LaTeX

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LaTeX のロゴ

LaTeX (ラテック、ラテフ、レイテック、ラテックス)とは、レスリー・ランポート (Leslie Lamport) によって開発されたテキストベースの組版処理システム。電子組版ソフトウェア TeX にマクロパッケージを組み込むことによって構築されており、単体の TeX に比べ、より手軽に組版を行うことができるようになっている。

LaTeX の最大の特徴は、TeX に由来する高品質な数式の組版である。そのため、数式を多く含む理数系の論文や出版物などでは、LaTeX 形式での投稿が標準的なフォーマットとされることが多い。それ以外の分野でも使用されている[1]

変換の様式

目次

[編集] “LaTeX” の読み方

LaTeX の生みの親レスリー・ランポートは、“LaTeX” の発音について自著 LaTeX: A Document Preparation System[2] の中で、

通常、TeX がテック (teck) と発音されているので、論理的に考えればラーテック (lah-teck) やラテック (lah-teck)、レイテック (lay-teck) などが妥当なところかもしれない。しかし、言葉というものはつねに論理的とはかぎらないので、レイテックス (lay-tecks) でもかまわない。 [3]

と述べている。日本では「ラテック」あるいは「ラテフ」と呼ばれることが多い。

[編集] 成立の背景と開発者

LaTeX 以前に、“TeX” という名の数式の処理に優れる組版ソフトウェアがあり、その TeX を使ってもっと簡単に論文やレポートを作成したいという要望があった。LaTeX はその要望に応えて開発されたものであり、レスリー・ランポート (Leslie Lamport) が TeX の上にマクロパッケージを組み込むことで構築したものである。さらに LaTeX は、TeX の難解な部分の修正も行っている。例えば、累乗根分数の設定方法などである。また TeX やそれを基にした LaTeX は主に米国で作られたもので、日本の初等教育中等教育での数式の書き方とは一部異なる(等号附き不等号「≧」「≦」、近似記号「≒」、相似記号「∽」など)。そのために初等数学プリント作成マクロ emath が日本では人気がある。

[編集] 動作環境と各種バージョン

LaTeXソフトウェアは、LaTeX Project Public License (LPPL)に規定されたライセンスで提供されたフリーソフトウェアである。 現在、Mac OS XSolaris などの UNIXLinuxBSD 系 OS などの UNIX 互換 OS、そして Microsoft Windows など、多くの OS 上で利用できる。

現在使われているバージョンは LaTeX2e である。古い LaTeX 2.09 を利用している場合には、LaTeX2e への更新が推奨されている。

  • 1993年、LaTeX の新版である LaTeX2e (ラテック・ツー・イー)がリリースされた[4]
  • 1995年日本語 LaTeX2e (pLaTeX2e) がリリースされた。

なお、LaTeX2e の正式なロゴは \mathrm{L\!\!^{{}_{\scriptstyle A}} \!\!\!\!\!\;\; T\!_{\displaystyle E} \! X} \, 2_{\displaystyle \varepsilon} のように表記するが、このような組版処理による表記ができないプレーンテキスト電子メールなどの場合には “LaTeX2e” または “LaTeX 2e” と表記することになっている[5]。また、“pLaTeX2e” は株式会社アスキー登録商標であり、「ピーラテックツーイー」と読むのが正しいとされている。

[編集] 長所

例えば、Microsoft Wordワープロソフトの一つ)には、数式を多用する文章を作成しようとすると、数式の部分は画像データで挿入していくことになり、ファイルのデータ量が大きくなってしまうという欠点がある。LaTeX では、テキストベース(文字だけ)で入力するのでデータ量は非常に小さくなる。ただし、テキストを起こして PostScript で出力した場合は、Word の場合とそれほど変わらないデータ量になる。[疑問点 ]

[編集] 短所

文章の作成に複雑なコマンドの入力が必要とされるため、初心者は入力に時間がかかるということがあげられる。ただし、熟練すれば、Microsoft Word などのように機能をメニューから探す必要がなくなるので、速く入力することが可能になる。そのため、LaTeX に慣れた者にとっては、これは必ずしも短所とはならない。また EasyTeX、Kile、TeXShop、WinShell、などの TeX 用エディタや、野鳥 (YaTeX)、TeXlipse、KaTeX (花鳥)、祝鳥(のりてふ)、M's TeX Helper 2 などの TeX 用テキストエディタマクロを兼用することによって、より効率的な文章作成が可能となる。また MapleMathematica などでドキュメントを作成し、TeX 形式で出力することも可能である。

また、この短所を補うような、面倒なコマンド入力をせずに Microsoft Word の文章をそのまま TeX、もしくはその逆方向に変換する機能を搭載した製品も、サードパーティにより販売されている。

しかし、表や図を描くには数式以上の複雑なコマンドとなるので、InkscapeAdobe Illustrator などの画像編集ソフトウェア、gnuplotMathematica などのグラフ作成ソフトウェア、OpenOffice.org Calc や Microsoft Excel などの表計算ソフトなどを利用した方が効率的である。

[編集] 入力と出力の具体例

以下は LaTeX 入力の例。

\documentclass[12pt]{article}
\title{\LaTeX}
\date{}
\begin{document}
\maketitle \LaTeX{} is a document preparation system for the \TeX{} 
typesetting program. It offers programmable desktop publishing 
features and extensive facilities for automating most aspects of 
typesetting and desktop publishing, including numbering and 
cross-referencing, tables and figures, page layout, bibliographies, 
and much more. \LaTeX{} was originally written in 1984 by Leslie 
Lamport and has become the dominant method for using \TeX; few 
people write in plain \TeX{} anymore. The current version is 
\LaTeXe.
\newline
% This is a comment, it is not shown in the final output.
% The following shows a little of the typesetting power of LaTeX
\begin{eqnarray}
E &=& mc^2                              \\
m &=& \frac{m_0}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}
\end{eqnarray}
\end{document}

上記の入力が以下のような LaTeX 出力を生み出す。

LaTeX 出力

以上、Online LaTeX に掲載されている例である。

[編集] 脚注

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  1. ^ しかしながら現実には LaTeX の使用範囲が拡大しているわけではなく、今もって理数系の研究誌への投稿のフォーマットなどに留まっているのも現状である。
  2. ^ Leslie Lamport, LaTeX: A Document Preparation System, Reading, Mass.; Tokyo: Addison-Wesley, 1986, ISBN 978-0-201-15790-1
  3. ^ Leslie Lamport 『文書処理システム LaTeX』 Edgar Cooke・倉沢良一 監訳、大野俊治・小暮博道・藤浦はる美 訳、アスキー、1990年、5項、ISBN 978-4-7561-0784-8
  4. ^ 奥村晴彦『[改訂第4版] LaTeX2e 美文書作成入門』技術評論社、2007年、5項、ISBN 978-4-7741-2984-6
  5. ^ Leslie Lamport 『文書処理システム LaTeX2e』阿瀬はる美 訳、ピアソン・エデュケーション、1999年、ISBN 978-4-89471-139-6

[編集] 関連項目

ウィキブックス
ウィキブックスLaTeX関連の教科書や解説書があります。
ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク