鉄道博物館 (さいたま市)
鉄道博物館 The Railway Museum | |
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施設情報 | |
愛称 | 鉄博 |
前身 | 交通博物館(財団法人交通文化振興財団が運営) |
専門分野 | 鉄道 |
管理運営 | 財団法人東日本鉄道文化財団 |
延床面積 | 約28,200m² |
開館 | 2007年10月14日 |
所在地 |
〒330-0852 埼玉県さいたま市大宮区大成町三丁目47番 |
位置 | 北緯35度55分14秒 東経139度37分6秒 / 北緯35.92056度 東経139.61833度座標: 北緯35度55分14秒 東経139度37分6秒 / 北緯35.92056度 東経139.61833度 |
プロジェクト:GLAM |
鉄道博物館(てつどうはくぶつかん、英語: The Railway Museum)は埼玉県さいたま市大宮区大成町にある鉄道に関する博物館である。
東日本旅客鉄道(JR東日本)の創立20周年記念事業のメインプロジェクトとして2006年5月14日に閉館した交通博物館に替わる施設として、2007年10月14日の鉄道の日に開館した。財団法人東日本鉄道文化財団が運営している。愛称は鉄博(てっぱく)。
概要
鉄道博物館のコンセプトは次に掲げる通りである。
- 日本と世界の鉄道に関する遺産と資料を広く人々に公開し、かつ旧日本国有鉄道の改革および東日本旅客鉄道に関する資料を保存し調査研究を行う。
- 鉄道システムの変遷を鉄道車両などの実物展示を中心に各々の時代背景を交えながら産業史として公開する。
- 鉄道の原理・仕組みと最新の鉄道技術、将来の鉄道技術を子供たちに模型やシミュレーション、遊具を使いながら体験的に学習できる。
また車両展示スペースの線路は京都府京都市の梅小路蒸気機関車館と同様に実際の営業線(大宮総合車両センターを含む)とも結ばれており、車両の入れ替えなどが可能なように設計されている。
なお当館が建設された場所は車両解体場(浦和電車区大成派出)の跡地で、それ以前は非電化時代の川越線の気動車の留置線であった。
沿革
- 2004年(平成16年)2月16日 - JR東日本が万世橋前の交通博物館をさいたま市へ移転し、「鉄道博物館」として開館することを発表する。
- 2005年(平成17年)11月10日 - 起工式。
- 2006年(平成18年)5月14日 - 交通博物館が閉館。以後順次展示物の移送を行う。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 4月29日 - 敷地を南側に拡張して「てっぱくひろば」オープン。同時に諸施設のリニューアルを実施。
- 2012年(平成24年)
館内
1階
ヒストリーゾーン
鉄道創世期から現在までの各時代の鉄道車両の実物が8つのテーマごとに展示されている。先述のようにこのゾーンは外部からの引込み線が接続されており、実際に稼動するターンテーブルを中心に車両が配置される。展示車両の一部は駅のホームを模したデッキ等でアプローチすることが可能である。また、方向幕がある車両の一部は表示が変わることがある(例として「東京」「立川」)。展示車両は次に掲げる通りである。
日本の鉄道の黎明期 ~明治期~
- 150号蒸気機関車(1号機関車) - 鉄道記念物、国指定重要文化財(旧交通博物館展示車両)
- 1292号蒸気機関車「善光」 - 鉄道記念物(旧交通博物館展示車両)
- 7101号蒸気機関車「弁慶」 - 鉄道記念物(旧交通博物館展示車両)
- 開拓使号客車(コトク5010) - 鉄道記念物(旧交通博物館展示車両)
- 明治期の客車(レプリカ) - (旧交通博物館展示車両)
全国に広がる鉄道網 ~大正期~
- デ968号電車/ハニフ1号客車 - 松本電気鉄道(現在のアルピコ交通)より受贈
- ナデ6141号電車 - 鉄道記念物
- キハ41307号気動車 - 趣味団体「キハ048保存会」より受贈
- 9856号蒸気機関車 - (旧交通博物館展示車両)
