くろしお (列車)

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くろしお・スーパーくろしお
オーシャンアロー
381系電車で運転される「くろしお」(2002年6月10日 阪和線 山中渓駅 - 紀伊駅間)
381系電車で運転される「くろしお」
(2002年6月10日 阪和線 山中渓駅 - 紀伊駅間)
運行鉄道事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 特急列車
運転区間 京都駅新大阪駅 - 白浜駅新宮駅
経由線区 東海道本線JR京都線)・大阪環状線阪和線紀勢本線(きのくに線)
使用車両
(所属区所)
くろしお・スーパーくろしお:381系電車日根野電車区
オーシャンアロー:283系電車(日根野電車区)
運転開始日 1965年3月1日
備考 2011年3月12日現在

くろしおとは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が、京都駅新大阪駅 - 白浜駅新宮駅間で東海道本線JR京都線梅田貨物線)・大阪環状線阪和線紀勢本線(きのくに線)経由で運行している特急列車である。

なお本項では、 同一経路で運行されている「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」のほか、過去に運行されていた臨時列車とともに、京都・大阪と南紀を結ぶ優等列車の沿革についても記述する。

目次

[編集] 概要

特急「くろしお」としては、1965年3月1日天王寺駅 - 名古屋駅間を阪和線・紀勢本線・関西本線経由で運行する特急列車として運転を開始した。1978年10月2日に紀勢本線の和歌山駅 - 新宮駅間が電化されたことにより新宮駅を境に、天王寺駅 - 白浜駅・新宮駅間の「くろしお」と、名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間の「南紀」に分断された。

1989年7月22日グリーン車パノラマ型先頭車に改造した「スーパーくろしお」の運行を開始。天王寺駅構内の阪和短絡線が完成し「くろしお」「スーパーくろしお」が梅田貨物線を経由して新大阪駅・京都駅まで運転されるようになった。

「オーシャンアロー」は1996年7月31日より「スーパーくろしお・オーシャンアロー」として運転を開始し、1997年には列車名を「オーシャンアロー」へ変更している。

[編集] 名称の由来

「くろしお」ヘッドマーク

「くろしお」の名称は、日本近海を流れる「黒潮」に由来するため、この海流の沿岸であればどの地域でも採用できる列車名であった。そのため、大阪対南紀直通列車の系譜を引く紀勢本線列車以外にも日本国有鉄道(国鉄)では、四国房総半島でも使用されており、3地域で「くろしお」「黒潮」の名が同時使用され、重複するという事態が起こった。

  1. 1961年10月より四国の高松駅 - 窪川駅間を運行する急行列車黒潮」。現在の「南風」「しまんと」に相当する。
  2. 1963年10月より、房総半島で両国駅 - 安房鴨川駅間を走る準急列車くろしお」。現在の「わかしお」に相当する。

これらは1965年10月、四国の「黒潮」が「南風」に、房総の「くろしお」が「外房」にそれぞれ改称され、「くろしお」の3重複はこの時解消した。また、国鉄バスが運行した松山高知急行線の高知行きの急行バスも「くろしお」と名乗っていたが、本列車名と混同するため公募で「なんごく」と改称した。私鉄では、京成電鉄でもこの愛称を使用していたことがあったとされる(京成ダイヤ改正を参照)。

[編集] 運行概況

「くろしお」のパンダシート
「オーシャンアロー」

京阪神地区と南紀を結び、京都駅・新大阪駅 - 和歌山駅紀伊田辺駅・白浜駅・新宮駅間で運転されている。新大阪駅 - 白浜駅間では原則1時間に1本運転(ほかに定期列車としては新大阪発9時台および白浜発14時台のみ1時間2本運転)されている。2011年3月12日のダイヤ改正によって、白浜駅 - 新宮駅間へ乗り入れる列車はすべて「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」に統一された。なお、2012年3月17日ダイヤ改正より京阪神地区と南紀を結ぶ特急列車の愛称は「くろしお」に統一される予定である[1]

運行開始当初はすべて天王寺駅発着だったが、1989年7月22日以降天王寺駅始発は原則として臨時列車のみとなっていた。2010年3月13日のダイヤ改正により土曜のみ運転の天王寺駅始発「くろしお」11号が廃止され、2011年現在では臨時1往復(81・84号)以外のすべての特急が新大阪方面へ乗り入れ運転している。なお、東海道山陽新幹線からの乗り継ぎで、天王寺駅発着の列車には、乗継割引は適用されない。

なお、2号車(自由席)に乗車の場合の1号車(グリーン車)からの乗車はしないように案内されており、天王寺駅や和歌山駅では、1号車のドア付近に駅係員を配置している。

くろしお
新大阪駅 - 白浜駅間を中心に7往復が運転されているが、1本(29号)は夜間の通勤需要に対応した新大阪駅→紀伊田辺駅間の区間運転となる。この列車と白浜駅発の始発列車(4号)は通勤需要に対応した停車駅になっていて、もともと「はんわライナー」として運用されていたものを特急列車化したものである。
2009年7月19日から、4号車(9両編成で運転するときは7号車)の16番A・B・C・D席にパンダシートを設置している。この4席は指定席・自由席として発売されておらず、記念撮影用の座席としている[2]。パンダシートは当初2010年3月末日までの予定であったが、シート周辺の装飾を変更した上で2011年3月末日まで延長されている[3]
スーパーくろしお
1989年7月22日にはパノラマグリーン車を連結した「スーパーくろしお」が運転を開始した。こちらは6往復で基本的に新宮駅発着で運転されているが、2号は海南駅始発、6・27号は白浜駅発着となっている。2号の設定は通勤需要に対応するためであり、以前「はんわライナー」として運用されていたものを特急列車化したものである。
オーシャンアロー
1996年7月31日から「スーパーくろしお・オーシャンアロー」という名称で運転を開始した。運転開始当初から1日3往復が運転されていたが、2011年3月12日のダイヤ改正で新大阪駅 → 和歌山駅間の区間運用にも「オーシャンアロー」31号が運行され新大阪駅 - 和歌山駅間は3.5往復になっている。基本的に京都駅 - 新宮駅間を最速で結ぶ列車で、停車駅も少なく設定されているが、通勤需要に対応して和歌山駅 - 白浜駅間では全停車駅に停車する列車も1往復設定されている。新大阪駅 → 和歌山駅間の31号も通勤需要に対応した停車駅になっているが、これはもともと「はんわライナー」だった列車を当時の「スーパーくろしお」に置き換えたものである。
283系と381系の扉位置は異なることから、各停車駅の乗車位置案内も「くろしお」「スーパーくろしお」とは別に設定されている。また、和歌山支社監修の阪和線時刻表には、列車時刻の上にイルカのマークが入っていた。

