侍戦隊シンケンジャーの登場人物

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侍戦隊シンケンジャーの登場人物(さむらいせんたいシンケンジャーのとうじょうじんぶつ)では、特撮テレビドラマシリーズ『侍戦隊シンケンジャー』に登場する架空の人物、及びキャラクターについて記述する。

志葉家の関係者

侍戦隊シンケンジャー

書かれた文字が司る力を具現化させる「モヂカラ」という術を代々受け継ぎ、300年の昔から外道衆と戦ってきたたちの末裔。

筆頭の志葉家が赤(火)、その家臣である池波・白石・谷・花織の4家が順に青(水)・桃(天)・緑(木)・黄(土)と各家ごとに受け継ぐ「色」と「モヂカラ」が決まっており、それぞれの家から1人ずつ侍に選ばれた者によって構成されている[1]

名乗りの際は、各々の変身後のコードネームと本名を1人目が「シンケン○○(色名。おもにレッド)、××(本名)」、2人目以降は「同じく○○(色名のみ)、××(本名)」と名乗る[2][3]

なお、メンバーは変身後もコードネームではなく本名で呼び合っている。さらに、終盤薫がメンバーに合流して丈瑠と源太が一時退いた時には男性メンバーが青と緑の二人だったのに対して女性メンバーが赤・桃・黄の三人となり、スーパー戦隊シリーズ史上初めて女性メンバーの数が男性メンバーを上回ることとなった。

また、過去のシリーズ作品では、戦隊メンバーの名前は何らかの法則性をもって設定されていることが多く[4]、本作ではそれらについては公表されていないが、「志葉」や「池波」などの名が時代劇ファンを意識したものであることが示唆されている[5]

口上は集合時は「天下御免の侍戦隊、シンケンジャー、参る!」、勝利後は「これにて一件落着」。シンケンゴールド加入後は、一件落着の前に「勝利の一本締め[6]」が挿入されるようになった(省略されることもある)[7]

