地球工学

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地球工学(ちきゅうこうがく、climate engineering)とは、地球という惑星の居住可能性を工学的な手法によって改善ないしは維持することを目的とした学問分野のことである。元来人類にとって居住困難、ないし不可能な天体を居住可能にするテラフォーミングと似た概念であるが、人類が現在居住している惑星(事実上、地球のみ)を対象とする点が異なる。

主に人類が自ら招いた環境破壊を修復する目的で研究されているが、効果は未知数であり、思いも寄らない深刻な気候変動を引き起こす可能性があるため、いずれの手法も実用化の目処は立っていない。但し、学問として確立する以前から人類は経験や体験等から様々な手法で土地改良や改造等を多岐に渡って行っており、それらもまた地球工学の一種と云えるのかも知れない。

地球温暖化対策としての地球工学[編集]

  • 太陽光遮蔽技術。宇宙空間の静止衛星軌道や、ラグランジュ点などにスクリーンや、金属片などを多数打ち上げ、地球に向かう太陽光の数%を遮断する技術のこと。
  • 成層圏硫黄酸化物などのエアロゾルを散布し、地球に降り注ぐ太陽光を遮断する。火山灰による温度低下日傘効果)を人工的に引き起こす技術である。パウル・クルッツェンが提案。
  • 植物プランクトンが乏しい海域(HNLC海域)に鉄分を散布して植物プランクトンの生育を促し、光合成によって二酸化炭素固定する技術。
  • 地殻や二酸化炭素貯留。例えば、現在でも油田での石油採掘に地殻に二酸化炭素を吹き込むことにより油圧を維持・上昇させる技術がある。それを二酸化炭素の貯留という目的に利用しようという技術である。
  • 海底への二酸化炭素貯留。高圧の海底付近に二酸化炭素を低温で吹き込むと、液体状の二酸化炭素を海底に長期に保管することができる。
  • 氷雪の太陽光のミラー効果を応用し、地表を鏡あるいは白い布などで大規模で覆う技術。全ての建物を白く塗るだけでも効果があると言われている。
    • カリフォルニア州では条例によって、商業建物は反射率の高い色で塗ることを義務付けている。また将来的には一般家庭でも同様の義務化、さらに反射効率の良い特殊コーティングの義務化、黒色の車の販売を禁止するなどの案も検討されている。
  • 商業用樹林帯等の植生の回復や里山保全運動等に代表される再緑化並びに回復技術。現在は再緑化そのものより、緑化に必要な活動に関する作業や機械の簡略化や省電力化等がメインとなっている。本来ならば天然の森に見られる様な多様性を持つ森林の回復技術が望まれるのだが、現在は主に生活に即した商業的利用が可能な木々の再育成や土質の回復が主題であり、植物の多様性は2の次にしなければならないというジレンマを持つが故、その効果に懐柔的な意見や開発コストの回収等といった問題点も多い。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Nature ダイジェスト2007年7月号 pp14-19
  • Newton 2007年10月号