角居勝彦
角居勝彦 | |
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![]() 2011年の第58回日経新春杯の表彰式にて | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | 石川県金沢市[1] |
生年月日 | 1964年3月28日(56歳) |
所属団体 | JRA |
初免許年 | 2000年(2001年開業) |
通算勝利 | 4922戦693勝(2018年7月5日時点)[2] |
経歴 | |
所属 |
栗東・中尾謙太郎(1986.10 - 1996.12) 栗東・松田国英(1997.1 - 開業) 栗東T.C.(開業 - ) |
主な管理馬 |
シーザリオ カネヒキリ ウオッカ ヴィクトワールピサ エピファネイア |
角居 勝彦(すみい かつひこ、1964年3月28日 - [2])は日本中央競馬会 (JRA) 栗東所属の調教師である[2]。一般財団法人 ホースコミュニティ代表理事[3]。
人物[編集]
石川県金沢市出身[1]。実家は競馬とは無縁の家庭であった[1]。
石川県立金沢桜丘高等学校卒業後、大学受験の失敗などもありグランド牧場(北海道)に就職する。グランド牧場で3年ほど働いた後に「競馬場の馬たちの実際に触れてみたい」とする気持ちが強くなる[4]。その後、JRA競馬学校を経て栗東トレーニングセンターの中尾謙太郎厩舎及び松田国英厩舎で調教助手を務め[4]、2000年に調教師免許を取得した[2]。厩舎開業は2001年である[4]。
重賞競走初勝利は、2002年の東京スポーツ杯2歳ステークスのブルーイレヴン[5]。その後、デルタブルース、カネヒキリ、ウオッカ、ヴィクトワールピサなどのGI馬を管理すると共に、2005年から2014年にかけて「最多賞金獲得調教師賞」もしくは「最多勝利調教師賞」を幾度も獲得している(「表彰歴」の節を参照)。
家庭内の事情により家業(角居自身も既に信者となっている天理教の仕事)を実母より継ぐことを目的として、2021年2月をもって調教師を勇退し、厩舎を解散する意向を表明している[6][7]。
2018年7月6日、道路交通法違反(酒気帯び運転)の現行犯で滋賀県草津警察署により逮捕され[8]、JRAは角居を同日付で裁定委員会の議定があるまで暫定的に調教停止処分とした。11月7日、JRAは第2回裁定委員会を行い、日本中央競馬会競馬施行規程第147条にある「競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者」に該当するとして、逮捕された2018年7月6日から2019年1月6日までの半年間の調教停止処分とした[9][10]。なお、角居の全管理馬78頭はこの期間中は中竹和也厩舎に臨時貸付の形で同厩舎へ転厩した[11]。なお、調教停止が解かれたと同時に、当初は同厩舎に所属予定であった元騎手の林満明を調教助手として迎え入れている。
調教師成績[編集]
日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初出走 | 2001年3月11日 | 1回阪神6日6R | 4歳上500万下 | セトノマックイーン[12] | 10頭 | 3 | 5着 |
初勝利 | 2001年3月24日 | 2回阪神1日9R | 山陽特別 | スカイアンドリュウ[12] | 15頭 | 6 | 1着 |
重賞初出走 | 2001年4月1日 | 3回中山4日11R | ダービー卿チャレンジトロフィー | センターフレッシュ | 14頭 | 10 | 11着 |
重賞初勝利 | 2002年11月16日 | 4回中山5日11R | 東京スポーツ杯2歳ステークス | ブルーイレヴン | 8頭 | 1 | 1着 |
GI初出走 | 2001年12月2日 | 5回阪神2日11R | 阪神ジュベナイルフィリーズ | シェーンクライト | 18頭 | 13 | 10着 |
GI初勝利 | 2004年10月24日 | 4回京都6日11R | 菊花賞 | デルタブルース | 18頭 | 8 | 1着 |
表彰歴[編集]
- 2005年 - 最多賞金獲得調教師賞[13]
- 2008年 - 最多賞金獲得調教師賞[13]
- 2010年 - 最多賞金獲得調教師賞[13]
- 2011年 - 「最多勝利調教師賞」を初めて獲得[13]。
- 2012年 - 最多勝利調教師賞[14]
- 2013年 - 最多勝利調教師賞、最多賞金獲得調教師賞[14]
- 2014年 - 最多賞金獲得調教師賞、優秀技術調教師賞[15]
代表管理馬[編集]
GI競走優勝馬[編集]
- デルタブルース(菊花賞、メルボルンカップ)[16]
- シーザリオ(優駿牝馬、アメリカンオークス招待ステークス)[17]
- カネヒキリ(ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、ジャパンカップダート(2回)、フェブラリーステークス、東京大賞典、川崎記念)[18]
