ゲリット・コール

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ゲリット・コール
Gerrit Cole
Colepittsburgh.jpg
ピッツバーグ・パイレーツ時代
(2014年9月1日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州オレンジ郡ニューポートビーチ
生年月日 (1990-09-08) 1990年9月8日(29歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト1巡目(全体1位)でピッツバーグ・パイレーツから指名
初出場 2013年6月11日
年俸 $13,500,000(2019年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

ゲリット・アラン・コールGerrit Alan Cole, 1990年9月8日 -[2] )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州オレンジ郡ニューポートビーチ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在はフリーエージェント。愛称はコール・トレインCole Train[3]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

カリフォルニア州オレンジ郡で生まれ育ったが、ニューヨーク生まれの父の影響でニューヨーク・ヤンキースの大ファンとなり[4]、特にマリアノ・リベラロジャー・クレメンスに憧れていた。2001年のワールドシリーズでは第6・7戦をバンク・ワン・ボールパークの内野最前列で観戦し、当時の新聞に「Yankee Fan Today, Tomorrow, Forever.」と書かれたボードを掲げている11歳当時の写真が掲載された。ヤンキースの選手と同じホテルに宿泊していた際、ロビーにいたデレク・ジーターバーニー・ウィリアムスポール・オニールを間近で見て大いに感激したという[5][6]

オレンジ・ルーテル高等学校英語版時代には速球が最高98mph(約157.7km/h)を計時し、スカウトの注目を集める存在になっていた[7]2008年MLBドラフト1巡目(全体28位)でヤンキースから指名を受けるが、大学進学の意思が固かったためヤンキースが条件提示をするよりも先に断りの連絡を入れ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に進学した[5]。高校生が1巡目指名を蹴って大学に進学するのは、2002年MLBドラフトシアトル・マリナーズからの全体28位指名を断ってスタンフォード大学に進学したジョン・メイベリー・ジュニア以来であり、MLBからのドラフト指名を蹴ってUCLAに進学した選手の中では歴代最高順位だった[8]。大学時代は同学年のトレバー・バウアーと二枚看板を形成。

2009年は日本で行われた日米大学野球の米国代表に選出され、第1戦で7回2安打無失点9奪三振[9]と好投した。

2010年はエースとしてチームをカレッジ・ワールドシリーズ決勝まで導くが、サウスカロライナ大学に敗れて惜しくも準優勝[8]。同年は世界大学野球選手権の米国代表として2年連続で来日。キューバとの決勝で先発し、7回で10安打を浴びながら無失点に抑えるが、チームは延長の末逆転サヨナラで敗戦[10]。当時早稲田大学斎藤佑樹に通訳を介して「いつかアメリカに来いよ」と言葉をかけた[4][11]

プロ入りとパイレーツ時代[編集]

2011年MLBドラフト1巡目(全体1位)でピッツバーグ・パイレーツから指名を受ける。チームメイトのトレバー・バウアーも全体3位でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名を受け、同一大学からドラフト上位3位以内に2人が指名を受けたのは、1978年ボブ・ホーナーが全体1位、ヒュービー・ブルックスが全体3位に指名を受けたアリゾナ州立大学以来33年ぶりだった[6]8月15日契約金800万ドルで契約。2013年までにメジャーへ昇格すれば、総額は900万ドル以上となる[12]

2012年はA+級ブレイデントン・マローダーズ、AA級アルトゥーナ・カーブ、AAA級インディアナポリス・インディアンスの3球団合計で9勝7敗、防御率2.80、136奪三振を記録した[13]

2013年は、AAA級インディアナポリスで5勝3敗、防御率2.91の成績[13]でメジャーに昇格し、6月11日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャーデビュー。7回途中2失点で勝利投手となり、そこから4連勝[14]。9月は4勝0敗・防御率1.69[14]ルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞。10勝7敗、防御率3.22を記録し、チームの21年ぶりのポストシーズン進出に貢献。セントルイス・カージナルスとのディビジョンシリーズでは第2戦に先発し、6回1失点で勝利投手[15]。第5戦では5回2失点ながら敗戦投手[15]となり、チームは2勝3敗で敗退した。

