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阪急杯

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阪急杯
第66回阪急杯(2022年2月27日)
優勝馬:ダイアトニック(画像奥)
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 阪神競馬場
第1回施行日 1957年6月30日
2026年の情報
距離 芝1400m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [1][2]
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阪急杯(はんきゅうはい)は、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

寄贈賞を提供する阪急電鉄は、大阪市北区に本社を置き、阪神競馬場最寄りの仁川駅を含む阪急今津線、および京都競馬場への臨時バスが出ている西山天王山駅がある阪急京都本線を運営する大手私鉄[3]。阪急の通称は、太平洋戦争以前の旧社名阪神急行電鉄(はんしんきゅうこうでんてつ)から取られたものである。

正賞は阪急電鉄株式会社賞[1][2]

概要

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1956年まで行われていた重賞競走「阪神記念(はんしんきねん)」を廃止し、1957年に4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走として創設された「宝塚杯(たからづかはい)」が本競走の前身である[4][注 1]。1960年より現名称に改称された[4]

なお、阪急杯が創設される前は、阪神大賞典に『京阪神急行電鉄』の旧社名で寄贈賞が出されたことがあった。

創設時は芝2200mで行われていたが、1960年より芝1800mに変更された[5]。その後も幾度かの距離短縮や施行場・施行時期の変遷を経て、1996年に短距離重賞路線が整備され「高松宮杯(現・高松宮記念)」が芝1200mのGIに改められた際、本競走も芝1200mに変更された[4]。翌年には高松宮記念の前哨戦に位置付けられ、施行時期も第2回阪神競馬に移設され、2000年には高松宮記念が3月末に繰り上げられたのに伴い、本競走も第1回阪神競馬の開幕週に移設された[4]。2006年には芝1400mに変更し、2014年からは本競走の1着馬に高松宮記念の優先出走権が与えられている[4]

外国産馬は1990年から、地方競馬所属馬は2000年から出走可能になり[5]、2005年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[6]

競走条件

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以下の内容は、2026年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(3頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 57kg、牝馬2kg減
    • 2024年2月17日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2024年2月16日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)

2012年度より、負担重量の加増内容がGII競走と同様にされている[7][8]

2014年より、本競走の1着馬には高松宮記念への優先出走権が与えられる[4]

地方競馬所属馬は、本競走で2着までに入着すると高松宮記念に出走申込ができる[9]

賞金

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2026年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]

歴史

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  • 1953年 - 第1回阪神大賞典に京阪神競馬会社(現・京阪神ビルディング)、松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)と共に京阪神急行電鉄賞が寄贈される。
  • 1956年 - 第4回阪神大賞典に再び京阪神競馬、松下電器と並んで京阪神急行電鉄賞が掛けられる。
  • 1957年 - 4歳以上の馬による重賞競走として「宝塚盃」の名称で創設、(旧阪神記念)の副称をつけ阪神競馬場の芝2200mで施行[5]
  • 1958年 - 「競馬法35周年記念競走」の副称をつけて施行[5]
  • 1960年 - それまで不定期に掛けられていた京阪神急行電鉄の寄贈賞が定着することになり、名称を「阪急杯」に変更。
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 2]に格付け。
  • 1990年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[5]
  • 1995年 - 「震災復興支援競走」の副称をつけて施行[5]
  • 1997年 - 出走資格を「5歳以上」に変更。
  • 1999年 - 厩務員ストライキの影響で1週延期となる。
  • 2000年 - 指定交流競走に指定され、地方所属馬が2頭まで出走可能となる[5]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更。
  • 2002年 - 地方所属馬の出走枠が3頭に拡大[4]
  • 2005年 - 国際競走に変更され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる[6]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が8頭に拡大[10]
  • 2014年 - この年から1着馬に高松宮記念への優先出走権を付与[4]
  • 2015年
    • 出走可能頭数を18頭に拡大。
    • 外国馬の出走枠を9頭に変更[11]
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの流行により「無観客競馬」として開催[12](2021年も同様[13])。
  • 2025年
    • 阪神競馬場リフレッシュ工事に伴う開催日割の変更により京都競馬場(2回第7日)で施行。
    • 施行日を1999年以来の土曜日に変更(この週の翌日はフェブラリーステークスが行われる)。
  • 2026年
    • 1回阪神競馬が1週繰り上がり、2025年同様の週に施行される。

歴代優勝馬

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距離はすべて芝コース。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第3回まで「宝塚盃」[5]

