - 347の10両が日本石油輸送に移籍した。それらは全般検査まで旧社紋部分の上に新社紋を貼付する暫定措置を施された。 2007年以降同様の移籍が再開され、それらも塗り替えまで暫定的に社紋の張り替えが行われている。

現況[編集]

2016年9月までに968両が製造され[1][2]、日本オイルターミナルと日本石油輸送の両社が従来用いてきたタキ9900形タキ35000形などの35t積タンク車、安全性は高いが積載効率に劣るタキ38000形 (36t積) やタキ40000形 (40t積) 、老朽化したタキ43000形の43t積車を順次置き換えているが、現在までに2両が事故、46両が東日本大震災による津波災害で廃車となり、903以降はそれらが廃車になった後に新製されているため、968両全車が同時に在籍していたことはなく、実際には計920両が在籍している[要出典]

主に名古屋地区から東北地区の地域で石油専用列車に使用され、線区によっては本車のみで編成された最高速度95km/hの高速貨物列車(列車種別:高速貨B)が運転されている。日本オイルターミナルではこの列車の愛称を「スーパーオイルエクスプレス」と命名している。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 【JR貨】臨8862列車で新製タキ1000形6輌を輸送 (RMニュース) ネコ・パブリッシング 2013年7月29日
  2. ^ a b 【JR貨】タキ1000 甲種輸送 (RMニュース) 鉄道ホビダス―実物から鉄道模型まで日本最大級の鉄道専門サイト by ネコ・パブリッシング 2016年9月7日掲載
  3. ^ ENEOSブランドが制定された旧・日石三菱発足時にロゴの表示が開始されたもので、当初付された『日石三菱』の表記は社名変更に伴い順次『新日本石油』の表記に変更された。その後、2010年8月には合併による再度の社名変更(JX日鉱日石エネルギー)のため順次『新日本石油』の社名を白で塗りつぶし、新社名への書き換えの準備が進められている。

参考文献[編集]

  • 車両のうごき 2008-2009 私有貨車編/手塚一之 ‐ 鉄道ファン2009年8月号 『特集:JR特急形電車最新カタログ』
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』 ネコ・パブリッシング2008年、復刻増補(日本語)。ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
  • 「タンカートレイン物語/吉岡心平」(j-train Vol.46 2012年)

関連項目[編集]