ヴィルシーナ

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ヴィルシーナ
Verxina20120408.jpg
英字表記 Verxina
品種 サラブレッド
性別
毛色 青毛
生誕 2009年3月5日(5歳)
登録日 2011年7月6日
ディープインパクト
ハルーワスウィート
母の父 Machiavellian
生国 日本の旗 日本北海道安平町
生産 ノーザンファーム
馬主 佐々木主浩
調教師 友道康夫栗東
競走成績
生涯成績 16戦4勝
獲得賞金 3億3348万1000円
(2013年5月12日現在)
勝ち鞍 GIヴィクトリアマイル2013年
GIIIクイーンカップ2012年
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ヴィルシーナ: Verxina)とは日本競走馬である。おもな勝ち鞍は2013年ヴィクトリアマイル2012年クイーンカップ。馬主は元プロ野球選手の佐々木主浩

馬名の意味はロシア語で「頂上」(вершина)。佐々木の妻であるタレントの榎本加奈子による命名である[1]

経歴[編集]

尻尾のない母ハルーワスウィート[編集]

本馬の母ハルーワスウィートは、先天的に尾骨がなく、尻尾がない馬だった。友道調教師は免許を取得したばかりで開業を目前控えていた頃、仔馬時代のハルーワスウィートを目にした。生産者である吉田勝己の推薦と、身体つきが魅力的と感じた友道調教師は、尻尾がないものの同馬を厩舎開業最初の預託馬として引き受けた。友道調教師によれば、競走馬は疾走時に尻尾でバランスを取りながらカーブを曲がると考えられるが、尻尾が最初からないハルーワスウィートにはそうした感覚が備わっていないと考えられた[2]

ハルーワスウィートは競走馬として下級条件戦で5勝をあげた。尻尾がない特徴的な姿からファンがおり、佐々木主浩もその一人だった。ハルーワスウィートが競走馬を引退して繁殖にあがると、最初に産んだ子がセリ市に上場された。佐々木は、母馬が好きだったのでその子を絶対に落札する、と言って購入した。続く2番目の産駒も同じように佐々木が購入した。これが本馬ヴィルシーナである[2]

2011年(2歳)[編集]

8月28日札幌の芝1800mの新馬戦福永祐一鞍上でデビューし、1番人気に支持され2着に1馬身1/4差でデビュー戦を飾った。2戦目は京都の500万下の黄菊賞。1番人気に推されるも3着惜敗。しかし暮れの阪神の500万下のエリカ賞は逃げるタガノレイヨネをマークする形になりゴール前クビ差制して2勝目を飾った。

2012年(3歳)[編集]

クイーンカップ制覇[編集]

3歳の2月に、クイーンカップで初めて重賞に挑んだ。この競走では岩田康誠騎手が騎乗し、終始2番手で進んで直線の坂下で先頭に立つと、そのまま後続を抑えて重賞初制覇を果たした。

桜花賞[編集]

続いて3歳クラシック三冠の緒戦桜花賞に4番人気で出走するが、岩田騎手は桜花賞直前のチューリップ賞で4着に敗れたジェンティルドンナに騎乗することになり、ヴィルシーナには新たに内田博幸騎手が迎えられた。内田騎手はこれ以降、翌年ヴィクトリアマイルまでコンビを組むことになる。

ヴィルシーナは、スタートと同時に先行し、先頭集団の3、4番手で進んだ。最後の直線に向くとアイムユアーズと並んで抜け出し、坂下では2頭の叩き合いからわずかに先頭に立った。坂を登り切ったあたりでアイムユアーズを半馬身振り切ったが、アイムユアーズのさらに外から追い込んできたジェンティルドンナに一気に半馬身の差をつけられたところがゴールだった。

オークス[編集]

クラシック二冠目のオークスでは、3.6倍の2番人気になった。本命は世界的な大馬主H.H.シェイク・モハメドミッドサマーフェアで、ヴィルシーナとはわずかの差で人気は3.3倍だった。ジェンティルドンナが5.6倍でこれに続いていた。