[編集] 停車駅

京都駅 - 新大阪駅 - (西九条駅) - 天王寺駅 - (和泉府中駅) - (日根野駅) - (和泉砂川駅) - 和歌山駅 - (海南駅) - (箕島駅) - (藤並駅) - (湯浅駅) - 御坊駅 - (南部駅) - 紀伊田辺駅 - 白浜駅 - (椿駅) - 周参見駅 - 串本駅 - 古座駅 - (太地駅) - 紀伊勝浦駅 - 新宮駅

  • ( )は一部の列車のみ停車。
    • 西九条駅:11時台までの上りと、16時台以降の下りのみ停車。
    • 和泉府中駅:上り「くろしお」「スーパーくろしお」の一部、下り「オーシャンアロー」の一部のみ停車。
    • 和泉砂川駅:朝ラッシュ時の上りと夜間の下りのみ停車。
    • 海南駅:「くろしお」は全列車が停車。
    • 箕島駅・藤並駅・湯浅駅・南部駅:「くろしお」は上り24号をのぞく全列車が停車。
    • 椿駅:「スーパーくろしお」1往復のみ停車。

[編集] 使用車両・編成

2011年3月12日現在の編成図
くろしお・スーパーくろしお
オーシャンアロー
← 新宮・白浜・紀伊田辺
新大阪・京都 →
381系「くろしお」
1 2 3 4 5 6
G F
381系「スーパーくろしお」
1 2 3 4 5 6
PG F
283系「オーシャンアロー」
1 2 3 4 5 6
PG F
  • 全車禁煙
  • 京都駅 - 白浜駅間を9両編成で運転する場合がある。
  • 座席種別・編成は変更になる列車がある。
  • 2号・31号に女性専用席の設定はない。
凡例
G=グリーン車指定席
PG=パノラマ型グリーン車指定席
指=普通車指定席(F=女性専用席
自=普通車自由席

使用される車両はすべて日根野電車区に所属しているが、「くろしお」「スーパーくろしお」と「オーシャンアロー」で使用される車両が区別されている。

「くろしお」「スーパーくろしお」には、381系電車のリニューアル編成が使用されている。基本編成は6両で運転されているが、繁忙期には9両に増結されて運転する日もある。この場合、増結編成の7 - 9号車は全て指定席であり、中間車3両を差し込んだ増結編成をのぞいて6号車と7号車の通り抜けができない。なお、「スーパーくろしお」では中間車を差し込んだ9両編成以外の増結編成は白浜駅で増解結作業を行うため、上り列車においては対向列車待ちおよび増結作業を見込んだ余裕時間を含めて、白浜駅で7 - 9分間停車するダイヤが組まれている。これに対し、解結作業を行う列車の同駅での停車時間は2 - 3分である。この影響もあり、新大阪駅 - 新宮駅間の平均所要時間は新大阪行きの方が若干長くかかっている。

「くろしお」と「スーパーくろしお」はそれぞれ専用車両が使用されているが、その違いは実質的にパノラマ型グリーン車の連結の有無のみである。これはもともと中間車であった車両を先頭車化した改造車で、前面展望を考慮して傾斜した構造の前頭部が取付けられている。座席は2-1の3アブレスト(最後尾のみ1-1の2アブレスト)で、展望を考慮して座席の枕の部分が少し小さくなっているのが特徴である。なお、車両運用の都合でパノラマ型グリーン車を連結している編成が臨時「くろしお」の運用に就く場合もある。1998年に普通車の座席が「スーパーくろしお」編成用と同じ改良型簡易リクライニングシートへと改造された[4]。また、シートピッチを1,000mmに広げたため一部の席で側壁の冷房のダクトが支障するようになり、その部分の席は片側1人掛席になっている。

「オーシャンアロー」には専用の283系電車が使用される。基本編成に6両編成で運転されているが、繁忙期には9両編成で運転する日がある。かつて9両編成で運転される場合は、白浜駅での付属編成の増解結は行わずに全区間9両編成で運転されていたが、2011年3月のダイヤ改正後は「オーシャンアロー」も「スーパーくろしお」同様白浜駅で6 - 7分程度の長時間停車が行われることとなり、繁忙期に白浜駅での増解結を行うことが可能なダイヤに変更された。しかし、この影響で余裕時分の追加により延びた大阪方面 - 新宮駅間の所要時間がさらに延びてしまい、速達性における「スーパーくろしお」に対する優位性がほぼ失われている。天王寺駅 - 新宮駅間の最速列車は「オーシャンアロー」9号の3時間34分と、かつての最速列車(同区間を3時間18分で運転)より16分も多くかかっている。グリーン車は原則1号車でパノラマ車となっているが、車両検査などで付属編成を2本連結した6両編成で運転される場合がある。この時の6号車および、9両編成時の9号車がグリーン車となる。また、基本編成と付属編成を連結した場合、1号車と9号車の2両がグリーン車となることがある。3号車には展望ラウンジが設けられており、座席はすべて海を展望できるようになっている。

[編集] 使用開始予定の車両

2012年3月に運行開始予定の287系「くろしお」用編成

2012年3月17日のダイヤ改正から287系電車の使用が開始する予定で、同日のダイヤ改正で4往復が、同年7月までにはさらに3往復の「くろしお」が287系に置き換えられる[1][5]

[編集] 過去の使用車両

「くろしお」で運用されていたキハ81形(交通科学博物館)
キハ80系気動車
運転開始当初から使用されていたが、1978年の紀勢本線新宮電化時に381系電車に置き換えられた。先頭車はキハ82形のほか、1972年10月からはキハ81形も運用され、キハ81形は「くろしお」が最後の定期特急運用となった。
485系電車
1985年4月に、増発のため44両を[6]日根野電車区に転属させ、運用に加わった。充当列車はグリーン車なしの普通車4両編成で組成され、列車によっては白浜駅での増解結により白浜駅以北を8両、白浜駅以南を4両で運転する列車もあった。
急行格上げ列車にも充当され、急行停車駅でありながらもこの日のダイヤ改正により簡易委託駅化された椿駅や、無人化された太地駅湯川駅にも停車することとなった。また、この車両は振り子機能や低重心設計がなされていないため、カーブを高速で走れないことや、停車駅の多さもあり、格上げ前の気動車急行列車との所要時間差は天王寺駅 - 白浜駅間が平均約15分の短縮で所要時間は2時間25分前後、天王寺駅 - 新宮駅間が平均約25分の短縮で所要時間は4時間30分前後[7]と気動車特急時代の「くろしお」と同等かそれ以上の所要時間を要し、「きのくに」より1時間以上速く走る381系「くろしお」と比較して速達効果は薄いものであった。さらに1往復は串本駅 - 新宮駅間を普通列車として運行したことから、地元からは「紀伊半島の新特急」と揶揄されていた。
1986年11月1日から全列車が381系電車で運転されることになり、当時新設されたエル特急「北近畿」用に転出した。なお、この代替として、「やくも」の編成短縮によって捻出した381系が新たに転入している。

