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ヴィクトリアマイル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴィクトリアマイル
Victoria Mile[1]
第21回ヴィクトリアマイル(2026年5月17日)
優勝馬:エンブロイダリー、鞍上:C.ルメール
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
第1回施行日 2006年5月14日[2]
2026年の情報
距離 芝1600m
格付け GI
賞金 1着賞金1億5000万円
出走条件 サラ系4歳以上牝馬(国際)(指定)
負担重量 定量(56kg)
出典 [3][4]
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ヴィクトリアマイルは、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬の春の4歳以上の牝馬マイル重賞競走(GI)である。

競走名の「ヴィクトリア(Victoria)」は、ローマ神話に登場する勝利の女神[5]。

正賞は日本馬主協会連合会会長賞、ブリーダーズカップ・チャレンジ賞[6][4]。

概要

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競走馬生産の原点である牝馬は従来、早期に引退させて生産界へ戻すべきと考えられており、古馬牝馬にとって目標となる競走も長らく設けられていなかった[5][7]。その後1996年にエリザベス女王杯が条件変更され、4歳(現3歳)以上牝馬のGI競走として行われるようになってからは、牝馬重賞競走の増設やローテーションの整備など競馬番組の充実が図られるようになり、競走馬として長く活躍する牝馬が多くなった[5]。一方、こうして長く現役として活躍した牝馬からも優秀な産駒が誕生するようになったことにより生産界の考え方にも変化が生じてきた[5]ほか、ヨーロッパでも競走馬としての牝馬の価値を重視する傾向が強まってきた[5]。こうした流れの中、2006年に4歳以上牝馬による春季のチャンピオン決定戦として本競走が新設された[5][7]。なお、本競走の創設に関してJRA内では「内国産競走馬のレベル向上のため、強豪牝馬は早く引退して繁殖牝馬になるべき。レースに出ては故障してしまう」という反対意見もあった[8]。

創設時より国際競走として外国馬が出走可能で、ステップ競走で所定の成績を収めた地方競馬所属馬も出走が可能となっている[2]。

2017年より、本競走の1 - 3着馬には当該年に行われるジャック・ル・マロワ賞(G1)への優先出走権が付与されることになった[9]。2018年より安田記念とともにデスティナシオンフランスの名称でジャック・ル・マロワ賞と提携[10]。2021年よりムーラン・ド・ロンシャン賞(G1)も対象競走に追加され、上位3頭に優先出走権が付与される[11]。

2020年からブリーダーズカップ・チャレンジの対象競走に指定され、優勝馬には当該年のブリーダーズカップ・フィリー&メアターフへの優先出走権と出走登録料・輸送費用の一部負担の特権が付与される。

競走条件

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以下の内容は、2026年現在[3][4]のもの。

出走資格:サラ系4歳以上牝馬、除未出走馬および未勝利馬

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:定量(56kg)

出馬投票を行った馬のうち、優先出走権(次節参照)をもつ馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI・JpnI競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権

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外国調教馬[12]、およびレーティング順位の上位10頭(2012年から2025年は上位5頭、106ポンド以上であることが条件)は優先出走できる[13]。

JRA所属馬は同年に行われる下表の競走のいずれかで1着の成績を収めた馬に優先出走権が与えられる。

地方競馬所属馬は同年に行われる下表の競走のいずれかで2着以内の成績を収めた馬に、優先出走権が与えられる[14][12]。

競走名格競馬場距離
阪神牝馬ステークスGII日本の旗阪神競馬場芝1600m[15]
福島牝馬ステークスGIII日本の旗福島競馬場芝1800m

上記のほか、高松宮記念及び大阪杯で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬は本競走か安田記念のいずれか1競走に優先出走できる[14][12]。また、指定された外国の国際G1競走(2歳G1競走は除く)、および地方競馬で行われるダート交流GI・JpnI競走(2歳GI・JpnI競走は除く)を優勝した地方競馬所属馬には本競走の出走資格が与えられる[7]。

賞金

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2026年の1着賞金は1億5000万円で、以下2着6000万円、3着3800万円、4着2300万円、5着1500万円[3][4]。

歴史

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年表

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  • 2006年 - 4歳以上牝馬によるGI[注 1]競走として創設[7]。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIに変更[注 2]。
  • 2009年
    • 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大[16]。
    • 格付表記をGI(国際格付)に変更[16]。
  • 2012年 - 出走馬選定方法が変わり、レーティング上位5頭に優先出走を認める(2026年からは上位10頭)[17]。
  • 2014年 - トライアル制を確立し、指定された競走の1着馬に優先出走を認める。
  • 2015年 - 3着に18頭立て中最下位人気のミナレットが入り、3連単の払戻金が当時歴代2位(現在歴代5位)、重賞レース歴代1位の2070万5810円の超高額配当となる。
  • 2020年