移動用のビークルは存在しないので、専ら自力で移動する。長距離の出張などの場合は黒子のかつぐ駕籠(通常のものと大名駕篭がある)やモヂカラで召喚した馬を利用する。

志葉 丈瑠(しば たける) / シンケンレッド
」のモヂカラを操る侍で、シンケンジャーのリーダー。一人称は「」(「」を使うこともある)。
志葉家十八代目当主として[8]侍たちを率いるが、現代において「殿様」「家臣」などが時代錯誤な存在だということは認識しており、赤の他人を戦いに巻き込むことを嫌って彦馬が仲間を集めることに反対していた。ゆえに、流ノ介たちが集結した際に「戦いは家臣とか忠義で決めず覚悟で決めろ」と言い渡している。また、あまりにも「殿様」の意向を意識しすぎることはを気にかけ、諭したこともある。当初は家臣たちに自分の弱みを見せることを嫌い、また侍たちの命を預かることへの強い責任感などから、時として厳しい言葉を吐いて家臣たちの反感を買うこともあったが、中盤以降はふとしたはずみで蔑ろにされたり[9]共にトランプに興じるなど、他のメンバーとは幾分打ち解けている様子。戦いに巻き込まないようにあまり他人と関わらずに生きてきたためか、戦いが終わって去っていく際にまで茉子から指摘される程の「人見知り」だった[10]が、TVシリーズの後日談である『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』では当初からアラタ(ゴセイレッド)を受け入れて共闘にも応じており、成長を見せている。
他の侍たちを呼び集められるまで独りで外道衆と戦ってきたこともあって戦士としての実力は一線を画しており、その剣技は大胆かつ流麗。実戦の際には刀(シンケンマル)を肩に担いだ独特な構えを取る(名乗りポーズも同様)。これは(十臓曰く)長時間の戦闘にも耐えられるよう、疲労を最小限に抑えるために行っている。また、まれに二刀流も披露し[11]、最終幕では丹波の「双」のモヂカラによる二振りの烈火大斬刀を使った。
実は、真の十八代目当主・薫が「封印の文字」を会得するまで外道衆の注意をひきつけておくための影武者だった[12]。彼がモヂカラの才能に長けていたため影武者となっていたが、彼の家は侍の家系ですらなく、先代レッドと思われていた彼の父もまた、侍ではなかった[13]。火のモヂカラも家系的に受け継いだものではなく自身の修行により後天的に身につけたものであったため、本来の志葉家のものとは挙動や効力が少々違っていたようである。[14]
影武者として周囲を欺いていた負い目からか、自分の存在と自分の命を軽く見ている節があり、意図的に侍たちとは距離を置くようにしていた[15]。特に物語前半では、家臣たちが不安を抱かないよう努めるためもあって、彼らに自分の弱みを見せなかった。薫が表に出たために影武者としての役目が終わってしまい[16]「殿でない自分には(剣以外に)何もない」との虚無感から十臓との外道の如き戦いにのめりこみ、危うく十臓と同じ外道への道を歩みかけてしまうも、流ノ介たちの言葉を受けて寸前のところで考えを改め、「家臣たちとのたしかな絆」を再認識した。
その後、薫の封印の文字が薄皮太夫を取り込んだドウコクには通用しないことが判明したため、薫に呼び戻され、彼女の発案で薫の養子になって志葉家十九代目当主として改めてシンケンジャーを率いることとなり、ドウコクを倒すことに成功する。
幼少時は非常に怖がり・泣き虫で、現在でも絶叫マシーンやお化け屋敷(作り物の化け物)が苦手。源太の言葉を借りれば「腹が弱い」とのこと。
梅盛源太がシンケンゴールドとして侍戦隊に加入したいと申し出た時は、「侍ではない。寿司屋だ」と言い放ち拒んだこともある。[17]
殿として話をする時には常に胡坐で座っていたために、他のメンバーからは「丈瑠のイメージ=胡坐」という風に認識されているらしく『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー』の皆の夢の中の丈瑠はどんな状況でも胡坐座りばかりで、本人は自分のイメージに納得がいかないようである。
池波 流ノ介(いけなみ りゅうのすけ) / シンケンブルー
」のモヂカラを受け継いだ侍。シンケンジャーのサブリーダー。一人称は「」(「」を使うこともある)。
歌舞伎役者の家系出身。4人の家臣のうちで最も武士道・忠義心を教え込まれた「」(茉子いわく「侍の純粋培養」)で、丈瑠を「殿」と呼ぶ。知識が豊富かつ実力も高いことから、丈瑠不在の時には彼がスーパーシンケンジャーへ変身したり、巨大戦の指揮をとることも多い。
戦闘スタイルも基本に忠実であり、「稽古」であれば丈瑠と同等以上の実力を発揮できるが、常に状況の変化する「実戦」においては一歩劣る。礼儀を重んじ、黒子たちにも敬意を払うことを忘れない。日常の生活も非常に規則正しく[18]、自ら決めたタイムスケジュールで毎日武術と体力錬成、歌舞伎の自主練習を行っている。
生真面目で使命感が強いが、その一方で落ち込みやすかったり、ハイテンション(その時は普段あまり使わない俗語も使う)にもなりやすいなど良くも悪くも感情の起伏が激しく、ムードメーカー的な一面もある。ノリのいい行動から機転が効くこともあり、サムライハオーへの初合体もハイテンションになった彼が「勢い」で発動させたことがもとであった。なお、テンクウシンケンオーへの合体や「サムライハオー」のネーミング、『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』での「サムライフォーメーション23」なども彼の発案であり、この点においては丈瑠も一目置いている。
時代錯誤な思考ゆえに天然ボケな一面もあり無闇に先走ってしまうことがある。特に巨大化戦においてはシンケンオーの合体方法手順を誤る(ことは曰くおでん[19])、アヤカシにダイテンクウを合体させてしまうなど自身だけでなく仲間までもピンチに追いやってしまうこともある。
役者時代には歌舞伎界を盛り上げるべく同年輩の役者と組んでの公演も企画していたが、そのさなかに「」としての招集されたゆえに歌舞伎への未練を覗かせることもあった。なお、歌舞伎では女形も経験しており、女装による囮作戦を実行したこともあるが本人は女形は苦手な様子。
初期は千明を「落ちこぼれ」と見たり、源太を侍と認めなかったりとよく衝突していたが、その後彼らをよく理解して打ち解けた。ことはからは「流さん」と呼ばれ慕われている。
良くも悪くも「」として忠実なため、薫が現れた時には丈瑠(影武者の「殿」)と薫(本物の「」)との間での感情の揺れ動き方が一番激しかったが、朔太郎に諭され丈瑠との絆を優先した。
最終幕において、丈瑠の信頼を受けてドウコクの一の目に止めを刺すことを任され、見事仕留めることに成功した。戦いの後は再び歌舞伎の世界に戻ってチケットをメンバーに送ることを約束する。実家へ戻る前に丈瑠の前で別れの舞を披露した。
『帰ってきた』では、アヤカシが作りだした幻想世界において、丈瑠を差し置いて「殿」[20]を名乗り、「森の動物戦隊シンケンジャー」を率いていた。
なお、企画段階の初期設定では「彦馬の孫」とされていた。
白石 茉子(しらいし まこ) / シンケンピンク
」のモヂカラを受け継いだ女侍。一人称は「」。
召集前は幼稚園アルバイトをしていた。冷静な性格で鋭い観察眼を持ち、物事の真をついて話す。自分のことはあまり他人に話さないために弱い部分もなかなか表に出せないが、面倒見が良く心優しい一面もある。幼い頃から両親と離れて暮らし、侍としての稽古も祖母につけられた。
普通の生活が許されずに両親ともすれ違ってきた反動か、「普通のお嫁さん」「普通のお母さん」になることを夢見ており、落ち込んだり弱っている人を放っておけずに抱擁したくなってしまう癖があった。しかし両親との間にあった誤解が解けた後は、より落ち着いて他者を支えられるようになった。
シンケンジャーでも随一の達筆[21]でモヂカラを操るセンスが高く、丈瑠からも一目置かれており、兜折神のディスクも当初は彼女に授けられた。
千明やことは、ダイゴヨウからは姉貴分として慕われており、「姐さん」や「茉子ちゃん」と呼ばれる。丈瑠に対しては名前で呼ぶなど対等に振る舞いながらも殿としては認めており、丈瑠に迷いがある時などは的確なアドバイスを与えることもある。一貫して丈瑠を「殿様」より「個人」として見ている面が強かったため、彦馬とはまた違う形で素の丈瑠に近く、その本心に触れることが多かった。物語も終盤になるにつれ、丈瑠が秘密を抱え悩んでいることもいち早く察知して気にかけていたが、薫の登場まで影武者であることを明かしようのなかった丈瑠からは逆に避けられることになってしまった。
自己流だという料理の腕は、「包丁の代わりにシンケンマルを使う」「切った野菜を下処理すらせず鍋に放りこむ」など人並み外れて壊滅的[22]でことは(と茉子の料理を知らない姫側の人間)以外の仲間には恐れられており、彼女が夕食を作ると言いだした際、丈瑠は「最大の危機だ…」と呟いている。当初は自覚もなかったが、のちに自分の料理に対する男性陣の正直な感想を聞いてしまったことで自身の料理の味を自覚し、その後は料理本などを参考にするようになった。
初戦時から薄皮太夫が人間界に現れた際には直接戦うことが多く、ユメバクラの術により薄皮太夫の過去を目の当たりにして外道に堕ちる人間の怒りや悲しみを痛感している。そういった経緯から互いに敵の中では特に意識しており、ちょうど丈瑠と十臓を思わせる関係になっている。そのため太夫に自分の最期の相手に選ばれた。
最後の戦いの後は、しばらくの間両親と暮らすために二人の待つハワイへ旅立っていった。
谷 千明(たに ちあき) / シンケングリーン
」のモヂカラを受け継いだ侍。一人称は「」。
シンケンジャーとして召集される前は普通の高校生で、物語開始時は卒業間近であったがシンケンジャーとしての責務のために卒業式には出られなかった。メンバーの中で特に現代っ子気質で、ゲームと買い食いを好む[23]
父の蔵人からは志葉家への忠義やシンケンジャーに関する予備知識は最低限しか教わっていなかったため[24][25]殿様と家臣」という主従関係を受け入れることができず、修行にも不真面目で年長のメンバーや彦馬からは呆れられたり、叱責されたりすることが多かった。だが、自身と丈瑠の実力差を目の当たりにし「いつか丈瑠を越える」という目標を抱くようになる。その後一人で特訓を重ね、彦馬のアドバイスによって自分らしい戦い方に目覚める。作中では、人として戦士としての成長が最も顕著に描かれている。
考え方を改めてからも丈瑠の名を呼び捨てにする姿勢は崩していないが、丈瑠に対する仲間意識は強く「自分が家臣になってもいいと思ったのは丈瑠だけ」と丈瑠以外の当主を認める気はなく、薫との共闘にも真っ先に異議を申し立てた。考えの異なる流ノ介と対立していた時期もあったがともに戦っていく中で互いに認め合うようになり、強い信頼を築いた[26]。また、年齢の近いことはを気にかけるような描写も見られた。
母親とは幼い頃に死に別れているが、彼の名は「“千”の“明り”」で「明るい子になるよう」との母の願いによりつけられたものである。
モヂカラ500枚書き取りの課題に「五百枚」と書いて提出したり、戦いにおいて敵の能力を逆手に取った攻撃をするなど、良くも悪くも発想の柔軟さはメンバーから一目置かれている。また、父親譲りの鋭い勘も持っており、第二十七幕ではアベコンベの行動を察して丈瑠を守り、『帰ってきた』では自分たちの世界の異変をいち早く察知した。
を専用武器に持つためか、その戦闘スタイルはリーチを最大限に活かしたものとなっている。刀を片手のみで最大限長く持ち、連続して斬り払うという特徴的な攻撃方法をとる[27]。また、名乗りポーズはバンク映像使用時を除きほぼ毎回異なっている。
戦いの後、再び大学を受験し直すことになったようであり、丈瑠には「追い越すのは次に会った時だ」と言い残して去っていった。