[編集] 車内チャイム

かつて、「くろしお」「スーパーくろしお」に限り、各停車駅ごとに次のような、イメージにあった車内チャイムを流していた。
現在ではテープの老朽化により全て廃止され、各駅とも電子オルゴールの音色の鉄道唱歌が流れる。

駅名 チャイム 備考・参照
京都駅 祇園小唄 祇園小唄絵日傘 舞の袖の主題歌
新大阪駅 大阪ろまん フランク永井の曲
天王寺駅 鉄道唱歌 「くろしお」オリジナルバージョン
日根野駅 (曲名不詳) くろしおオリジナルチャイム
和歌山駅 鞠と殿様 和歌山電鐵貴志川線伊太祈曽駅に入線する前と発車直後に流れるメロディとは異なる。
海南駅 おお牧場はみどり  
箕島駅 みかんの花咲く丘 海沼實の曲
湯浅駅  
御坊駅  
南部駅 梅は咲いたか  
紀伊田辺駅 牛若丸  
白浜駅 愛のオルゴール  
椿駅 お猿の駕篭屋 海沼實の曲
周参見駅 五匹の子豚とチャールストン  
串本駅 串本節  
古座駅 われは海の子  
太地駅 出船の港  
紀伊勝浦駅 いい湯だな  
新宮駅 鳩ぽっぽ  

[編集] 過去の列車

JR発足後に運転開始した列車を挙げる。

[編集] ふれあい紀州路・しらはま

1987年(昭和62年)12月 から 1988年(昭和63年)1月の「ふれあい紀州路キャンペーン」期間中、京都駅 - 白浜駅間を奈良線関西本線阪和貨物線・紀勢本線経由で運転する臨時特急列車として「ふれ愛紀州路」(ふれあいきしゅうじ)が設定された。

その後、1988年(昭和63年)3月のダイヤ改正により「しらはま」とし、おもに京都駅発は土曜日に、白浜駅発は日曜日に運転していた。途中の停車駅は、宇治駅奈良駅王寺駅八尾駅・和歌山駅・御坊駅・紀伊田辺駅。

名古屋駅 - 東和歌山駅(現在の和歌山駅)間を運行した「あすか」や2010年春季に運転された臨時特急「まほろば」とならび、奈良県内を走行する数少ない国鉄・JRの特急列車であった。

[編集] エキスポくろしお

1990年(平成2年)の国際花と緑の博覧会(花の万博)開催期間中、万博観客向けに土曜・日曜を中心に京橋駅 - 白浜駅間で1日1往復(午前が白浜駅発・午後が京橋駅発)が運転された。天王寺駅 - 京橋駅間は大阪環状線を経由し、途中大阪駅に停車した。やくも用編成が運用されたこともあった。

[編集] マリンくろしお

1993年(平成5年)から夏の海水浴シーズンに、全車指定席の臨時特急「マリンくろしお」の運転が開始された。1996年には、京都駅 - 新宮駅間で「マリンくろしお」1号・2号として、大阪駅 - 白浜駅間で「マリンくろしお」3号・4号が運転されている。また、同様の列車として、「春咲きくろしお」(冬季)が運転された。なお「春咲きくろしお」は、定期列車が全て停車する御坊駅を通過していた。

[編集] おはようくろしお

2000年(平成12年)から土・休日のみ紀伊田辺駅 - 新大阪駅間で臨時特急「おはようくろしお」が運転された。途中の停車駅は、南部駅・御坊駅・湯浅駅・箕島駅・海南駅・和歌山駅・日根野駅・天王寺駅・新大阪駅。

当初は、大阪方面への行楽客の輸送を見込んで運行を開始したが利用率が伸び悩み平日を中心に特急通勤利用者が増加したことから翌年のダイヤ改正より「おはようくろしお」の列車名を使わずに定期列車とし毎日運行することになり、2005年(平成17年)のダイヤ改正より運転区間を白浜駅 - 新大阪駅と拡大された。

[編集] ホワイトビーチエクスプレス

2005年(平成17年)の海水浴シーズンに、京橋駅 - 白浜駅間で臨時特急「ホワイトビーチエクスプレス」が運転された[8]。途中の停車駅は、大阪駅・天王寺駅・和歌山駅・海南駅・箕島駅・湯浅駅・御坊駅・南部駅・紀伊田辺駅。

白浜駅まで乗車した乗客に限りその場で浴衣が当たる三角くじを配布するなどのイベントを実施したものの、事前のPR不足もあり乗車率が予想以上に下回ったため、この年だけの運転に終わった。京橋駅から大阪駅経由で白浜駅まで乗車すると、鶴橋駅経由に比べ運賃が割高になることも響いた。

[編集] 利用状況と競合交通機関

特急と阪和線の快速列車との格差が広がっていることや、2002年から「はんわライナー」の特急列車化が行われるとともに[9]、「はんわライナー」を廃止して特急を和泉府中駅や和泉砂川駅に停車させるなどして通勤客の利用を促進させているため[10]、通勤特急としての色合いも濃くなっており、和歌山行き・紀伊田辺行き、海南始発の列車も設定されている。本列車群は南紀方面への観光特急の色合いが強いために、自由席は基本的に2両しかなく、全車両が禁煙となるまではラッシュ時を中心に特に2号車(禁煙車の自由席)に偏って激しく混雑する傾向があった。とりわけ和歌山駅行きとなる「オーシャンアロー」31号と海南駅始発の「スーパーくろしお」2号は自由席が4両、「スーパーくろしお」6号は自由席が3両に設定されている。

