尾鷲駅

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尾鷲駅
駅舎(2022年6月)
おわせ[* 1]
Owase
相賀 (6.7 km)
(4.1 km) 大曽根浦
地図
所在地 三重県尾鷲市中村町7-60
北緯34度04分27.4秒 東経136度11分24.6秒 / 北緯34.074278度 東経136.190167度 / 34.074278; 136.190167座標: 北緯34度04分27.4秒 東経136度11分24.6秒 / 北緯34.074278度 東経136.190167度 / 34.074278; 136.190167
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 紀勢本線
キロ程 123.3 km(亀山起点)
電報略号 ワセ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
379人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1934年昭和9年)12月19日[1]
備考
  1. ^ 開業時から1959年までは「おわ」と呼称。
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尾鷲駅(おわせえき)は、三重県尾鷲市中村町にある、東海旅客鉄道(JR東海)紀勢本線である。

尾鷲市の代表駅となっており、特急南紀」を含むすべての列車が停車する。

歴史[編集]

1942年の尾鷲駅。表記は「おわせ」では無く「をわし」。

1934年12月、国鉄紀勢東線の三野瀬駅から当駅までの開通に伴い開業した。開業当初は多気駅から延びる同線の終着駅であり、その状態は1957年1月に当駅から九鬼駅までの延伸がなされるまで、およそ20年続いた。当駅の開業により尾鷲への旅客・貨物輸送はほぼ鉄道が独占することになり、尾鷲から矢ノ川峠を越えて木本町(現熊野市)へ至る県道(現国道42号)が開通すると1936年(昭和11年)10月16日より尾鷲 - 上木本間(45km、所要2時間45分)に省営自動車(後の国鉄バス)「紀南線」が運行されるようになった[2]

なお、駅の読みは開業当初は「おわ」であったが、紀勢本線の全通にさいして現在の「おわ」に改めている[3]。また、三重県内の紀伊木本駅・相可口駅・山田駅でも同日にそれぞれ駅名を熊野市駅多気駅伊勢市駅に変更している[3]

年表[編集]

駅構造[編集]

相対式ホーム2面2線を有する地上駅。かつては2面3線の構造であったが、駅舎から一番遠い3番線は線路が剥がされ、ホームにフェンスが設置された。大半の列車は、駅舎に接する1番線に発着している。2番線は普通列車の交換時等で使用しており、2021年3月改正ダイヤにおいては上り2本、下り1本が使用する。また、かつては1番線と2番線の間に中線があり、貨物列車の待避および入換作業に使用されていた。互いのホームは跨線橋で連絡している。駅舎は木造で、改装されているが、開業当初からのものである。

駅長駅員配置駅(直営駅)である。管理駅として、船津駅 - 賀田駅間の各駅を管理している。自動改札機は設置されていないが自動券売機が1台設けられている[注釈 1]JR全線きっぷうりば設置駅で、マルス端末の設備を有する。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1・2 紀勢本線 下り 新宮方面 特急含む。2番線発着は普通列車上り2本、下り1本のみ。
上り 亀山名古屋方面

(出典:JR東海:駅構内図

付記事項
  • 2008年8月7日、当駅の信号機器室発煙により信号設備の一部が使用できなくなり、その後2010年3月13日のダイヤ改正まで暫定的に1番線を下り専用、2番線を上り専用ホームとしていた(対向列車との行き違いは可能)。この期間は普通列車が後続の特急列車の待ち合わせを行うことができないために2008年8月14日以降は後続待ちを他の駅とするダイヤに一部変更し、2009年3月14日のダイヤ改正で当駅で後続待ちを行わないダイヤに固定化されていた。

利用状況[編集]

「三重県統計書」等によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである[8]

年度 一日平均
乗車人員
1935年[2] 364
1936年[2] 401
1937年[2] 412
1938年[2] 435
1939年[2] 570
1940年[2] 671
1941年[2] 829
1942年[2] 1,051
1943年[2] 1,436
1944年[2] 1,438
1945年[2] 1,674
1998年 995
1999年 983
2000年 920
2001年 856
2002年 807
2003年 797
2004年 762
2005年 735
2006年 660
2007年 623
2008年 561
2009年 531
2010年 546
2011年 533
2012年 584
2013年 571
2014年 534
2015年 509
2016年 445
2017年 426
2018年 410
2019年 379

駅周辺[編集]

駅前周辺
天狗倉山から望む尾鷲駅周辺の尾鷲市中心部

尾鷲市中心街の西端に位置する。尾鷲市役所をはじめとする行政機関などに近い。また、駅前にはコンビニエンスストアなどの商業施設がある。

名勝ほか[編集]

行政機関[編集]

尾鷲市の機関
三重県の機関
  • 尾鷲県民センター
  • 紀州県税事務所
  • 尾鷲保健福祉事務所
  • 尾鷲農林水産商工環境事務所
  • 尾鷲建設事務所
  • 紀州地域農業改良普及センター
  • 紀州児童相談所
  • 尾鷲警察署
国の機関

文教施設[編集]

その他[編集]

バス路線[編集]

三重交通の一般路線バスは駅前ロータリーには入らず、駅から200メートルほど離れた尾鷲駅口バス停を利用する。尾鷲市ふれあいバスはロータリーに入る。なお三重交通の名古屋行・大宮(埼玉県)行高速バスは、駅から800メートルほど離れた国道42号上の尾鷲市病院前・尾鷲市バス停(バス停異なるが同一地点)からの乗車となる。

隣の駅[編集]

※特急「南紀」の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。

東海旅客鉄道(JR東海)
紀勢本線
相賀駅 - 尾鷲駅 - 大曽根浦駅

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ JR東海の紀勢本線で自動券売機が設置されているのは亀山駅津駅松阪駅熊野市駅および当駅のみである。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 25号 紀勢本線・参宮線・名松線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月10日、19-21頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 三重県尾鷲市役所 編 1971, p. 518.
  3. ^ a b c 熊野市史編纂委員会 編 1983, p. 587.
  4. ^ 「鉄道省告示第621号」『官報』1934年12月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 『鉄道停車場一覧. 昭和12年10月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 『鉄道公報(号外)』日本国有鉄道総裁室文書課、昭和34-07-09、『通報』p.9頁。 
  7. ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、373頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  8. ^ 三重県統計書 - 三重県
  9. ^ 主要停留所案内図・時刻表 尾鷲駅口 - 三重交通

参考文献[編集]

  • 三重県尾鷲市役所 編『尾鷲市史 下巻』三重県尾鷲市役所、1971年5月3日、874頁。 
  • 熊野市史編纂委員会 編『熊野市史 中巻』熊野市、1983年3月31日、1377頁。 全国書誌番号:88024262

関連項目[編集]

外部リンク[編集]