2011年公開の『海賊戦隊ゴーカイジャー』の劇場作品『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』にも登場。レジェンド大戦終結直後、源太と共にゴセイジャーと顔を合わせた。その後、シンケングリーンキーを通してゴーカイジャーとゴセイジャーを応援している。
花織 ことは(はなおり ことは) / シンケンイエロー
」のモヂカラを受け継いだ女侍。一人称は「うち」。
京都の山村で育ち、京都弁を話す[28]。以前は地元で家業の竹細工作りをしていたが、体の弱い姉のみつばの代わりにシンケンイエローになる。招集前は全く田舎から出ることがなかった。
純粋で優しい性格の持ち主で、侍の使命に懸命。丈瑠のことを「殿様」と呼び慕うほか、流ノ介を「流さん」と、源太を「源さん」と呼ぶなど、年代の近い千明を除く他の仲間を呼ぶ際にも敬称を用いている。その反面、度を超えた天然ボケで良くも悪くも空気が読めないところがあり、同様の気質を持つ流ノ介とは馬が合う様子[29][30]。姉から教わった(名乗りポーズも笛を吹く姿をイメージしたもの[31])と剣術が得意。特に剣術は当初は千明を圧倒し、太刀筋を彦馬から絶賛されるほどだが、それ以外のことは極めて不器用。しかし、幼少時にいじめられていた経験と姉を思う気持ちにより強い忍耐力を持っている。
茉子に憧れているが、彼女の料理の下手さ加減には気付いていない。メンバーからは妹のように可愛がられている。その一方で、自分は他のメンバーより年下で頼りないため、自分より姉がシンケンイエローになった方がメンバーの役に立てたのではないかと思い悩んでいた時もあったが、彦馬がかけた励ましの言葉により、姉の「代わり」ではなく、自分にしかなれないシンケンイエローを目指すと心に決める。
人の料理を味覚より感情で判断している節があり、茉子の反省前の料理を「茉子が作ってくれたものだから美味しいに決まっている」と認識していた。源太の寿司も普段は「美味しい、かなぁ?」など曖昧な評価だったが、源太がカレーをやめ寿司屋として精進すると決めた際には「美味しい!」と笑顔を見せていた。誕生日は、海老折神と同日。
戦いを終えた後は、姉の待つ京都の実家へ帰っていった。
梅盛 源太(うめもり げんた) / シンケンゴールド
第十七幕より登場。「」の電子モヂカラを用いる侍で、6人目のシンケンジャー。一人称は「」。
本業は「ゴールド寿司」と言う屋台の寿司屋を営む寿司職人。ただ、握る寿司は不味くはないが取り立てて美味くもない至って普通の味であり、作中にてそれを気に入ったのは十臓とことは、ガイアーク ヨゴシュタイン、キタネイダス、ケガレシア[32]のみ[33]。しかし、第三十六幕にて本人曰く、生まれて初めて作ったというカレーはなぜか抜群に美味しく、テレビ番組で取り上げられるほどの好評を得て(本意ではないが)専門店を出しかけるまでに至った。
元々は志葉家の近所にあった寿司屋の息子で、丈瑠とは幼馴染。幼い時から侍になるのが夢であった。しかし、十数年前に実家の店が潰れ、家族全員で夜逃げをして以来音信不通となった。別れる前に丈瑠からもらった烏賊折神や彼から教えられたことを元にモヂカラを解析、電子メールによる「電子モヂカラ」として発展させスシチェンジャーを始めとした武装も独力で開発したほか、折神を「文字のプログラムのようなもの」と解釈して活用するなど、モヂカラの扱いに於いては他の侍とは別の方向で異色の才能を見せ、インロウマルやダイゴヨウの開発なども彼の功績によるものが大きい[34]
かなりのお調子者かつ目立ちたがり屋で、流ノ介とともにシンケンジャーの良きムードメーカーとなっている。また、しばしば勘違いをしてしまうことがある[35]
戦闘では居合を得意とするが独自に修行した我流(逆手による居合い斬り[36])であり、単純に戦闘技術を見れば相当なものであり、登場時の連続居合の披露では丈瑠たちの度肝を抜いた。しかし、時々調子に乗りすぎてやられることもあった。性格は豪快で江戸っ子口調でありながら、その実は文武ともに天賦の才を持っており、変身前でも重い屋台を引きながら高速で長距離を走るなど体力も並外れている。変身前には、牽制として「おてもと」の形状の手裏剣刀子)や、頭突きも使用する。ダイゴヨウ登場後はダイゴヨウが装備している十手なども積極的に活用している。
6人目のシンケンジャーとして仲間たちに認められてはいるが、梅盛家は侍の家系ではなく志葉家の家臣でもないため、正式に侍としての教育を受けてはおらず、他の侍たちが読める志葉家に伝わる古文書を読むことはできない。また、他の侍たちが志葉家に住み込んでいるのに対し、普段は屋台を引きながら別行動をとっている。こういった経緯を持つため、丹波には当初は特に軽蔑された。本人はあくまで丈瑠個人との幼い頃からの約束・友情に基づいて戦っているため、薫登場後の丈瑠が参加していない集団戦闘には参加しなかった[37]が、薫の気持ちを知ってからは彼女と協力して戦った。
千明からは「源ちゃん」、ことはからは「源さん」、ダイゴヨウからは「親分」、十臓からは「寿司屋」と呼ばれている。また、丈瑠との再会後も彼のことは子供時代と変わらずに「タケちゃん」と呼ぶ。
他のメンバーと比べて私服で行動することは少ない[38]。普段は寿司職人らしく半纏姿(変身)だが、私服姿では背面にゴールド寿司のマークが入った金色のジャケットを着ている。また、戦隊スーツにはゴールドと青の二色を用いて背中にたすきがけのようなデザインを取り入れたり、ベルトやバックルがゴールドではなくシルバーにすることで、他のシンケンジャーのデザインと一線を画している。
外道衆との戦いの後、修行のためにダイゴヨウを連れてフランスへと旅立つことになったが、『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』でも寿司の腕は相変わらずだった。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』の劇場作品『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』にも登場。レジェンド大戦終結直後、千明と共にゴセイジャーと顔を合わせた。その後、シンケンゴールドキーを通してゴーカイジャーとゴセイジャーを応援している。
秘伝提灯ダイゴヨウ(ひでんちょうちんダイゴヨウ)
第二十八幕より登場。アベコンベに魂を寿司と入れ替えられて寿司恐怖症で戦えなくなった源太が「自分の代わりに」と製作した提灯型サポートメカ。一人称は「オイラ」。『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』では空港の荷物検査に引っかかって、源太共々到着が遅れる要因となってしまった。
基本的には侍巨人に分類されるが、名乗りに参加したり[39]、第四十八幕では源太とともに「丈瑠に命を預ける」と宣言するなど、作中では歴としたシンケンジャーの一員として描かれている。
また、他の戦隊と共演する映画で必ず次に出てくる新しい戦隊の戦闘を1人で目撃しており、その度に「提灯は(また)見た」と発言した。
詳細は侍戦隊シンケンジャー#侍巨人を参照。
志葉 薫(しば かおる) / シンケンレッド
第四十四幕より登場した、真の志葉家十八代目当主にして志葉家最後の生き残りの女侍。丈瑠が操るものとは異なる“志葉家の「」のモヂカラ”を受け継いでいる。一人称は「」。
先代シンケンジャー壊滅時にはまだ生まれておらず、現在の侍の中では最年少。元々は志葉家の血を絶やさず次の代を残すために人知れず暮らしていたが、父の遺志を継いでドウコクを倒そうとする使命感を幼い頃から強く持ち続けて「影武者の影に隠れて生きるのは侍として卑怯」と必死に修行をし、歴代の当主たちが会得できなかった「封印の文字」を完成させ、丈瑠たちの前に現れた。丈瑠には「母上」、丹波らには「[40]」、ドウコクには「志葉の小娘」と呼ばれている。
作中では終始姿の和服で、口調もやや時代がかっていて尊大ではあるが、これは丹波の教育の行きすぎによるもので「時代錯誤」との自覚はある。特殊な環境下で丹波らにある意味偏った育てられ方をされてきたにもかかわらず、物の見方は年齢の割には大人びていて周囲もよく見ており、会ったことのなかった丈瑠の心情にも思いやりを持ち、侍ではない源太からの協力も快く受け入れるなど優しい性格で決して我が侭ではない。千明も「お姫様がもっと嫌な奴だったら協力を断ってもよかった」と語っている。実戦に出た回数こそ少なかったが、流ノ介たちがダイカイシンケンオーで手こずったヨモツガリを獅子折神一体だけで倒すなど、当主としてモヂカラの実力はかなりのものであった[41]
丹波の行動が自分を思いすぎるゆえであることは十分理解しているが、自分以外の者に対する丹波の高圧的な態度を快く思っておらず、度々彼を扇子などで叩くなどして諫めている[42]。丹波とは違い、丈瑠や家臣たちの心情を各自の行動などから理解しており、自らの使命のみを重視して皆の前に出てきた結果、丈瑠たちの絆を悪化させて辛い思いをさせてしまったことを後悔している。
第四十八幕で封印の文字を使うも、半分人間である薄皮太夫の体を取り込んだドウコクに効かず、逆に手傷を負わされてしまう。その後立ち直った丈瑠を呼び出して、ドウコクに対抗できる最後の手段として、2人だけの取り決めによって丈瑠を十九代目当主として養子に迎え[43]、同時に自身は当主の座を退くという奇策を発案して実行するなど大胆で柔軟性のある一面を見せた。当初は丈瑠を「」と呼んでいたが、彼が十九代目当主になるにあたって名前で呼ぶようになった。
外道衆との最終戦闘にあたっては、あらかじめ丈瑠に渡しておいたディスクの他に満身創痍を押して志葉家のモヂカラディスク[44]をもう1枚こしらえ、丹波を介してシンケンジャーに託した。
戦闘終了後、志葉邸を丈瑠と彦馬に託して自身は丹波とともに再び人里離れての生活に戻った。
後日談の『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』では当主の重責から解放された為か、口調や物腰がより女性らしくなっていた。しかし、丈瑠を救うため強力な炎のモヂカラをゴセイカードに注入[45]しており、一線を退いてもなおその実力は強力である。
2011年放送の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11、12話にもゲスト出演。このときは口調が『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』以前のものに戻っている。シンケンジャーのレンジャーキーを取り戻すべくゴーカイジャーに勝負を挑み、ザンギャックとの戦闘時は丹波とともに人々の避難に当たったり怪我をしたキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)の治療を受け持った。メンバー一の剣の使い手であるジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)と互角に渡り合うなど、やはりその実力は強力。なお、ゴーカイジャーのことは丹波と共に「海賊衆」と呼んでいた。
その後公開された『海賊戦隊ゴーカイジャー』の劇場作品『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』では、シンケンジャーとは別に、他のスーパー戦隊の番外戦士と共にレジェンド大戦に参戦していたことが判明[46]。大戦の終結時に他の戦士共々その力を失った。
マジマザー以来「指令官格が変身した女性戦士」にして シリーズ初の女性レッドであり、歴代最年少のレッドである小津魁(『魔法戦隊マジレンジャー』)より更に年下である。ただし、終盤のみの準レギュラーであることからわかるように、作品上では正式なレッドではない[47]
武器は丈瑠が変身したシンケンレッドと基本的に同じだが、小柄なため烈火大斬刀を使う際に足で蹴り上げて振り回すところが特徴。 また、彼女が変身したシンケンレッドのスーツには他の女侍のスーツと同様にスカートがついている。

