国鉄タ2000形貨車
国鉄タ2000形貨車 | |
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国鉄タ2000形タ2002 1992年11月3日、川崎貨物駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
鉄道省 日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
種車 | タム200形、タム900形 |
改造所 | 新潟鐵工所 |
改造年 | 1941年(昭和16年) |
改造数 | 3両 |
消滅 | 1996年(平成8年) |
常備駅 | 二本木駅、稲毛駅、新崎駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | アルコール |
化成品分類番号 | 燃31 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,350 mm、7,800[1] mm |
全幅 | 2,300 mm、2,432[1] mm |
全高 | 3,490 mm、3,450[1] mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 10 t |
実容積 | 11.5 m3 - 12.1 m3 |
自重 | 9.6 t - 10.7 t |
換算両数 積車 | 2.2 |
換算両数 空車 | 1.0 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,650 mm、3,900 mm |
最高速度 | 65 km/h → 75 km/h |
国鉄タ2000形貨車(こくてつタ2000がたかしゃ)は、かつて鉄道省、日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したタンク車(私有貨車)である。
概要
[編集]1941年(昭和16年)12月27日に新潟鐵工所にてタム200形より2両(タム273 - タム274)の専用種別変更(二硫化炭素→アルコール)が行われ、形式名は新形式名であるタ2000形(タ2000 - タ2001)が与えられた。アルコールの比重は二硫化炭素より軽いため積載荷重は5 t 減トンされ10 t とされた。種車となったタム273 - タム274は1939年(昭和14年)8月31日製造の新潟鐵工所製であり、タム200形として落成したわずか2年後であった。
1951年(昭和26年)11月6日に新潟鐵工所にてタム900形より1両(タム972)の専用種別変更(カセイソーダ液→アルコール)が行われ、本形式(タ2002)に編入された。種車となったタム972は1959年(昭和24年)3月に東洋レーヨンにて製造された戦災復旧車である。
以上合計3両(タ2000 - タ2002)が本形式として運用された。
落成時の所有者は日本曹達(タ2000 - タ2001)、酒精産業(タ2002)の2社でありそれぞれの常備駅は信越本線(現在のえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)の二本木駅、総武本線の稲毛駅であった。
その後日本曹達所有車は1961年(昭和36年)12月1日に、酒精産業所有車は1956年(昭和31年)3月3日に日本アルコール販売に名義変更された。常備駅は、稲毛駅を振り出しに伊賀駅、石岡駅、鉾田駅、新崎駅と各地をまわった。
貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、全車(3両)が新津工場、若松工場にて二段リンク式に改造された。荷役方式は全車とも上入れ、下出し方式である。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。
塗色は黒であり、寸法関係は種車形式の違いにより2種類ある。全長は7,350 mm、7,800 mm、全幅は2,300 mm、2,430 mm、全高は 3,490 mm、3,450 mm、軸距は3,650 mm、3,900 mm、実容積は11.5 m3、12.1 m3、自重は9.6 t - 10.7 t、換算両数は積車2.2、空車1.0、最高運転速度は75 km/h(二段リンク式に改造後)、車軸は12 t長軸である。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(1972年(昭和47年)7月28日にタ2000が廃車)の車籍がJR貨物に継承された。
1996年(平成8年)にタ2001は廃車になった。実に誕生より57年間に渡り運用された。
1996年(平成8年)4月に最後まで在籍したタ2002が廃車になり形式消滅、同時に「タ」車(積載重量13t以下のタンク車)の全滅となった。本車(タ2002)は日本最後のタ車である。
保存
[編集]三重県いなべ市の貨物鉄道博物館(三岐鉄道三岐線丹生川駅構内)に、タ2001が保存されている。
出典
[編集]- ^ a b c 「タ2000形10トン積アルコール専用車」(吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』 1997年、ネコ・パブリッシング刊、p.22)
参考文献
[編集]- 鉄道公報
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)