J.T.リアルミュート

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J.T.リアルミュート
J. T. Realmuto
フィラデルフィア・フィリーズ #10
フィラデルフィア・フィリーズ時代
(2022年8月13日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オクラホマ州オクラホマ郡デルシティ英語版
生年月日 (1991-03-18) 1991年3月18日(33歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
212 lb =約96.2 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2010年 MLBドラフト3巡目
初出場 2014年6月5日
年俸 $23,875,000(2022年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2023年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2023

ジェイコブ・テイラー・リアルミュートJacob Tyler Realmuto, 英語発音: [ˈd͡ʒeɪkəb ˈtaɪlɚ rəlˈmutoʊ][2]1991年3月18日 - )は、アメリカ合衆国オクラホマ州オクラホマ郡デルシティ英語版出身のプロ野球選手捕手)。右投右打。MLBフィラデルフィア・フィリーズ所属。愛称はJT[3]

経歴[編集]

プロ入りとマーリンズ時代[編集]

2010年MLBドラフト3巡目(全体104位)でフロリダ・マーリンズから指名された[4]。8月10日に契約を結びプロ入り。。このシーズンは傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・マーリンズで12試合に出場した。

2011年はA級グリーンズボロ・グラスホッパーズでプレーし、96試合に出場して打率.287、12本塁打、49打点、13盗塁を記録した。

2012年はA+級ジュピター・ハンマーヘッズでプレーし、123試合に出場して打率.256、8本塁打、46打点、13盗塁を記録した。

2013年はAA級ジャクソンビル・サンズでプレーし、106試合に出場して打率.239、5本塁打、39打点、9盗塁を記録した。11月20日にマーリンズとメジャー契約を結び、40人枠入りした。

2014年3月12日にAA級ジャクソンビルへ配属された。6月1日にメジャーへ初昇格し[5]、5日のタンパベイ・レイズ戦でメジャーデビュー。「8番・捕手」でスタメンに名を連ね、4打数2安打3打点を記録した[6]。その後も7試合に出場したが、6月19日にAA級ジャクソンビルへ降格した[7]。このシーズンは11試合の出場にとどまるも、打率.241、9打点、出塁率.267を記録した。

2015年は正捕手としてメジャーに定着すると、前年を大きく上回る126試合に出場し、打率.259、10本塁打、47打点、出塁率.290を記録した。

2016年も正捕手として137試合に出場し、打率.303、11本塁打、48打点、12盗塁、出塁率.343を記録した。

2017年は開幕から好調を維持し、打率.500、2本塁打、6打点で自身初のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選出された[8]。前年を上回る141試合に出場し、打率.278、17本塁打、65打点、出塁率.332を記録した。

マイアミ・マーリンズ時代
(2018年6月16日)

2018年は前半戦に打率.310、12本塁打、45打点を記録し、自身初となるオールスターゲームに選出された[9]。125試合に出場し、打率.277、21本塁打、74打点、出塁率.340を記録し、自身初となるシルバースラッガー賞を受賞した。オフに日本で開催された2018日米野球にMLB選抜チームの一員として参加[10]。2本塁打を記録し、一塁手としても試合に出場した。なお、この日米野球がマーリンズの選手としては最後の試合出場となった。

フィリーズ時代[編集]

2019年2月8日にホルヘ・アルファーロシクスト・サンチェスウィル・スチュワート英語版及びインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)とのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[11]。背番号は「10」。7月には2年連続となるオールスターゲームに選出された。このシーズンは自己最多となる145試合に出場し、打率.275、共に自己最多となる25本塁打、83打点を記録し、出塁率.328を残した。オフには2年連続となるシルバースラッガー賞と自身初のゴールドグラブ賞を受賞した。また、同年から新設されたオールMLBチームのファーストチーム捕手に選出された。

