コンテンツにスキップ

国鉄タキ11500形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ11500形貨車
タキ11500形、コタキ11582 1994年6月25日、糸魚川駅
タキ11500形、タキ11582
1994年6月25日、糸魚川駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 富士セメント豊国セメント住友セメント宇部興産小野田セメント電気化学工業日本セメント日鉄セメント敦賀セメント
製造所 日本車輌製造日立製作所川崎重工業富士車輌
製造年 1968年昭和43年) - 1974年(昭和49年)
製造数 173両
消滅 2007年平成19年)
常備駅 東室蘭駅大越駅糸魚川駅
主要諸元
車体色
専用種別 セメント
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 11,100mm、10,800 mm
全幅 2,700mm、2,720 mm
全高 3,615mm、3,643 mm
タンク材質 耐候性高張力鋼
荷重 40 t
実容積 38.5 m3
自重 13.8t、14.0 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.4
台車 TR41C、TR41G、TR41E-13
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,000mm、6,700 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

国鉄タキ11500形貨車(こくてつタキ11500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要

[編集]

本形式は、セメント専用の40 t 積タンク車として1968年(昭和43年)6月13日から1974年(昭和49年)3月20日にかけて173両(タキ11500 - タキ11599、タキ111500 - タキ111548、タキ111550 - タキ111573)が日本車輌製造日立製作所川崎重工業富士車輌の4社にて製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「 タキ」と標記する。

落成時の所有者は、富士セメント豊国セメント住友セメント宇部興産小野田セメント電気化学工業日本セメント日鉄セメント敦賀セメントの9社であった。1970年(昭和45年)10月13日に富士セメントが日鉄セメントへ社名変更された。1973年(昭和48年)6月21日に豊国セメント所有全車6両が三菱鉱業セメントへ名義変更された。(社名は1990年平成2年)12月に三菱マテリアルへ変更した)

1983年(昭和58年)11月11日に宇部興産所有10両(タキ11519、タキ11523、タキ11546 - タキ11548、タキ11550 - タキ11554)、1984年(昭和59年)2月28日に日鉄セメント所有10両(タキ11513 - タキ11518、タキ11543 - タキ11545、タキ11556)がそれぞれ日本カーバイド工業へ名義変更された。この合計20両は1983年(昭和58年)11月24日から1984年(昭和59年)4月4日にかけて専用種別が生石灰へと変更され形式はタキ11350形タキ11360 - タキ11379)とされた。

多くの製造メーカー、所有者、製造ロットにより形態は様々である。タンク体は耐候性高張力鋼製で荷役方式はエアスライド+圧送式である。

車体色は黒色、寸法関係は全長は11,100 mm、全幅は2,700 mm、全高は3,615 mm、軸距は7,000 mm、実容積は38.5 m3、自重は13.8 t、換算両数は積車5.5、空車1.4であり、台車はタキ11500 - タキ111548がベッテンドルフ式のTR41C、タキ111550 - タキ111559がTR41G、タキ111560以降が平軸受・コイルばね式のTR41E-13であった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時に87両の車籍がJR貨物に継承され、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した4両(タキ111570 - タキ111573)が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数

[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和43年度 - 13両
    • 日本車輌製造 4両 富士セメント (タキ11500 - タキ11503)
    • 日立製作所 4両 富士セメント (タキ11504 - タキ11507)
    • 日本車輌製造 4両 豊国セメント (タキ11508 - タキ11511)
    • 川崎重工業 1両 住友セメント (タキ11512)
  • 昭和44年度 - 29両
    • 日立製作所 6両 富士セメント (タキ11513 - タキ11518)
    • 富士車輌 18両 宇部興産 (タキ11519 - タキ11537)
    • 日本車輌製造 2両 豊国セメント (タキ11538 - タキ11539)
    • 日本車輌製造 3両 小野田セメント (タキ11540 - タキ11542)
  • 昭和45年度 - 31両
    • 日立製作所 3両 富士セメント (タキ11543 - タキ11545)
    • 富士車輌 10両 宇部興産 (タキ11546 - タキ11555)
    • 日立製作所 3両 富士セメント (タキ11556 - タキ11558)
    • 川崎重工業 1両 住友セメント (タキ11559)
    • 日立製作所 5両 電気化学工業 (タキ11560 - タキ11564)
    • 川崎重工業 7両 住友セメント (タキ11565 - タキ11571)
    • 川崎重工業 2両 日本セメント (タキ11572、タキ11573)
  • 昭和46年度 - 46両
    • 日立製作所 2両 日鉄セメント (タキ11574、タキ11575)
    • 日立製作所 4両 住友セメント (タキ11576 - タキ11579)
    • 川崎重工業 2両 日本セメント (タキ11580、タキ11581)
    • 川崎重工業 20両 日本セメント (タキ11582 - タキ11599、タキ111500、タキ111501)
    • 川崎重工業 8両 住友セメント (タキ111502 - タキ111509)
    • 川崎重工業 6両 日本セメント (タキ111510 - タキ111515)
    • 日立製作所 4両 日鉄セメント (タキ111516 - タキ111519)
  • 昭和47年度 - 29両
    • 川崎重工業 15両 住友セメント (タキ111520 - タキ111534)
    • 日本車輌製造 2両 小野田セメント (タキ111535、タキ111536)
    • 川崎重工業 5両 住友セメント (タキ111537 - タキ111541)
    • 川崎重工業 7両 日本セメント (タキ111542 - タキ111548)
  • 昭和48年度 - 10両
    • 川崎重工業 10両 住友セメント (タキ111550 - タキ111559)
  • 昭和49年度 - 14両
    • 川崎重工業 10両 敦賀セメント (タキ111560 - タキ111569)
    • 川崎重工業 4両 日本セメント (タキ111570 - タキ111573)

参考文献

[編集]
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

[編集]