2002年以降、紀伊田辺駅・白浜駅 - 大阪駅間の鉄道の利用客は、毎年5%ずつ減少(5年で2割の減少に相当する)しており、2010年には週末のみ運転の列車2往復が廃止、翌2011年には新宮駅発着列車うち2往復の運転区間が短縮され白浜駅発着とされるなどの措置が取られているが、JR西日本は割引切符の発売で対抗しているものの鉄道利用客の減少に歯止めがかからない状況にある[11]。ただ、2007年については前年並の利用があったほか、2009年の阪神なんば線の開業に伴い、西九条駅から神戸阪神間方面へのアクセスが大幅に改善されたため、阪神なんば線直通の快速急行と「くろしお」を西九条で乗り継ぐことで、神戸と南紀地方との移動にも利用されるようになった。

大阪方面からは阪和自動車道の延伸が行われており、2007年11月11日には南紀田辺インターチェンジまで開通しており[12]、今後も阪和自動車道の延伸が計画されており[13]高速バスやマイカーとの競合が激しくなってきている。高速バスは、2002年から大阪梅田大阪シティエアターミナル(OCAT) - 田辺・白浜間で白浜エクスプレス大阪号明光バス西日本JRバス共同運行)、2007年9月から和歌山市 - 白浜間(明光バスと和歌山バスの共同運行)で、2011年から京都 - 白浜間で白浜ブルースカイ号(明光バスと近鉄バスの共同運行)が運行されている。

大阪市 - 和歌山市間では南海本線の特急「サザン」と競合している。南海と比較すると、一部自由席がある「サザン」は毎時2本運転されているに対し、本列車はほぼ60分間隔で運転されており、淀屋橋本町心斎橋といった大阪市の中心部やミナミ地区へは南海を利用した方が便利なこと、特急料金は南海の座席指定料金500円に比べてJRは自由席で630 - 940円である。JR西日本では、南大阪特急回数券(日根野駅・和泉府中駅向け)[14]、阪和線自由席回数特急券(和泉砂川駅・和歌山駅・海南駅向け)[15]や「はるかマイシート」[16]「くろしおマイシート」[17]などの発売や、J-WESTカード (e5489) による(新)eきっぷ・チケットレス特急券などを販売することによって値下げを行っている。

[編集] 大阪対南紀直通優等列車沿革

[編集] 戦前南紀直通快速列車「黒潮号」

  • 1933年昭和8年)
    • 11月4日:阪和天王寺駅(現在の天王寺駅) - 紀伊田辺駅間で紀南週末列車「白浜直通快速列車」が運転開始[18]
    • 12月20日:紀南週末列車「白浜直通快速列車」が「黒潮号」(くろしおごう)に改称[18]

運行当時は関西本線 - 王寺駅 - 和歌山線経由で連絡が可能であるものの、大阪 - 和歌山間を直接結ぶ鉄道を国鉄が管理しておらず、その点では私鉄による国鉄の飛び地路線への直通運転という形を採ったことや、公募による列車愛称の付与など異例な点が多いことや、南海鉄道(現在の南海電気鉄道南海本線)・阪和電気鉄道鉄道省ともにその運営事業者が互いの威信を賭け列車運行を行ったことで知られる。

[編集] 戦後の南紀直通列車の復活

  • 1948年(昭和23年)8月1日:天王寺駅・和歌山市駅 - 新宮駅間で準急「黒潮」が運転[19]
  • 1949年(昭和24年)9月15日:2010・2011列車が天王寺駅 - 新宮駅間を運行する準急列車として定期列車化。
  • 1950年(昭和25年)
    • 4月1日:天王寺駅 - 新宮駅間で「熊野」が運転開始[20]
    • 10月1日:週末準急「黒潮」が復活運転[21]
  • 1951年(昭和26年)
    • 5月7日:夜行準急列車108・7列車が普通列車になる。またこのころ、「黒潮」に南海線直通難波駅発着の編成が充当される。ただし、運行当初は南海所有の客車が存在しないため、国鉄所有車両が乗り入れることになる。
  • 1952年(昭和27年)
    • 4月5日:週末準急「はまゆう」が天王寺駅 - 白浜口駅間で運転開始[22]
    • 5月:このころから「黒潮」の難波駅発着編成に南海所有客車サハ4801形客車が使用開始。ただし、1両のみの所有であったため、多客時には国鉄所有車両を貸し出す形で運用。
  • 1953年(昭和28年)3月20日:臨時準急「南紀」(なんき)が天王寺駅 - 白浜口駅間で運転開始[22]
  • 1954年(昭和29年)10月1日:「黒潮」の天王寺駅発着1往復が増発され、準急列車化。天王寺駅 - 白浜口駅間で臨時急行「はまゆう」が運転開始[22]
  • 1955年(昭和30年)3月25日:「南紀」が定期列車化[22]
  • 1956年(昭和31年)11月19日:ダイヤ改正(1956年11月19日国鉄ダイヤ改正)に伴い、臨時準急「しらはま」が天王寺駅 - 白浜口駅間(毎日運転)で、新宮発天王寺行の準急103列車が運転開始。また、「黒潮」「熊野」が「くろしお」「くまの」のひらがな表記にする。
  • 1957年(昭和32年):「しらはま」が定期列車化[23]
  • 1958年(昭和33年)
    • 10月1日:準急103列車に「はやたま」の名称が与えられる。
    • 12月1日キハ55系気動車による全車座席指定制の準急「きのくに」が天王寺駅 - 白浜口駅間で運行開始。それに伴い、阪和線内で運転されていた料金不要の「特急電車」は「快速」に、「急行電車」「準急電車」は「直行」(現在の区間快速)に改称[24]

