ボイラー
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ボイラー(boiler)は、燃料を燃焼させて得た熱を水に伝え、水蒸気や温水に換える熱源機器である。日本工業規格(JIS)や学術用語集ではボイラと表記している。汽缶(きかん、元の用字は汽罐)、あるいは単に缶ともいう。主に工場、建築物等で利用される熱や水蒸気をつくることや、蒸気機関車等の動力源として、古くから利用されており、現在でも火力発電所や原子力発電所などの発電設備ならびに大型船舶では、蒸気タービンと並んで主要な設備である。
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[編集] 水の流れ
- 水処理装置で硬度分を除去し、給水ポンプで圧力を上げる。水位検出器で水位が調整される。特に貫流ボイラーは純度の高い水が必要である。
- 給水予熱器で予熱を行う。
- 伝熱部で燃焼ガスと熱交換を行う。
- 汽水分離器で蒸気と液体とを分離し、蒸気は次段に送り、液体はボイラーに戻す。超臨界圧ボイラーの場合は汽水分離器はない。
- 過熱器では得られた飽和蒸気を更に加熱し、過熱蒸気とする。
[編集] 空気・排ガスの流れ
- 給気予熱器で給気の予熱を行う。
- 燃焼室へ送風機(押込通風機)で圧力を上げて供給する。
- 燃焼室で燃料と混合し燃焼・発熱させる。
- 伝熱部で燃焼ガスから水に熱を与える。
- 給水予熱器で燃焼ガスから給水に熱を与える。
- 誘引通風機でボイラーから燃焼ガスを吸い出す。(ボイラー内の燃焼圧力を大気圧とほぼ等しく保つ平衡通風の場合に、押込通風機とともに設置される)
- 排煙処理装置(電気集塵器・バグフィルタ、脱硝装置、脱硫装置など)で、煤塵、窒素酸化物、硫黄酸化物を除去し、有害物質の排出濃度を環境基準や自治体等との協定に適合させる。
- 煙突から排ガスを排出する。(排ガスを広範囲に拡散させる場合は高い煙突が設置される)
[編集] 燃料・燃え殻の流れ
- 燃料貯蔵タンク・ボンベ、貯炭場・サイロなど
- 燃料輸送管またはベルトコンベア
- 微粉炭機 : 石炭を微粉炭として燃焼する場合に必要
- バーナー : 完全燃焼により効率の向上を図るともに、二段燃焼・緩慢燃焼などにより窒素酸化物の発生を抑制する
- 灰処理装置 : 重油灰、石炭灰などを回収し、リサイクルや産廃としての処理を行う
[編集] 保安装置
高温高圧の気体・液体を封入する圧力容器であるので、各種保安装置が設置される。
- 水位検出器
- 水位が低い状態で燃焼を行うと爆発・破裂の危険がある。そのため起動時などに必ず試験が行われる。また、動作不良に備えて複数個設けられる。
- 圧力検出器
- 圧力が一定となるように制御するために使用される。
- 安全弁
- 缶の圧力が使用圧を超えた場合に蒸気を放出する。複数個設けられる。
- 炎検出器
- 失火し未燃焼ガスが缶内に充満すると爆発の恐れがあるため、炎が消えると速やかに燃料供給が停止され強制換気が行われる。係員の常駐する場合や、石炭焚き等の場合は省略される場合がある。
- 爆発戸
- 失火等により未燃焼ガスが充満し、引火・爆発した場合に内圧によって開き、人的被害や煙道等の損傷を軽減させる。
- 消防設備
- 火災報知器・ガス漏れ警報機・消火器・水噴霧消火装置
[編集] 法的規制
国内では、労働安全衛生法に基づくボイラー及び圧力容器安全規則により、設置・定期検査・取扱いが規制されている。
一定以上の伝熱面積・最高圧力のものの取扱い・保安監督は、ボイラー技士免許所持者・ボイラー取扱技能講習修了者・ボイラー取扱業務特別教育修了者が行うこととなっている。また、整備はボイラー整備士が行うこととなっている。
また、発電所に設置されるボイラーは電気事業法に基づき技術基準・設置認可・使用前検査・定期検査などが定められており、また、保安責任者としてボイラー・タービン主任技術者を選任することとなっている。
旧国鉄で蒸気機関車が現役(定期列車)として使用されていた時代は、国鉄の内規による資格者育成やボイラー検査が行われていたが、現在のJRや私鉄のイベント用蒸気機関車では、機関士に対する上記ボイラー技士免許の取得勧奨や、法に基づく定期検査が行われている。