シンケンジャーの支援者・関係者

志葉家従事者

日下部 彦馬(くさかべ ひこま)
志葉家の家臣で、丈瑠の後見人もしくは家老的な立場にいる人物。シンケンジャーたちの司令官的存在。丈瑠には「ジイ」、流ノ介、茉子、ことはからは「彦馬さん」、千明からは「じいさん」、源太からは「じいちゃん」と呼ばれている。大勢の黒子たちを引き連れ、彼らとともに17年間に渡って丈瑠の親代わりを務め時に厳しく修行の指導もしてきたため、丈瑠が気兼ねすることなく弱い面を見せられる唯一の人物。
生真面目で何事にも熱心であるがゆえにやや口うるさいタイプでもあり、丈瑠には当主の心得を日頃から言い聞かせながらも、自らの立場を理解し成長する若殿に仕えられることを誇りに思い、「殿」と呼んで忠誠を誓っている。その一方、トランプで丈瑠が家臣たちから寄ってたかって追い詰められる形になった際は、申し訳なく思いつつも攻め立てていた流ノ介やことはに対し、「こうした勝負事に殿も家臣もない」と、屈託がなかった。若き家臣たちにもさまざまな面で忠義を尽くすように諭しながらなかなかまとまらないことに頭を悩ませつつも、時に大らかな心で受けとめている。また、稽古でついた怪我かそうでないかを見破るなど、観察眼は鋭い。
志葉家にある「スキマセンサー」を用いることで、シンケンジャーに外道衆の出現を伝える。シンケンジャーが戦ったアヤカシやデータの記録、黒子の割振りや勘定方への報告、食料調達や献立などの後方支援の役目も担っている。シンケンジャーなどと同様にショドウフォン(色違い)を所持しているが、モヂカラを示す場面がなかったため変身能力やモヂカラがあるかどうかは不明。だが、武将としても相当の実力を持つようであり、ナナシ連中を相手に素手で戦ったり、最終幕では槍を用いて戦った。
腰痛持ちで、「馬は腰にくる」という理由から大型バイクに乗っている。また外道衆との戦いに専念するため家族(娘夫婦と孫娘)とは離れて暮らしており、妻の命日にだけ再会し墓参りに行くことにしている。
最終幕でも「孫にはいつでも会えますから」と、ただ一人志葉家に残り、丈瑠の更なる成長を促すために色々な講座を学ばせようとし、自身もギターを習っているからとエレキギターも薦めていた[48]
丹波 歳三(たんば としぞう)
第四十四幕より登場。薫に付き従う家老のような人物で、先代にも仕えており、丈瑠を影武者に仕立てる計画に関与していた。薫からは苗字で呼び捨てにされている。四角四面な性格で、薫と志葉家を想う気持ちは強いもののかなり度がすぎている。そのため薫には非常に過保護で時代錯誤気味の態度で接する一方、他の家臣に対しては高慢かつ高圧的で、周囲が嫌悪感を覚えるほど空気を読まない発言が非常に多く、特に正式な侍でない源太に対しては露骨に厭味な態度を表す。その態度を常に薫に窘められ、その都度色々と制裁を加えられている。薫より年上で志葉家はおろか侍の家系ですらない丈瑠が十九代目当主になったことにも猛然と反発したが、薫の鶴の一声には従わざるをえず、容認を余儀なくされる。薫が丈瑠に「時代錯誤になったのは丹波のせい」とこぼしていることからも丹波の養育方針がうかがわれる。その言動から、彦馬よりも高い地位にいる人物であることがわかる。
最終幕で、仲間たちをかばって重傷を負った薫に「部下たちなど見捨ててさっさと逃げればよかったのに」と言ったことで「志葉家だけが残っても意味がない」と叱責され、考えを改める。その後は自ら丈瑠らの元に向かい、薫から言付かったディスクとともに自らの得意なモヂカラ「双」を封じたディスクを渡して激励するなど温かく見守る好人物となっており、本質的には善良な人物であるといえる。また、当初は丈瑠のことを「影」と呼んでいたが、彼が十九代目当主になってからは「ご当主」と呼ぶようになった。
演じた松澤によれば、脚本を読んで「丹波は『いきなり登場した姫に向かうところである視聴者の怒りを代わりに受ける役』である」と分析し、その結果として劇中のような「イヤなヤツ」を演じることにしたと語っている[49]
外道衆との戦いを終えた後も引き続き薫に付いて、志葉家を丈瑠と彦馬に託して後にした[50]
『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11、12話にも薫に付いてゲスト出演。高圧的な態度は相変わらずで、宇宙海賊であるゴーカイジャーを見下すような態度を取っていたが、ザンギャックが現れた際には人々の避難誘導を行った。また、ゴーカイジャーが怪我の手当てをしている間に宝箱の中のレンジャーキーを奪おうと提案したが、例によって薫に制裁をくらっている。
黒子(くろこ)
志葉家の家臣である一団。複数いるメンバー全員がその名のとおり典型的な黒子の姿である黒装束と黒頭巾の姿をしており、基本的に喋ったり素顔を見せることはない[51]が、志葉家の家事全般や雑用、倒れたメンバーの看病、シンケンジャーたちの着物の着付けなど裏方的な役割をこなす。外道衆との戦闘のクライマックスにおいてはシンケンジャーの背後に志葉家の家紋入りの陣幕とのぼり旗[52]を立て出陣を演出したり、一般市民の避難誘導をするのも彼らの役割。一見無個性な集団にも見えるが、よく見るとコミカルな動きをしている。また、朔太郎のように一時ドロップアウトしながらもシンケンジャーの戦いに心を動かされ復帰したなどの背景を持つ者などもいる。モヂカラを持たないため戦闘に直接参加することはできないが、「人々を守りたい」という願いは同じであり、外道衆に癇癪玉を遠くから投げつけるなどシンケンジャーの援助をすることもある。
当然ながらシンケンジャーのメンバーにもその存在を認識されており、特に千明からは「黒子ちゃん」と呼び慕われている。志葉家の周辺住民にも認識されており、関係も良好な模様[53]
薫に従属する者たちは装束に若干の相違点があり(様の衣装を着用。「超全集」では「裃黒子」と表記)、薫の登場後は従来の黒子はあまり表に出ていないが、朔太郎のように物語の展開に関与したり一般市民の避難誘導を行ったりと、ドラマにおいて大きな存在感を見せたのはやはり従来の黒子の方である。
最終幕では薫付きの黒子と丈瑠付きの黒子が肩を抱き合って別れを惜しむというシーンも見られた。また、シンケンジャー本編は、黒子たちが志葉家の門構えを掃除しているという「日常」を象徴するシーンで幕を閉じる。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11、12話にも薫に従属するタイプの黒子が登場。怪我をしたマーベラスの治療を行った。
小松 朔太郎(こまつ さくたろう)
第七幕で登場した、かつての志葉家の家臣。先代シンケンレッドの死による空虚感から志葉家を出奔したが、流ノ介との出会い(その際は自らの正体は明かしていない)と彼とともに舵木折神を釣り上げたことから侍たちの戦いを支えることに意義を取り戻し、黒子として復帰した。
第四十七幕にて再登場した時には黒子たちの中心的存在となっており、侍としての忠義と丈瑠との絆との間で思い悩む流ノ介の前に再び顔を見せて「侍として悔いのなきように」と告げ、絆を取り戻させた(この時まで流ノ介は朔太郎の素性を知らなかった)。薫には対丹波用のハリセンを手渡すなど洒落の利いた行動もみせる。

シンケンジャーの親族

志葉家
薫の一族であり、代々シンケンレッドとして侍を率いて外道衆との戦いの矢面に立ってきた。薫が血祭ドウコクに敗れたことにより、外道衆との決戦のため、志葉家の血を受けていない丈瑠が養子となり現在の当主を務めている。
第四十八幕では、代々の当主の名が記された家系図が登場している。
志葉 雅貴(しば まさき) / 先代(第17代)シンケンレッド
薫の父であり、志葉家十七代目当主。薫が産まれる前に亡くなっているが彼女は「父上」と呼び、尊敬している。
かつてはシンケンレッドとして先代シンケンジャーを率いて外道衆と戦っていたが、外道衆によって攻め込まれた際に瀕死の傷を負わされた後「封印の文字」を使ってドウコクを封印し絶命した[54]。ただし、彼が使った「封印の文字」は不完全であったため 生前は次代の当主にその完成を託そうとしていた。しかし、次代の当主(薫)が産まれる直前だったため、次代の当主による「封印の文字」が完成するまでは「影武者」を立てることを選び最期の戦いに赴いた。
薫の母
雅貴の妻。本編にはわずかながら登場したが名前などは不明。先代の戦いの時点では子(薫)を妊娠していて出産間近であり、丹波に連れられて密かに脱出し人里離れた場所で薫を産む。その後は不明。
志葉 烈堂(しば れつどう) / 初代シンケンレッド
第二十三幕に登場。初代志葉家当主。詳細は『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』の項目を参照。
池波家
代々シンケンブルーを輩出する一族で、同時に歌舞伎役者の家系でもある。清浄之谷にある神聖な泉を代々守っている。本編には流ノ介の父のみ登場。
池波 流三郎(いけなみ りゅうざぶろう)
第一幕に登場。流ノ介の父であり、歌舞伎における流ノ介の師匠。流ノ介には幼い頃より礼儀作法や家臣としての忠誠心などを教え込んで来た。
外道衆の勢いが増す中、家臣が殿様(=丈瑠)の元に召集される日が近いことを悟り、流ノ介に水のエンブレムを託した。招集の矢文が彦馬から届いた際には親子で公演の最中にもかかわらずそのまま流ノ介を行かせてしまうなど、シンケンジャーとしての使命を息子には最優先させる方針のようである。
白石家
第三十四幕に登場。シンケンピンクを輩出する一族で、茉子の実家。第二幕でシルエットのみ登場した江戸時代の頃のシンケンピンクも女性であり、茉子の母親である響子は先代のシンケンピンクだった。ただし実家にいるのは茉子の祖母で、両親は仕事の関係でハワイに在住しており、茉子も両親には数回しか会っていない。
白石 響子(しらいし きょうこ) / 先代シンケンピンク
茉子の母親。ドウコク封印の際の戦いで負傷し、心身ともに受けた深刻なダメージで一生車椅子での生活を余儀なくされ、衛とともにハワイに移住。当時5歳だった茉子も連れて行こうとしたが、母親(茉子の祖母)が「茉子を侍にさせる」と強硬に反発して引き離したため、断腸の思いで母親の元に茉子を預けた。第三十四幕での再会で茉子とのわだかまりが消えた後、衛とともにハワイに戻った。
白石 衛(しらいし まもる)
茉子の父親。婿養子であるため、侍ではない。一見飄々としているが、彼なりに娘思いではある。仕事のために妻である響子とともにハワイに在住している。茉子に侍を辞めさせてハワイで一緒に暮らすために連れ戻しに来たが、その唐突ぶりが逆に茉子の反発を招いてしまう。茉子たちが外道衆との戦闘中にもかかわらず、茉子を連れ戻すことに躍起になったこともあったが、娘の決意と戦いぶりに潔く身を引いた。空港での別れの際、響子と茉子を引き合わせた後、響子を連れてハワイに戻った。
谷家
シンケングリーンを輩出する一族で千明の実家。千明の母親は千明が幼い頃に亡くなっている。本編には千明の父のみ登場。
谷 蔵人(たに くらんど)
第二十一幕に登場。千明の父。一見すると自由奔放でいい加減な性格のようだが鋭い観察力を持つ。また、剣技の実力は依然として衰えておらず、その腕前は茉子が目を見張るほどである。妻を早くに亡くしているためか、千明にはあまり厳しく侍の教育を施さず、比較的自由に育ててきた。また、千明には「お前の時代に外道衆の復活はない」と告げていた様子[55]。好物は息子と同じくパンケーキ
花織家
シンケンイエローを輩出する一族で、ことはの実家。第二幕でシルエットのみ登場した江戸時代の頃の代のイエローも白石家と同じく女性であった。現在は京都の山村に在住し、家業で竹細工作りをしている。本編にはことはの姉のみ登場。
花織 みつば(はなおり みつば)
第六、四十一幕に登場。ことはの姉。本来は彼女がシンケンイエローを継ぐ身であったが、生まれつき病弱で多少の行動でも倒れて床に臥すことが多いため、代わりに妹のことはが継ぐことになった。非常に優しい性格で、幼くしてイエローを継いだ妹のことを自分の身体以上に心配している。ことはに笛や侍としての心構えを教えた。
梅盛家
源太の実家で、かつて志葉邸の近所で寿司屋を営んでいた。侍の家系ではなく、両親ともに一般人。本編では存在のみ確認される。
源太の父
名前は不明。寿司屋を営んでいたが源太が幼い頃に店が潰れてしまい、一家全員で夜逃げしていた。
その後、源太に「ゴールド寿司」の看板を継がせた。『帰ってきた』で源太が語ったところによると、かつて銀志郎率いる「シルバー寿司」との寿司対決に敗れ、それが元で廃業に追い込まれてしまったとのこと[56]
丈瑠の実家
劇中には父親のみが登場。両親の身元や丈瑠の母の行方[57]、一家の苗字などは不明。侍の家系ではないが、天幻寺には丈瑠の家の墓があることから志葉家との関わりも元々あったものと思われる。
丈瑠の父
名前は不明。序盤の回想シーンでは志葉家の十七代目当主であるかのように思わせる描写であったが、実際には侍ではなかった。先代の戦いで外道衆の強襲を受けた際に傷を負い、幼い丈瑠に火のエンブレム(獅子折神)を託して絶命している。丈瑠には以前より「お前がシンケンレッドだ」「落ちずに飛び続けろ」と言い残しており、その言葉が影武者として戦う丈瑠の支えとなっていた。
息子を影武者として彦馬に預けており、彼とは少なくとも旧知の中であった様子[58]。本編では志葉家との関係については詳細は明かされていなかったが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』公式サイトでの解説によると、彼もまた志葉家の家臣であったとのこと[59]