2014年はブレークする事を期待されたが、6月から8月にかけて複数回の戦線離脱があった為[16]、22試合の先発登板に留まった。防御率(3.65)・FIP(3.23)・WHIP(1.21)等の指標は前年より軒並み低下したが、11勝(5敗)を挙げてメジャーデビューから2年連続二桁勝利とし、面目を保った。

2015年は序盤から好調で、3,4月は4勝0敗、防御率1.76でピッチャー・オブ・ザ・マンスを初受賞。前半戦終了時点で13勝3敗、防御率2.30、WHIP1.12の好成績をマーク[17]オールスターのメンバーに初選出され、2番手として登板した[18]。後半戦もまずまずの調子をキープし、最終成績は32試合の先発登板で防御率2.60・19勝8敗・202奪三振・WHIP1.09という好成績だった。防御率はナ・リーグ5位・勝利は同2位タイ・勝率(.704)は同4位・奪三振は同10位と、主要部門で軒並みリーグトップ10入りした。また、前年比で + 70.0イニングながら、被本塁打を前年と同数の11本に留め、被弾率を大きく下げた。これら大エースとしての活躍ぶりが評価され、サイ・ヤング賞投票では4位[19]MVP投票では19位タイ[20]にランクインした。

2016年は8月29日、右肘の不調で15日間の故障者リスト入りした[21]。この年はこの離脱を含め数回の離脱を経験し、21試合の先発に留まって規定到達を逃した。故障の影響で成績も防御率3.88・7勝10敗・WHIP1.44という内容で昨年よりも低調だった。

2017年はシーズンを通してローテーションを守り、リーグ3位の203投球回を記録して2年ぶりの2桁勝利を挙げた。一方でMLB全体の本塁打数が激増する中で前々年の3倍近くとなる31本の本塁打を打たれ、防御率はキャリア最低の4.26に沈んだ[22]

アストロズ時代[編集]

2018年1月13日にマイケル・フェリスジョー・マスグローブコリン・モランとマイナーリーグ所属選手1名とのトレードで、ヒューストン・アストロズへ移籍した[22][23]。迎えたシーズンでは先発ローテーションの一員として開幕から好投を見せ、4月には月間61奪三振の球団記録を樹立した[24]。前半戦を防御率1.73で折り返し、オールスターに選出された。その後も好調を維持し、最終的には32試合先発で15勝5敗、防御率2.88(リーグ4位)、276奪三振(同2位)、WHIP1.03(同4位)、奪三振率12.4(同1位)の好成績を挙げた。

2019年、5月までは防御率4.02と前年比で調子を落としていたが、5月27日のシカゴ・カブス戦以降は無傷の16連勝と圧巻の投球を見せた。ピッチャー・オブ・ザ・マンスを3回受賞し、オールスターにも選出された。9月18日に球団史上3人目の300奪三振に到達し、198.1回での達成はMLB史上2番目の少なさで、完投なしは初のことだった[25][26]。同24日には球団新記録を40年ぶりに更新する316奪三振に到達し、29日に史上初の9戦連続2桁奪三振で20勝目を挙げた[27][28]。最終成績は33先発を212.1回(リーグ3位)で20勝5敗、防御率2.50(同1位)、326奪三振(同1位)、WHIP0.90と素晴らしい成績を残し、奪三振率13.8は2001年のランディ・ジョンソンを上回る史上最高値だった[29]。ポストシーズン、NLDSNLCSで計3先発して3勝0敗、防御率0.40(1失点)と驚異的な結果を残した[30]ワールドシリーズ第1戦でも先発したが7回5失点で敗れ、レギュラーシーズンから続いていた連勝も19で止まってしまった[31]。第5戦の先発登板では7回1失点の力投で勝利し、今プレーオフでの奪三振数が歴代2位の47に到達した[32]。オフのサイ・ヤング賞投票では、同僚のジャスティン・バーランダーに次ぐ2位だった[33]。10月31日にFAとなっている[34]