[編集] 構造による分類
[編集] 水管ボイラー
伝熱部が水管になっているもので、循環方法により以下のように分類される。
- 貫流ボイラー
- 水を水管の一方から押し込み循環させること無く蒸気に変えるもの。水と蒸気の比重の差がない超臨界ボイラーや、急速起動が必要な小型ボイラーに用いられる。保有水量が少ないため起動性や負荷追従性に優れるが、反面、蒸気量や蒸気温度を安定させるためには水や蒸気の出入りと熱の供給をバランスさせる必要があり、高度な制御技術が必要である。また、純度の高い給水が必要である。
- 強制循環ボイラー
- 水を循環ポンプで強制的に循環させるもの。運転圧力が臨界圧に近いと水と蒸気の比重差が小さくなるため、必然的に強制循環ボイラーとなる。
- 自然循環ボイラー
- 水の温度による比重の差で循環させるもの。
[編集] 丸ボイラー
鋼鉄製の水を満たした缶を主体としたボイラー。保有水量が比較的多く、負荷の変動に強い。その反面、立ち上がりが遅く、万一爆発事故が起きれば被害は甚大である。構造上中小規模のものが多い。また、ボイラーにもよるが缶内に人が入ってスケールの除去が可能で、水管ボイラー程は給水に神経質になる必要もない。
- 煙管ボイラー
- 水缶に多数配置した煙管に燃焼室の燃焼ガスを通すことにより熱するもの。比較的掃除しにくく、構造が複雑であるが、比較的効率よく、炉の形状が自由であるので、粗悪燃料にも適応し、木屑炊きや廃熱回収ボイラーとして少数ながら新造されている。陸用としては煉瓦組みの炉を持つものが多いが、四角い箱型の炉を組み込んだものもある。代表例が蒸気機関車のボイラーである。
- 炉筒ボイラー
- 水缶内に炉筒(円筒形の燃焼室)を設けたもの。炉筒が一本の物をコルニッシュボイラーといい、二本の物をランカシャーボイラーという。構造が簡単で掃除し易く古くは普及したが、その効率の悪さから今は新造を見ない。伝熱面積と効率を稼ぐ為に、大掛かりな煉瓦組みを持つ。
- 炉筒煙管ボイラー
- 炉筒と煙管とがあるもの。丸ボイラーとしては最も効率よく据付面積も少なく、現在主流のボイラーである。古くは蒸気船用ボイラー(スコッチボイラー)として活躍したが、陸用としては通風抵抗が大きく、構造も複雑で掃除も困難であるので、給水処理装置や電動通風機や自動制御装置、重油炊きが一般的になってから普及を見た。使用蒸気圧力は10kgf/cm²程度で、大容量ビルに用いられる。
- 立ボイラー
- 縦型の水缶内に炉を設けたもの。炉を横切るように管を出したもの、煙管ボイラーの様な縦方向の煙管を持つもの、横方向に煙管を持つコックランボイラーがある。効率が低く掃除もし難いが、据付け面積が小さく、煉瓦組みも不要なので移動用や小工場用として普及した。小規模の温水暖房・給湯用、船舶補機用を除き、新造は稀である。
[編集] 鋳鉄ボイラー
鋳鉄を構造として用いたものである。鋼鉄に比べて耐食性に優れる。急速な加熱・冷却を行うと破損することがある。 暖房、給湯用として建築設備によく用いられる。
- 鋳鉄セクショナルボイラー
- セクションごとに分割しての搬入や、修理が可能である。高圧力には適さない。
[編集] 法規上の分類
- 簡易ボイラー
- 缶内圧力が100kPa以下で使われるボイラー。家庭用、業務用問わず資格者や管理者が不要。
- 小型ボイラー
- 缶内圧力が200kPa以下で使われるボイラー。家庭での使用は資格者、管理者とも不要だが業務用で使用の場合管理者を決め従業員等に安全管理等を周知させる必要がある。
- ボイラー
- 簡易ボイラー、小型ボイラーのいずれにも該当しない大型のボイラー。
[編集] 主なボイラーメーカー
- 三浦工業
- タクマ
- 日本サーモエナー 別称:NTEC、旧(タクマ汎用機械+荏原ボイラ)
- ジョンソンボイラ
- サムソン
- ヒラカワガイダム
- 羽生田鉄工所
- 前田鉄工所
- 昭和鉄工
- 川重冷熱工業
- IHI
- 三菱重工業
- バブコック日立
- カワサキプラントシステムズ
- Foster-Wheeler
- Babcock & Wilcox
- 大阪ボイラー製作所
- 巴商会
- 綜研テクニックス 綜研化学から分社 熱媒ボイラー専門
- 小片鉄工株式会社
- よしみね