- ハットトリック(マイルチャンピオンシップ、香港マイル)[19]
- フレンドシップ(ジャパンダートダービー)[20]
- ウオッカ(阪神ジュベナイルフィリーズ、東京優駿、安田記念(2回)、天皇賞・秋、ヴィクトリアマイル、ジャパンカップ)[21]
- トールポピー(阪神ジュベナイルフィリーズ、優駿牝馬)[22]
- ヴィクトワールピサ(皐月賞、有馬記念、ドバイワールドカップ)[23]
- ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世カップ)[24]
- アヴェンチュラ(秋華賞)[25]
- エピファネイア(菊花賞、ジャパンカップ)[26]
- サンビスタ(JBCレディスクラシック、チャンピオンズカップ)[27]
- ラキシス(エリザベス女王杯)[28]
- リオンディーズ(朝日杯フューチュリティステークス)[29]
- キセキ (菊花賞)[30]
- サートゥルナーリア (皐月賞)[31]
- ロジャーバローズ (東京優駿)
- ワイドファラオ(かしわ記念)
重賞競走優勝馬[編集]
- ブルーイレヴン(2002年東京スポーツ杯2歳ステークス、2004年関屋記念)
- ディアデラノビア(2005年フローラステークス、2007年京都牝馬ステークス、愛知杯)
- ポップロック(2006年目黒記念、2007年目黒記念)
- トーセンキャプテン(2007年アーリントンカップ、2008年函館記念)
- ロールオブザダイス(2010年平安ステークス)
- オールザットジャズ(2012年福島牝馬ステークス、2013年福島牝馬ステークス)
- グルヴェイグ(2012年マーメイドステークス)
- デニムアンドルビー(2013年フローラステークス、ローズステークス)
- フリートストリート(2013年エルムステークス)
- エキストラエンド(2014年京都金杯)
- エアソミュール(2014年鳴尾記念、毎日王冠)
- ディアデラマドレ(2014年マーメイドステークス、府中牝馬ステークス、愛知杯)
- メイショウブシドウ(2014年小倉サマージャンプ、阪神ジャンプステークス)
- キャトルフィーユ(2014年クイーンステークス)
- エアハリファ(2015年根岸ステークス)
- フルーキー(2015年チャレンジカップ)
- ヴァンキッシュラン(2016年青葉賞)
- トーセンビクトリー(2017年中山牝馬ステークス)
- シャケトラ(2017年日経賞、2019年アメリカジョッキークラブカップ、阪神大賞典)
- ラビットラン(2017年ローズステークス、2018年ブリーダーズゴールドカップ)
- カンタービレ(2018年フラワーカップ)
- サトノワルキューレ(2018年フローラステークス)
主な厩舎スタッフ[編集]
- 清山宏明(2007年- 調教助手。2002年に騎手を引退し、領家政蔵厩舎~服部利之厩舎を経て現在に至る)
- 林満明(2019年- 調教助手。当初は中竹厩舎所属の予定であったが、角居の調教停止期間満了による調教再開の兼ね合いもあり、調教助手従事開始直前に林の所属先が変更された[32])。
福祉活動[編集]
角居は引退した競走馬の処遇を考えるなかで[33]、障害者を対象とした乗馬の普及支援団体「Reins」の設立と活動に協力[34][35]。また一般財団法人・ホースコミュニティを設立し[3]、代表理事を務め、2011年より開催されている[36]関連イベント「サンクスホースデイズ」の実行副委員長を務める[33]。こちらの幹事の方は調教師引退後も継続する方針である[37]。
脚注・出典[編集]
- ^ a b c “【駆ける魂】引退馬のキャリア支援 中央競馬調教師・角居勝彦(下)”. 日経電子版. 日本経済新聞社. (2017年9月10日) 2018年1月6日閲覧。
- ^ a b c d “競馬データベース - 調教師 - 角居 勝彦(スミイ カツヒコ)”. 競馬ラボ. 2018年7月6日閲覧。
- ^ a b “法人概要”. 一般財団法人 ホースコミュニティ. 2018年1月6日閲覧。
- ^ a b c “私の競馬はちょっと新しい 第28回 中央競馬調教師 角居勝彦さん”. JRA-VAN. p. 1-6 (2017年9月10日). 2018年1月6日閲覧。
- ^ “第4回 中山競馬成績集計表 (PDF)”. 日本中央競馬会. pp. 3283-3284. 2015年11月16日閲覧。
- ^ “競馬界に衝撃! 角居厩舎解散!! ウオッカ、ヴィクトワールピサ輩出の名門”. デイリースポーツ. 神戸新聞社. (2018年1月6日) 2018年1月6日閲覧。
- ^ G1・24勝の角居調教師、天理教の仕事継ぐため2021年2月で勇退 - スポーツ報知 2017年1月6日
- ^ “JRAの角居勝彦調教師、酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕”. 朝日新聞デジタル. (2018年7月6日) 2019年8月25日閲覧。