投球スタイル[編集]

常時95~96mph(約153~154km/h)前後を計時するフォーシームは最速で100mph(約161km/h)を超え、長いイニングを投げても球速は落ちない[35]。メジャー1年目の2013年は、このフォーシームに加えてツーシームカットボール速球3種類を投球全体の約80%としており、残りをスライダーチェンジアップに充てていた[36]。2種類の変化球はともに精度が良く奪三振率も高いが、88~90mph(約142~145km/h)と球速差が殆どないため、打者の対応を比較的、容易にさせている[37]2014年からは新たにカーブを持ち球に加え、緩急をつける投球を身に付けた。このためチェンジアップの投球頻度は下がっている。また、2015年からはスライダーと球速差がほとんどないカットボールを封印した[36]。リリースポイントにやや問題があり、その影響で甘いコースへの失投が多い。パイレーツのニール・ハンティントンGMは、その欠点の克服に自信を示している。また、制球力と球威には定評があり、与四球・被本塁打ともに少ない[35]。2019年に101.1mph(約163km/h)を記録した。

詳細情報[編集]

年度別投球成績[編集]





















































W
H
I
P
2013 PIT 19 19 0 0 0 10 7 0 0 .588 469 117.1 109 7 28 0 3 100 4 0 43 42 3.22 1.17
2014 22 22 0 0 0 11 5 0 0 .688 571 138.0 127 11 40 1 9 138 9 1 58 56 3.65 1.21
2015 32 32 0 0 0 19 8 0 0 .704 832 208.0 183 11 44 1 10 202 7 0 71 60 2.60 1.09
2016 21 21 1 0 1 7 10 0 0 .412 506 116.0 131 7 36 3 6 98 5 1 57 50 3.88 1.44
2017 33 33 0 0 0 12 12 0 0 .500 849 203.0 199 31 55 1 4 196 7 0 98 96 4.26 1.25
2018 HOU 32 32 1 1 0 15 5 0 0 .750 799 200.1 143 19 64 0 7 276 9 0 68 64 2.88 1.03
2019 33 33 0 0 0 20 5 0 0 .800 817 212.1 142 29 48 0 3 326 4 3 66 59 2.50 0.89
MLB:7年 192 192 2 1 1 94 52 0 0 .644 4843 1195.0 1034 115 315 6 42 1336 45 5 461 427 3.22 1.13
  • 2019年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2013 PIT 19 7 13 1 2 .952
2014 22 7 24 2 1 .939
2015 32 10 37 0 1 1.000
2016 21 11 24 2 1 .946
2017 33 16 30 2 5 .958
2018 HOU 32 10 15 1 2 .962
2019 33 14 12 0 0 1.000
MLB 192 75 155 8 12 .966
  • 2019年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 45(2013年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Gerrit Cole Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2018年1月15日閲覧。
  2. ^ Gerrit Cole Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2018年11月6日閲覧。
  3. ^ Pirates Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com (2017年8月25日). 2018年1月15日閲覧。
  4. ^ a b 佑のライバル、コールがメジャー1位指名. nikkansports.com(2011-06-08). 2011年6月19日閲覧
  5. ^ a b Kepner, Tyler(2011-04-04). The One That Got Away Is Still a Yankees Fan, and a Hot Pitching Prospect. NYTimes.com(英語). 2011年6月19日閲覧
  6. ^ a b The Associated Press(2011-06-06). Gerrit Cole, former Yankees selection, taken by Pirates as No. 1 pick in MLB Draft. NJ.com(英語). 2011年6月19日閲覧
  7. ^ Brennan, Sean(2008-06-05). Yankees take Gerrit Cole with 1st rd. pick in MLB draft. NYDailyNews.com(英語). 2011年6月19日
  8. ^ a b Player Bio: Gerrit Cole. UCLA Official Athletic Site(英語). 2011年6月19日閲覧
  9. ^ 第37回 日米大学野球選手権大会(2009年)アメリカ - 日本 1回戦”. 2014年4月6日閲覧。
