国鉄タキ11500形貨車
国鉄タキ11500形貨車 | |
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タキ11500形、コタキ11582 1994年6月25日、糸魚川駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 富士セメント、豊国セメント、住友セメント、宇部興産、小野田セメント、電気化学工業、日本セメント、日鉄セメント、敦賀セメント |
製造所 | 日本車輌製造、日立製作所、川崎重工業、富士車輌 |
製造年 | 1968年(昭和43年) - 1974年(昭和49年) |
製造数 | 173両 |
消滅 | 2007年(平成19年) |
常備駅 | 東室蘭駅、大越駅、糸魚川駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | セメント |
化成品分類番号 | なし |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 11,100mm、10,800 mm |
全幅 | 2,700mm、2,720 mm |
全高 | 3,615mm、3,643 mm |
タンク材質 | 耐候性高張力鋼 |
荷重 | 40 t |
実容積 | 38.5 m3 |
自重 | 13.8t、14.0 t |
換算両数 積車 | 5.5 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR41C、TR41G、TR41E-13 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 7,000mm、6,700 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タキ11500形貨車(こくてつタキ11500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
[編集]本形式は、セメント専用の40 t 積タンク車として1968年(昭和43年)6月13日から1974年(昭和49年)3月20日にかけて173両(コタキ11500 - コタキ11599、コタキ111500 - コタキ111548、コタキ111550 - コタキ111573)が日本車輌製造、日立製作所、川崎重工業、富士車輌の4社にて製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「 コタキ」と標記する。
落成時の所有者は、富士セメント、豊国セメント、住友セメント、宇部興産、小野田セメント、電気化学工業、日本セメント、日鉄セメント、敦賀セメントの9社であった。1970年(昭和45年)10月13日に富士セメントが日鉄セメントへ社名変更された。1973年(昭和48年)6月21日に豊国セメント所有全車6両が三菱鉱業セメントへ名義変更された。(社名は1990年(平成2年)12月に三菱マテリアルへ変更した)
1983年(昭和58年)11月11日に宇部興産所有10両(コタキ11519、コタキ11523、コタキ11546 - コタキ11548、コタキ11550 - コタキ11554)、1984年(昭和59年)2月28日に日鉄セメント所有10両(コタキ11513 - コタキ11518、コタキ11543 - コタキ11545、コタキ11556)がそれぞれ日本カーバイド工業へ名義変更された。この合計20両は1983年(昭和58年)11月24日から1984年(昭和59年)4月4日にかけて専用種別が生石灰へと変更され形式はタキ11350形(コタキ11360 - コタキ11379)とされた。
多くの製造メーカー、所有者、製造ロットにより形態は様々である。タンク体は耐候性高張力鋼製で荷役方式はエアスライド+圧送式である。
車体色は黒色、寸法関係は全長は11,100 mm、全幅は2,700 mm、全高は3,615 mm、軸距は7,000 mm、実容積は38.5 m3、自重は13.8 t、換算両数は積車5.5、空車1.4であり、台車はコタキ11500 - コタキ111548がベッテンドルフ式のTR41C、コタキ111550 - コタキ111559がTR41G、コタキ111560以降が平軸受・コイルばね式のTR41E-13であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時に87両の車籍がJR貨物に継承され、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した4両(コタキ111570 - コタキ111573)が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
[編集]各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
- 昭和43年度 - 13両
- 日本車輌製造 4両 富士セメント (コタキ11500 - コタキ11503)
- 日立製作所 4両 富士セメント (コタキ11504 - コタキ11507)
- 日本車輌製造 4両 豊国セメント (コタキ11508 - コタキ11511)
- 川崎重工業 1両 住友セメント (コタキ11512)
- 昭和44年度 - 29両
- 日立製作所 6両 富士セメント (コタキ11513 - コタキ11518)
- 富士車輌 18両 宇部興産 (コタキ11519 - コタキ11537)
- 日本車輌製造 2両 豊国セメント (コタキ11538 - コタキ11539)
- 日本車輌製造 3両 小野田セメント (コタキ11540 - コタキ11542)
- 昭和45年度 - 31両
- 日立製作所 3両 富士セメント (コタキ11543 - コタキ11545)
- 富士車輌 10両 宇部興産 (コタキ11546 - コタキ11555)
- 日立製作所 3両 富士セメント (コタキ11556 - コタキ11558)
- 川崎重工業 1両 住友セメント (コタキ11559)
- 日立製作所 5両 電気化学工業 (コタキ11560 - コタキ11564)
- 川崎重工業 7両 住友セメント (コタキ11565 - コタキ11571)
- 川崎重工業 2両 日本セメント (コタキ11572、コタキ11573)
- 昭和46年度 - 46両
- 日立製作所 2両 日鉄セメント (コタキ11574、コタキ11575)
- 日立製作所 4両 住友セメント (コタキ11576 - コタキ11579)
- 川崎重工業 2両 日本セメント (コタキ11580、コタキ11581)
- 川崎重工業 20両 日本セメント (コタキ11582 - コタキ11599、コタキ111500、コタキ111501)
- 川崎重工業 8両 住友セメント (コタキ111502 - コタキ111509)
- 川崎重工業 6両 日本セメント (コタキ111510 - コタキ111515)
- 日立製作所 4両 日鉄セメント (コタキ111516 - コタキ111519)
- 昭和47年度 - 29両
- 川崎重工業 15両 住友セメント (コタキ111520 - コタキ111534)
- 日本車輌製造 2両 小野田セメント (コタキ111535、コタキ111536)
- 川崎重工業 5両 住友セメント (コタキ111537 - コタキ111541)
- 川崎重工業 7両 日本セメント (コタキ111542 - コタキ111548)
- 昭和48年度 - 10両
- 川崎重工業 10両 住友セメント (コタキ111550 - コタキ111559)
- 昭和49年度 - 14両
- 川崎重工業 10両 敦賀セメント (コタキ111560 - コタキ111569)
- 川崎重工業 4両 日本セメント (コタキ111570 - コタキ111573)
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)