ウェブデザイン

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ウェブデザイン: Web design)は、デザインの一種。ウェブページウェブサイトにおける視覚面(意匠・要素配置等)に対し、整理・再構築・意匠等を施すことである。グラフィックデザイン的な要素を多く含む一方で、インタラクティブな要素を持つWWW(ウェブ)の性格上、情報デザインあるいは工業デザイン的なスキルも求められる。ウェブデザインを行うデザイナーを、ウェブデザイナーと呼ぶ。2007年より、ウェブの設計技能を検定する国家資格としてウェブデザイン技能士がある。

ウェブデザインの内容は、ウェブサイト全体の情報設計、見た目を中心とするグラフィックデザインGUIの設計、ウェブアプリケーションUI設計構築など多岐に渡る。

ウェブページの例

歴史[編集]

世界最初のウェブデザイナーはティム・バーナーズ=リーであったと言える。彼はWWWを発明し、1991年に世界初のウェブサイトを立ち上げた。

CGIが発明されたことで、WWWは大きな転機を迎える。それまではウェブサイト作成者が発信した情報を閲覧者が受け取るだけであったWWWという世界に、CGIは双方向性のあるコミュニケーションをもたらした。そのことによってウェブデザインもまた大きな転機を迎えた。

また、インターネット接続環境の進歩もウェブデザインに大きな影響を与えてきた。ダイヤルアップ接続が一般的だったころには、通信料金を考慮し、画像の使用をも極力控えてデザインがなされた。インタレースGIFプログレッシブJPEGナローバンドに対応した画像ファイルフォーマットであった。動画においても比較的サイズの小さいアニメーションGIFが用いられた。しかし、ADSLFTTHなどのブロードバンドが普及してからは、ファイルサイズを気にすることなく大胆に画像や動画を使用することが可能となった。その結果、ウェブデザインの幅は更に広がった。

Flash(フラッシュ)をはじめとするリッチクライアントの登場により、リッチで高機能なウェブデザインも増えてきている。

問題[編集]

レイアウト[編集]

ウェブページは、ユーザのブラウザウィンドウによりデザイン領域を制限されている。その中でどのようにレイアウトするかがひとつの課題である。

多くのデザイナーは、ウェブページ全体を固定幅のテーブルで包むことでこの問題を解決している。これによりデザイナーはブラウザのウィンドウサイズに左右されず、イメージ通りの表示結果を得ることができる。例えば、Yahoo! JAPANのトップページは幅710pxのテーブルの中でレイアウトされている(2006年5月現在[1])。これは最低横800px×縦600pxのディスプレイで最適に表示されるようになっている。

しかし、レイアウト幅を固定することは、ユーザの選択を無視することにもなる。そこで、幅を固定しないレイアウトを用いることもある。固定しない場合、ウェブページのサイズはブラウザのウィンドウサイズに合わせて自動的に整えられる。例えば、ウィキペディアのこのページはその手法がとられている(2006年5月現在)。

デザイナーがどのレイアウトを使用すべきかは、文字の量や画像の多寡にもよるが、アクセスするユーザの利便性を考えて決めるべきである。

CSS対テーブル[編集]

HTML4ではウェブページの見た目にはCSSなどのスタイルシートを用いることを推奨している。しかし、Netscape Navigator 4.xがブラウザ市場を支配していた時代、ウェブページをレイアウトするのにデザイナーが利用した人気の手法はテーブルを用いることであった。グリッドデザインのようにページを細かくレイアウトするためには、しばしば入れ子にされた何重ものテーブルが必要とされた。

本来、テーブルはレイアウトではなく、表データのためだけに使われなければならないものだ[1]。それにも係わらずCSSが用いられなかったのは、Netscape Navigator 4.xのCSSの実装があまり良いものではなかったからである。なお、ウェブオーサリングツールによってはいまだにこの手法を用いたテンプレートを実装している。

ブラウザ戦争末期、CSSを比較的よく実装していたMicrosoft Internet Explorerが市場を支配するようになると、ウェブデザイナーはページをレイアウトする手法としてCSSを利用し始めた。

今日、大半の現代的なブラウザはCSSを最大限に実装している[2]ことや、HTML5においてテーブルを用いたレイアウトがmust notという強い言葉で禁止されたこと、昨今のユニバーサルデザインを重視する風潮を踏まえてアクセシビリティの確保やユーザビリティの向上を目指してデザインが行われるようになったことなどから、CSSを用いてレイアウトを行うことは、ウェブデザイナーの共通認識として確立されつつある。