- ED40 10号直流電気機関車 - 準鉄道記念物
- ED17 1号直流電気機関車
- 展示終了
特急列車の誕生と通勤輸送の始まり ~戦前・戦後~
- C51 5号蒸気機関車(御料車の歴史に展示)-青梅鉄道公園展示車両
- C57 135号蒸気機関車(旧交通博物館展示車両・転車台上に展示)
- マイテ39 11号客車
- オハ31 26号客車 - 津軽鉄道より受贈
- クモハ40074号直流電車
大量輸送と電化時代 ~昭和30年代~
- EF58 89号直流電気機関車
- ナハネフ22 1号B寝台緩急客車
- クモハ101-902号直流電車(隣の台車装置はこの車両の乗務員室からでも運転できるが、一般利用者の乗務員室への立ち入りはできない)
- クハ181-45号直流電車
全国に広がる特急網 ~昭和40年代~
- クモハ455-1号交直流電車
- クハ481-26号交直流電車
- モハ484-61号交直流電車
- ED75 775号交流電気機関車 - 「エルム」、「あけぼの」のヘッドマークが掲出されている。
新幹線の誕生
- 21-2号新幹線電車 - 西日本旅客鉄道〈JR西日本〉より受贈。JR西日本社員研修センターにて保存されていた。専用の展示棟で展示されている。2009年10月21日より公開開始
- 21-25号新幹線電車 - 旧交通博物館展示車両。ヒストリーゾーン唯一のカットモデル。
- 222-35号新幹線電車
鉄道による貨物輸送
- DD13 1号ディーゼル機関車
- EF66 11号直流電気機関車 - 日本貨物鉄道〈JR貨物〉より受贈
- コキ50000号コンテナ貨車 - 同上
- レムフ10000号冷蔵緩急貨車 - 同上
御料車の歴史
- 1号御料車(初代) - 鉄道記念物、重要文化財(旧交通博物館展示車両)
- 2号御料車(初代) - 鉄道記念物(旧交通博物館展示車両)
- 7号御料車 - 鉄道記念物
- 9号御料車 - 鉄道記念物
- 10号御料車 - 鉄道記念物
- 12号御料車 - 鉄道記念物
運転シミュレータ
鉄道車両の運転を精密に再現したシミュレータを体験できる。蒸気機関車D51形、新幹線200系、山手線205系、京浜東北線209系、高崎線211系の5種類が設置されている。D51形以外のシミュレータはすべて、交通博物館から移設されたものである。
このうちD51形のシミュレータは日本初の蒸気機関車シミュレータであり、蒸気機関士を体験することができる。 『Train Simulator』の製作元である音楽館によって釜石線花巻 - 新花巻、岩手二日町 - 遠野、新花巻 - 土沢間で撮影された映像を使用している。また実車同様に揺れが発生したり上級者モードでは石炭をくべる作業も加わり、機関助士の投炭による感覚がそのまま体験できる。ATS装置も作動させることが可能である。他のシミュレータは無料・予約不要である。
開館前の計画では、SLシミュレータの予約にはインフォメーションの近くや館内各所にある予約機を利用する予定だった。しかし開館直後からの混雑のためシステムを使用せず、しばらくの間は配布する整理券をもらった人が体験できる方式となっていたが、2008年4月9日よりシミュレータホール近くの予約機による予約制に戻された。予約は10時と11時45分の2回でそれぞれ午前、午後の好きな時間帯を選択できるようになった。利用料金は500円で、体験前にSLの係員に渡す。なお、中学生以上のみが運転可能。 2011年12月23日より「花巻駅-新花巻駅(初級区間)」の運転再開時からの予約方法は再び整理券配布式に戻され、かつ開館(10:00)より1日分(27名)が配布される[1]。
運行できる区間は以下の通り。
- 花巻駅 - 新花巻駅 (難易度★) (開館当初から)
- 岩手二日町駅 - 遠野駅(難易度★★) (2008年3月1日から)
- 新花巻駅 - 土沢駅 (難易度★★★★)(2010年9月1日から。難易度が極めて高い)
この他、JRでの機関士訓練用として花巻駅 - 遠野駅を全区間通しで運転するプログラムもあるが、一般で運転できるのは上記の区間のみである。 運転設定は、D51形が旧形客車5両を牽引するものである。
