南紀 (列車)

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(ワイドビュー)南紀
全車普通車の4両編成
全車普通車の4両編成
運行鉄道事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
列車種別 特急列車
運転区間 名古屋駅 - 新宮駅紀伊勝浦駅
経由線区 関西本線伊勢鉄道伊勢線紀勢本線
使用車両
(所属区所)
キハ85系気動車名古屋車両区
運転開始日 1978年10月2日
備考 2009年10月現在のデータ

南紀(なんき)とは、東海旅客鉄道(JR東海)が、名古屋駅 - 新宮駅紀伊勝浦駅間を関西本線伊勢鉄道伊勢線紀勢本線経由で運行する特急列車である。

なお、本項では同一経路で運転されている臨時列車および、紀勢本線新宮駅以東を運転していた優等列車の沿革についても記述する。

目次

[編集] 概要

特急「南紀」は、1978年10月2日に紀勢本線和歌山駅 - 新宮駅間の電化が完成したことにより、従来天王寺駅 - 名古屋駅間を紀勢本線経由で運転していた「くろしお」の運転系統を分断することになった。このため、「くろしお」の新宮駅以東の運転は廃止され、名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間に特急「南紀」を新設したのが始まりである。

[編集] 「南紀」の列車名の由来

「南紀」の列車名は、 紀伊半島の南部を表す言葉の「南紀」にちなんでいる。なお、JR東海は1996年より新型車両で運転されている列車には「(ワイドビュー)」を冠しており、「(ワイドビュー)南紀」として運転している。

「南紀」としては、1953年5月に天王寺駅 - 白浜口駅(現在の白浜駅)・新宮駅間を運行する臨時準急列車として運転を開始。同年11月には定期列車化され、1966年に急行列車化され、1968年10月に「きのくに」に吸収する形で廃止されている。また、1974年から1978年10月まで名古屋駅 - 天王寺駅・和歌山市駅間を関西本線・紀勢本線経由で運行する寝台車を連結した夜行普通列車の列車名としても使用されていた。

[編集] 運行概況

名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間に3往復(1号・3号 - 6号・8号)、名古屋駅 - 新宮駅間に1往復(2号・7号)の合計4往復が運転されている。多客時には、2往復(81号 - 84号)が臨時列車として運行される。

紀伊勝浦駅には車両基地がないため、下り列車到着後はいったん新宮駅まで回送しそこで整備・点検・清掃を行う。その後再び紀伊勝浦駅へ戻り、折り返し名古屋行になるが、紀伊勝浦駅で長時間留置して折り返す場合もある。新宮駅 - 紀伊勝浦駅間もJR東海の乗務員が担当しているが、運転士はJR東海管内の多気駅で交代する。

名古屋発の列車は新幹線「のぞみ」との接続を図っている。そのため、新幹線側に遅延が発生するとこの列車も発車が遅れてしまう。

かつて新宮駅 - 紀伊勝浦駅間の初列車終列車の役割を担うため、上りの2号と下りの9号は、この区間を普通列車として運転されていたが、2001年3月に系統分割され、新宮駅以南は電車による普通列車となった。

列車番号は3001D - 3008Dと運転線区等で変更がない。下りが号数+3000の奇数、上りが号数+3000の偶数となる。また臨時列車(81・82・83・84号)もこの規則に準じて8001 - 8004Dとされる。

[編集] 停車駅

名古屋駅 - 桑名駅 - 四日市駅 - 鈴鹿駅 - 津駅 - 松阪駅 - 多気駅 - 三瀬谷駅 - 紀伊長島駅 - 尾鷲駅 - 熊野市駅 - 新宮駅 - 紀伊勝浦駅

  • このほか、沿線のイベントに合わせて臨時停車する駅がある。

[編集] 使用車両・編成

2010年3月13日現在の編成図
南紀
← 名古屋
紀伊勝浦・新宮 →
1 2 3 4
G
  • 全車禁煙
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

運転開始当初はキハ82系気動車が使用されていたが、1992年からJR東海の名古屋車両区に所属するキハ85系が使用されている。通常は4両編成で、そのうち1両が自由席であり、指定席は2.5両、グリーン車は0.5両であるが、多客期は最大6両編成で運転されている。