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1957年6月30日阪神2200mタカクラオー牡42:17 2/5玉田一彦橋田俊三平島尚一
第2回1958年6月29日阪神2200mヤマニン牡32:21 0/5浅見国一相羽仙一土井宏二
第3回1959年7月5日京都2200mホマレリユウ牡42:17 2/5宮本悳橋本正晴三好諦三
第4回1960年5月22日阪神1800mミンシユウ牡41:49.4坂田正行仲住達弥鈴木美智慧
第5回1961年5月28日阪神1800mシーザー牡41:50.7清田十一伊藤勝吉伊藤由五郎
第6回1962年5月27日阪神1800mミスケイコ牝41:51.1清田十一伊藤勝吉伊藤由五郎
第7回1963年5月26日阪神1800mゴウカイ牡41:50.7栗田勝武田文吾伊藤由五郎
第8回1964年5月24日阪神1800mパスポート牝41:48.6松永高徳清水茂次吉田善一
第9回1965年5月23日阪神1850mバリモスニセイ牡41:53.5諏訪眞諏訪佐市小杉咲枝
第10回1966年5月22日京都1800mハツライオー牡41:55.5松本善登伊藤修司大久保常吉
第11回1967年5月21日阪神1900mニホンピローエース牡41:54.8田所稔小川佐助小林保
第12回1968年7月7日阪神1900mアポオンワード牡51:58.4松本善登武田文吾(株)オンワード牧場
第13回1969年5月18日京都1900mタカノキネン牡52:00.4小野幸治小林稔岩佐俊策
第14回1970年5月10日阪神1900mヒロズキ牡41:57.4田口光雄松田由太郎広瀬光次
第15回1971年6月6日阪神1900mトウメイ牝52:00.0清水英次坂田正行近藤克夫
第16回1972年5月14日阪神1600mフアストバンブー牡51:39.9福永洋一伊藤修司竹田辰一
第17回1973年6月10日阪神1600mサカエカホー牡41:34.9湯浅三郎加藤清一陳葉枝
第18回1974年6月9日京都1600mケイリュウシンゲキ牝41:35.0上野清章伊藤修司龍進撃(有)
第19回1975年6月8日阪神1600mシルバーネロ牡41:35.0福永洋一武田文吾伊藤英夫
第20回1976年6月13日京都1600mヤマニンファバー牡41:38.1日高三代喜浅見国一土井宏二
第21回1977年6月12日阪神1600mセンターグッド牡41:35.2鹿戸明田所稔中野優
第22回1978年6月11日阪神1600mスリーファイヤー牡41:37.3岩元市三布施正渡辺淳三
第23回1979年6月10日阪神1600mリードスワロー牝41:34.4田島信行服部正利熊本芳雄
第24回1980年5月11日阪神1600mテルノエイト牡41:34.6飯田明弘清水久雄中村照彦
第25回1981年5月24日阪神1400mサツキレインボー牡41:24.4米元孝一田之上勲堀脇操
第26回1982年6月13日阪神1400mバンブトンハーレー牡41:21.8飯田明弘伊藤修司樋口正蔵
第27回1983年6月12日阪神1400mハッピープログレス牡51:22.3田原成貴山本正司藤田晋
第28回1984年6月10日阪神1400mグァッシュアウト牝41:24.0小島貞博戸山為夫山田博康
第29回1985年6月9日阪神1400mシャダイソフィア牝41:21.9河内洋渡辺栄吉田善哉
第30回1986年6月8日阪神1400mロングハヤブサ牡51:22.5南井克巳小林稔中井長一
第31回1987年6月7日阪神1400mセントシーザー牡51:22.3河内洋橋口弘次郎杉谷枡夫
第32回1988年6月5日阪神1400mサンキンハヤテ牡41:21.6増井裕橋口弘次郎河原サキノ
第33回1989年6月4日阪神1400mホリノライデン牡41:22.0武豊目野哲也堀内正男
第34回1990年6月3日阪神1400mセンリョウヤクシャ牡41:22.3河内洋庄野穂積(有)社台レースホース
第35回1991年6月2日京都1400mジョーロアリング牡51:23.5山田和広坪正直上田けい子
第36回1992年6月7日阪神1400mホクセイシプレー牡41:25.2須貝尚介須貝彦三(有)向別牧場
第37回1993年6月6日阪神1400mレガシーフィールド牝51:24.1佐藤哲三吉岡八郎(株)ホースタジマ
第38回1994年6月5日阪神1400mゴールドマウンテン牡51:20.9岸滋彦佐山優(株)グリーンファーム
第39回1995年6月3日京都1400mボディーガード牡41:20.0松永幹夫山本正司浅川清
第40回1996年6月16日阪神1200mトーワウィナー牡61:08.5河内洋佐山優斉藤一郎
第41回1997年3月29日阪神1200mシンコウフォレスト牡41:10.5四位洋文栗田博憲安田修
第42回1998年4月4日阪神1200mマサラッキ牡51:08.5河内洋増本豊丸井正貴
第43回1999年4月10日阪神1200mキョウエイマーチ牝51:08.6秋山真一郎野村彰彦松岡正雄
第44回2000年2月27日阪神1200mブラックホーク牡61:08.7横山典弘国枝栄金子真人
第45回2001年2月25日阪神1200mダイタクヤマト牡71:08.7M.デムーロ石坂正(有)太陽ファーム
第46回2002年2月24日阪神1200mアドマイヤコジーン牡61:07.9後藤浩輝橋田満近藤利一
第47回2003年3月2日阪神1200mショウナンカンプ牡51:08.5藤田伸二大久保洋吉国本哲秀
第48回2004年2月29日阪神1200mサニングデール牡51:08.5吉田稔瀬戸口勉後藤繁樹
第49回2005年2月27日阪神1200mキーンランドスワン牡61:08.5四位洋文森秀行平井豊光
第50回2006年2月26日阪神1400mブルーショットガン牡71:22.5松永幹夫武宏平(株)荻伏レーシング・クラブ
第51回2007年2月25日阪神1400mプリサイスマシーン牡81:20.5
(同着)
安藤勝己萩原清池谷誠一
エイシンドーバー牡5幸英明湯浅三郎平井豊光
第52回2008年3月2日阪神1400mローレルゲレイロ牡41:20.7四位洋文昆貢(株)ローレルレーシング
第53回2009年3月1日阪神1400mビービーガルダン牡51:21.1安藤勝己領家政蔵(有)坂東牧場
第54回2010年2月28日阪神1400mエーシンフォワード牡51:21.4岩田康誠西園正都(株)栄進堂
第55回2011年2月27日阪神1400mサンカルロ牡51:20.1吉田豊大久保洋吉(有)社台レースホース
第56回2012年2月26日阪神1400mマジンプロスパー牡51:22.0浜中俊中尾秀正佐々木主浩
第57回2013年2月24日阪神1400mロードカナロア牡51:21.0岩田康誠安田隆行(株)ロードホースクラブ
第58回2014年3月2日阪神1400mコパノリチャード牡41:20.7浜中俊宮徹小林祥晃
第59回2015年3月1日阪神1400mダイワマッジョーレ牡61:23.8M.デムーロ矢作芳人大城敬三
第60回2016年2月28日阪神1400mミッキーアイル牡51:19.9松山弘平音無秀孝野田みづき
第61回2017年2月26日阪神1400mトーキングドラム牡71:19.9幸英明斎藤誠下河邉美智子
第62回2018年2月25日阪神1400mダイアナヘイロー牝51:20.1武豊福島信晴(株)駒秀
第63回2019年2月24日阪神1400mスマートオーディン牡61:20.3藤岡佑介池江泰寿大川徹
第64回2020年3月1日阪神1400mベストアクター騸61:20.3浜中俊鹿戸雄一(有)社台レースホース
第65回2021年2月28日阪神1400mレシステンシア牝41:19.2北村友一松下武士(有)キャロットファーム
第66回2022年2月27日阪神1400mダイアトニック牡71:19.9岩田康誠安田隆行(有)シルクレーシング
第67回2023年2月26日阪神1400mアグリ牡41:19.5横山和生安田隆行三木正浩
第68回2024年2月25日阪神1400mウインマーベル牡51:21.2松山弘平深山雅史(株)ウイン
第69回2025年2月22日京都1400mカンチェンジュンガ牡51:21.7幸英明庄野靖志幅田昌伸
第70回2026年2月21日阪神1400mソンシ牡51:18.9川田将雅中内田充正藤田晋