[編集] 紀勢本線全通後

  • 1959年(昭和34年)
    • 7月15日:紀勢本線全通に伴い、以下のように変更する[25]
      1. 「くまの」の運行区間が天王寺駅 - 名古屋駅間に延長。紀勢本線全線を通しで運行する準急列車になる。
      2. 天王寺駅 - 白浜口駅間、南海難波駅 - 白浜口駅間で臨時「第2きのくに」が1往復増発(毎日運転)。
      3. 天王寺駅 → 新宮駅間の夜行普通列車が準急列車化され「はやたま」になる。これにより「はやたま」は変則的ながらも上下1往復の体裁が整う。
    • 9月22日:「南紀」が天王寺駅 - 新宮駅間に運転区間を変更し、気動車化される[25]
    • 10月20日:「南紀」が天王寺駅 - 新宮駅間で延長運転、「第2きのくに」が定期列車化[25]
  • 1960年(昭和35年)
    • 6月1日:「はやたま」が「南紀」に編入。これにより、「南紀」は気動車昼行列車と客車列車1往復ずつの2往復になる。
    • 10月28日:臨時準急「臨時南紀」(りんじなんき)が天王寺駅 - 新宮駅間で運転開始(毎日運転)[26]
  • 1961年(昭和36年)
    • 3月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
      1. 天王寺駅 - 名古屋駅間の準急「くまの」が急行列車化され「紀州」(きしゅう)に改称。使用車両が客車から気動車に変更される[27]
      2. 「臨時南紀」が「南紀」に統一され、「南紀」は3往復になる。また、昼行列車の一部に南海線難波駅発着の編成が連結開始。
    • 10月1日:急行・準急列車が増発(天王寺駅 - 名古屋駅間:1往復、天王寺駅 - 白浜駅間:1往復、天王寺駅・和歌山市駅 - 新宮駅間:1往復)[22]
  • 1962年(昭和37年)
    • 2月1日:天王寺駅行き「南紀」2号が客車列車化。
    • 3月1日:ダイヤ改正により、以下のように変更[25]
      1. 準急「はまゆう」が京都駅(奈良線経由)・名古屋駅(関西本線経由)・天王寺駅(阪和線経由)- 白浜口駅間で運行開始。奈良駅で京都駅と名古屋駅発着編成を連結して和歌山線を経由し、東和歌山駅(現在の和歌山駅)で天王寺駅発着編成を連結する多層建て列車であった。
      2. 新宮駅 → 名古屋駅間(和歌山線・関西本線経由)で準急「はやたま」が運行開始。王寺駅 → 名古屋駅間は「かすが」と併結。
      3. 天王寺駅 - 紀伊椿駅(現在の椿駅)間で準急「きのくに」が運転開始。
    • 6月10日:「きのくに」が天王寺駅 - 紀伊椿駅間で1往復増発。
  • 1963年(昭和38年)
  • 3月16日 - 5月18日:期間中の土曜日の「第2きのくに」が、白浜口駅 - 新宮駅間で延長運転[28]
  • 10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 「はまゆう」の天王寺駅発着編成の列車が「しらはま」に変更。「はやたま」に白浜口駅→天王寺駅間の編成と併結を開始して「しらはま」になる。これにより「しらはま」は、白浜口駅行2本と天王寺駅行3本になる。
    2. 「南紀」の難波駅発着が増発。昼行の全列車が天王寺駅・難波駅 - 新宮駅間の運行になる。
    3. 「きのくに」が1往復増発され、4往復になる。

[編集] 特急「くろしお」の登場とその後の展開

  • 1965年(昭和40年)
    • 3月1日:ダイヤ改正により、次のように変更[29]
      1. 特急「くろしお」が天王寺駅 - 名古屋駅間(阪和線・紀勢本線・関西本線経由)で運転開始(1往復)。
        • 和歌山機関区に配置されたキハ80系を使用していた。当時の停車駅は天王寺駅・東和歌山駅・紀伊田辺駅・白浜駅・紀伊勝浦駅・新宮駅・熊野市駅・尾鷲駅・多気駅・松阪駅・津駅・亀山駅・四日市駅・名古屋駅。本列車運行開始時には白浜や新宮はまだ国内新婚旅行需要が大変大きく、キハ80系でも異例の1等車(現在のグリーン車)の3両連結運転も実施され、食堂車も連結していた。
      2. 特急「あすか」が東和歌山駅 - 名古屋駅間(関西本線経由)で運転開始(1往復)。
    • 11月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更[29]
      1. 白浜駅 → 天王寺駅間で「しらはま」1本が増発。
      2. 「きのくに」1本が白浜駅 → 新宮駅間で運転区間を延長。
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月5日:準急制度改変に伴い、「はまゆう」「しらはま」「南紀」「きのくに」「はやたま」が急行列車に格上げ。「くろしお」が串本駅に停車するようになる。
    • 10月1日:天王寺駅・難波駅行き「南紀」1号の始発駅が熊野市駅に変更(熊野市駅 → 新宮駅間は普通列車)。「はまゆう」が桜井線経由に変更[29]
  • 1967年(昭和42年)10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更[30]
    1. 「くろしお」の天王寺駅 - 白浜駅間と、天王寺駅 - 新宮駅間で1往復ずつ増発され、3往復になる。また「くろしお」の列車号数を下り天王寺駅行きを奇数、上り名古屋駅行きを偶数とする。
    2. 関西本線経由の特急「あすか」が廃止。
    3. 「しらはま」の1往復が廃止。「しらはま」白浜行き3本と天王寺行き2本になる。
    4. 「はやたま」が和歌山線・桜井線経由に変更。
  • 1968年(昭和43年)10月1日ヨンサントオのダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「くろしお」列車号数を上り名古屋駅行き方向偶数、下り天王寺駅方向奇数とする符番から上下列車ともに出発順に符番する方式に戻す。
    2. 季節列車として天王寺駅 - 白浜駅間と天王寺駅 - 新宮駅間で1往復ずつ増発。ただし、天王寺発白浜行の定期列車が白浜駅 - 新宮駅間を延長運転して増発。
    3. 和歌山駅を発着し紀勢本線内で完結する急行列車のうち、阪和線・南海線直通の急行列車の名称として「きのくに」の名称が与えられる。これにより、「きのくに」は定期列車では天王寺発10本、天王寺行き8本、季節列車3往復、難波駅発着は定期列車3往復、季節列車1往復になる。また「南紀」が廃止される。
    4. 奈良駅を経由して紀勢本線に発着する急行「はまゆう」「はやたま」が「しらはま」に統一。「しらはま」は京都駅・名古屋駅 - 白浜駅1往復と新宮発和歌山線経由名古屋行の1本となる。
    5. 名古屋駅 - 天王寺駅間の急行「紀州」は名古屋駅発着の紀勢本線急行列車の総称となる。また名古屋駅 - 紀伊田辺駅間、1往復増室(紀勢本線新宮以東優等列車沿革も参照)。
  • 1969年(昭和44年)10月1日:「きのくに」が天王寺駅 - 白浜駅間で臨時列車1往復増発。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:ダイヤ改正(1970年のダイヤ改正)により、「くろしお」の白浜発天王寺行が季節列車として1本増発。また、天王寺駅 - 白浜駅間運行の1往復が季節列車化。
  • 1971年(昭和46年)11月2日:臨時特急「ブルースカイ」が天王寺駅 - 紀伊勝浦駅間で運転される。
  • 1972年(昭和47年)3月15日:ダイヤ改正により、次のように変更(1972年3月15日国鉄ダイヤ改正)。
    1. 「くろしお」は白浜駅発着列車が新宮駅発着に変更し、新宮駅発着3往復、名古屋駅発着1往復の4往復になる。また天王寺方面行き始発と、新宮方面行き最終の1往復が御坊駅に停車を開始。
    2. 「しらはま」の名古屋駅・京都駅 - 白浜駅間運行の(白浜駅行)1号・(白浜駅発)2号は京都駅 - 白浜駅間運行とする。これにより、「しらはま」は新宮発名古屋行(奈良駅経由)の「しらはま」1号と京都駅 - 白浜駅間1往復(白浜駅行が1号、白浜駅発が2号)となる。
  • 1972年(昭和47年)10月2日:「きのくに」の1往復を「くろしお」に格上げ、天王寺駅 - 白浜間1往復増発。5往復体制となる。
    • 増発用車両は日本海縦貫線電化完成に伴い「いなほ」「ひたち」運用から捻出されたキハ80系でボンネット型先頭車のキハ81形も含まれていた。同車は名古屋駅発着の1往復に限定運用されキハ81形最後の使用列車となる。
  • 1973年(昭和48年)10月12日:ダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 伊勢線開業に伴い、天王寺駅 - 名古屋駅間直通の「くろしお」「紀州」は亀山駅経由から伊勢線鈴鹿駅経由に変更され、約20分の時間短縮。
    2. 「紀州」の名古屋発紀伊田辺行の1本が天王寺行きになる。なお、この列車の名古屋駅行きは紀伊田辺駅始発となり、伊勢線鈴鹿駅経由で運行。
  • 1976年(昭和51年)3月1日:「くろしお」の全列車に普通車自由席が設定される[31]