その他の志葉家関係者

浄寛(じょうかん)
第二十三、二十四幕に登場。志葉家の菩提寺「天幻寺(てんげんじ)」の住職。初代からのシンケンレッドが眠る墓を守っている。また、天幻寺には丈瑠の父が眠る墓(本当の丈瑠の家の墓)と十臓の一族の墓もある。
榊原族
第三十二、三十三幕に登場。代々牛折神の封印を守っていた一族。モヂカラ発祥の地「角笛の山」出身で、侍ではないがモヂカラを使いこなす。志葉家に野菜を送ることもある。
榊原 ヒロ(さかきばら ヒロ)
牛折神を志葉家当主である丈瑠に託すために、自作のディスクを持って祖父の反対を押し切って志葉家に来た少年[60]。シンケンジャー同様にモヂカラが使えるが、特に彼のモヂカラは折神を引き寄せ、力を与える能力を持つ。
のちに「モウギュウバズーカ」を完成させ、野菜と一緒に送った手紙を見て受け取りに来た彦馬に引き渡した(ただし、劇中で本人は登場せず)。
榊原 藤次(さかきばら とうじ)
ヒロの祖父。かつては牛折神を使いこなすことを考えて夢中になっていたが、同じことを思っていた自分の息子とその妻(ヒロの両親)が牛折神が封印された「角笛の山」で事故死し、これを牛折神の所為だと思っていたため、息子と同じ志を持っていたヒロが同じ末路を辿ってしまうことを恐れて関わらないように言っていた。
しかし丈瑠の言葉で思い直し、息子がヒロのモヂカラに合わせて作っていたディスクを与えて牛折神を制御する手助けをした。

外道衆

三途の川に棲息する化け物たち。この世とあの世の狭間に住む六道輪廻から外れた世界、冥府魔道の住人たち。「六門船[61]」と呼ばれる和船を拠点とし、この世=人間界にある「隙間」から次元間を移動して人間界へと現れる。姿形は異形、まさしく怪物・化け物であるが、思考・感情などは人間と大差なく、価値観の違いだけである。幹部格は全員七福神および海の生物がデザイン上のモチーフになっており[62]、その名前には人体の構成要素を意味する文字が使用されている。

自分たち外道衆による人間界の蹂躙・支配を目的としているが、三途の川から長く離れると川の水が抜けて体が干上がってしまう「水切れ」を起こすため、人間界での長時間の活動ができないことが障害となっており、三途の川は人間が苦しみ不幸になると水かさを増すことから、人々を襲い苦しめることで三途の川を人間界まで氾濫させ、水切れの心配なく人間界を支配しようとする。単純に破壊活動を行って多数の人々を苦しめることもあれば、量より質ということで一人の人間の心を弄んで苦しめることもあるなど、正に「外道の衆」。本編で活動する外道衆の支配者は、強大な力とアヤカシを「縛る」能力を併せ持つ血祭ドウコクであるが、単独で行動する腑破十臓や、筋殻アクマロ管轄のアヤカシ、暴食的フォルムが特徴な脂目マンプク率いる「クサレ外道」など、全てがドウコクの管理下にあるわけではない。なお、ドウコク管轄下の外道衆は『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』においてブレドランにより最終的に壊滅に追い込まれている。

大半が三途の川でアヤカシとして生まれた存在であるが、薄皮太夫と腑破十臓のように、人間が「外道に堕ちる」ことによりアヤカシに変化した「はぐれ外道」が存在する。彼らは半分が人間=この世のものであるため、人間界でも水切れを起こすことはなく、モヂカラによる封印さえも不可能な存在だが、反面その大半が外道に堕ちた後受ける強い憎しみに、器が耐えきれず数年で崩壊してしまうため、数百年生き続けていられる例は極わずかで稀な存在である。また、人間であるがゆえ、命は一つしか持っておらず、二の目になる能力はない。

