浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ、略称:SPM,Suspended Particulate Matter)は、大気中に浮遊している粒子状物質(PM)のことである。代表的な「大気汚染物質」のひとつ。
目次 |
[編集] 概要
日本の環境基準の測定の対象になるものの定義としては、粒径10μm以下のものとされている。 発生源は工場のばい煙、自動車排気ガスなどの人の活動に伴うもののほか、自然界由来(海塩の飛散、火山、森林火災など)のものがある。
また、粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する二次生成粒子がある。
粒径により呼吸器系の各部位へ沈着し人の健康に影響を及ぼす。年平均100mg/m³になると呼吸器への影響、全死亡率の上昇などがみられることなどが知られている。このためSPMの環境基準は、1時間値の1日平均値が0.10mg/m³以下、1時間値が0.20mg/m³以下、と定められている。
高度成長期以降、度重なる規制強化がなされたが、著しいモータリゼーション(特にトラック輸送による物流の比率の相対的増加や乗用車のRV化などが大きな原因となったといえよう。)に規制が追いつかず、バブル期までは、悪化の一途をたどってきた。2003年10月1日から、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県のディーゼル車規制条例により排出ガス基準を満たさないディーゼル車の走行規制が始まった。これらの規制強化により、近年は、改善傾向にはあるものの、都市部の幹線道路沿いなどではまだ環境基準の達成率は低い。
[編集] 微小粒子状物質
浮遊粒子状物質のなかで、粒径2.5μm以下の小さなものを微小粒子状物質(PM2.5)と呼んでいる。 微小粒子状物質は粒径がより小さくなることから、肺の奥深くまで入りやすく健康への影響も大きいと考えられている。
日本においては、欧米における対策に比べ長らく規制が遅れていたが、東京大気汚染公害訴訟における和解において対策に言及されたことを受け、中央環境審議会において検討が進められた。その答申を踏まえ、年平均値15μg/m³以下かつ1日平均値35μg/m³以下とする環境基準が2009年9月9日に定められた。[1]