歴代優勝馬

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回数JRA
格付
国際
格付
施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主単勝オッズ単勝人気1着本賞金
第1回GI無2006年5月14日東京1600mダンスインザムード牝51:34.0北村宏司藤沢和雄(有)社台レースホース3.9[19]29000万円
第2回JpnIL2007年5月13日東京1600mコイウタ牝41:32.5松岡正海奥平雅士(有)前川企画60.312
第3回JpnIL2008年5月18日東京1600mエイジアンウインズ牝41:33.7藤田伸二藤原英昭太田美實13.45
国際GIに格付け
第4回GI2009年5月17日東京1600mウオッカ牝51:32.4武豊角居勝彦谷水雄三1.719000万円
第5回GI2010年5月16日東京1600mブエナビスタ牝41:32.4横山典弘松田博資(有)サンデーレーシング1.51
第6回GI2011年5月15日東京1600mアパパネ牝41:31.9蛯名正義国枝栄金子真人ホールディングス(株)4.12
第7回GI2012年5月13日東京1600mホエールキャプチャ牝41:32.4横山典弘田中清隆嶋田賢7.24
第8回GI2013年5月12日東京1600mヴィルシーナ牝41:32.4内田博幸友道康夫佐々木主浩3.11
第9回GI2014年5月18日東京1600mヴィルシーナ牝51:32.3内田博幸友道康夫佐々木主浩28.311
第10回GI2015年5月17日東京1600mストレイトガール牝61:31.9戸崎圭太藤原英昭廣崎利洋14.15
第11回GI2016年5月15日東京1600mストレイトガール牝71:31.5戸崎圭太藤原英昭廣崎利洋HD(株)17.779300万円
第12回GI2017年5月14日東京1600mアドマイヤリード牝41:33.9C.ルメール須貝尚介近藤利一13.56
第13回GI2018年5月13日東京1600mジュールポレール牝51:32.3幸英明西園正都(株)G1レーシング19.481億500万円
第14回GI2019年5月12日東京1600mノームコア牝41:30.5D.レーン萩原清池谷誠一9.45
第15回GI2020年5月17日東京1600mアーモンドアイ牝51:30.6C.ルメール国枝栄(有)シルクレーシング1.41
第16回GI2021年5月16日東京1600mグランアレグリア牝51:31.0C.ルメール藤沢和雄(有)サンデーレーシング1.31
第17回GI2022年5月15日東京1600mソダシ牝41:32.2吉田隼人須貝尚介金子真人ホールディングス(株)5.741億3000万円
第18回GI2023年5月14日東京1600mソングライン牝51:32.2戸崎圭太林徹(有)サンデーレーシング7.64
第19回GI2024年5月12日東京1600mテンハッピーローズ牝61:31.8津村明秀高柳大輔天白泰司208.614
第20回GI2025年5月18日東京1600mアスコリピチェーノ牝41:32.1C.ルメール黒岩陽一(有)サンデーレーシング2.51
第21回GI2026年5月17日東京1600mエンブロイダリー牝41:30.9C.ルメール森一誠(有)シルクレーシング1.91

ヴィクトリアマイルの記録

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レース記録

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  • レースレコード - 1分30秒5(第14回優勝馬ノームコア)[20]なお、このタイムは東京競馬場芝1600m(3歳以上)のコースレコードでもある[21]。
    • 優勝タイム最遅記録 - 1:34.0(第1回優勝馬ダンスインザムード)[22]
  • 勝利馬の最高馬体重 - 498kg
    • グランアレグリア(第16回)[23]。
  • 最年長優勝馬 - 7歳
    • ストレイトガール(第11回)
  • 最多優勝馬 - 2勝
    • ヴィルシーナ(第8回・第9回)、ストレイトガール(第10回・第11回)
  • 最多優勝騎手 - 5勝
    • クリストフ・ルメール(第12回・第15回・第16回・第20回・第21回)[注 3]
  • 最年長優勝騎手 - 46歳11カ月28日
    • クリストフ・ルメール(第21回)[24]
  • 最多優勝調教師 - 3勝
    • 藤原英昭 3勝(第3回・第10回・第11回)[注 4]
  • 最多優勝馬主 - 4勝
    • (有)サンデーレーシング(第5回・第16回・第18回・第20回)
  • 最多勝利種牡馬 - 4勝