血祭ドウコク(ちまつりドウコク)
外道衆の長。長身痩躯だが全身に鎧や棘のような意匠を身に付け、荒武者を彷彿とさせる。武器は龍の意匠の入った「昇竜抜山刀(しょうりゅうばくざんとう)」「降竜蓋世刀(こうりゅうがいせいとう)」という大刀と小刀で、酒を飲んでいる時以外は片時も手放さない。アヤカシたちからは「御大将(おんたいしょう)」と呼ばれる。短気な性格で、本気で怒ると手がつけられず、太夫と酒以外ではなだめられない。笑って済ませられる範囲でのアヤカシの悪ふざけや軽口・冗談などに対しては比較的寛容な態度を示す一方で、外道衆全体に対する反乱や明らかに自分に対する敵意を持った行為に対しては厳しい態度を取り、制裁を下すこともある。また、敵意を持っているゴズナグモを出入り禁止にするに留めてそれ以上の罰を与えていないことから、たとえ敵意を持っていたとしても「内心に留まっている限り(反乱を起こすなど、実際の行動に移さない限り)」、特に処罰するようなことをしないことも分かる。
咆哮により強力な衝撃波を出す。また唯一所持するアヤカシたちを「縛る」力により、他のアヤカシを絶対的に支配している。しかしはぐれ外道の十臓には効果が不十分(それでもしばらくは動けなくなる)で完全に支配することができない。夏は三途の川の水とともに力が増幅する。
先代シンケンレッドを簡単に斬り伏せる程の実力を持つが、止めを刺さなかったために「封印の文字」を使われ、結果相討ちとなる。バラバラにされた身体を長い年月をかけて復活するが、封印の後遺症なのか人間界へ出るとすぐに水切れしてしまうため三途の川での滞留を余儀なくされているが、水切れを押して戦ってもシンケンジャー6人とアクマロを圧倒するほどである。相討ちで滅ぼしたと思っていた志葉家の末裔・シンケンジャーが生き残っていたと知って激怒し、彼らを抹殺して人間界を三途の川に沈めようと企む。終盤、丈瑠以外の五人と戦闘した時もスーパーシンケンブルー、ハイパーシンケングリーンの二人の強化形態がいたにも関わらず余裕で圧倒している(源太に至ってはダイゴヨウの救助がなければ首を落とされていた)。
シタリ曰く、太夫が外道へ堕ちる前の薄雪の頃から、太夫の三味線の音色に執着している。第四十幕にて後遺症の限界まで人間界へ赴いたため三途の川の底に沈んでいたが、太夫の三味線に宿っていた嘆きの力が解放されて復活、再び人間界に現れた。その際に太夫の体を自らに取り込み、その効果によって封印の文字や水切れを無効化する。その後、地上に三途の川の水を溢れさせてシタリとともに六門船に乗って侵攻。シンケンジャーたちの文字どおりの真っ向勝負を迎え撃ち、互いの勝利を譲らないほどの執念で戦いを展開、最終的に二の目で戦いサムライハオーすら圧倒し大破させるも次々に形態を変えて突っ込んでくる侍巨人に押され、最終的にはシンケンオーに討ち取られて爆発した。
圧倒的なパワーとスピード、縛りの力が武器であり、それを叩き付けるように戦う。その一方で力に頼るゆえか剣の腕は然程ではなく、十臓と鍔迫り合った際は互角であり、丈瑠と相対したさいはあっさり剣を躱され急所を突かれている。
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』では大ザンギャックの大幹部として登場。
デザインのモチーフは毘沙門天および伊勢海老[62]
薄皮太夫(うすかわ だゆう) / 薄雪(うすゆき)
ドウコクの側近。姉御口調(一人称は「わちき」)で、常に三味線を携え不気味な音色を奏でる。三味線には仕込刀があり、戦闘でもシンケンジャーに引けを取らない。ドウコクを抑えることができる唯一の存在であり、彼女の前でのみドウコクは甘い一面を見せるが、「はぐれもの」であるため、他のアヤカシたちには蔑意をもたれており、目が合っただけでも険悪な空気になるのでドウコクが制止に入ることも多い。
元々は人間で薄雪という名の花魁であったが、かつて愛し合い、身請けすると約束してくれたはずの武士・新佐(しんざ)が他の女と祝言を挙げると知って、新佐に裏切られた怒りと絶望から、宴席に乗り込み火を放って大勢の人を焼き殺した後「外道に堕ち」、その際に新佐を三味線に変えて道連れにした。シタリ曰く過去への未練が未だ満たされぬため、それを三味線を弾くことで紛らわせたり、花嫁たちを攫って打掛を作ろうとしたりといった行動を取り、同じ「はぐれ外道」の十臓に距離を置きつつも密かに援助・支援している。
十臓の独断行動に怒ったドウコクから抹殺指令を受けるも、十臓の本当の目的を聞き、思いとどまる。このことを知って怒りを露わにするドウコクに対して開き直り、ドウコクと袂を分かった時期もある。
ドウコクに燃やされかけた三味線の補修に必要な人間の男を捕らえるために人間界に赴くが、シンケンジャーとドウコクが差し向けたユメバクラの妨害に遭い失敗。それ以来、人間界を彷徨っていたが「三味線の修復」と引き換えにアクマロに雇われる。その際に仮の武器として「散華斑痕刀(さんげはんこんとう)」という小刀を与えられている。アクマロに裏切られて攻撃を受けるも水切れのリスクを省みずに人間界に現れたドウコクに助けられ、ドウコクが自らの体の一部で三味線を修復してもらった。アクマロの最期を見届けた後、六門船に戻る。十臓の死後、再び人間界に赴き、ユメバクラの一件で太夫の過去を知っているシンケンピンクにわざと斬られることで「人間だった過去」を手放し、その際に一緒に斬られた三味線(=新佐)の嘆きの力を解放、三途の川に沈んでいたドウコクを復活させた。最後の三味の音色に嘗ての響きはないと人間界に再び現れたドウコクに言われるも「今までで一番良い音色だった」と語り、自らの意思でドウコクに取り込まれた。
デザインのモチーフは弁才天およびウミウシなどの軟体生物[62]
骨のシタリ(ほねのシタリ)
ドウコクの知恵袋。異様に大きな頭部を持つ、比較的小柄な体格の外道衆。一人称は「あたし」、二人称は「お前さん」。三途の川増水のための作戦を日々考えており、作戦に応じた外道衆を呼び寄せるなどの軍師的な役割を持つ。また、三途の川の深さを調べる役目もある。常に持っている錫杖は、隙間から人間界を覗き見たり、先端から電撃を飛ばして攻撃もできる。ゴズナグモなどはシタリのことを「御老体」と呼んでおり、劇中の描写から人間より遥かに長い寿命を持つことが見て取れる外道衆の中にあっても老人と言える程の歳を重ねている。
怠惰なように見えて物腰が軽く、飄々としていて全く捉えどころがないが、十臓の態度を訝しみ、志葉家にまつわる書物を探して彼がシンケンレッドにまつわる特有の力を伏せていたことを突き止めるなど、勘の鋭いところもある。また、多数のアヤカシと繋がりを持っていて、彼が連れてくるアヤカシも多い他、気性が荒く酒を飲んで暴れるドウコクや、他の外道衆と相性の悪い太夫の緩衝材的な面もある。戦闘力もシンケンゴールドを上回るほどに高い。
志葉家十八代目当主である薫の出現から、今までシンケンジャー側が攻め込んで来なかった理由と自身に命の危機が迫っていることに気づき、ドウコク復活のために自身の命を半分削ることでアヤカシ・オボロジメに三の目を与えた。終盤、六門船ごと地上に侵攻したが、ドウコクが敗北するや否や船ごと三途の川に押し戻され、崩落する船の中で「三途の底でも泥の中でも、生きることがあたしの外道さね!」と言い放ちながら、六門船もろとも三途の川へと沈んでいった。
崩落する六門船の中で、ドウコクと太夫に対する謝罪の言葉を投げており、自分一人が生き残ることに負い目も感じていたようである。一度斬られてなおそれでもドウコクには忠誠を崩さず、その後にドウコクが傷を負った際には復活を望むなど、ドウコクや太夫に対しては特別な感情を抱いていたようである。その他にも十臓が死んださいには寂しそうな声を漏らす、太夫の死後にも弔いの手段を探し求めるなど、外道衆の中でも特段人間臭さを放っている。
『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』では外道衆の生き残りとして登場。ブレドランの力により三途の川より浮上したが、そのブレドランが三途の川の水を護星界攻撃に使用しようとしたため、強化ナナシ連中らを率いて自ら阻止に動いたが、突如乱入した海賊戦隊ゴーカイジャーの総攻撃を受け、前述の通りオボロジメに三の目を与えたために自身は二の目になる能力を失っていたことから、自身の敗北を認められないまま絶命した。なおその出来事は『海賊戦隊ゴーカイジャー』TV本編の第40話において、とある事情で過去にタイムスリップしてきたゴーカイジャーに寝隠神社破壊の犯人と誤解されたためであることが判明した。