2009年4月29日に209系と211系のシミュレータはコンピュータグラフィックスの映像から実写映像へリニューアルされた。209系は京浜東北線大宮 - 田端間、211系は高崎線大宮 - 籠原間が体験できる。この実写リニューアルはD51形と同様の音楽館が担当した[2]。
205系シミュレータは山手線の内回り(映像は1987年1月にクモヤ143形の特別列車により収録)が体験できる。205系と200系の製作は三菱プレシジョンが担当している[3]。
メンテナンスによりしばらくD51シミュレータは運休していたが、2011年12月23日より「花巻駅-新花巻駅(難易度★)」のみだが使用が再開された[4]。さらに、2012年2月8日からは「岩手二日町駅-遠野駅(難易度★★)」の体験が再開され[5]、同年3月17日には「新花巻駅 - 土沢駅(難易度★★★★)」も運転再開された[6]。
その他の施設・展示物
- プロムナード
- メインエントランス付近の入館料無料の展示スペースで、明治期の鉄道車両の輪軸と昭和期の車輪の実物や、ラーニングホールの「駅構内ラボ」に展示されている103系クハ103-713が使用したTR212形台車の分解展示や、側壁にD51 426号機のカットモデル(旧交通博物館展示車両)が展示されている。また、床のタイルの一部は東北新幹線の成長(2002年の八戸開業まで)を時刻表で表現している。屋根のオブジェも東北新幹線の開業時のダイヤグラムをモチーフとしている。側壁の一部にレンガで組まれたアーチがあるがこれは交通博物館があった旧万世橋駅付近の高架橋をモチーフとしており、交通博物館の後継施設であることを象徴している。
- ラーニングホール
- 「駅構内ラボ」、「車両工場ラボ」、「デザインラボ」、「ミニ運転列車運転指令室」の4種類があり、鉄道業務の体験学習ができる。また駅構内ラボ(駅名は「てっぱく」)にはかつて横浜線・京葉線で使われていた103系クハ103-713のカットボディが、自動改札機も旧式のJR型のものが置かれている。
- ノースギャラリー
- 現在は工事中で入ることができない。子供向けの鉄道に関する絵本などを置いた「てっぱく図書室」として2012年7月21日にオープン予定。
図書室の座席には実際に使用されていた鉄道車両座席が採用され、旅行中の車内で本を読んでいるような体験ができる。 ノースウィングにあった売店は閉店した。
- ミニ運転列車
- 屋外のパークゾーンにあり、1周約230mの軌道で長さ約2.4m・幅約1.2mの3人乗りミニ列車(205系埼京線・武蔵野線・209系京浜東北線・E231系湘南新宿ライン・251系「スーパービュー踊り子」・253系「成田エクスプレス」・E257系「あずさ」「かいじ」)で運転体験ができる。車両には自動列車制御装置 (ATC) や自動列車停止装置 (ATS) を備え鉄道運転システムの安全性や正確性を学習することができ、隣接する運転指令室ではモニターを見ながら運行システムを理解することができる。外周はATC、内周はATS-P型によって制御されている。軌道上には4か所の駅があり、万世橋・汐留・飯田町・両国橋とかつて実在していた駅名が使用されている。専用機械による事前予約制で、体験するためには10時もしくは12時の段階で希望の時間帯を予約しておく必要がある。利用料金は200円。
- ミニシャトル列車
- ノースウイングの「博物館北駅」と本館の「博物館中央駅」を結ぶミニ列車。E2系(「はやて」仕様)の形をした車両で運行されている。利用料金は無料。
- フレンドリートレイン
- 予約団体客向けの休憩スペースとして、屋外に455系モハ454-4およびクハ455-2が置かれている。なお、予約団体客がいない場合は個人の利用も可能となっている。
- 動態保存庫
- 動態保存車両として、キハ11形気動車(キハ10系気動車)(キハ11 25・元 茨城交通 キハ112)が保存されている(ヒストリーゾーンの「4.大量輸送と電化時代 ~昭和30年代~」の保存車両である)。
- 鉄博ホール
