BABOK

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ビジネスアナリシス知識体系ガイド (BABOK:A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge) は、カナダトロントに本拠を置くNPO法人 International Institute of Business Analysis (IIBA) が発行しているビジネスアナリシス(BA) のベストプラクティスを体系化した書籍の略称。「ビーエーボック」あるいは「バボック」と読む。

概要[編集]

ビジネスアナリシスとは、経営者ビジネスニーズや業務に関わるステークホルダーの課題を、調査、整理、分析、文書化、検証、調整して、解決策が満たすべき要求として取りまとめることである。

BABOKでは、要求をビジネス要求、ステークホルダ要求、ソリューション要求、移行要求の4つに分類している。以下にBABOKの章立てを示す。

第1章 はじめに

BABOKで使われる主な概念や用語を定義している。

第2章 ビジネスアナリシスの計画と監視
第3章 引き出し
第4章 要求管理とコミュニケーション
第5章 エンタープライズ・アナリシス
第6章 要求分析
第7章 ソリューションの評価と妥当性確認

2-7章では、6つの知識エリアの各タスクごとに、その目的、内容、インプット/アウトプット、要素、テクニック、ステークホルダを定義している。

第8章 基礎コンピテンシー

BAに必要なスキルや能力を定義しており、7つ目の知識エリアと位置づけられている。

第9章 テクニック

各知識エリアで利用する34のツールや手法をまとめて紹介している。この他にも各知識エリアの章のみで紹介しているテクニックが15ある。

歴史[編集]

IIBAは、2003年10月にカナダのトロントで設立され、2010年6月時点で世界で約14000人の会員がいる。初版は、2005年に1.4版として発行され、最新版は2009年に発行された2.0版である。

日本では世界初の翻訳版として2009年12月にIIBA日本支部から2.0日本語版が出版され、IIBA日本支部のWebサイトから購入できる。IIBA日本支部は、2008年12月に設立され、2010年6月時点で約200人の会員がいる。

2003.10 IIBA設立
2005.10 BABOK1.4発行
2006.06 BABOK1.6ドラフト版発行
2008.10 BABOK1.6発行
2008.12 IIBA日本支部設立
2009.03 BABOK2.0発行
2009.12 BABOK2.0日本語版発行

知識エリア[編集]

BABOKには6つの知識エリアに32のタスクがある。 各知識エリアは相互に関連するが、各タスク実行の順序や手法についてBABOKでは一切規定していない。

知識エリア タスク
ビジネスアナリシスの計画と監視
  • 要求分析プロジェクトのプロジェクトマネジメントをおこなう。

2.1 ビジネスアナリシスのアプローチ計画
2.2 ステークホルダ分析
2.3 BA活動計画
2.4 BAコミュニケーション計画
2.5 要求マネジメントプロセス計画
2.6 BAパフォーマンス管理

引き出し
  • ステークホルダの潜在的な要求を漏れなく収集する。

3.1 準備
3.2 実施
3.3 文書化
3.4 確認

要求管理とコミュニケーション
  • 収集した要求を調整して、取りまとめる。

4.1 ソリューション・スコープと要求の管理
4.2 トレーサビリティ管理
4.3 要求の再利用
4.4 要求パッケージの作成
4.5 要求コミュニケーション

エンタープライズ・アナリシス
  • 企業の現状とあるべき姿を把握して、変革の方向性を決定する。

5.1 ビジネスニーズの定義
5.2 能力差異の評価
5.3 ソリューションアプローチの決定
5.4 ソリューションスコープの決定
5.5 ビジネスケースの作成

要求分析
  • 収集した要求を分析・整理する。

6.1 要求の優先度決定
6.2 要求の構造化
6.3 要求の具体化とモデル化
6.4 前提/制約条件の確認
6.5 要求の検証
6.6 要求の妥当性確認

ソリューションの評価と妥当性確認
  • 提案されたソリューションを評価し価値に結びつける。

7.1 提案ソリューションの評価
7.2 要求への対応付け
7.3 組織準備の評価
7.4 移行要求の定義
7.5 ソリューションの妥当性確認 
7.6 ソリューション結果の評価

資格[編集]

IIBAは、ビジネスアナリシスの十分な経験(10年間で7500時間以上)と知識を有する人材をCertified Business Analysis Professional(CBAP)として認定しており、2010年6月時点において世界で約900名が認定されている。この資格を維持するためには、Continuous Development Unit(CDU)と呼ばれる学習ポイントを3年毎に60ポイント獲得する必要がある。

また、IIBAは2011年にCBAPの半分の経験でも認定されるCertification of Competency in Business Analysis(CCBA)という中間的な資格をリリースする予定である。

認定教育機関[編集]

IIBAは、CDUを発行できる教育機関を認定しており、これをEndorsed Education Provider(EEP)という。日本国内では、2010年7月時点で10社ほどのEEPがある。

参考文献[編集]

  • 2009, "A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge Version 2.0", IIBA
  • 2009年『ビジネスアナリシス知識体系ガイド』IIBA日本支部

リンク[編集]