モデル駆動工学
モデル駆動工学(もでるくどうこうがく、Model-Driven Engineering、MDE)とは、アルゴリズム的な概念よりもドメインモデルの作成と利用を中心とするソフトウェア開発方法論の一種。ドメインモデルとは、特定の適応領域についての知識や活動を抽象化して表現したものである。
工学的ライフサイクルを通してモデルをシステム的に利用する工学手法を意味する。モデル駆動工学の適用範囲は、ソフトウェア、システム、データ工学などである。モデル工学ではモデルを第一に考える。
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概要 [編集]
MDEは、標準化されたモデルを再利用することでシステム間の互換性を最大化して生産性を向上させ、適応領域で頻出するデザインパターンのモデルを使って設計工程を単純化し、適応領域における用語や「ベストプラクティス」を標準化することでシステムに関わる個人やチーム間での意思疎通を促進することを目指している。
その領域に精通しているユーザーから見てモデルが意味をなし、それらモデルをシステム実装の基盤として利用できるなら、MDEのモデリング方法論は効果的といえる。モデルの開発には、管理者、設計者、ユーザーの十分な話し合いが必要である。モデルが完成すれば、ソフトウェアやシステムの開発が可能となる。
MDEを推進している有名な組織・団体として以下がある。
- Object Management Group (OMG) はモデル駆動型アーキテクチャ (MDA) を推進している。なおMDAはOMGの登録商標である[1]。
- Eclipse(Eclipse Foundation)
歴史 [編集]
MDEをサポートした最初のツールとしては、1980年代に開発された Computer Aided Software Engineering (CASE) ツールがある。CASEツールを開発した初期の企業として Integrated Development Environments (IDE)、Higher Order Software(後の Hamilton Technologies, Inc., HTI)、Cadre Technologies、Bachman Information Systems、Logic Works などがある。HTIの製品を除いて、CASEツールはMDA/MDEと同じ問題を抱えていた。すなわち、モデルとアプリケーションが同期できなくなる問題である。
アメリカ政府は、モデリングを定義するためIDEF規格の策定に関与した。モデリング定義には様々なもの(Booch法、OMT、OOSE、ハレルの状態遷移図、など)があったが、最終的にそれらを統合した統一モデリング言語 (UML) が生まれた。ラショナルはUMLを実装した Rational Rose という製品を開発し、高い抽象レベルでのソフトウェア開発自動化への道を拓いた。抽象化によってモデルが単純化され、問題領域により集中して設計が可能となる。実行可能な意味論と組み合わせることで、自動化レベルを高めることになった。Object Management Group (OMG) はモデル駆動型アーキテクチャ (MDA) と呼ばれる標準規格群を開発し、この手法の基礎を築いた。
Douglas Schdmidt によると、モデル駆動工学技術は、プラットフォームの複雑性に対応しつつ適用領域の概念を効率的に表現する能力が欠けている第三世代言語の問題への対処法として有望である[2]。
ツール [編集]
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脚注 [編集]
- ^ Object Management Group (2006年5月24日). “OMG Trademarks”. 2008年2月26日閲覧。
- ^ Schmidt, D.C. (February 2006). “Model-Driven Engineering”. IEEE Computer 39 (2) 2006年5月16日閲覧。., "A promising approach to address platform complexity—and the inability of third-generation languages to alleviate this complexity and express domain concepts effectively—is to develop Model-Driven Engineering (MDE) technologies..."
参考文献 [編集]
- David S. Frankel, Model Driven Architecture: Applying MDA to Enterprise Computing, John Wiley & Sons, ISBN 0-471-31920-1
- Marco Brambilla, Jordi Cabot, Manuel Wimmer, Model Driven Software Engineering in Practice, foreword by Richard Soley (OMG Chairman), Morgan & Claypool, USA, 2012, Synthesis Lectures on Software Engineering #1. 182 pages. ISBN 9781608458820 (paperback), ISBN 9781608458837 (ebook). http://www.mdse-book.com
関連項目 [編集]
- モデル変換 - QVT
- ドメイン固有モデリング (DSM)
- ドメイン固有言語 (DSL)
- モデルベーステスト (MBT)
- ソフトウェアファクトリー (SF)
- アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント (ALM)
- Business Process Modeling Notation (BPMN)
外部リンク [編集]
- Model-Driven Architecture: Vision, Standards And Emerging Technologies at omg.org
- On the Unification Power of Models.
- Pioneering model driven development.
- Model-Driven Software Development Course, B. Tekinerdogan, Bilkent University
- Making model-based code generation work
- International School on Model-Driven Design for Distributed, Realtime, Embedded Systems (MDD4DRES)
- VisSim: A Visual Language for Model-Based Design and Embedded Development
- DPF: Diagram Predicate Framework, a formal framework for MDE
- Very Rapid Application Development with a VRAD framework
- ACM/IEEE International Conference on Model Driven Engineering Languages and Systems (Proceedings)
- European Conference on Modelling Foundations and Applications (ECMFA) (Proceedings)