GNU Hurd

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
GNU Hurd
GNU Hurd logo
HURD Live CD.png
HURD Live CD
開発元企業 / 開発者 GNUプロジェクト
トーマス・ブッシュネル英語版
ローランド・マクグラス
Marcus Brinkmann
他)
OSの系統 Unix系
開発状況 開発中
ソースモデル フリーソフトウェア
最新安定版リリース 0.5 / 2013年09月27日(10か月前) (2013-09-27
カーネル種別 マイクロカーネル
ライセンス GNU General Public License
ウェブサイト GNU Hurd

GNU Hurd(グニュー ハード)は、GNUプロジェクトによって開発中の、GNU Mach上で動作しオペレーティングシステム (OS) の機能を提供するサーバ[1]群。

Hurdは、「Hird of Unix Replacing Daemons.」の頭文字であり、さらにHirdは、「Hurd of Interfaces Representing Depth.」の頭文字である。また、「herd of gnus」(ヌーの群れ)とも掛けている。

勘違いされることが多いが、厳密な意味ではHurdはカーネルではなく、マイクロカーネルであるMachと、その上で動くサーバ群であるHurdの組合せによって一般的なカーネルのサービスを提供する。

概要[編集]

リチャード・ストールマンが提唱し、1990年から開発が始まった[2]。UNIX代替品の開発を目標とするGNUプロジェクトにとって、カーネルに相当するHurd(及びMach)の開発は最重要課題とも言えるが、その開発スピードは遅く、2011年現在でも正式版のリリースには至っていない。また、Hurdを採用したディストリビューションとして、Debianによる開発版が存在するが、これについても公式版のリリース時期は未定である。

開発の遅れにより、UNIX互換のフリーなカーネルとしては、GNUのプロジェクトによるものではないLinuxデファクトスタンダードとなっている。Linuxとの開発スピードの違いは、伽藍方式バザール方式の違いによるとも言われるが、ストールマン自身は、開発の遅れはマイクロカーネルのデバッグが予想以上に難しかったためで、Hurdに比べLinuxが早く開発できた理由はLinuxがモノリシックカーネルであることによるとし、自分の戦略的なミスであったと述べている[3]

歴史[編集]

特に断らない限りGNU自身によるドキュメントを出典とする。

1986年2月、リチャード・ストールマンがGNUの公式カーネルとしてマサチューセッツ工科大学で開発されたTRIX英語版を使用すると表明し、同年12月までにフリーソフトウェア財団(以下FSF)はTRIXの改良を開始した。

1987年〜1988年ごろ、FSFは自分でTRIXを改良するよりも、別の人の手によるカーネルを使いたいと考え始める。当時の候補としてはTRIXを改良し続けることの他にカリフォルニア大学バークレー校で開発されたspriteを使うこと、そしてカーネギーメロン大学で開発され後に公式カーネルとなるMachを使うことがあった。

1990年、Machが4.3BSDに関する部分をカーネルからユーザランドへ除出することでGNUの再配布ライセンスに適合するようになる[4]と、FSFはMachの上で動くHurdの開発を開始した。ここにMachがGNUの公式カーネルとなった。

1994年4月にブートができ、ファイルシステム、認証サーバ、initなどを動かすことに成功する。同年7月にはemacsを、11月にはgccを動かすことにも成功した。

1996年4月に、バージョン0.0(テスト版)のソースコード及びi386アーキテクチャ上で動くバイナリが公開される。

その後[いつ?]他のGNUソフトウェアと組み合わせて完全なOSとして利用できるものがリリースされ、またDebianプロジェクトによるコンパイル済みバイナリDebian GNU/Hurdも配布されている。しかし、「製品レベルのシステムと比べて期待されるようなパフォーマンスや安定性はない[5]」状態であり、現在も開発中で正規版をリリースするには至っていない。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ UNIXで言うデーモン
  2. ^ 現在ストールマン自身は開発に加わっていない
  3. ^ ed. Joshua Gay, Free Software, Free Society: Selected Essays of Richard Stallman, Boston: GNU Press, 2002.
  4. ^ 4.3BSDのライセンス問題についてはBSDを参照のこと。
  5. ^ http://www.debian.org/ports/hurd/

関連項目[編集]

外部リンク[編集]