Eclipse (統合開発環境)

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Eclipse
Eclipse 4.12 のスクリーンショット
開発元 Eclipse Foundation
最新版
4.31 (2024-03)[1] / 2024年3月13日 (4日前) (2024-03-13)[2]
最新評価版
4.32 (2024-06)
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS クロスプラットフォーム
対応言語 多言語
種別 統合開発環境
ライセンス Eclipse Public License
公式サイト Eclipse.org
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Eclipse(イクリプス、: Eclipse)は、コンピュータプログラミングにおいて使用される統合開発環境(IDE)である[3]。ベースとなるワークスペースと、環境をカスタマイズするための拡張可能なプラグインシステムが含まれている。Eclipseは主にJavaで書かれており、主にJavaアプリケーションの開発に使用されるが、AdaABAPCC ++C#ClojureCOBOLDErlangFortranGroovyHaskellJavaScriptJulia[4] LassoLuaNATURALPerlPHPPrologPythonRRubyRuby on Railsフレームワークを含む)、RustScalaSchemeなどのプラグインを介して他のプログラミング言語のアプリケーションを開発するために使用することもできる。また,LaTeX(TeXlipseプラグイン経由)やソフトウェアMathematicaのパッケージを使ったドキュメントの開発にも利用できる。開発環境としては,JavaやScala用のEclipse Java開発ツール(JDT),C/C++用のEclipse CDT,PHP用のEclipse PDTなどを含んでいる。

初期のコードベースはIBM VisualAgeに由来している。Java開発ツールを含むEclipseソフトウェア開発キット(SDK)は、Java開発者向けのものである。ユーザーは、他のプログラミング言語の開発ツールキットなど、Eclipseプラットフォーム用に書かれたプラグインをインストールすることで、その機能を拡張することができ、独自のプラグインモジュールを書いてコントリビュートすることができる。Eclipseのバージョン3でOSGi実装(Equinox)が導入されて以来、プラグインは動的に停止することができ、(OSGI)バンドルと呼ばれている。

Eclipse ソフトウェア開発キット (SDK)はフリーでオープンソースのソフトウェアであり、 Eclipse Public Licenseの条件に基づいてリリースされているが、 GNU General Public Licenseとは互換性がない。 [5] これは、GNU Classpathで実行される最初のIDEの1つであり、IcedTeaで問題なく実行される。

歴史[編集]

Eclipseの歴史は1990年代後半から始まる。当時の状況は、JBuilderVisualCafe英語版、そしてIBMVisualAgePFUのteikadeなど第1世代のJava開発ツールが存在している。IBMは様々なプラットフォームの製品を抱えていることから、Javaのマルチプラットフォームの可能性に注目していた。単なるVisualAgeの代替ではなく、IBMや他社のツールを統合するための共通プラットフォームの開発という基本構想の下、1998年11月にIBMカナダでプロジェクトが開始された。開発に携わったのは、VisualAgeの開発を行ったObject Technology International (OTI) 研究所である。

その後、IBMはこのプラットフォームに搭載するツールの開発のために組織の編成を行い、さらにオープンソース化することで新しい開発者の引き込みを図った。2001年11月、IBMはEclipseをオープンソース化するとともに、他の組織 (ボーランドMERANTQNX Software SystemsラショナルソフトウェアレッドハットSuSETogetherSoft英語版Webgain英語版) と共同で初期のEclipse.orgであるEclipse Board of Stewardsを設立する。公開されたEclipseはたちまちのうちに多くの開発者の興味を惹くこととなった。同年IBMはVisualAgeの後継製品として、EclipseをベースにWebSphere Studioを開発、リリースした。 また、2003年の終わりには、Eclipse Board of Stewardsの参加メンバーも80を越えている。

しかし爆発的人気の陰で、Eclipseは、IBM以外の他団体から新たなツールが提供されないという問題を抱えていた。それは、IBMがEclipseの制御権を握っているという認識によるものであった。IBM側にも「EclipseはWebSphere Studioの共通基盤であるWebSphere Studio Workbenchの一部を公開した物である」という認識が存在した。[6]Eclipseの勢いを止めないために、IBMとEclipseを切り離すことが必要とされた。2004年2月2日、Eclipse Board of Stewardsは、Eclipse組織の再構築を発表した。非営利組織Eclipse Foundationの結成と、Eclipseの全てをEclipse Foundationに移管することで、全ての団体や開発者を対等に扱うこととなった。このEclipse Foundationから、Eclipse 3.0、3.1、3.2がリリースされている。現在Eclipse Foundationは、115以上のメンバー企業、50以上のサブプロジェクトを抱えるオープンソース組織に成長している。