デザインのモチーフは福禄寿およびイカ[62]。番組制作の企画の段階では「骨抜シタリ」という名前だった[63]
仮面ライダーディケイド』にも登場している。
腑破 十臓(ふわ じゅうぞう)
外道衆のはぐれ者。峰側が赤い鋸となっている両刃の妖刀「裏正(うらまさ)」を振るうの達人。人間の姿に戻ることもでき、それゆえにドウコクの完全な支配下に置かれることもないが、はぐれ外道ゆえか命は一つしか持っておらず、二の目となる能力はない。人間だった頃から、妻には止められ死病にも侵されながらも、「強い者と骨の髄まで斬り合うこと」を求めて人斬りを繰り返しており、筋殻アクマロから十臓の家族の魂を閉じ込めて造られた裏正を授けられた後、我が身を見限って「外道に堕ちる」。外道に堕ちてもなお戦いへの飢えは満たされず、自分の在り方に虚無感を持つ丈瑠を自分と裏正に見合う相手と認め、剣士として幾度となく立ち合いを繰り返すこととなる。源太の寿司を気に入るという一面もある。
剣術による戦闘を得意とし、両刃の大太刀を難なく振るい、血祭ドウコクとまともに鍔迫り合いをしても譲らないなど、剣の扱いは達人級。裏正は上記のとおり両刃刀で、本来は逆刃であるはずの峰側の鋸状の赤い刃が本性であり、普段は鍔側の刃で斬り合うが、シンケンレッドやドウコクなど難敵と立ち合う際には峰側の刃を用いる。裏正が破損していた時期には、「蛮刀毒泡沫(ばんとう どくほうまつ)[64]」を使用していたが、裏正ほどの長さがないため、あまり気に入っていなかった。
志葉家当主が受け継ぐ外道衆を完全に葬ることができるモヂカラの存在を知っていながら黙っていたことが、シタリを通じてドウコクの知るところとなって怒りを買ったが、それも全く意に介せずひたすらシンケンレッドとの勝負に執着し続ける。その強い執着から仲間でさえ気付かず、丈瑠自身も目を背けていた丈瑠の変化を誰よりも早く見透かす。その後レッドとの立会いで瀬戸際まで追い詰めたが、レッドの捨て身の太刀に裏正を折られて敗北し海中に没する。その後は一時的に身を隠していたが薄皮太夫に発見され、「裏正の修理」と交換条件で太夫とともに一時的にアクマロに雇われた。
アクマロが十臓に裏正を授け外道に堕ちる手助けをしたのは、人と外道の隙間にいる十臓と嘆きの魂を閉じ込めた裏正こそが、自身の最終目的である「裏見がんどう返しの術」を発動できる最後の鍵となる存在であったためである。しかし十臓本人は、裏正の正体に気付いていながら二百年も人を斬り続ける本当の外道になっており、裏正の修理を完了し用済みとしたアクマロを斬り、術の発動も失敗に終わった。
影武者であることが発覚し、全てを失った丈瑠に最後の決戦を挑み、昼夜を分たぬ激烈な斬り合いの果てに敗北。丈瑠は「手ごたえはあった」と言っていたが、それでもまだ仕留められておらず、丈瑠の周りに駆け付けた仲間たちを無視し、さらに斬り合いの快楽を追い求めようとするが、左足に刺さった裏正に宿る妻の魂に引きとめられ、噴き上がる火柱の内に消え去っていった。十臓が消えた後には裏正一振りのみが残ったが、丈瑠たちが仲間としての絆を再確認する様子を見届けるように消滅した。
デザインのモチーフは猩々(寿老人の代わりに七福神に入る場合がある)[62]
筋殻アクマロ(すじがらのアクマロ)
三途の川の底に眠っていた謎の外道衆。第二十八幕でドウコクの「夏の力」により復活して六門船に姿を現す。一人称は「我」、二人称は「あんたさん」。ドウコクやシタリさえもその存在を知らなかったが、「かつて、シンケンジャーと言えばもっと強く…」との台詞から以前のシンケンジャーとは戦闘経験がある様子。ドウコクに対しては低姿勢で接してはいるが、独特の公家言葉でしゃべる端々には傲慢さがうかがえ、その性格からシタリはあまり彼のことをよく思っていない。人間界への攻撃や作戦立案も独自に行っており、ドウコクに従属しつつも距離を置いていたが、人間界をさまよっていた十臓と太夫を仲間に雇うなど水面下で暗躍し、第四十幕にてドウコクに対し反旗を翻す。しかし水切れをおして出てきたドウコクに驚き、「縛る」力を恐れて逃げるが、彼が三途の川の底に沈まざるを得なくなったのをよいことに、本格的な活動を開始する。
ドウコクらに知られていないアヤカシを配下に多数持つ他に、特殊な紙を切ることで「切神」(折り紙がモチーフの折神に対し、紙切りがモチーフ)と呼ばれる怪物を生み出すことができる。
策略家であるが戦闘力は高く、ドウコクに及ばぬもののかなりの実力者。自分の手を4本の鉤爪に変えた格闘戦(この鉤爪は切神作成にも使用される)、蹴鞠による中・遠距離攻撃、刃のついた、「削身断頭芴(さくしんだんとうしゃく)」による斬撃や電撃など多彩な攻撃技を持つ上に、二の目で巨大化した時はサムライハオーのモヂカラ大弾円をエネルギー光弾として跳ね返すほどの耐久力も持つ。
「地獄を見たい、感じたい」という異常な願望を持っており[65]、「裏見(うらみ)がんどう返しの術」[66]で地獄をこの世に顕現することが彼の最終目的であった。そのために十臓に裏正を与えて外道に引きずり込み、二百年前から秘かに工作を進めていたが、成就を目前にして利用していたはずの十臓に裏切られた挙句、シンケンジャーに倒されてしまう。しかし、二の目となって恐竜折神を武装したサムライハオーに一刀両断にされた刹那、その痛みに地獄を見出し、歓喜の声を上げながら散っていった。
ちなみに名前の「筋殻〜」は平安時代の貴族である藤原氏から取られ、人物像には『柳生一族の陰謀』にて成田三樹夫が演じた烏丸少将が含まれている[62]。デザインのモチーフは恵比寿シャチホコ[62]
アヤカシ
外道衆が送り込む化け物。ドウコクに対しては大将と呼ぶ者もいるが、部下というよりも同志タイプのためかシタリや太夫にタメ口を利いたり、からかい半分でやって来てドウコクなどを怒らせるタイプが多い。また、内心ではドウコクの支配を良しとせず、反逆の機会を窺っている者やアクマロの配下となっている者もいる。
一の目・二の目と呼ばれる2つの命を持ち、一の目である等身大で倒されても二の目で復活し、巨大化する(ドウコク等外道生まれの幹部格も同様、ただし『ディケイド』において、アヤカシから仮面ライダーに変貌したチノマナコは例外)。また、第四十六幕ではシタリの命がけの助力によって三の目も発動している。全てのアヤカシに共通して各自が2種類のモチーフを組み合わせた外見(例:カゲカムロは鎧兜と大きな笑い顔)をしている。ただし従来のシリーズと異なり、生物・無機物・現象とモチーフには統一性がない。その行動パターンはほとんどが過去に現れた時と差異がなく、シンケンジャーは文献により打開策を見出すこともあるが、人間社会には別の名前の妖怪物の怪として(ただしアヤカシ自体ではなくその被害者を指す場合もある)伝えられている模様(詳細は侍戦隊シンケンジャー#放映リストの各怪人のリンク先を参照)。
ナナシ連中(ナナシれんじゅう)
外道衆の戦闘員。ドウコクの怒りに呼応し、三途の川の積み石のスキマから際限なく発生する。シリーズの戦闘員では珍しく巨大戦用の巨大なサイズの大ナナシ連中や飛行タイプの大空ナナシ連中も存在する。武器は蛮刀[67]、弓、刺又などさまざま。幾度かナナシ連中と大ナナシ連中がほぼ同時に出現したことがある。鉄砲を使うナナシ鉄砲隊や大筒を使う大ナナシ大筒隊も存在する。
デザインのモチーフは珊瑚およびイソギンチャク[62]。番組制作の企画の段階では「小玉連中」という名前だった[63]
『海賊戦隊ゴーカイジャー』の劇場作品、『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』にも登場。戦闘員軍団のリーダー格となっており、合体戦闘員の融合でも中核を成している。
また、『ディケイド』にも登場している。
ノサカマタ
第二十三幕から登場したを思わせる姿をしたアヤカシ。腕がない代わりに巨大な口をもったアヤカシで、口からはエネルギー弾を放って敵を攻撃する。巨大なサイズの大ノサカマタもいる。
モチーフになった妖怪は野槌[62]
スス木霊(ススこだま)
第十一幕から登場した、六門船にいるススワタリのような小さいアヤカシ。六門船を大きく揺らすと天井から大量に落ちてくる。他人の言葉の語尾を繰り返す習性があり、太夫が爪弾いた三味線のメロディをよく口ずさんでいる。
1匹だけドウコクに投げ飛ばされたはずみで人間界へ出てきたところを太夫に拾われており、以来、常に行動をともにしていたが、第四十八幕の太夫の死後にドウコクに踏み消された。
『ディケイド』にも登場している。

