国鉄タキ16200形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ16200形貨車
タキ16200形、タキ16202 1994年1月16日、東港駅
タキ16200形、タキ16202
1994年1月16日、東港駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道
所有者 内外輸送日本石油輸送信越化学工業
製造所 富士重工業日立製作所
製造年 1969年昭和44年) - 1975年(昭和50年)
製造数 10両
消滅 2000年平成12年)
常備駅 中条駅名古屋南港駅武生駅
主要諸元
車体色
専用種別 酢酸ビニル
化成品分類番号 31
軌間 1,067 mm
全長 12,300 mm
全幅 2,720 mm
全高 3,836 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t
実容積 38.0 m3
自重 16.9 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C、TR41E-12
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,500 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

国鉄タキ16200形貨車(こくてつタキ16200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要[編集]

本形式は、酢酸ビニル専用の 35t 積タンク車として1969年(昭和44年)から1975年(昭和50年)にかけて6ロット10両(タキ16200 - タキ16209)が富士重工業日立製作所の2社で製作された。

所有者は、内外輸送日本石油輸送信越化学工業の3社であった。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。

タンク体は、35系タイプに属するステンレス鋼製で保温のため、厚さ75mm又は110mm のウレタン断熱材を備えておりキセ(外板)で覆われた。

荷役方式は、積込はドーム上部にある積込口から行い、荷卸しは液出入管と空気加圧による上出し方式である。車両によっては、両管にS字管を装備していた。

車体色は黒色、寸法関係は全長は12,300mm、全幅は2,720mm、全高は3,836mm、台車中心間距離は8,500mm、自重は16.9t、換算両数は積車5.0、空車1.8、台車はタキ16200 - タキ16207がベッテンドルフ式のTR41C、16208以降はは平軸受・コイルばね式のTR41E-12であった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点では8両(タキ16200 - タキ16207)が現存していたが、1999年(平成11年)度に最後まで在籍した7両(タキ16200 - タキ16203 ,タキ16205 - タキ16207)が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。

  • 昭和44年度 - 5両
    • 富士重工業 2両 内外輸送(タキ16200 ,タキ16201)
    • 日立製作所 3両 日本石油輸送(タキ16202 - タキ16204)
  • 昭和46年度 - 1両
    • 富士重工業 1両 内外輸送(タキ16205)
  • 昭和47年度 - 2両
    • 富士重工業 1両 内外輸送(タキ16206)
    • 富士重工業 1両 内外輸送(タキ16207)
  • 昭和49年度 - 2両
    • 富士重工業 2両 信越化学工業(タキ16208 ,タキ16209)

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]