2006年、Eclipse Foundationは、Eclipse 3.2に10のオープンソースプロジェクトを合わせたリリースを行った。この製品は、Eclipse Callistoと呼ばれている。現在では毎年6月に同時リリース (Simultaneous Release)、その後9月と2月にそれぞれSR1とSR2 (Service Release) が行われている。同時リリースにはコードネームが付与されており、3.4まではガリレオ衛星に因んだ名が付けられていたが、3.5で予定されていたIoI/Oと誤認されるおそれがあるため、ガリレオ衛星発見者のガリレオ・ガリレイよりとった名称であるGalileoへと変更された。また、2010年リリースの3.6はHelios(ギリシア神話の太陽神であるヘーリオス)と名付けられている。なお、Galileoからは頭文字がアルファベット順となるような名称が投票で選ばれている。

Eclipse 3.8は存在するが、3.7のバグフィクス版であること、すでに4.2のリリースが決まっていたことなどからWeb上では公表されていない。

Eclipse 4.9以降はコードネームが廃止になり、3か月ごとのリリースになった。

バージョン リリース日 コードネーム 由来
1.0 2001/11/29
2.0 2002/06
2.1 2003/03
3.0 2004/06
3.1 2005/06
3.2 2006/06/30 Callisto 木星の第4衛星カリスト。ガリレオ衛星の1つ。
3.3 2007/06/29 Europa 木星の第2衛星エウロパ。ガリレオ衛星の1つ。
3.4 2008/06/25 Ganymede 木星の第3衛星ガニメデ。ガリレオ衛星の1つ。
3.5 2009/06/24 Galileo ガリレオ衛星の発見者ガリレオ・ガリレイ
3.6 2010/06/23 Helios ギリシア神話の太陽神ヘーリオス。
3.7 2011/06/22 Indigo ニュートンプリズムによって光を7色に分解できることを発見したときに紫の内側の色に付けた名前。藍色
4.2 2012/06/27 Juno ローマ神話に出てくる、女性と結婚を守護する女神ユーノーユーピテル (Jupiter) の妻であり、6月を意味する"June"の由来。
4.3 2013/06/26 Kepler ケプラーの法則」で有名なドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー
4.4 2014/06/25 Luna を意味する。
4.5 2015/06/24 Mars 火星を意味する。
4.6 2016/06/22 Neon 元素の一つ、ネオンを意味する。
4.7 2017/06/28 Oxygen 元素の一つ、酸素を意味する。
4.8 2018/06/27 Photon 光子を意味する。
4.9 2018/09/19 2018-09 (コードネーム廃止)
4.10 2018/12/19 2018-12
4.11 2019/03/20 2019-03
4.12 2019/06/19 2019-06
4.13 2019/09/18 2019-09
4.14 2019/12/18 2019-12
4.15 2020/03/18 2020-03
4.16 2020/06/17 2020-06
4.17 2020/09/16 2020-09
4.18 2020/12/16 2020-12
4.19 2021/03/17 2021-03
4.20 2021/06/16 2021-06
4.21 2021/09/15 2021-09
4.22 2021/12/08 2021-12
4.23 2022/03/16 2022-03
4.24 2022/06/15 2022-06
4.25 2022/09/14 2022-09
4.26 2022/12/07 2022-12
4.27 2023/03/15 2023-03
4.28 2023/06/14 2023-06
4.29 2023/09/13 2023-09
4.30 2023/12/06 2023-12
4.31 2024/03/13 2024-03

Eclipseの機能[編集]

Eclipseの主な機能は以下のとおり。

プラグイン[編集]

機能統合環境にプラグインとしてさまざまな機能を組み込むことができるよう設計されている。その拡張性は非常に高く、Java開発環境自体が標準添付のプラグインとして実装されているほどであり、プラグイン次第でC++PHPPerlC#D言語TeXPythonRubyJavaScriptCOBOLAspectJMathematica など多様な言語への対応が可能となっている。

プラグインはJavaで記述され、プラグイン開発環境自体もEclipseに標準で付属している。これは、Emacsがその主要機能を搭載したLISP言語で記述できることと対比できる。LISPの代わりにJavaを用いるEmacsのようなものなのだと例えられることもある。

Eclipse 3.0より、プラグインの機構にはOSGiフレームワークの実装であるEquinoxを採用している(Equinox自身もEclipse Foundationの傘下にあるサブプロジェクトである)。このため、EclipseプラグインはOSGiフレームワークに規定されているbundle形式で配布される。この機構はEclipse RCP (Rich Client Platform) においても同様である。

主なプラグインは後述する。

デバッグ・ステップ実行[編集]