- ノースウイングにある。通常時は当館が収蔵する映像・ビデオなどを上映するためのスペースで、特別な企画・催事などがあった場合にも使用する。180名を収容することができる。
- ランチトレイン
- 特急形車両を用いた休憩スペースおよび飲食スペースとして、建物の南側屋外に2008年8月1日より設置された。ヒストリーゾーン南側屋外に183系クハ183-1009、クハ183-1020および189系モハ189-31、モハ188-31の計4両が置かれている。車両にはそれぞれ妻面に階段が設置され乗車できる。なお、これにともなってクハ481-26・モハ484-61、クモハ455-1での飲食が禁止された。設置当初は館内から南に延びる形で、4本の線路にそれぞれ1両ずつ置かれていたが、「てっぱくひろば(下記)」設置に伴う用地捻出のため、先頭車+中間車の2両ひと組で西側の2本の線路にまとめられ、東側2本の線路は撤去されている。この「てっぱくひろば」設置により、ランチトレインの外観も楽しめるようになった。先頭車のヘッドマークは「あずさ」「さざなみ」である。
- てっぱくひろば
- ランチトレインの南側の旧資材置き場に、2011年4月29日より設置された子供向け広場。「子供と一緒にお弁当を食べられる広場がほしい」という声にこたえて、芝生が敷かれた公園になっている。幼児が遊ぶために東北新幹線E5系「はやぶさ」を模したすべり台「E5系スライダー」、京浜東北線E233系を模したジャングルジム、新幹線先頭車を模した一人乗りスプリング遊具がおかれているほか、イベント用にミニ鉄道のレールが敷設されている。また、大宮総合車両センターと館内を繋ぐ線路を利用して、現役車両の出張展示も行う(オープン初日の展示は大宮総合車両センター所属のEF58-93「青大将色」と東鉄工業の軌陸車)。
この他、1階にはミュージアムショップ(博物館グッズを中心に販売)やレストラン「日本食堂」(日本レストランエンタプライズが運営。同社の旧社名から命名)、流政之作の彫刻「ぽっぽや」がある。
2階
- 鉄道歴史年表
- 日本の鉄道史を中心にした長さ約75mの年表があるほか、1階のヒストリーゾーンを一望できる。年表の掲示スペースは2014年分まである。
- 模型鉄道ジオラマ
- 横幅約25m・奥行約8m・面積約200m²の地形模型上に鉄道模型HOゲージ(縮尺 : 在来線80分の1・新幹線87分の1)を敷設した。軌道総延長約1,400mで最大20編成の車両走行が可能である。保有車両数は約600両。鉄道をテーマとしたHOゲージとしては日本最大級である。日本の鉄道の特徴的なシーンを再現し種々の鉄道施設、車両を一望することができる。スタッフが解説しつつ運転する15分間程度の観覧プログラムを1日に4 - 6回実施する(2012年以降、日によっては10分に短縮したプログラムを随時実施する)。15分版・10分版ともに、照明の調整によって時間帯毎の演出を行って1日の様子を再現し、観覧プログラム内では本物の発車メロディが流れる。なお観覧プログラムは先着制だが、利用料金は無料である。後述するキッズスペースにもジオラマが見える窓があり、そこから見ることもできる。
- スペシャルギャラリー
- 企画展示が行われるスペース。
- コレクションギャラリー
- 鉄道博物館が収集した資料の一部を展示するスペース。
- ラーニングホール
- 鉄道の原理や安全・安定輸送システムを実物の部品を用いた装置などを使い、体験学習ができる。
- ライブラリー
- 鉄道に関する図書・雑誌や時刻表が閲覧できる。利用時間は土・日曜日・祝日・振替休日の10 - 17時までである。なお、貸し出しや複写はできない。
- 運転士体験教室
- コレクションギャラリーの南側を改装し、2010年4月24日にオープンした体験展示。
- 小学5年生以上(保護者同伴ならば小学1年生 - 4年生も体験可能)の25名の定員制で、利用料金は直前払いの500円。E233系3000番台を基に、教師のインタープリタの講習を受けながら皆で一緒に運転士体験をする。10:00から受付が開始され、定員になり次第、受付終了となる。