- ^ “JRAニュース 「調教師 角居 勝彦の道路交通法違反」に関する処分について” (プレスリリース), 日本中央競馬会, (2018年11月7日) 2019年8月25日閲覧。
- ^ “酒気帯び運転の角居勝彦師 来年1月6日まで半年間の調教停止”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2018年11月7日) 2018年11月7日閲覧。
- ^ 角居 勝彦調教師(栗東)の調教停止に伴う管理馬の転厩について - 日本中央競馬会 2018年7月6日
- ^ a b “角居勝彦 - プロフィール”. netkeiba.com. 2015年11月7日閲覧。
- ^ a b c d “調教師部門、角居師も初リーディング獲得”. サンケイスポーツ. (2011年12月26日)
- ^ a b “角居勝彦師、3年連続で最多勝利調教師賞”. サンケイスポーツ. (2013年12月31日)
- ^ “競馬 JRA賞授賞式 ハープスターがドバイでライアン・ムーア騎手とコンビ”. スポーツ報知: p. 11. (2015年1月27日)
- ^ “デルタブルース”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “シーザリオ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “カネヒキリ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “ハットトリック”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “フレンドシップ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “ウオッカ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “トールポピー”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “ヴィクトワールピサ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “ルーラーシップ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “アヴェンチュラ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “エピファネイア”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “サンビスタ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “ラキシス”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “リオンディーズ”. netkeiba.com. 2016年4月21日閲覧。
- ^ “キセキ”. netkeiba.com. 2017年10月23日閲覧。
- ^ 中竹和也厩舎所属時に、ホープフルステークスを制している。
- ^ 競馬の天才! Vol.5(2019年3月号)「今月の悪魔の壁穴」
- ^ a b “角居師、障害者乗馬普及イベントに協力” (日本語). デイリースポーツ. p. 1 (2012年11月16日). 2015年11月7日閲覧。
- ^ 村上和巳 (2010年6月). “村上和巳の編集員通信「“Reins(手綱)が活動開始”」” (日本語). 競馬ブックコーナー. インターグロー. 2015年11月7日閲覧。
- ^ “心ゆたかに 広報委員長が訊く (2) 「『障害者乗馬』を多くの方に知ってもらいたい」 (PDF)”. 京都馬主協会 (2010年). 2015年11月7日閲覧。
- ^ “癒しテーマ「サンクスホースデイズ」開催” (日本語). 日刊スポーツ (2011年10月11日). 2015年11月7日閲覧。
- ^ “競馬界初!角居師にシチズン賞“ホースコミュニティ”事業評価(2/2ページ)”. サンケイスポーツ. (2018年1月31日) 2018年1月31日閲覧。
参考文献[編集]
- 角居勝彦『挑戦!競馬革命』(宝島社、2007年)ISBN 978-4-7966-5919-2
関連項目[編集]
- 競馬の調教師一覧
- 吉田直弘:調教師(かつて調教助手として所属)
- 村山明:調教師(かつて騎手、調教助手として所属)
ウィキニュースに関連記事があります。チャンピオンズカップの第16回は12番人気サンビスタとミルコ・デムーロ騎手のコンビが勝利【2016年1月6日】
外部リンク[編集]
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