2020年シーズンの給与として球団は単年1000万ドルを提示したが、リアルミュートは単年1240万ドルを求めた[12]。2月19日に調停回避のために公聴会を開き、結果は球団側に軍配が上がり、提示額の単年1000万ドルで契約した[13]。試合数の減少もあり、全60試合中47試合に出場し、打率.266、11本塁打、32打点、出塁率.349を記録し、6年連続となる2桁本塁打を達成した。オフの10月28日にFAとなり、11月11日に球団から提示された単年1890万ドルのクオリファイング・オファー[14]を拒否した[15]。12月9日にセカンドチームとしては自身初めてオールMLBチームのセカンドチーム捕手に選出された[16]

2021年1月29日にフィリーズと5年総額1億1550万ドルで再契約した[17]。同年は7月4日に選手間投票で控え野手として通算3度目となるオールスターゲームに選出されたが[18]、オールスターゲーム前日の7月12日にファン投票で選出されていたバスター・ポージーが故障で辞退したこともあり「7番・捕手」で先発出場することが発表された[19]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは先発出場し、5回裏にタイガースのグレゴリー・ソトからナショナル・リーグ初得点となる本塁打を記録した[20]

2022年は22本塁打と21盗塁を記録した[21]。捕手が20本塁打20盗塁以上を記録するのはイバン・ロドリゲス以来2人目だった[21]。リーグ最多の30回の盗塁阻止を記録した[21]。 オフにゴールドグラブとシルバースラッガー賞を受賞した[21]。12月5日には自身3度目、ファーストチームとしては3年ぶり2度目となるオールMLBチームに選出された[21]

2023年は、シーズン開幕前に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表として参加した[22]。6月12日のダイヤモンドバックス戦でサイクル安打を達成した[23]。捕手としては2011年のジョージ・コッタラス以来の達成だった[23]

選手としての特徴[編集]

攻撃面では打って走れる捕手として知られ、特に走塁はデビュー以来、常に捕手の中で平均スプリント速度の最速を記録している[24]。また、2022年シーズンには自己最多となる21個の盗塁を決めている。

守備面では送球の際に、捕球から二塁へ到達するまでの時間であるポップタイムの速度が非常に速く、2018年から5年連続でメジャー1位を記録している。[25]一塁の守備では32試合の出場にもかかわらず、UZR+2.5、DRS+1を記録している[26]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 MIA 11 30 29 4 7 1 1 0 10 9 0 0 0 0 1 0 0 8 2 .241 .267 .345 .611
2015 126 467 441 49 114 21 7 10 179 47 8 4 1 4 19 2 2 70 11 .259 .290 .406 .696
2016 137 545 509 60 154 31 0 11 218 48 12 4 0 3 28 1 5 100 12 .303 .343 .428 .771
2017 141 579 532 68 148 31 5 17 240 65 8 2 0 3 36 4 8 106 13 .278 .332 .451 .783
2018 125 531 477 74 132 30 3 21 231 74 3 2 0 4 38 0 10 104 9 .277 .340 .484 .825
2019 PHI 145 593 538 92 148 36 3 25 265 83 9 1 0 8 41 2 5 123 12 .275 .328 .493 .820
2020 47 195 173 33 46 6 0 11 85 32 4 1 0 0 16 0 6 48 3 .266 .349 .491 .840
2021 134 537 476 64 125 25 4 17 209 73 13 3 0 2 48 5 11 129 8 .263 .343 .439 .782
2022 139 562 504 75 139 26 5 22 241 84 21 1 0 5 41 1 12 119 7 .276 .342 .478 .820
2023 135 540 489 70 123 28 5 20 221 63 16 5 0 5 35 3 9 138 10 .252 .310 .452 .762
MLB:10年 1140 4579 4168 589 1136 235 33 154 1899 578 94 23 1 34 303 18 68 945 87 .273 .330 .456 .785
  • 2023年度シーズン終了時

WBCでの打撃成績[編集]















































2023[27] アメリカ合衆国 4 15 12 1 6 2 0 0 8 2 0 1 0 1 0 1 0 0 .500 .533 .667

年度別守備成績[編集]

捕手守備


捕手(C)






