[編集] 紀勢西線電化とエル特急「くろしお」への収斂

  • 1978年(昭和53年)10月2日:紀勢本線和歌山駅 - 新宮駅間の電化完成に伴い、以下のように変更[32]
    1. 「くろしお」は新宮駅を境に以下のように系統分割。
      1. 天王寺駅 - 白浜駅・新宮駅間の381系電車によるエル特急「くろしお」。
        • 天王寺駅 - 白浜駅間2往復、天王寺駅 - 新宮駅間7往復。一部は改正前の9月下旬より従来の気動車特急「くろしお」のダイヤで先行して投入された。また、これによりキハ81形気動車の定期運用は終了。
        • 御坊駅にすべての「くろしお」が停車するようになる。
        • 2両連結されていたグリーン車は1両に削減され、食堂車が全廃。
      2. 名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間運行の気動車特急「南紀」(3往復)
    2. 急行列車については以下のように変更。
      1. 「きのくに」は天王寺駅 - 新宮駅間で下り6本・上り5本、天王寺駅 - 椿駅間で1往復、天王寺駅 - 白浜駅間で下り5本・上り6本、天王寺駅 - 紀伊田辺駅間で1往復、紀伊田辺駅 → 新宮駅間で上り1本になる。ただし、南海線乗り入れ車両が気動車のみであったことや、参宮線鳥羽駅直通列車が存在したことで気動車での運行となる。また、紀伊田辺発新宮駅行の「きのくに」2号が設定される。
      2. 「紀州」は名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間(3往復)
    3. 日本全国で在来線列車の号数を下り奇数・上り偶数とした。これにより、紀勢本線の終点となる和歌山市駅(→天王寺駅・難波駅)方向は奇数、起点となる亀山駅(→名古屋駅)方向となる列車には偶数の符番がなされた。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更(1980年10月1日国鉄ダイヤ改正
    1. 「きのくに」の3往復が廃止され、天王寺駅 - 白浜駅間に「くろしお」が3往復増発。これにより「くろしお」は10往復、「きのくに」は季節列車を含めて6往復となる。381系は2編成18両が新たに追加新製され、日根野配属となる。
      • 「きのくに」からの格上げ増発に伴い、天王寺方面行きの始発と白浜方面行きの最終「くろしお」1往復が箕島駅・湯浅駅・南部駅に停車するようになる。また、天王寺駅 - 白浜駅間を途中和歌山駅のみ停車し、1時間59分で結ぶ列車が1往復設定。
    2. 「しらはま」が廃止。新宮発名古屋行の「しらはま」1号、奈良発名古屋行を「かすが」、京都駅 - 白浜駅間運行の「しらはま」3号・2号の和歌山駅以北を「紀ノ川」(きのかわ)として分離。
  • 1982年(昭和57年)
    • 5月17日:関西本線名古屋駅 - 亀山駅間の電化により、以下のように変更する。
      1. 「くろしお」の白浜駅発着1往復が季節列車化され、定期列車としては9往復に減便。また、新宮駅発着の季節列車が白浜駅発着になる。
      2. 「きのくに」の鳥羽駅乗り入れが終了し、天王寺駅・難波駅 - 白浜駅・新宮駅・熊野市駅間および紀伊田辺発新宮行のみの運行となる。
    • 11月15日:「きのくに」の天王寺駅 - 新宮駅間運行の夜行列車を季節列車化。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:「きのくに」の夜行列車が廃止。
    • なお、この時には「きのくに」は天王寺発は3本、天王寺行き5本、難波駅発着は2往復であったが、和歌山市駅 - 和歌山駅間をのぞきほぼ「全区間架線下を走る気動車列車」となっていた。
  • 1985年(昭和60年)3月14日このときのダイヤ改正により、以下のように変更する。
    1. 急行「きのくに」が廃止され、「くろしお」として4往復増発。これにより13往復体制となる。
      1. 紀勢本線・阪和線で運行する定期急行列車は廃止。
      2.  「くろしお」に485系電車が使用開始。
    2. 急行全廃により、紀勢本線内はB特急料金適用区間となる。同時に急行のみの停車駅であった海南駅・椿駅・周参見駅・古座駅・太地駅・湯川駅・那智駅に停車開始。箕島駅・湯浅駅・南部駅についても停車時間帯が全日に拡大。
    3. 「黒潮号」以来の南海線難波駅発着列車が廃止。
    4. 381系では各駅到着前に違う車内チャイムテープ録音により放送するようになった。
  • 1986年(昭和61年)11月1日国鉄最後のダイヤ改正に伴い、「くろしお」の運行見直しが行われる。
    1. 定期列車は11往復となり、全列車が381系電車となった[33]