- オープン当初は初級のみの体験だったが、2010年6月2日からは『中級』、2010年7月1日からは『上級』が開始された。コースは以下の3種類。
- 初級 : 基本走行(発車・停車)体験
- 中級 : 信号と速度制限体験
- 上級 : 定時運転体験
- モデル線区は高崎線 大宮→籠原間。1階シミュレータホール内D51形、209系、211系と同様に音楽館が制作を担当した。上級講座の最後にある修了試験で満点を出すと、「優良修了証カード」と「鉄道博物館ロゴ入り特製白手袋」が授与される。こちらも「上級」講座開始直後(2010年8月31日まで)は600点満点中560点で合格、という扱いだった。
- 上級講座の最後の修了試験では、高崎線の特別快速高崎行き3610E列車の大宮~宮原(通過)~上尾間を運転する。最後の評価では、制限区間で制限速度を遵守していたか、信号の速度制限を遵守していたか、停止位置目標との誤差、基本ブレーキ操作の「一段制動三段緩め」がきちんとできていたか、「増しブレーキ」の回数、所定運転時間との誤差、どれだけ経済的な運転ができていたか、などが評価される。そして、得点と共にその回の講座での25人中の順位も発表される。
この他、2階にはミュージアムショップ(書籍・玩具・DVDを中心に販売)やレストラン「TD」(TDとは食堂車を意味する記号。運営はエムエフエス(旧:森永フードサービス))、さいたま市出身の銅版画家山本容子作のステンドグラス『過ぎゆくもの』、キッズスペースがある。
3階
- ラーニングホール
- 鉄道車両の動力やブレーキの仕組みを実物の部品を用いた装置などを使い、体験学習ができる。
- ビューデッキ
- 走行中の新幹線を観察することができる休憩スペース。
R階(屋上)
利用案内
入館料金
- 大人
- 個人 1,000円 / 団体 800円
- 小児(小・中学生・高校生)
- 個人 500円 / 団体 400円
- 幼児(3歳 - 未就学児)
- 個人 200円 / 団体 100円
- 障害者手帳所持者は当人と付添者1名まで団体と同料金
交通博物館の料金(大人・個人310円)と単純に金額だけを比較した場合、高くなっている。なお当館の会員組織「Teppa倶楽部(てっぱクラブ)」に入会すると1年間の入館フリーパスが与えられるため、3回以上の来館で年間大人3,000円、小中高生1,500円、幼児600円の会費の元が取れる。また交通博物館時代には株主向けの無料入場券が配布されていたが当館では配布がされていない。
交通博物館時代から引き続き、前売り入館券が2007年9月1日から11月30日までJR東日本のみどりの窓口とびゅうプラザで販売されたが、同館時代とは違って2007年12月28日までの日付指定制となり、前売りによる割引は行われなかった。ただし特典として館内のレストランで使用できるソフトドリンクの無料引き換え券が付いていたため、実質的に上記の通常料金を団体料金に割り引いた形となっていた。前売り入館券の利用日変更や払い戻しはできなかった。
開館時間及び休館日
Suica入館システム
交通博物館時代は自動券売機で入館料金を現金で支払うことにより紙製の入館券が出て来てそれを受付に提示する(みどりの窓口で購入した前売り入館券はそのまま)だけで入館が可能だったが、当館ではそれと大きく異なり、ICカードによる入館システムが採用されている。
- 入館に際しては来館者が所持するSuicaなどが使用できるようになっており(一枚に付き一人)、入館口には入・退館ゲート(Suica対応ビル入・退館用のゲートシステム)が設置されている。具体的な入館方法はSuica電子マネーを利用した電子チケット方式を採用している。このため、電子マネー非対応のSuicaは使用できない。
- 履歴印字でのコード表記は「物販」である。
- 入口にある電子チケット自動販売機で電子的に登録し、決済する。Suicaのチャージ残額を使って購入するため、残額が入館料金に満たない場合は全額現金決済となる。またはチャージ(読み取り機がSuicaを上に乗せるタイプであるためモバイルSuicaでも可能。なお、電子マネー非対応のSuicaはチャージ不可)してから購入する。購入すると入館情報が記録され、エントランスの入・退館ゲートを通して入館する。当日に限り途中退場も (Suica・PASMO・ICOCA・Kitaca) 可能である。