2014 MIA 9 51 3 1 1 .982 0 5 4 1 .200
2015 118 836 46 6 6 .993 11 59 43 16 .276
2016 129 1069 80 10 8 .991 9 79 51 28 .354
2017 126 929 87 6 11 .994 9 78 53 25 .321
2018 112 826 46 7 6 .992 8 55 34 21 .382
2019 PHI 133 1098 67 9 14 .992 8 92 49 43 .467
2020 36 296 8 2 3 .993 1 20 15 5 .250
2021 118 1057 30 1 5 .999 6 38 28 10 .263
2022 133 1151 49 8 11 .993 2 68 38 30 .441
2023 133 1190 33 2 8 .998 6 104 81 23 .221
MLB 1047 8503 449 52 73 .994 59 598 396 202 .338
内野守備


一塁(1B)












2017 MIA 9 79 4 0 7 1.000
2018 13 77 5 0 8 1.000
2019 PHI 4 17 2 0 2 1.000
2020 6 16 0 0 0 1.000
2021 16 54 6 1 5 .984
2022 3 6 0 1 0 .857
MLB 51 249 17 2 22 .993
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高、赤太字はMLB歴代最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 60(2014年)
  • 20(2015年)
  • 11(2016年 - 2018年)
  • 10(2019年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ J.T. Realmuto Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年10月6日閲覧。
  2. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年8月14日閲覧。
  3. ^ Breakdown of Marlins' Players Weekend names MiLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月27日閲覧
  4. ^ 2010 DRAFT TRACKER” (英語). MLB.com. 2023年7月16日閲覧。
  5. ^ Joe Frisaro; Maria Torres (2014年6月1日). “Gregg agrees to deal to return to Marlins”. MLB.com. 2016年2月17日閲覧。
  6. ^ Scores for Jun 5, 2014” (英語). ESPN (2014年6月5日). 2016年2月17日閲覧。
  7. ^ Joe Frisaro; Maria Torres (2014年6月18日). “Saltalamacchia returns to face Mets”. MLB.com. 2016年2月17日閲覧。
  8. ^ J.T. Realmuto of the Miami Marlins named National League Player of the Week” (英語). MLB.com. 2019年2月8日閲覧。
  9. ^ Sussman, Ely. “2018 MLB All-Star Game: J.T. Realmuto selected to NL roster”. Fish Stripes. 2019年2月8日閲覧。
  10. ^ MLB stars excited to begin Japan AS Series”. MLB.com. 2019年2月4日閲覧。
  11. ^ J.T. Realmuto Phillies Marlins trade” (英語). MLB.com (2019年2月8日). 2019年2月8日閲覧。
  12. ^ J.T. weighs future; Girardi's first day” (英語). MLB.com. 2020年2月22日閲覧。
  13. ^ Realmuto loses arbitration hearing with Phils” (英語). MLB.com. 2020年2月22日閲覧。
  14. ^ Phillies extend qualifying offer to Realmuto” (英語). MLB.com. 2020年11月10日閲覧。
  15. ^ George Springer, J.T. Realmuto Decline Qualifying Offers” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年11月11日閲覧。
  16. ^ Anthony Castrovince (2020年12月10日). “Here is the star-studded 2020 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。
  17. ^ Phillies Re-Sign J.T. Realmuto” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年1月29日閲覧。
  18. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  19. ^ Anthony Castrovince (2021年7月12日). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  20. ^ Todd Zolecki (2021年7月14日). “Realmuto's HR ends Phils' 40-yr ASG drought” (英語). MLB.com. 2021年7月31日閲覧。
  21. ^ a b c d e Paul Casella (2022年12月5日). “Here is the star-studded 2022 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2022年12月6日閲覧。
  22. ^ USA Baseball Announces 2023 World Baseball Classic Roster” (英語). USA Baseball: Home (2023年2月10日). 2023年6月6日閲覧。
  23. ^ a b Todd Zolecki (2023年6月13日). “Realmuto becomes 1st Phillies player to cycle since 2004” (英語). MLB.com. 2023年6月14日閲覧。
  24. ^ Statcast Sprint Speed Leaderboard” (英語). baseballsavant.com. 2020年11月10日閲覧。
  25. ^ https://baseballsavant.mlb.com/leaderboard/poptime
  26. ^ J.T. Realmuto - Stats - Advanced Fielding | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2020年11月10日閲覧。
  27. ^ 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月25日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]