[編集] JR化以降の展開

「スーパーくろしお」クロ380形(1992年 京都駅)
「スーパーくろしお」クハ381形(1992年 京都駅)
  • 1987年(昭和62年)12月 - 1988年(昭和63年)1月:京都駅 - 白浜駅間で「ふれ愛紀州路」(ふれあいきしゅうじ)が運転。
  • 1988年(昭和63年)3月13日このときのダイヤ改正により、「しらはま」が運転開始。「くろしお」の新宮駅発着の季節列車が定期列車化。
  • 1989年(平成元年)
    • 3月11日:「しらはま」が廃止し、「くろしお」を白浜駅発着を1往復増発し合わせて同駅発着の季節列車3往復を定期列車化。これにより、季節列車1往復を含む16往復体制をとる。
    • 7月22日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更する。
      1. 「くろしお」のうち、4往復をグリーン車をパノラマ型に改造した車両を使用した特急「スーパーくろしお」が運行開始。
      2. 「くろしお」「スーパーくろしお」の京都駅・新大阪駅に乗り入れ開始。なお、京都駅乗り入れは「スーパーくろしお」のみであった。
      3. 車内チャイムが更新。新たに沿線案内放送も加えてテープで流すようになる。
      4. 京都駅乗り入れ開始に伴い、この日から上り・下りの方向を逆転し、白浜・新宮方面行きが「下り列車」、天王寺方面行きが「上り列車」になる。これに伴い、列車号数が新宮駅方面を奇数、京都駅・新大阪駅方向が偶数に変更。
  • 1991年(平成3年)3月16日:「くろしお」1往復が「スーパーくろしお」に変更。
  • 1993年(平成5年):京都駅 - 白浜駅・新宮駅間に臨時特急「マリンくろしお」(夏季)・「春咲きくろしお」(冬季)が運転される。
  • 1994年(平成6年)9月4日関西国際空港開港に伴い、一部列車が日根野駅に停車。
  • 1996年(平成8年)
    • 7月31日:3往復に283系電車が投入され「スーパーくろしお・オーシャンアロー」が運行開始。
    • 12月:平日に紀伊田辺発天王寺行の臨時特急「おはようくろしお」が運行開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月8日:「スーパーくろしお・オーシャンアロー」の列車名が、「オーシャンアロー」へ変更[34]。和歌山駅 - 新宮駅間の所要時間が約19分短縮。
    • 3月:「おはようくろしお」の一部が新大阪行きに変更[35]
  • 1998年(平成10年):381系がアコモ改良され塗装が変更、さらに車内チャイムと沿線案内が更新された。これによりグリーン車は全列車1号車に統一。
  • 2001年(平成13年)3月3日:「おはようくろしお」が定期列車化され、紀伊田辺駅発新大阪行きの「くろしお」になる[36]。ラッシュ時に和泉砂川駅に停車するようになる。
  • 2002年(平成14年)
  • 2004年(平成16年)10月16日:「はんわライナー」2号・7号が廃止され、和歌山駅発着の特急が運行開始[37]
  • 2005年(平成17年)
    • 3月1日:朝の和歌山駅始発の列車が、臨時で海南駅始発として延長運転される。
    • 7 - 8月:日曜日に京橋駅・大阪駅 - 白浜駅間で、臨時特急「ホワイトビーチエクスプレス」が運転される。
  • 2007年(平成19年)10月1日:「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の指定席のうち12席が女性専用指定席となる。
  • 2008年(平成20年)3月15日:「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」のうち上下計18本が新たに藤並駅に停車するようになる。
  • 2009年(平成21年)6月1日:全車禁煙となる[38]。また5月より順次、「くろしお」のそれぞれ6両編成のうち1両をパンダ車両として、2 - 4人分の座席限定でパンダ柄に改装する[2]
  • 2010年(平成22年)3月13日:ダイヤ改正により、次のように変更される[39][10]
    1.  鳳駅は全列車通過し、「くろしお」の一部列車の日根野駅停車が現行の計15本(下り8本、上り7本)から、計21本(下り11本、上り10本)になる。
    2. 「くろしお」のエル特急が解消される。
    3. 定期列車の全列車が新大阪駅または京都駅発着になる。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月12日:ダイヤ改正により次のように変更(ただし東北地方太平洋沖地震による大津波警報・津波警報の発令で紀勢本線が終日運転見合わせになったために、実施日は3月14日)[10]
      1. 「はんわライナー」が廃止される代替的な措置として「オーシャンアロー」25号が日根野駅に、夕ラッシュ時に和泉砂川駅に停車する列車が下り2本増える。
      2. 新宮駅発着列車9往復のうち2往復を白浜駅までの運転に短縮し、周参見駅 - 新宮駅間の各特急停車駅の始発の繰り下げ、最終の繰上げを実施し、終発は白浜駅で串本行き普通に接続するダイヤに変更(始発は従来より紀伊田辺駅で串本始発の普通と接続が図られていた)。
      3. 毎日運転の臨時列車として運転されていた「スーパーくろしお」2号の海南駅 - 和歌山駅間を定期列車に変更。
      4. 一部の「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」の運用が入れ替えられ、「オーシャンアロー」下り2本・上り1本が海南駅に停車し、海南駅を通過する同じ本数の「スーパーくろしお」が設定される。
      5. 「スーパーくろしお」31号が「オーシャンアロー」に変更される。
      6. すべての「スーパーくろしお」と「オーシャンアロー」が古座駅に停車するようになる。
    • 9月4日台風12号の被害により全列車運休になる[40](運転再開については、2011年台風12号の被害と運転状況の節を参照)。
  • 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正により、次のように変更される予定[1]
      1. 南紀方面の特急の列車名が「くろしお」に統一され、「オーシャンアロー」「スーパーくろしお」は廃止。
      2. 「くろしお」の4往復に287系が運用開始。
      3. すべての「くろしお」が海南駅に停車するようになる。

[編集] 2011年台風12号の被害と運転状況

2011年9月3日に日本に上陸した台風12号紀伊半島を中心に大雨をもたらし、特に本列車群が走行する白浜駅 - 新宮駅間では、那智駅 - 紀伊天満駅間の那智川橋梁が那智川の増水により一部流失[41]するなどの大きな被害が出た。

不通区間のうち、白浜駅 - 串本駅間は同年9月17日[42]、串本駅 - 紀伊勝浦駅間は同年9月26日に運転を再開した[43]が、白浜駅に留置されていた283系6両1本の床下機器が冠水して故障し、那智川橋梁が流失したため新宮駅に381系(スーパーくろしお編成)6両編成2本と283系6両1本が取り残されて車両が不足していることから、紀伊勝浦駅まで運転再開後も特急列車は当初2往復しか運転されていなかった[44]