登場当初は通常4両編成であり先頭全室グリーン車である「南紀」専用のキロ85形が用いられていた。2001年に編成見直しが行われ、先頭グリーン車は「ひだ」へ転用、代わりに「ひだ」専用のキハ85形普通先頭車自由席に置き換わる形でグリーン車を廃止、キハ84形中間車の捻出も含め通常3両編成となり、グリーン車は多客時のみ「ひだ」専用だった半室グリーン車キロハ84(4列座席、運転台無し)を連結する形となった。しかし2009年3月14日からは多客時のみの連結だった半室グリーン車を定期化、再び通常4両編成となる。また手動放送のみの「ひだ」とは異なり登場当初は自動放送装置が使用されていたが、先述の編成見直し時以降使われなくなっている。

キハ85系の投入により加減速性能・最高速度(120km/h運転化)・曲線通過性能の向上(最大本則+15km/h)といったメリットを活かしたスピードアップが実施されて、1991年3月16日のダイヤ改正により起きていた名古屋駅 - 多気駅間の所要時間が快速「みえ」よりも遅いという逆転現象が1年ぶりに解消された[1]

[編集] 最高速度

  • 名古屋駅 - 四日市駅間:120km/h
  • 四日市駅 - 津駅間:110km/h
  • 津駅 - 多気駅間:100km/h
  • 多気駅 - 紀伊勝浦駅間:85km/h

[編集] 担当車掌区所

[編集] 臨時列車

[編集] 熊野市花火

熊野市花火」は、毎年8月17日に行われる熊野大花火大会の開催日と翌日の未明に運転される臨時急行列車である。熊野市行が2本、熊野市発が2本運転されている。下りの発駅および上りの行先は年度により異なっているが、2009年は津駅と亀山駅発着が設定された。2011年は名古屋駅発の1本のみ設定され上りは設定されていない。

急行券座席指定券グリーン券は、通常、当該列車が始発駅を発車する日の1か月前に当たる日の10時から発売されているが、天候により開催が左右される花火大会という性格上、開催予定当日の朝6時に開催の可否が発表され、開催が決まった場合は7時からが発売される。また、1号と4号の急行券の発売駅は全国発売されず、発売駅を限定している。全列車、キハ85系の4両編成で運行されている。以前はキハ75系で運転されていた。

なお、開催日には「南紀」も臨時に名古屋駅 - 熊野市駅間を運行している。

[編集] 鈴鹿グランプリ

鈴鹿グランプリ」は、鈴鹿サーキットにおいてF1日本グランプリが開催される週末に運転される臨時特急列車で、名古屋駅 - 鈴鹿サーキット稲生駅間で運転される。2006年以前には、「鈴鹿F1」という列車名で運行されていた。

運行本数は年および曜日によって変わる。例として2010年は、土曜日に名古屋発が2本、鈴鹿サーキット稲生発が1本、日曜日に名古屋発が3本、鈴鹿サーキット稲生発が2本運転された。当列車はその性格から、特に上り列車の切符は発売直後に売り切れる場合が多い。そのため、臨時列車としては珍しい立席特急券の発売もおこなわれる。

[編集] 運賃・料金

1992年3月より特急料金がB特急料金からA特急料金に変更され、割高になった。ただし名古屋駅 - 新宮駅間に特定特急料金が設定されており、30kmまでの区間の自由席特急料金は通年310円、31km - 50kmの区間の自由席特急料金が通年630円と割安になっている。

伊勢鉄道を挟む前後の運賃・料金は通過連絡運輸が適用されるため、前後のキロ数を通算して運賃・料金を計算し、それに伊勢鉄道の運賃490円と特急料金310円を加算する。伊勢鉄道のグリーン料金は不要である。伊勢鉄道転換当初は伊勢鉄道の特急料金も不要であり[2]、なおかつ南近畿ワイド周遊券で「南紀」に乗車する場合は伊勢鉄道の運賃も徴収していなかったが[3]、1989年3月よりこれらの取り扱いは廃止された。

