重水素
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| 重水素 | |
|---|---|
| 概要 | |
| 名称, 記号 | 2H or D |
| 中性子 | 1 |
| 陽子 | 1 |
| 核種情報 | |
| 天然存在比 | 0.015% |
| 同位体質量 | >2.01355321270 u |
| スピン角運動量 | 1+ |
| 余剰エネルギー | 13,135.720 ± 0.001 keV |
| 結合エネルギー | 2,224.573 ± 0.002 keV |
重水素(じゅうすいそ、deuterium(デューテリウム))は水素の安定同位体の1つ。元素記号は2Hで表し、略号としてDやdで表記されることも多い。例えば重水の分子式はD2Oと表記される。三重水素との区別のために二重水素と呼ばれる事もある。
目次 |
[編集] 概要
1931年にアメリカの化学者ハロルド・ユーリーが発見した(ユーリーはこの功績で1934年のノーベル化学賞を受賞した)。
水素原子の原子核が陽子1つなのに対して、重水素原子核(重陽子)は陽子1つと中性子1つから構成される。
通常の場合、地球上での水素原子と重水素原子の存在割合は、水素が99.985%、重水素が0.015%である。広義には2Hと3Hを併せて重水素と定義しているが、存在比が極く僅かで放射性同位元素である三重水素を別として、二重水素を重水素と呼ぶ場合がほとんどである。
[編集] 性質・製法
重水素原子が2つ結合した分子(D2)も重水素と呼ぶ。常温、常圧で無色無臭の気体。融点-254.5℃、沸点-249.4℃で、普通の水素分子H2の値(融点-259.2℃、沸点-252.6℃)と比べやや高い。これは重水素原子が水素原子のほぼ2倍の重さがあるためで、他の物理的性質も通常水素と異なり、また化学反応のしやすさも異なることがある(重水素効果)。例えば水を電気分解すると1H2の方が発生しやすいので重水が濃縮され、この方法で100%重水を製造することができる。なお一般に植物は軽水を吸収しやすい性質があるため、種類によっては7割近くまで重水を濃縮することが可能である。
重水素原子2個を原子核融合させると三重水素やヘリウム3が生成されると共に莫大なエネルギーが放出され(D-D反応)、恒星の初期の核融合反応がこれに当たる。核融合発電の実験や水素爆弾では、主に反応温度条件の低い重水素と三重水素の核融合反応(D-T反応)が用いられる。重水素は海水中に無尽蔵に存在するため、核融合燃料として有望視されている。
[編集] 用途
前述の核融合燃料としての利用の他、原子核反応での中性子の減速剤、化学や生物学では同位体効果の研究に使用されている。また、NMR溶媒として重水素原子で置換された溶媒(重水や重クロロホルムなど、重溶媒と呼ばれる)が用いられている。
製薬業界では、既存の薬の水素原子を重水素原子に置換することで、新薬として特許出願する手法が広がっている[1][2]。重水素効果のために反応性が低下し、代謝分解されるまでの時間が長くなるため、従来品に比べ薬効が高くなることが実際に確認された例もある[3]。しかし、進歩性、新規性に欠けるために特許化が困難な場合もある[4]。
[編集] 脚注
- ^ 特許公開2008-222724
- ^ 特許公開2007-119489
- ^ "Big interest in heavy drugs", Nature 2009. DOI: 10.1038/458269a
- ^ 特許公開2005-343904(拒絶査定)