しかし、283系は11月12日から13日にかけて[45]、381系は同月13日から14日にかけてと[46]、同月19日から20日にかけて[47]、新宮駅から伊勢鉄道伊勢線関西本線名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線東海道本線経由で京都総合運転所まで甲種輸送で搬出された[48]。この甲種輸送により車両数の不足がある程度解消できたことから、2011年11月19日から紀伊勝浦駅まで6往復運転されるようになった[49]

  • 9月7日:「オーシャンアロー」の全区間と「スーパーくろしお」の白浜駅 - 新宮間以外は運転を再開。
  • 9月17日:一部の「オーシャンアロー」と「スーパーくろしお」を次のように運転再開[50]
    1. 「スーパーくろしお」3号・13号・26号・32号は白浜駅 - 串本駅間で運転再開。
    2. 「オーシャンアロー」1号の新大阪駅 - 白浜駅間、31号の新大阪駅 - 和歌山駅間、28号の白浜駅 - 京都駅間で運転再開(381系「スーパーくろしお」編成で運転)。
  • 9月26日:「スーパーくろしお」3号・13号・26号・32号の串本駅 - 紀伊勝浦駅間で運転再開。
  • 11月19日:「オーシャンアロー」25号と「スーパーくろしお」12号の白浜駅 - 紀伊勝浦駅間以外は全列車運転再開(「オーシャンアロー」9・31・8・28号は、「くろしお」および「スーパーくろしお」編成で運転)。
  • 12月3日:紀伊勝浦駅 - 新宮駅間で運転再開し、これにより災害前の通常運転に戻る[51]

[編集] 脚注

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  1. ^ a b c 平成24年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース 2011年12月16日
  2. ^ a b 特急くろしお号にパンダシートが初登場!! - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年7月17日
  3. ^ 「白浜パンダきっぷ」の商品概要と特急「くろしお」パンダシートの詳細 (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース(別紙) 2010年3月24日
  4. ^ 「くろしお」と「スーパーくろしお」の車両の違いは、普通車においてもグレードアップ改造が行われたか否かの違いで区別されていたが、このリニューアル工事で普通車の座席が統一されている。
  5. ^ 特急〈くろしお〉に287系投入 - 鉄道ホビダス 2010年11月17日
  6. ^ 東北新幹線上越新幹線の開業で余剰となった仙台運転所・青森運転所所属車や余剰車両を改造した先頭車、南福岡電車区から捻出。
  7. ^ 「きのくに」の所要時間が約4時間40分 - 5時間25分であったのに対し485系「くろしお」の所要時間は約4時間25分 - 4時間55分。なお短縮時間のうち約5 - 10分は天王寺駅 - 和歌山駅間の速達化によるものであり、紀勢本線内に限って見れば速達効果はさらに限定されたものとなる。
  8. ^ 平成17年【夏】の臨時列車の運転 (PDF)(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2005年5月20日
  9. ^ a b 平成14年春 ダイヤ改正について I.在来線特急・急行列車(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2001年12月14日
  10. ^ a b c 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース 2010年12月17日
  11. ^ データで見るJR西日本 - 西日本旅客鉄道
  12. ^ 阪和(はんわ)自動車道(みなべインタ-チェンジ~南紀田辺(なんきたなべ)インタ-チェンジ)が平成19年11月11日(日)に開通します。 - 西日本高速道路 2007年8月10日
  13. ^ 近畿自動車道紀勢線(新直轄) - 国土交通省近畿地方整備局
  14. ^ 鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット - 南大阪自由席回数特急券【自由席回数特急券(料金)】 - 西日本旅客鉄道
  15. ^ 鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット - 阪和線自由席回数特急券【自由席回数特急券(料金)】 - 西日本旅客鉄道
  16. ^ 鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット - はるかマイシート(はるか指定席特急料金定期券) - 西日本旅客鉄道
  17. ^ 鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット - くろしおマイシート(くろしお指定席特急料金定期券) - 西日本旅客鉄道
  18. ^ a b 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.170。
  19. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.180
  20. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.182。
  21. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.185。
  22. ^ a b c d e 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.285。
  23. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局 1981年(同書では、9月21日と10月1日が混在)
  24. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.285。
  25. ^ a b c d 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.203。
  26. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.205。
  27. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.207。
  28. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.211。
  29. ^ a b c 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.286。
  30. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.219。
  31. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.237。
  32. ^ 『天王寺鉄道管理局三十年写真史』天王寺鉄道管理局、1981年、p.287。
  33. ^ 新設のエル特急「北近畿」用に485系電車が転出し、「やくも」の編成短縮によって捻出した381系(18両)が485系の代替として転入した。
  34. ^ 平成9年3月ダイヤ改正インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 1996年12月6日
  35. ^ 平成9年《春》の臨時列車の運転について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1997年1月20日
  36. ^ 平成13年3月 ダイヤ改正について I. 在来線特急・急行(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2000年12月8日
  37. ^ 平成16年秋のダイヤ改正(別紙) (PDF)(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年7月23日
  38. ^ 受動喫煙防止の取り組みについて : JR西日本 - 西日本旅客鉄道
  39. ^ 平成22年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月18日
  40. ^ JR紀勢線、白浜・新宮駅間で橋梁の流出など大きな被害 - 和歌山放送 2011年9月5日
  41. ^ JR紀勢線鉄橋、増水で一部流される 和歌山・那智勝浦 - 朝日新聞 2011年9月4日
  42. ^ 台風12号の影響による列車の運転状況について(きのくに線) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年9月14日
  43. ^ きのくに線運転再開見込みについて - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年9月26日
  44. ^ 復旧しても「特急電車足りない」 JR紀勢線 流された橋の向こうに3編成 - 産経新聞 2011年9月26日
  45. ^ 283系が甲種輸送される -『鉄道ファン交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年11月13日
  46. ^ 381系が甲種輸送される -『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年11月15日
  47. ^ 381系D655編成が甲種輸送される -『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年11月21日
  48. ^ 新宮で足止めの特急名古屋経由で京都へ JR3社協力 - 読売新聞 2011年11月10日
  49. ^ きのくに線(白浜〜紀伊勝浦駅間)特急列車の増発について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年11月8日
  50. ^ 台風12号の影響による列車の運転状況について(きのくに線) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年9月14日
  51. ^ JR紀勢線、3カ月ぶりの全線再開 台風12号で被害 - 朝日新聞 2011年12月3日

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