- SL運転シミュレータとミニ運転列車は、専用予約機で所定の料金を支払い予約情報を記録する方式である。
しかし混雑のため、開館からしばらくの間は整理券制としたためにシステムを利用していなかったが、2008年4月9日より利用を開始した。 なお、両体験展示ともに2011年12月27日現在は体験展示予約機を使用せず、係員による整理券配布式(開館と同時に1日分の配布が始まる)となっている。 模型鉄道ジオラマの観覧プログラムも同様に専用予約機で予約情報を記録する方式だったが、先着制となっている。
- レストランやミュージアムショップでもSuica(およびSuicaショッピングサービスで電子マネー相互利用可能なPASMO・ICOCA・Kitaca・TOICA・SUGOCA・nimoca・はやかけん)が利用できる。また、館内にはSuica電子マネー対応の自動販売機がある。
- Suicaなどを所持していない来館者は、入口にある貸し出し用の入館カードを借りる(料金区分によって色が違う。団体・Teppa倶楽部会員も含めて5色ある)。そのため、当館には紙製の入場券が存在しない(Suicaなどで入場する者に対しては入場券などは渡されない)。なお、退館時には来館記念の紙製カードが手渡される(交通博物館時代は入館時に手渡された)。なおTeppa倶楽部の会員は会員証を提示するだけでは入館する事は出来ず、入口で会員用の貸し出し入館カードに引き換えてから入館する。この時に係員が会員証を預かり、退館時に入館カードと引き替えに会員証が返却される。
交通手段
- 鉄道
- 埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)鉄道博物館(大成)駅から徒歩1分
- ニューシャトルの利用を促す看板がJR改札口に設けられている。
- 隣接地に従来から存在した大成駅が、当館開館と同時に鉄道博物館(大成)駅に改称したが、「(大成)」の部分を省略して案内している。
- 東武鉄道野田線北大宮駅から徒歩16分(約1.3km)
- 埼玉新都市交通伊奈線の鉄道博物館(大成)駅からは混雑が予想されるため、東武鉄道では北大宮駅の利用を呼び掛けている。ただし、北大宮駅周辺の道路が細くてわかりにくいのが難点である。
- バス
- 大宮駅西口から東武バスウエスト大成三丁目停留所から徒歩
- 大宮駅西口行きには大成三丁目停留所が無いため、計量検定所前停留所または大成小学校前停留所へ徒歩
- 大宮駅東口から東武バスウエスト赤芝・大宮中央総合病院入口停留所から徒歩
- 宮原駅西口・東口、日進駅北口 、土呂駅西口からさいたま市コミュニティバス北区役所線・鉄道博物館南停留所から徒歩(平日のみ運行)
- 徒歩
- 大宮駅西口から23分(約1.8km)
- 大宮駅から徒歩で行く場合にはニューシャトル駅横の出口(高層ビルJACK大宮への連絡口)が最寄り出口であり大宮総合車両センター、日本貨物鉄道(JR貨物)大宮車両所の敷地沿いの道路(工機部前通り)を直進して新幹線の高架を右手に見ながら北方向に歩くいていく。また、ニューシャトルのりば近くに徒歩での案内パンフレットが置かれている。
- 自動車
- 首都高速埼玉新都心線新都心西出入口から約4km
- 駐車場設置(普通車291台)
- 駐車料金
- 一般車 : 500円/日
- 大型バス : 2,000円/日
- バイク並びに自転車は無料
- 駐車料金の決済手段は現金のみである。
会員サービス
メールマガジン
2006年10月3日に創刊し、開館までの1年間で毎月2回配信された。第25号をもって終了し既に会員の受付も終了したので、現在は「Teppa倶楽部」発行のものに移行している。
Teppa倶楽部
前述のメールマガジンを受け継いだ会員組織で、名称は当博物館の愛称である「鉄博」と「クラブ」を合成した造語。募集開始当初はウェブサイト限定で先行受付を行ったが、開館後は郵送による受付も開始した。現在は窓口でのみ入会を受け付けている。 一般(大人)3,000円、小中高生1,500円、幼児600円の年会費を支払って入会すると、様々な特典が付いて来る。