EclipseにはJava Debug Interface (JDI) を用いたグラフィカルデバッガが含まれている。

バージョン管理システム連携[編集]

バージョン管理システムCVSSubversionGit等を使ってソースコード管理を行うことができる。EclipseのCVS機能はコマンドラインのCVSコマンドを呼び出すフロントエンドとして動作するのではなく、自前のコードで直接CVSサーバと通信する(ssh、pserverの両方が利用可能)。

JUnit連携[編集]

Javaソースコードから、JUnitテストコードの自動生成、テスト実行を行うことができる。Eclipse 3.2からは、Java SE 5のアノテーションに対応したJUnit 4を使うことが可能になった。

Ant連携[編集]

ビルドシステムAntと連携できる。Antは、Unix系のコマンドmakeを置き換えるプログラムで、Makefileに相当する各ソースコードの依存関係をXMLにより記述する。Antは、Javaで書かれており、ウェブサーバで知られるApache Software Foundationプロジェクトで開発されている。EclipseはAntをデフォルトで同梱している。

リファクタリング[編集]

getter, setterメソッドの自動生成や、try-catchの自動追加、java.util.ResourceBundleによる文字列の外部化、クラス名・メソッド名・変数名の変更(それを参照している部分も自動的に書き換わる)、メソッドの移動や抽出などをウィザード形式で行ってくれる。

コード編集支援[編集]

クラス名・メソッド名・変数名の補完や、自動整形、import文の整理・自動生成、必要なthrows節の自動追加、必要なメソッドスケルトンの自動生成などさまざまな編集支援機能を持つ。

Eclipse Compiler for Java (ECJ)[編集]

JavaDevelopmentToolsに使用されているEclipse独自のJavaコンパイラ。 この為EclipseはJDKが無くてもJavaファイルのコンパイルが可能である。

SWT[編集]

Eclipseは他のJavaで記述されたIDE(JBuilderSun ONE Studioなど)と比べて動作があきらかに軽快である。この軽快さはGUIツールキットにJava標準のSwingやAWT (Abstract Window Toolkit) を使用せず、Eclipse独自のGUIツールキットであるSWT (Standard Widget Toolkit) を採用していることで得られている。

SWTの位置づけはSwingではなくAWTに対応するが、AWTとSWTの違いは、AWTがオペレーティングシステム (OS) あるいはウィンドウシステムレベルの描画操作をネイティブメソッド群というレイヤ(つまりCあるいはC++で書かれたJNIメソッドのDLL・共有ライブラリエントリ)で抽象化し、それをさらにJavaのAPIで覆い、インタフェースが二重に重ねられているのに比べ、SWTではネイティブのウィンドウシステムのAPIとJNIメソッドがほぼ一対一に対応するように定義されており、JNIの層が量的・質的に非常に薄い、ということである。

言い換えると、ネイティブのウィンドウシステムのAPIレイヤと、JavaのGUIツールキットクラスライブラリとしてのレイヤの間のセマンティックギャップを埋めるのに、AWTではCコードとJavaコードの両方を使用するのに対して、SWTではCの部分が僅少でありJavaコードが実質的に主体である。

AWTにおいて、下位層のウィンドウシステムのAPIをOSを越えて共通のものにみせかけるための、DLLのエントリとして定義されるインターフェース層は、積極的な存在意義が無く、見通しを悪くしており、2回のセマンティクス変換が効率を悪くする可能性があり、柔軟性にかけ、拡張性に劣る。またJNIを使ったCコードというのは単なるCコードよりもはるかに可読性が悪く、デバッグも難しく、開発効率は極めて低い。

SWTではこのセマンティックギャップ吸収、つまりネイティブレベルの機能とJava APIの間の機能マッピングロジックが見通しよくJavaのみで記述されている。またAWTではソースの無いDLL中のエラーは基本的にデバッグ不能であるが、SWTでは生じた問題をネイティブAPIを呼び出す等価なCコードに書き換えることができ、問題の切り分けが容易である。

SWTはEclipseとは独立して、単独でJavaアプリケーションから利用することもできる。

JFace[編集]

SWTの利用時において、生産性を上げるために、JFaceというクラスライブラリがある。Model View Controllerのプログラミングスタイルを支援する。SWTよりも、より抽象化されたデータの取り扱いを可能にする。JFace自体はPure Javaである。

主なプラグイン[編集]