  10. ^ 第5回世界大学野球選手権大会 決勝 キューバ - アメリカ”. 2014年4月6日閲覧。
  11. ^ 佑、1位指名のコール「体でかくて球速い」. nikkansports.com(2011-06-08). 2011年6月19日閲覧
  12. ^ Jenifer Langosch (2011年8月16日). “Pirates ink No. 1 pick Cole, second-rounder Bell” (英語). MLB.com. 2011年9月27日閲覧。
  13. ^ a b Gerrit Cole Minor League Statistics & History” (英語). 2014年4月6日閲覧。
  14. ^ a b 2013 Pitching Gamelogs” (英語). 2014年4月6日閲覧。
  15. ^ a b Postseason Pitching Gamelogs” (英語). 2014年4月6日閲覧。
  16. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、351頁。ISBN 978-4-331-51921-9
  17. ^ Gerrit Cole 2015 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月4日閲覧。
  18. ^ July 14, 2015 All-Star Game Play-By-Play and Box Score - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月4日閲覧。
  19. ^ 2015 Awards Voting - NL Cy Young Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月4日閲覧。
  20. ^ http://www.baseball-reference.com/awards/awards_2015.shtml#NLmvp - 2015 Awards Voting - NL MVP Voting] - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月4日閲覧。
  21. ^ Adam Berry (2016年8月29日). “Bucs put Cole on DL with elbow inflammation” (英語). MLB.com. 2018年1月15日閲覧。
  22. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2018年1月15日閲覧。
  23. ^ Brian McTaggart (2018年1月14日). “World champion Astros add Cole to formidable rotation” (英語). MLB.com. 2018年1月15日閲覧。
  24. ^ Brian McTaggart (2018年4月29日). “Cole sets Astros record with 61 April K's” (英語). MLB.com. 2018年10月11日閲覧。
  25. ^ アストロズ・コール20勝、完投0で300K達成”. nikkansports.com. 2019年10月23日閲覧。
  26. ^ Cole 18th in MLB history with 300 K's in season”. ESPN.com. 2019年9月19日閲覧。
  27. ^ アストロズの剛腕コール、球団新記録の316奪三振 7回0封14Kで19勝目、先発陣が貯金荒稼ぎ”. ベースボールチャンネル. 2019年10月23日閲覧。
  28. ^ アストロズ・コール、MLB新の9戦連続2桁Kで初の20勝! 奪三振王&最優秀防御率”. Full-count. 2019年10月23日閲覧。
  29. ^ ア・リーグのサイヤング賞争いは史上最高の接戦 バーランダーVSコール、アストロズ右腕対決に”. ベースボールチャンネル. 2019年10月23日閲覧。
  30. ^ コール圧巻の19連勝、「ここで勝つ必要があった」”. nikkansports.com. 2019年10月23日閲覧。
  31. ^ 19連勝中アストロズ先発・コールがまさかの7回5失点で連勝ストップ…2年ぶり世界一へ黒星発進”. スポーツ報知. 2019年10月23日閲覧。
  32. ^ アストロズ世界一王手、コールPO史上2位の47K”. nikkansports.com. 2019年11月1日閲覧。
  33. ^ Cole's dominant walk year earns Cy runner-up”. MLB.com. 2019年11月14日閲覧。
  34. ^ コール、平野ら131選手FA 大リーグ選手会発表”. SANSPO.COM. 2019年11月1日閲覧。
  35. ^ a b Jenifer Langosch (2011年6月6日). “UCLA's Cole goes to Pirates at No. 1” (英語). MLB.com. 2011年9月27日閲覧。
  36. ^ a b Gerrit Cole Pitch Data” (英語). The Baseball Cube. 2016年8月31日閲覧。
  37. ^ 2011 Prospect Watch #1 Gerrit Cole. MLB.com(英語). 2011年6月19日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]