- 1年間の入館無料(入館方法はSuica入館システムの節の通り)
- メールマガジンの発行
- 鉄道雑誌の年間購読や鉄道模型の割引購入
- 会員限定イベントの開催(2008年度から)
- 会員証の発行(開館当初は会員個人の顔写真入りだったが、2008年10月14日より顔写真なし)
シンボルマーク
- 人、物を運び、文化を飛躍的に向上させて来た鉄道車両が共有する「車輪」をシンボルにした。
- 駅間をつなぐ路線を象徴にした。
- 3個の環は鉄道博物館の3つのコンセプト「鉄道」「歴史」「教育」を表す。
- 当博物館が進化、走行し続ける運動体であることを表現する。
- このシンボルマークのデザインは、グラフィックデザイナーの廣村正彰が製作した。
大宮大成鉄道村
当館の北側(約700m、徒歩10分)には、開館4日前の2007年10月10日にスーパー銭湯の「大宮大成鉄道村(おおみやおおなりてつどうむら)」がオープンした。鉄道博物館の案内パンフレットにも紹介されている。
JR東日本の関連企業のジェイアール東日本都市開発が運営している。2002年に開業したスーパー銭湯『極楽湯』(運営者は同じ、温泉ではない)を当館開館に合わせて一旦閉店としたうえで、宿泊棟(ブルートレインの寝台車をモチーフ)を増築するなど大改装する形で新規開業した(浴場部分は従来のまま)。レストラン中央部には大ジオラマが置かれたり、当館レストランと同じく線路側に向いたカウンター席もある。
国道17号と工機部前通りとの「大成橋南側」交差点すぐで、蒸気機関車とブルートレイン風にかたどられた建物が目印である。
その他
- 開館のきっかけのひとつとして元大宮市議会議員の久保島文雄らが中心となり、旧大宮市時代から鉄道記念施設の誘致を進めていたことがある。誘致のためにさいたま市は約25億円の基金を積み上げており、これを建設費の一部に充当して実現した。
- 当館自体が実際の車両工場に隣接しているため大宮総合車両センターと一体化したイベントを行うことも考えられており、保存車両だけではなく検査入場した現役車両が一時的に展示される可能性もある。また当館敷地に沿って大宮総合車両センターの検査線があるため、入場試運転車両の見学が間近で可能。
- 京葉線で運用されていたケヨ302編成の先頭車だったクハ103-713(2005年11月22日廃車)は一旦大宮総合車両センターに留置された後、車体を半分に切断した上で2007年5月19日に当館内に搬入され館内のラーニングゾーン1Fで原理・仕組みや技術、安全・安定輸送システムを学ぶために使用されている。
- 開館日の10月14日にはJR東日本はSuica(1万1千枚限定)を、埼玉新都市交通は硬券と定規のセットを開館記念として発売した。
- 2009年8月29日現在、ナデ6110については車内公開が再開されマイテ39 11については車内公開が開始された。なお、ナハネフ22 1は開館当初は車内公開されていたが、公開が中止されている。
- 2009年5月1日に初めての公式DVDが発売された。
- 2011年3月5日に、東北新幹線「はやぶさ号」デビューに伴い、この日に限り動態復元に向けて最後の仕上げを迎えていた蒸気機関車C61 20を、ミニシャトル併設の車両展示線にて10:00 - 13:00の間に一般公開した。車両展示線を使ったイベントは、博物館が開館してから初めてである。なお、ミニシャトルは当日の開館から14:00までの間は運休となっている。
脚注
- ^ 鉄道博物館HPの2011年12月16日発表および2012年2月8日発表の記事より
- ^ 『「209系電車シミュレータ」「211系電車シミュレータ」リニューアルのお知らせ』音楽館ニューリリース (PDF)
- ^ 『鉄道博物館 電車運転シミュレータ』 三菱プレシジョン製品情報
- ^ 鉄道博物館HPの2011年12月16日発表の記事より
- ^ 鉄道博物館HPの2012年2月8日発表の記事より
- ^ 鉄道博物館HPの2012年3月27日発表の記事より