WTP (Web Tools Platform)
TomcatJakarta EEなどのウェブ系開発に必要なものが一通りそろっているEclipse.orgで開発されているプラグイン。
JavaScriptHTMLCSSXMLJSPのエディタ、データベースエクスプローラー、サーバエクスプローラーも内蔵。
将来、Ajax開発環境も取り込まれる予定。Lombozプラグインが原型。
VE (Visual Editor)
EclipseでAWT/Swing/SWTのGUI開発ができるEclipse.orgから出ているプラグイン。開発は止まっている。
Tomcatプラグイン
Java ServletJSPコンテナであるTomcatと連携できる。Sysdeoプラグイン、LombozプラグインなどによってもTomcatと連携することができる。
JBoss IDE
Java Jakarta EEアプリケーションサーバのJBossとの連携ができる。
UMLプラグイン
UMLユースケース図クラス図シーケンス図コラボレーション図配置図などを編集、およびクラス図などからJavaコードの生成・双方向編集 (MDA)、リバースエンジニアリングなどを行うことができる。
プラグインとしてはOmondo (EclipseUML) プラグインなどがある。
DoJaプラグイン
iアプリのプロジェクトの作成、ビルド、エミュレータの起動を行うことができる。
AJDT (AspectJ Development Tools) プラグイン
Javaアスペクト指向プログラミング言語として拡張したAspectJによるプログラミングを行うことができる。
CDT (C/C++ Development Tooling)
C/C++の開発をできるようにするプラグイン。
DTP (Data Tools Platform)
関係データベース管理システム (RDBMS) などによるデータ中心のアプリケーション開発をサポートするプラグイン。
TPTP (Test & Performance Tools Platform)
テスト、モニタリング、トレーシング、プロファイリングなどを可能にするプラグイン。
BIRT (Business Intelligence and Reporting Tools)
レポート、帳票作成をサポートするプラグイン。
DSDP (Device Software Development Platform)
組み込みデバイスソフトウェア開発を支援するプラグイン。
STP (SOA Tools Platform)
サービス指向アーキテクチャ (Service Oriented Architecture, SOA) 開発を支援するプラグイン。
Checkstyleプラグイン
コーディングスタイルをチェックするCheckstyleをEclipseで使うことができる。
FindBugsプラグイン
Javaソースコードからバグパターンを検出するプラグイン。
Papilioプラグイン
Eclipse上でバグ管理システム (BTS) を実現したプラグイン。従来の代表的なBTS(BugzillaやScarabなど)と違い、WebサーバやDBサーバを構築する必要がない。
ByteCode Outline プラグイン
Javaソースコードを編集中にリアルタイムで、そのソースコードのバイトコードを表示するプラグイン。
m2eclipse
EclipseプロジェクトをMaven 2のプロジェクトとしても使うことができ、マウスによるMavenの実行、Mavenリポジトリからライブラリの自動ダウンロード、自動インストールを可能にするプラグイン。
Maven Repo Search プラグイン
Mavenのリポジトリを検索し、検索結果から表示されたライブラリリストからライブラリに合わせた<dependency>タグを生成し、クリップボードに貼り付けるプラグイン
EPIC Perlプラグイン
Perl開発を可能にするプラグイン。
PHPプラグイン
PHP開発を可能にするプラグイン。主なプラグインとしては、PDT (PHP Development Tools)、PHPEclipse、PHP-IDE、TruStudioなどがある。
RDT (Ruby Development Tools)
Ruby開発を可能にするプラグイン。
RadRails プラグイン
Ruby on Rails開発環境を提供するプラグイン。
PyDev
Python開発を可能にするプラグイン。
Monalipse
Eclipseで2ちゃんねるを閲覧できる2ちゃんねるブラウザプラグイン。
EclipseFP
HaskellObjective Caml開発を可能にするプラグイン。Objective Caml関連は、OCaml Development Toolsに引き継がれた(後述)。
OCaml Development Tools (ODT)
Objective Caml開発を可能にするプラグイン。
ADT (Android Development Tools) プラグイン
Googleが開発した携帯電話用プラットフォームであるAndroid用のプロジェクトの作成、ビルド、エミュレータの起動を行うためのプラグインであり、Googleから公式IDEとして認定されていたが、2015年6月に、同年末で開発・サポートを終了することが発表され[7]、実際に開発・サポートが終了した。
Google Plugin for Eclipse
Googleが開発したGoogle Web ToolkitGoogle App Engineによるウェブアプリケーションのプロジェクト作成、ローカルサーバーでの実行、Googleのインフラストラクチャへのデプロイ、などを行う。
Force.com IDE
セールスフォースの提供するクラウドプラットフォームのForce.com上で動作するForce.comアプリケーションの開発を可能にするプラグイン。2019年10月12日に廃止され、Visual Studio Code用プラグインSalesforce Extensions for Visual Studio Codeへ置き換えられた。[8]
Wolfram Workbench
ウルフラム・リサーチ社の提供する、Mathematica開発環境を提供するプラグイン。有償。
GoClipse
Go言語用のプラグイン。