ヴィルシーナは好スタートから抑えて6、7番手を先行した。最終コーナーを回った時点ではまだ中団だったが、坂の下で内のアイムユアーズやヴィルシーナなど3、4頭が並んで先頭争いになった。一番外のジェンティルドンナとヴィルシーナが優勢だったが、坂を登り切るとジェンティルドンナが一気に伸び、2番手のヴィルシーナに最終的に5馬身差で優勝した。ヴィルシーナは接戦になった2~4着争いを4分の3馬身差で抑えきって2着となった。

秋華賞[編集]

夏場を休養に充てて臨んだ秋初戦のローズステークスは、ジェンティルドンナをマークして競馬をしたが、早めに抜けだしたジェンティルドンナに一度も並ぶことなく1馬身半差の2着におわった。最内の1番枠に入った秋華賞では逆に、スタートから内田騎手が激しく押して積極的に先頭にたつ作戦をとった。

向こう正面で一気に飛び出したチェリーメドゥーサに先頭を譲ったが、チェリーメドゥーサが2番手以下を大きく離す展開になったため、2番手集団の先頭を進む形になった。チェリーメドゥーサは後続に7、8馬身の大きな差をつけたまま最後の直線に入り、残り100メートルでも大きな差があった。

一般に先頭を走る馬は最短コースを求めて内ラチギリギリを走るものだが、ヴィルシーナの内田騎手はあえて馬場の中央を走らせ、外から追い込んでくるジェンティルドンナと併せる形で追い込んだ[2]。残り数十メートルの地点で2頭がチェリーメドゥーサをかわすと、ぴったり並んだままゴールに入った。判定の結果、ハナ差で4度目の2着惜敗となった。

日本の牝馬三冠競走で全て2着となるのは史上初で、1着、2着が全て同じ馬・同じ父親(ディープインパクト)の産駒というのも史上初のことだった。

古馬との初対戦[編集]

ヴィルシーナは1か月後のエリザベス女王杯に出走した。三冠牝馬となったジェンティルドンナはジャパンカップに向かうことになり、強敵不在となったヴィルシーナは1.9倍の本命に支持された。

終始4番手を先行し、最後の直線半ばで古馬のレインボーダリアと並んで一気に追い込んだが、クビ差及ばず2着に終わった。一方、ジェンティルドンナはジャパンカップで三冠馬オルフェーヴルを破り、年度代表馬となった。

2013年(4歳)[編集]

古馬になって最初の大阪杯では、初めて牡馬のオープン馬との対戦になった。三冠馬オルフェーヴルやダービー・天皇賞の勝馬エイシンフラッシュなどに混じって4番人気となった。

ヴィルシーナは速いスタートから4番手に控えた。3コーナーから最終コーナーでペースが上がると、内田騎手はヴィルシーナに数発ムチを入れたが、上がっていくことができずに先行集団に遅れてしまった。友道調教師によると、このときオルフェーブルとエイシンフラッシュに挟まれたため、内田騎手は怪我を避けて無理に進路を取らずに手綱を抑えたと述べている。これまでの中で最も着順の悪い6着に終わったが、友道調教師によれば、休み明けで牡馬の一線級と対戦して厳しい競馬をしたことが、次の結果につながった[2]

再び牝馬だけのレースに戻ったヴィクトリアマイルでは1番人気になった。スタートで先頭に立つが、しばらく行ったところで内からアイムユアーズが進出し、内田騎手はヴィルシーナを抑えて先頭を譲って差のない2番手になった。そのまま直線を向くと、いったんは3番手となるが、残り180メートルほどから再び進出し、内のマイネイサベル、外のホエールキャプチャとの叩き合いの末、ハナ差でこれを制した。クイーンカップと同じ東京競馬場の1600メートルのレースでG1初優勝となった[3]安田記念は先行策をとったものの8着に敗れた。休み明けとなった京都大賞典は先行するも8着に敗れた。