[編集] 利用状況と競合交通機関

近鉄名古屋線と競合する名古屋駅 - 津駅間は行楽期をのぞいて利用は少ない。

車内が混雑するのは、津駅および松阪駅より南の区間で、三重県東紀州地方から県庁所在地の津市および中勢 - 東紀州の経済拠点の松阪市への用務客や大阪方面と松阪駅までの間、近鉄を利用して、松阪駅で乗り継ぐ乗客が利用の中心である。松阪駅と熊野市駅間は三重交通の南紀特急バスと競合している。

[編集] 紀勢本線新宮駅以東優等列車沿革

[編集] 紀勢本線全線開業後の展開

  • 1959年(昭和34年)
    • 7月15日:紀勢本線三木里駅 - 新鹿駅間を最後に全通。天王寺駅 - 名古屋駅間に、それまで天王寺駅 - 新宮駅間を運行していたのを延伸する形で、準急「くまの」が運行開始(C57形蒸気機関車牽引の客車列車)。また、名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間に不定期夜行準急「うしお」1往復、東京駅 - 新宮駅間に臨時夜行急行列車「那智」が運転開始。
    • 9月22日:「那智」が定期列車に変更。
  • 1961年(昭和36年)
  • 1963年(昭和38年)10月1日:「うしお」が名古屋駅 - 紀伊田辺駅間で昼行1往復増発。「くまの」は「なぎさ」に改称。京都駅 - 紀伊勝浦駅間(草津線経由)に新設された準急列車が「くまの」に改称。
  • 1964年(昭和39年)
    • 7月:新婚旅行客の需要もあって、「紀州」はグリーン車(当時は1等車)を2両連結にする。
    • 10月1日:「那智」の運転区間が紀伊勝浦駅まで延伸。
  • 1965年(昭和40年)3月1日:天王寺駅 - 名古屋駅間で、同線初の特急列車である「くろしお」が運行開始。
  • 1966年(昭和41年)3月5日:「うしお」「くまの」が急行列車に変更。
  • 1967年(昭和42年)10月1日:紀伊勝浦駅 - 亀山駅間で「くまの」、亀山駅 - 名古屋駅間で「はやたま」の増結車とされていた車両を、紀伊勝浦駅 - 名古屋駅間運行の「うしお」とし、「うしお」は2往復運転になる。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正により、「紀州」は「うしお」を統合して増発が図られ、4往復になる。「那智」が「紀伊」(きい)へ、「なぎさ」が「はまゆう」に改称。
  • 1973年(昭和48年)9月1日河原田駅(国鉄時代の起点は南四日市駅) - 津駅間を短絡する伊勢線(現在の伊勢鉄道伊勢線)が開通したことにより、特急「くろしお」と急行「紀州」5往復のうち3往復が、亀山駅経由から同線経由になる。
  • 1975年(昭和50年)3月10日この時のダイヤ改正で、「紀伊」は14系客車を使用して寝台特急列車に変更。