日本語化[編集]

Babel
多言語化のためのEclipseのIncubationプロジェクト。
Pleiades(Eclipse プラグイン日本語化プラグイン)
AOP により動的に日本語化するプラグイン。プラグイン単体の他、複数の有用なプラグインとEclipse本体を含めた「Pleiades All in One」も配布されている。
Eclipse 日本語化言語パック(サードパーティ版)
以前は、IBMが無償で日本語パックを提供していたが、提供されなくなったためBlancoプロジェクトにより作成されている。翻訳内容は、Pleiadesの内容と同じ。

Eclipseベースの製品[編集]

プラグインによる高い拡張性と、後述するEclipse Public License (EPL) が完全なコピーレフトではなく再配布も認めている事から、生みの親であるIBMに限らず様々な企業、団体からEclipseをベースとした有償、無償の製品が公開されている。また、それらはIDEに限らない。

WebSphere Studio
VisualAge の後継製品となるIBM WebSphereブランドの統合開発環境。Eclipseに有料プラグイン製品を組み合わせた製品であり、そういった観点では上記の有償プラグイン各種と変わらない。[9]Eclipse相当の共通基盤はWebSphere Studio Workbenchと呼ぶ。現在は営業活動が終了し、Rational Application Developerに置換されている。
IBM Rational Application Developer for WebSphere Software
WebSphere Studioの後継製品。IBM Rationalブランドの統合開発環境
HCL Notes
ロータスIBMHCL Technologies英語版へと事業売却されたグループウェアミドルウェア製品。旧称 IBM Lotus Notes。IBM Lotus Notes/Domino 8以降、従来のWindowsアプリケーションであるNotes Basicと、Eclipse RCP ベースのLotus Expeditor 上に構築するNotes Standard Editionの2種が同梱されるようになった。
MyEclipse英語版
Genuitec英語版製の統合開発環境
JBuilder
ボーランドエンバカデロ・テクノロジーズ製のJava統合開発環境。IBMのVisualAgeと競合していたが、JBuilder 2007 以降は、Eclipseベースになっている。
Adobe Flash Builder
Adobe製のApache Flex統合開発環境
e² studio
ルネサスエレクトロニクス製のルネサスマイコン用統合開発環境
Aptana
EclipseベースのWebオーサリングツール。
Code Composer Studio
テキサス・インスツルメンツ製のマイコン用統合開発環境。

ライセンス[編集]

Eclipse Public License (EPL) が適用される[1]。EPLは、OSIオープンソース・コンソーシアムからオープンソースの認定を受けている。EPLはCommon Public License (CPL) から派生したライセンスである。

出典[編集]

  1. ^ Eclipse Project 4.31.0”. eclipse.org. 2024年3月17日閲覧。
  2. ^ Eclipse Project Downloads”. download.eclipse.org. 2024年3月17日閲覧。
  3. ^ IDEs vs. Build Tools: How Eclipse, IntelliJ IDEA & NetBeans users work with Maven, Ant, SBT & Gradle”. zeroturnaround.com. 2018年12月28日閲覧。
  4. ^ GitHub - JuliaComputing/JuliaDT: Julia Development Toolkit for Eclipse.”. github.com (2018年10月10日). 2018年12月28日閲覧。
  5. ^ Free Software Foundation, Inc. (2012年11月5日). “Various Licenses and Comments About Them”. 2014年4月17日閲覧。
  6. ^ 小橋 一(日本IBM株式会社証券システム部) (2003年11月10日). “ASCII.jp:WebSphere Application Server、WebSphere Studio、WebSphere Host Integration (3/3)”. ASCII.jp - TECH. KADOKAWA ASCII Research Laboratories, Inc.. 2019年11月17日閲覧。
  7. ^ グーグル、「Eclipse」での「Android」アプリ開発のサポートを2015年末で終了”. ASAHI INTERACTIVE, Inc (2015年6月30日). 2015年8月24日閲覧。
  8. ^ Force.com IDE Retired | Force.com IDE Developer Guide (Retired) | Salesforce Developers”. Salesforce Developers. Salesforce. 2019年11月17日閲覧。
  9. ^ 星 暁雄=日経BP Javaプロジェクト (2003年10月31日). “EclipseとWebSphere Studioはどう違うのか | 日経 xTECH(クロステック)”. 日経 xTECH(クロステック). Nikkei Business Publications, Inc.. 2019年11月17日閲覧。

外部リンク[編集]