脚注

  1. ^ 武家制度が崩壊した現代では侍家としての法的権限はないが、志葉家は身分を偽り学校へ転入できる、病院に特別な顔が利く、年代物の本家の土地所有能力があるなどかなりの資産家であり、他家にしてもモヂカラおよび剣術、漢文など侍としての教養を学べるなど裕福な家庭環境にある。
  2. ^ 変身後に本名を名乗るのは『星獣戦隊ギンガマン』以来。また、2人目以降が色名のみを名乗るのは『未来戦隊タイムレンジャー』以来2度目である。なお、21世紀では初めてキャッチフレーズが設定されてない。
  3. ^ 基本的には「赤 → 青 → 桃 → 緑 → 黄 → 金」の順(全員が揃わない場合は繰り上がる)であるため、後半のイエローやゴールドが「シンケン○○〜」と名乗ることはほとんどない。同様にレッドが「同じく〜」と名乗ったのは第三十一幕のみ。また、ランダムで名乗ったりダイゴヨウが名乗りに参加する場合もある。ちなみに『仮面ライダーディケイド』で名乗り口上を行なった際は全員が「シンケン○○、××」で名乗っていた。
  4. ^ メンバーの頭文字を繋げるとある言葉になる」など。
  5. ^ 33作目は「一筆変身」 3世代で楽しめる「侍戦隊シンケンジャーより。
  6. ^ しかし、これは世間一般で言う「一本締め」ではなく「一丁締め」と呼ばれるもので、現実でも混同されている。
  7. ^ 侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』では「勝利の一本締め」が「勝利の三本締め」になっている。
  8. ^ 但し『銀幕版』を除き、作中で丈瑠自身が「志葉家十八代目当主」と名乗ったことはなく、最終幕で初めて「志葉家十九代目当主」を名乗っている。
  9. ^ ただし、物語当初にもその傾向はあり、第二幕にして後述の流ノ介の失態によりいきなり合体時に置いてけぼりを食らい「俺、余ってるだろ!」とボヤく一幕もあった。なお、後にシンケンダイゴヨウ初登場時にもやはり合体からあぶれ、同様のツッコみを入れている。
  10. ^ 侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』でもそれが原因で走輔との間に溝を作ってしまっている。
  11. ^ シンケンマルを2本使ったり、シンケンマルとモウギュウバズーカを両手に持って戦ったこともある。『ディケイド』では、ディケイド専用武器の一つ、ブレイドブレード(仮面ライダーブレイドが超絶変形した巨大な剣)を使ったこともある。
  12. ^ 丈瑠が影武者だったというこの設定は、企画当初から決められていたことであるが、丈瑠役の松坂をはじめとするキャスト陣には当初知らされていなかったという[1]。第三十九幕収録前に出演者の中で松坂と伊吹のみに一足早くこの設定が伝えられており、他のレギュラー陣には第四十四幕の台本を渡されて初めて明かされたという。なお、薫役の夏居にも、オーディション合格までレッド役での採用であることは伏せられており、合格後に知った夏居はたいそう驚いたという(角川書店刊「Newtype THE LIVE 特撮ニュータイプ22年3月号」)。
  13. ^ 彼の身元に関する詳細は本編では一切明かされなかった。第四十六幕の回想から、彼を影武者として立てる計画は先代の最後の戦い開始時点より以前から丹波らによって準備が進められていたことが判明している。
  14. ^ そのため、心身の隅々まで火のモヂカラがしみ込んではおらず、第四十四幕でのヨモツガリの攻撃(本来は全身が焼き尽くされるはずだった)を受けても多少の火傷程度ですんでいた。
  15. ^ 幼い頃から親と引き離されて侍の教育を受けた茉子、「姉の代わり」と自分を卑下することは、侍ではないがモヂカラの扱いに長ける源太など、本来の彼自身には他のメンバーと多くの共通点があった。
  16. ^ 影武者としての役目を終えてからも、ショドウフォンを携帯しており、シンケンレッドに変身して戦うことはできた。
  17. ^ 拒んだ理由はそれだけではなく、幼少時代の恥ずかしい過去を4人に暴露されてしまう=弱みを見せてしまうことも恐れていた。
  18. ^ 体内時計が非常に正確で、千明曰く「あいつ(流ノ介)がいれば時計がいらない」とのこと。
  19. ^ 一部出版物では「シンケンオーおでん合体」と表記される。
  20. ^ 池波家十八代目当主」を名乗っていた。
  21. ^ 演じた高梨も同様。
  22. ^ 丈瑠が腹痛で一晩寝込むなど、男性陣が犠牲になっていた。また、彦馬は黒子に担架、胃腸薬を用意させていたが本人によると「大袈裟ではない」とのこと。
  23. ^ ほとんどの場合ゲームセンターでプレイしているが、PSPやショドウフォンでゲームをしていたこともある。
  24. ^ 蔵人からは「お前の代には外道衆復活はない」と聞かされており、本人もそのつもりだった(ディレクターズカット版より)。
  25. ^ 本人にも自覚があったようで、流ノ介に「ろくでもない親に育てられた」と言われた際には「当たってるだけにムカつく」と返していた。
  26. ^ 特に第三十七幕では流ノ介と見事なコンビネーションを見せていた。なお、戦いが終わってからも互いの行動があまりにもピッタリし過ぎて、仲間たちに失笑されてしまった。
  27. ^ 余談だがアベコンベと入れ替わった際のアベコンベの魂が入ったシンケングリーンも、のインロウマルをセットする部分を持ってシンケンマルを振るうという独特な持ち方をしていた。
  28. ^ 当初は標準語で話す設定だったが、演者の森田の影響で京都弁になった。
  29. ^ 『銀幕版』では、「(自分のボケさ加減は)流さんには敵わない」と発言している。
  30. ^ 第三十幕ではシンケンダイゴヨウを作り、丈瑠においてけぼりをくらわせており、この点でも流ノ介と共通である。
  31. ^ ファイナルライブツアーでの森田の発言より。
  32. ^ 『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー』において。次々と寿司やを注文して食べていたが、その最中にバッチードらに襲われ戦闘になり3人が逃げたため、結局代金は踏み倒される格好になった。
  33. ^ ただし、作中にてシンケンジャーの面々以外にも、第二十二幕に登場した松宮義久を始め、彼の店への常連客は登場する。
  34. ^ 彦馬によると、過去にも「モヂカラを特殊な方面で使うことに長けている侍」は何人かいたらしい。
  35. ^ 岡っ引き」が侍でないことを知らずに「」のモヂカラで岡っ引きがモチーフのダイゴヨウを制作する、最終幕で「フランスに行く」と言いながらイタリアの国旗の色である赤・白・緑の線を入れたコック帽を被るなど。
  36. ^ そのスピードは目にもとまらず、第十七幕、第十八幕ではスローモーション映像が流れた。
  37. ^ 本人の薫と丹波への反発もあるが、丹波が源太のことを侍と認めておらず、シンケンジャーの一員であることを拒んだため。
  38. ^ 『銀幕版』のエンディングでは季節が変わるごとに他のメンバーが服を替えていたが、彼の服装は一切変わっておらず、冬のシーンでは寒がっていた。
  39. ^ 名乗りは「最後に控えしダイゴヨウ!」の他、「御用でぃ御用でぃ!」など。
  40. ^ 養子に入る前の丈瑠もそう呼んでいる。また、源太のみ「(お)姫さん」と呼ぶ。
  41. ^ これは同じ「指令官格が変身した戦士」であるデカマスター(『特捜戦隊デカレンジャー』)に並ぶ実力であり、敗北したのは敵の最強クラスのドウコクのみである。最終幕では負傷していたことと当主の座から身を引いたこともあり戦闘には参加しなかった。
  42. ^ 朔太郎に渡されたハリセンを特に気に入ったようであり、最終幕で志葉邸を去った際にも使っている。ゴーカイジャーでは扇子を使用。
  43. ^ 実際の年齢は薫より丈瑠が年上である為、『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』でそれを知ったアラタは激しく動揺すると共に混乱していた。
  44. ^ 両方とも志葉家の血を引く者が作成できる火のモヂカラを込めたディスクであるが、強力すぎるがゆえにディスクが持たず使えるのはほぼ1回きりであり、薫にも制作時相当の負担がかかっている描写が最終幕でされている。
  45. ^ 負傷直後とはいえ、カードを支えていたアラタにかなりの負担がかかっている描写がされている
  46. ^ 変身前と声の出演は無い。
  47. ^ 『海賊戦隊ゴーカイジャー』のレンジャーキーでも丈瑠のシンケンレッドが通常のものとされ、薫のシンケンレッドは「女シンケンレッド(または姫シンケンレッド)」とされており、デカマスターやマジマザーのように番外戦士的な扱いとなっている。
  48. ^ ED映像でもエレキギターを披露し、侍たちを驚かせている様子が見られた。ただし、演じた伊吹本人はフラメンコギターが本分である。
  49. ^ 実際、源太を馬鹿にされて怒ったダイゴヨウが薫と丹波に向けてディスクを乱射した際、源太が「あの偉そうな奴(丹波)を狙え」と言っている。
  50. ^ その際、薫に執拗に見合いを勧めてはハリセンで殴られている。
  51. ^ 素顔を明かしたり喋ったりしたのは朔太郎と『ディケイド』とのクロスオーバーで登場した門矢士と小野寺ユウスケのみ。
  52. ^ 『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー』や『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』といった他戦隊と共演する場合は相手側戦隊側はその戦隊のマークが入り中央およびのぼり旗はシンケンジャーと共演戦隊のマークが重なったものになっている。
  53. ^ 町のごみ拾いや迷子の案内なども進んで行い、ある主婦には「町の鑑」と評されるなど評判は非常に良い。
  54. ^ 彦馬によると、17年前に丈瑠を預かったとのことなので、その前後と推測される。また、第三十四幕の流ノ介の台詞からも約15年から20年前の出来事とわかる。
  55. ^ 第一幕特別版(ディレクターズカット版)より。
  56. ^ ただし、アヤカシが術で作り出した世界での話で語られたものであるため、現実世界でも同様なのかは定かでない。
  57. ^ 『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』のパンフレットによると「両親を外道衆に殺された」とあり、実母も既に他界した模様。
  58. ^ 会話より、彦馬の方が目上の立場であることがうかがえる。
  59. ^ またまたシンケンジャーをナビゲート”. 海賊戦隊ゴーカイジャー テレビ朝日公式サイト「ゴーカイ!航海日誌」 (2011年5月4日). 2011年5月22日閲覧。
  60. ^ しかし自作のディスクでは牛折神を動かすことはできなかった。
  61. ^ 三途の川の渡し賃であり、真田幸村の家でもある真田家の家紋「六文銭(ろくもんせん)」とかかっている。また、七福神の宝船も表している。
  62. ^ a b c d e f g h i 『侍戦隊シンケンジャー公式読本 真剣勝負!』、p.97 - 105、また『魔法戦隊マジレンジャー』の地底冥府インフェルシアのイメージも含まれている。
  63. ^ a b 『『スーパー戦隊祭 侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』公式ガイドブック 武士道フルスロットル』角川書店、2010年1月30日。ISBN 978-4-04-854459-7 
  64. ^ 武器自体は第十九幕に登場したオイノガレの武器「油坏滑蛮刀(あぶらつきなめりばんとう)」の色換え品。
  65. ^ 通常、外道衆はあくまでこの世に執着するものであり、地獄への朔望は骨のシタリが「こいつは頭がおかしいよ」と評するとおり、外道衆からすれば理解し難いもののようである。
  66. ^ 六道が関連する苦しみを一直線に結び、この世の者でもあの世の者でもない者 (=はぐれ外道など) が裏正で中心を斬り裂くことで完成する。
  67. ^ 第二十一幕ではこの蛮刀を千明の父・蔵人やササマタゲに操られた市民たちも使った。また、『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー』ではアラタ(ゴセイレッド)やゴーカイブルー(ゴーカイサーベルと併用)もナナシから奪う形で使っている。