払戻金

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  • 2015年のレースでは1着ストレイトガール(5番人気、鞍上・戸崎圭太)、2着ケイアイエレガント(12番人気、鞍上・吉田豊)、3着ミナレット(18番人気、鞍上・江田照男)となり、2026年6月時点で3連複で史上6位となる286万馬券、3連単で史上8位となる2070万馬券が発生した。
  • 単勝の最低払戻金額は2021年グランアレグリアの130円[23]。

脚注

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注釈

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  1. ↑ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ↑ 2007年の成績表を参照。
  3. ↑ 連覇は他に内田博幸(第8回・第9回)、戸崎圭太(第10回・第11回)が記録。
  4. ↑ 連覇は他に友道康夫(第8回・第9回)が記録。

出典

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  1. ↑ “International Cataloguing Standards Book 2026 (Japan)” (PDF) (英語). 国際競馬統括機関連盟(IFHA). 2026年5月6日閲覧。
  2. 1 2 「第2回 東京競馬成績集計表 (PDF)」日本中央競馬会、2006年、1317–1318頁。2016年5月12日閲覧。(索引番号:12095)
  3. 1 2 3 「重賞競走一覧【グレード別】 (PDF)」日本中央競馬会。2025年11月29日閲覧。
  4. 1 2 3 4 「2026年第2回東京競馬番組(第7日 - 第12日) (PDF)」日本中央競馬会。2026年5月6日閲覧。
  5. 1 2 3 4 5 6 「2026年度第2回東京競馬特別レース名解説 (PDF)」日本中央競馬会、5頁。2026年5月6日閲覧。
  6. ↑ 「重賞競走一覧(レース別・関東) (PDF)」日本中央競馬会、2026年、18頁。2026年5月6日閲覧。
  7. 1 2 3 4 「2026年ヴィクトリアマイル(GI)」日本中央競馬会。2026年5月6日閲覧。
  8. ↑ 「平成18年度(2006年)競馬番組発表」『優駿』2006年1月号、中央競馬ピーアール・センター。
  9. ↑ ヴィクトリアマイル(GI)及び安田記念(GI)優勝馬等に対するジャック・ル・マロワ賞(G1)への優先出走権付与について日本中央競馬会、2017年5月30日閲覧
  10. ↑ 「優駿牝馬(GⅠ)優勝馬等の仏・ヴェルメイユ賞(G1)への優先出走権付与および「デスティナシオンフランス」について」日本中央競馬会。2019年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年5月25日閲覧。
  11. ↑ 「ヴィクトリアマイルと安田記念の上位3頭に新たにムーランドロンシャン賞の優先出走権」『Sponichi Annex』スポーツニッポン新聞社、2021年4月27日。2021年4月27日閲覧。
  12. 1 2 3 「競馬番組一般事項 「V 出馬投票」 (PDF)」日本中央競馬会、2026年、17頁。2026年5月6日閲覧。
  13. ↑ 「競馬番組の要点 (PDF)」日本中央競馬会。2025年11月29日閲覧。
  14. 1 2 「「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2026年度】 (PDF)」日本中央競馬会。2026年5月6日閲覧。
  15. ↑ 「平成28年度の重賞競走の主な変更点について (PDF)」日本中央競馬会。2016年3月4日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年5月3日閲覧。
  16. 1 2 「第2回 東京競馬成績集計表 (PDF)」日本中央競馬会、2009年、1354–1355頁。2016年5月12日閲覧。(索引番号:12095)
  17. ↑ 「平成24年度競馬番組等について 「II.競馬番組等について 3.GI競走におけるレーティングによる出走馬の選定について」 (PDF)」日本中央競馬会、2011年11月21日、4頁。2016年5月12日閲覧。
  18. ↑ 「4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について」日本中央競馬会、2020年4月23日。2021年5月4日閲覧。
  19. ↑ https://db.netkeiba.com/race/200605020811/
  20. ↑ 「中央競馬レコードタイム表」日本中央競馬会。2021年5月4日閲覧。
  21. ↑ 「中央競馬レコードタイム 東京競馬場」。2020年6月13日閲覧。
  22. ↑ 国際GⅠ制定後は1:33.9(第12回優勝馬アドマイヤリード)
  23. 1 2 「藤沢和師、6年連続G1制覇は歴代3位/ヴィクトリアMアラカルト|極ウマ・プレミアム」『p.nikkansports.com』。2021年5月17日閲覧。
  24. ↑ “【ヴィクトリアM】記録アラカルト - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2025年5月22日閲覧。

各回競走結果の出典

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馬主名義を含む競走結果
国際格付に関する出典

外部リンク

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