国鉄タム7000形貨車
国鉄タム7000形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 安宅産業→伊藤忠商事 |
製造所 | 新潟鐵工所 |
製造年 | 1959年(昭和34年) |
製造数 | 2両 |
消滅 | 1992年(平成4年) |
常備駅 | 田端駅→田端操駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | プロピレングリコール |
化成品分類番号 | 93 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,300 mm |
全幅 | 2,530 mm |
全高 | 3,742 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 14.7 m3 |
自重 | 11.2 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.2 |
走り装置 | 二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 4,000 mm |
最高速度 | 75 km/h |
国鉄タム7000形貨車(こくてつタム7000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
本形式と同一の専用種別であるタキ11600形についても本項目で解説する。
タム7000形
[編集]タム7000形は、プロピレングリコール専用の15t 積タンク車として1959年(昭和34年)8月1日に2両(タム7000, タム7001)が新潟鐵工所にて製作された。
本形式の他にプロピレングリコールを専用種別とする形式にはタキ11600形(後記)の1形式のみが存在した。
落成時の所有者は、安宅産業でありその常備駅は東京都の田端駅であった。1977年(昭和52年)10月1日に伊藤忠商事へ名義変更された。
タンク体は普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製で内部にステンレス鋼板が内張りされていた。積荷は吸湿性の強い特性を持っているため、除湿装置をタンク体上部に装備した。荷役方式はタンク上部にある液入管からの上入れ、吐出管からの下出し式である。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「93」(有害性物質、可燃性のもの)が標記された。
車体色は黒色、寸法関係は全長は7,300mm、全幅は2,530mm、全高は3,742mm、軸距は4,000mm、実容積は14.7m3、自重は11.2t、換算両数は積車2.6、空車1.2であり、走り装置は二段リンク式、車軸は12t長軸であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時に車籍がJR貨物に継承されたが、1992年(平成4年)9月に2両とも廃車となり同時に形式消滅となったが、現車は1989年頃に姿を消している。
タキ11600形
[編集]国鉄タキ11600形貨車 | |
---|---|
タキ11600形、コタキ11600 1992年4月4日、三島駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 安宅産業→伊藤忠商事→日本陸運産業 |
製造所 | 新潟鐵工所 |
製造年 | 1968年(昭和43年) |
製造数 | 1両 |
消滅 | 2003年(平成15年) |
常備駅 | 須賀駅→王子駅→越中島駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀色(ステンレス地色) |
専用種別 | プロピレングリコール→エチレングリコール |
化成品分類番号 | 93 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 11,600 mm |
全幅 | 2,476 mm |
全高 | 3,824 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼 |
荷重 | 35 t |
実容積 | 33.9 m3 |
自重 | 15.3 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 7,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
タキ11600形は、プロピレングリコール専用の35t 積タンク車として1968年(昭和43年)7月3日に1両(コタキ11600)のみが新潟鐵工所にて製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
落成時の所有者は、安宅産業でありその常備駅は東京都の須賀駅であったが、1977年(昭和52年)10月1日に伊藤忠商事へ名義変更された。さらに1981年(昭和56年)10月26日に日本陸運産業へ名義変更され、同時に常備駅が越中島駅へ移動している。
タンク体はステンレス鋼製のドーム無しタイプであり、積荷は吸湿性の強い特性を持っているため、乾燥筒(除湿装置)をタンク体上部に装備した。荷役方式はタンク上部にある液入管からの上入れ、吐出管からの下出し式である。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「93」(有害性物質、可燃性のもの)が標記された。
1987年(昭和62年)4月に専用種別がエチレングリコールへと変更になり乾燥筒が撤去された。
車体色はステンレス地色であったが後に銀色塗装された。寸法関係は全長は11,600mm、全幅は2,476mm、全高は3,824mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は33.9m3、自重は15.3t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に継承されたが、2003年(平成15年)度に廃車となり同時に形式消滅となったが、現車は2001年頃に姿を消している。
末期は神栖駅構内に留置され休車状態が続いていた。
参考文献
[編集]- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)