脚注・出典

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注釈

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  1. 『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』では「宝塚盃」と記載されている[5]ため、当該資料を出典としている場合は「盃」を使用する。
  2. 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. 1 2 3 4 重賞競走一覧(レース別・関西) (PDF). 日本中央競馬会. p. 5 (2025年). 2025年1月28日閲覧。
  2. 1 2 3 4 2025年第1回京都競馬番組 (PDF). 日本中央競馬会. 2025年1月28日閲覧。
  3. 2025年度第1回京都競馬特別レース名解説 (PDF). 日本中央競馬会. p. 4. 2024年4月29日閲覧。
  4. 1 2 3 4 5 6 7 8 歴史・コース:阪急杯 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】
  6. 1 2 2005年の成績表参照。
  7. 2011年の成績表参照。
  8. 2012年の成績表参照。
  9. [地]が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2025年度】 (PDF). 日本中央競馬会. 2025年1月28日閲覧。
  10. 第1回 阪神競馬成績集計表 (PDF). 日本中央競馬会. pp. 655-656 (2007年). 2016年2月22日閲覧。(索引番号:06023)
  11. 重賞競走一覧(レース別・関西) (PDF). 日本中央競馬会. p. 6 (2015年). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月4日閲覧。
  12. 売り上げ約65億円減 中山記念大幅ダウン…前年比63% | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年3月10日閲覧。
  13. 2月13日(土曜)からの競馬場・ウインズ等の営業(無観客競馬・発売取りやめ)”. 日本中央競馬会 (2021年2月4日). 2021年2月5日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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