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2011.08.28 札幌 2歳新馬 11 02.6 (1人) 1着 福永祐一 54 芝1800m(良) 1:55.2(34.6) -0.2 (ゴールデンクラウン)
0000.11.13 京都 黄菊賞 10 02.8 (1人) 3着 福永祐一 54 芝1800m(良) 1:47.6(34.6) -0.1 ブライトライン
0000.12.11 阪神 エリカ賞 10 04.7 (3人) 1着 I.メンディザバル 54 芝2000m(良) 2:04.1(34.8) -0.0 (タガノレイヨネ)
2012.02.11 東京 クイーンC GIII 16 04.7 (2人) 1着 岩田康誠 54 芝1600m(良) 1:36.6(33.6) -0.2 (イチオクノホシ)
0000.04.08 阪神 桜花賞 GI 18 10.2 (4人) 2着 内田博幸 55 芝1600m(良) 1:34.7(35.1) -0.1 ジェンティルドンナ
0000.05.20 東京 優駿牝馬 GI 18 03.6 (2人) 2着 内田博幸 55 芝2400m(良) 2:24.4(35.3) -0.8 ジェンティルドンナ
0000.09.16 阪神 ローズS GII 10 03.8 (2人) 2着 内田博幸 54 芝1800m(良) 1:47.0(33.2) -0.2 ジェンティルドンナ
0000.10.14 京都 秋華賞 GI 18 06.1 (2人) 2着 内田博幸 55 芝2000m(良) 2:00.4(33.9) -0.0 ジェンティルドンナ
0000.11.11 京都 エリザベス女王杯 GI 16 01.9 (1人) 2着 内田博幸 54 芝2200m(重) 2:16.3(36.1) -0.0 レインボーダリア
2013.03.31 阪神 大阪杯 GII 14 10.6 (4人) 6着 内田博幸 54 芝2000m(良) 1:59.8(34.2) -0.8 オルフェーヴル
0000.05.12 東京 ヴィクトリアマイル GI 18 03.1 (1人) 1着 内田博幸 55 芝1600m(良) 1:32.4(34.0) -0.0 ホエールキャプチャ
0000.06.02 東京 安田記念 GI 18 020.0 (7人) 8着 C.ウィリアムズ 56 芝1600m(良) 1:32.0(34.3) -0.5 ロードカナロア
0000.10.06 東京 京都大賞典 GII 13 021.7 (3人) 8着 岩田康誠 55 芝2400m(良) 2:23.5(35.1) -0.6 ヒットザターゲット
0000.11.10 京都 エリザベス女王杯 GI 18 03.3 (1人) 10着 岩田康誠 56 芝2200m(重) 2:17.2(34.6) -0.6 メイショウマンボ
  • 競走成績は2013年11月10日現在

血統表[編集]

ヴィルシーナ血統サンデーサイレンス系Northern Dancer 5×4×5=12.50%、Halo 21.88% 3x4x5、Natalma 6.25% 5x5)

ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*ウインドインハーヘア
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

ハルーワスウィート
2001 栗毛
Machiavellian
1987 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Coup de Folie Halo
Raise the Standard
*ハルーワソング
Halwa Song 
1996 栗毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Morn of Song Blushing Groom
Glorious Song F-No.12-c

出典[編集]

  1. ^ 【クイーンC】ヴィルシーナ、重賞初V”. デイリースポーツonline. 2012年2月12日閲覧。
  2. ^ a b c d 『週刊競馬ブック』2013年6月1・2日号(第51巻22号)、ケイバブック・刊、「藤村和彦のインタビューROOM・友道康夫調教師」
  3. ^ 5度目の正直!ヴィルシーナが待望のGI制覇/ヴィクトリアマイル”. netkeiba.com. 2013年5月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]