Flash[編集]

Adobe Flashは、ブラウザによってウェブ上にダイナミックな内容と様々なメディア、インタラクティブなページを作成することができる。現在では、Flashの採用により全くHTMLを使用しないウェブサイトも多い。しかし、Flashをサポートしていないブラウザもあり、そのようなブラウザでは何も表示されないという問題がある。このため、アクセシビリティの観点からは、代替のHTMLを用意することが望ましいとされる。

Flashのファイルフォーマット私企業であるアドビシステムズ(旧マクロメディア)が策定しており、その仕様は公開されている[3]。ライセンス上、仕様書を利用してそのファイルフォーマットのインタプリタを開発することはできない[4]が、ファイルを出力するソフトウェアを実装することは誰にでも可能である。

ダイナミック・ウェブデザイン[編集]

閲覧者や時に応じたコンテンツをアクセス時に生成する方法には2種類ある。

サーバサイド[編集]

WWWサーバ側に用意した特別なソフトウェアにより、ユーザのリクエストに応じたHTMLページを自動的にその場で生成する。ソフトウェアは各種プログラミング言語により作成されることが多い。また、各種データベースを利用することも多い。

主フレームワーク
主な言語
主なデータベース
XMLをHTMLに変換することも行われる

クライアントサイド[編集]

サーバから発信した情報をクライアントサイド(ブラウザやリッチクライアント環境)が様々に解釈して動的なページを実現する。サーバからスクリプトやアプレットを含めたコンテンツを送り、クライアント側でそのスクリプトやアプレットを実行する。これによりHTMLでは表現できない装飾や動的なページが表現される。クライアント側で用いられる代表的なスクリプト言語はJavaScriptである。実行結果が実行環境に依存するため、金銭を扱う場合など僅かな間違いも許されないような場合には使用されることは少ない。また、SEOやアクセシビリティにおいて様々な問題がある。使用する場合は、代替テキストなどが推奨される。

アクセシビリティ[編集]

ウェブデザインにおいて、訪問者の誰もが正しく情報を取得できるアクセシビリティは、重要な要素である。どのようなユーザーエージェントを使う場合でも訪問者が内容を正しく取得できるようにアクセシビリティにも考慮したウェブデザインをすることはとても望ましいことである。

注意する点[編集]

  • 特定のユーザーエージェントででしか表示・読み上げできないようなコンテンツは避ける。
  • 特定のスタイルシートを適用しない場合でも記事を正しく読めるようにする。
  • 動的なコンテンツ(スクリプトやアプレットなど)が動作しない環境でも記事の内容を読めるようにする。あるいは、動的なコンテンツを使用しない。
  • 画像を表示できない環境でも内容を正しく読めるようにする。画像を使用する場合には、img要素のalt属性を指定して画像の概要を説明する。(テキストブラウザーや読み上げ式ユーザーエージェントへの配慮)
  • 前景色と背景色のコントラストを大きくする。(視覚障害や印刷した場合への配慮)
  • 言語コードを明示する。部分的に言語が異なる場合は、その部分についても言語コードを明示する。(読み上げ式ユーザーエージェントへの配慮)
  • 文字コードを明示する。
  • 機種依存文字を使用しない。

安全性[編集]

個人情報を扱うことも多くなった近年では、ウェブサイトの運営にあたってはセキュリティに注意することも重要である。個人情報を扱う場合、TLSなどで通信の暗号化や組織の実在証明を行う、ウェブアプリケーション自体のセキュリティホール(XSSなど)が存在しないようにする、ウェブサーバなどの脆弱性には正しく対応することなどが必要である。

脚注[編集]

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  1. ^ あらゆる局面に於いてテーブルを用いることが問題であると誤解し、表データのマークアップにすらテーブルを忌避するケースも散見される。もちろん、表データをテーブルとしてマークアップすることは適切である。
  2. ^ 最新のブラウザではCSSにおける大きな問題は解決されているが、過去のブラウザ(Microsoft Internet Explorer 4やNetscape Navigator 4など)ではそうではない。ユーザーは古いブラウザを使用し続けることが多いため、デザイナーは注意しておく必要がある。
  3. ^ http://www.adobe.com/licensing/developer/
  4. ^ http://www.adobe.com/licensing/developer/fileformat/faq/#item-1-8

関連項目[編集]

外部リンク[編集]