[編集] 紀勢東線特急「南紀」登場とその後

82系時代(1980年8月 大内山駅)
  • 1978年昭和53年)10月2日ゴーサントオのダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 「くろしお」の新宮駅以東の運転が廃止される。
    2. 伊勢線経由名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間に特急「南紀」が3往復運転開始。
    3. 「紀州」は名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間(亀山駅経由)の3往復に削減。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:この時のダイヤ改正により、「くまの」廃止。
  • 1982年(昭和57年)5月17日:夜行の「紀州」が廃止。また、残る2往復のうち伊勢線経由だった1往復を亀山駅経由に変更し、伊勢線内での優等列車の停車が消滅する[4]
  • 1984年(昭和59年)2月1日この時のダイヤ改正により、「紀伊」が廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月14日 この時のダイヤ改正により「紀州」が「南紀」へ統合、「南紀」は4往復になる(トータルで1往復削減)。「はまゆう」を廃止。なお、「紀州」はその後、奈良駅 - 紀伊勝浦駅間(亀山駅経由)に臨時急行として設定されたことがある。
  • 1987年(昭和62年)
    • 3月27日:伊勢線が伊勢鉄道に移管され、河原田駅 - 津駅間は伊勢鉄道経由となる。
    • 4月1日:JR各社発足に伴い、「南紀」の運行はJR東海の担当となる。
  • 1989年平成元年)3月13日この時のダイヤ改正で「南紀」を5往復に増発。また、名古屋駅→紀伊勝浦駅間(亀山駅経由)に臨時夜行快速「スターライト」が運転開始(1992年まで)。
  • 1990年(平成2年)3月20日:特急「南紀」の1往復が快速列車化され、名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間の快速「みえ」になる。熊野市駅以南は各駅停車とした。
  • 1992年(平成4年)3月14日:ダイヤ改正により以下のように変更。
    1. 「南紀」の使用車両がキハ82系よりキハ85系に変更、これを最後にキハ82系の定期運用が終了。名古屋駅 - 紀伊勝浦駅間はキハ80系と比べて42分短縮の3時間23分で運転。
    2. 特急料金をA特急料金に変更。
    3. 1往復の快速「みえ」を特急「南紀」へ格上げ統合し、「南紀」は6往復となる。
  • 1993年(平成5年)12月1日:この時から翌年夏まで 鳥羽駅 - 紀伊勝浦駅間に臨時特急「鳥羽・勝浦」を1往復運転。
  • 1995年(平成7年)1月21日:キハ82系による「メモリアル南紀」号が運転される(キハ82系有終の美を飾る営業運転となる)。
  • 1996年(平成8年)7月25日:列車名に"ワイドビュー"が冠され「(ワイドビュー)南紀」となる。
  • 2001年(平成13年)3月3日:「南紀」の通常期のグリーン車連結を廃止(繁忙期は連結)。上りの始発(2号)と下りの終発(9号)の新宮駅 - 紀伊勝浦駅間(この区間は普通列車扱い)を廃止(列車ダイヤそのものは2010年3月12日まで臨時扱いで存続)。
  • 2005年(平成17年)10月1日:31km - 50kmの区間の自由席特急料金を通年630円に値下げ。
  • 2006年(平成18年)3月18日:ダイヤ改正により、「南紀」が伊勢鉄道鈴鹿駅と三瀬谷駅に全列車停車。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日:2001年のダイヤ改正により廃止されていた定期運行のグリーン車が復活。
    • 6月1日:全車禁煙になる[5]
  • 2011年(平成23年)
    • 9月8日9月4日に日本に上陸した台風12号による被害のため、「南紀」1・5・6・8号のみ名古屋駅 - 熊野市駅間で運転[6][7]
    • 10月11日:熊野市駅 - 新宮駅間の復旧により、通常の本数に戻る(不通の新宮駅 - 紀伊勝浦駅間は引き続きバス代行)。
    • 12月3日:新宮駅 - 紀伊勝浦駅間で運転再開[8]

[編集] 列車名の由来

五十音順

[編集] 脚注

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  1. ^ ただし2011年現在では名古屋口のダイヤ過密化と単線区間の対向列車待ちによる影響から、一部時間帯において快速「みえ」との逆転現象が再び起きている。
  2. ^ 川島令三『全国鉄道事情大研究 名古屋都心部・三重篇』草思社、1996年6月26日第1刷発行、ISBN 479420700X
  3. ^ 種村直樹『鉄道旅行術』日本交通公社出版事業局、1987年7月1日改訂15版、ISBN 4553008461
  4. ^ のち伊勢鉄道・JRへの転換後に「南紀」の停車が実現した。
  5. ^ 受動喫煙防止の取り組みについて - 西日本旅客鉄道
  6. ^ 列車運休・復旧情報 - 台風12号の災害で長期間の運休が見込まれる区間も - マイコミジャーナル 2011年9月8日
  7. ^ 紀勢本線の運行計画(9月8日以降)について (PDF) - 東海旅客鉄道 2011年9月7日
  8. ^ 待ちわびた特急1号 JR紀勢線3カ月ぶり復旧 和歌山 - 朝日新聞 2011年12月3日

[編集] 関連項目


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