カイル・ヒガシオカ

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カイル・ヒガシオカ
Kyle Higashioka
サンディエゴ・パドレス #20
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2021年6月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州ハンティントンビーチ
生年月日 (1990-04-20) 1990年4月20日(33歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
202 lb =約91.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2008年 MLBドラフト7巡目
初出場 2017年4月10日
年俸 $1,462,500(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2023年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2023

カイル・ハリス・ヒガシオカKyle Harris Higashioka, 1990年4月20日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ハンティントンビーチ出身のプロ野球選手捕手)。右投右打。MLBサンディエゴ・パドレス所属。愛称はヒギーHiggy)。

経歴[編集]

プロ入りとヤンキース時代[編集]

2008年MLBドラフト7巡目(全体230位)でニューヨーク・ヤンキースから指名され、プロ入り。契約後、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースでプロデビュー。18試合に出場して打率.261・1本塁打・3打点の成績を残した。

2009年はA-級スタテンアイランド・ヤンキースでプレーし、60試合に出場して打率.253、2本塁打、32打点の成績を残した。

2010年はA級チャールストン・リバードッグスでプレーし、90試合に出場して打率.225、6本塁打、24打点の成績を残した。

2011年はA級チャールストンとA+級タンパ・ヤンキースでプレーし、2球団合計で82試合に出場して打率.231、8本塁打、29打点、1盗塁の成績を残した。

2012年はA+級タンパとAA級トレントン・サンダーでプレーし、2球団合計で44試合に出場して打率.170、6本塁打、23打点、1盗塁の成績を残した。

2013年はAA級トレントンで7試合、2014年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ヤンキースとA+級タンパの2球団合計で17試合と出場機会が少なくなっているが、この頃はトミー・ジョン手術や親指の骨折で故障とそのリハビリに費やしていた[2]。2014年オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、スコッツデール・スコーピオンズに所属した。

2015年7月16日

2015年はA+級タンパとAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレーし、2球団合計で93試合に出場して打率.250、5本塁打、37打点の成績を残した。

2016年はAA級トレントンとAAA級スクラントン・ウィルクスバリでプレーし、2球団合計で102試合に出場して打率.276、21本塁打、81打点の成績を残した。オフの11月5日に40人枠入りした[3]

2017年は、マイナー・オプションでAAA級スクラントン・ウィルクスバリで開幕を迎える。4月8日にゲイリー・サンチェスが右上腕二頭筋を痛めて故障者リスト入りしたため、メジャー初昇格を果たした[4]。4月10日のタンパベイ・レイズ戦の9回表からマスクを被ってメジャーデビュー[5]。5月5日にサンチェスの故障者リストからの復帰に伴いAAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格した[6]。6月16日に再昇格したが、6月18日にアロルディス・チャップマンの故障者リストからの復帰により、AAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格した[6][7]。この年メジャーでは9試合に出場して18打数無安打だった。

2018年はAAA級スクラントン・ウィルクスバリで開幕を迎える[8]。6月27日に故障者リストにサンチェスが入ったため、控え捕手としてメジャーに昇格した[9]。7月1日のボストン・レッドソックス戦でデビッド・プライスからメジャーでの初安打となる本塁打を放ち、デビューしてから22打数無安打だった記録は止まることとなった[10]。7月3日には2安打目となる本塁打[11]、7月4日には3安打目となる本塁打を打ち、初安打から3安打目を全て本塁打にした選手は1920年から数えて9人目だった[12]。2018年の成績は、72打数で打率.167、出塁率.241、長打率.319だった。

2019年は18試合で打率.214、3本塁打、11打点だった。マイナーでは70試合で20本塁打、56打点を記録。

2020年は9月からエースのゲリット・コールの専属捕手を務め、9月16日のトロント・ブルージェイズ戦では3本塁打を記録した。1試合3本塁打はヤンキース史上24人目で、打順が9番の打者としては初めてだった[13][14]ディビジョンシリーズでは、不振のサンチェスに代わり5試合中4試合で先発マスクを被った。

2021年は出場機会を大幅に増やし、5月19日のテキサス・レンジャーズ戦でコーリー・クルーバーが球団22年ぶりのノーヒットノーランを達成した際に捕手を務めた。

2023年はシーズン開幕前に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表に選出された[15]

パドレス時代[編集]

2023年12月6日にフアン・ソトトレント・グリシャムとのトレードで、マイケル・キングドリュー・ソープランディ・バスケスジョニー・ブリートと共にサンディエゴ・パドレスへ移籍した[16]

2024年3月20日に開幕ロースター入りした[17]

人物[編集]

日系アメリカ人4世であり、2017年より父親の勧めもあってチームメイトの田中将大や同投手の日本人通訳を“勉強相手”にして日本語を習得していた。ヒガシオカ本人は「文化の仕組みは全て、アメリカのものとは全然違う。タナカと他のアメリカ人との違いを理解するってクールだよ。とても面白いし、興味がある」と語っている[18][19]

田中と一緒に焼肉を食べに行ったこともあった[20]。田中がヤンキースを退団した際には、ローマ字で「キョウ ワタシワ カナシイデス…オツカレサマデシタ タナカサン アナタワ ワタシノ イチバン トモダチ」と泣き顔の絵文字入りでツイートした[21][22]

好きな日本食は親子丼[23]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2017 NYY 9 20 18 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 6 0 .000 .100 .000 .100
2018 29 79 72 6 12 2 0 3 23 6 0 0 0 0 6 0 1 16 2 .167 .241 .319 .560
2019 18 57 56 8 12 5 0 3 26 11 0 0 0 1 0 0 0 26 1 .214 .211 .464 .675
2020 16 48 48 7 12 1 0 4 11 10 0 0 0 0 0 0 0 11 0 .250 .250 .521 .771
2021 67 211 193 20 35 10 0 10 75 29 0 0 0 1 17 0 0 59 4 .181 .246 .389 .635
2022 83 248 229 27 52 7 0 10 89 31 0 1 2 4 12 0 1 52 5 .227 .264 .389 .653
2023 92 260 242 24 57 13 0 10 100 34 0 0 1 3 14 0 0 74 5 .236 .274 .413 .687
MLB:7年 314 923 858 94 180 38 0 40 338 121 0 1 3 9 51 0 2 244 17 .210 .253 .394 .647
  • 2023年度シーズン終了時

WBCでの打撃成績[編集]















































2023[24] アメリカ合衆国 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .--- .--- .---

年度別守備成績[編集]



捕手(C)






















2017 NYY 8 55 2 0 0 1.000 1 2 2 0 .000
2018 27 225 14 1 1 .996 2 18 15 3 .167
2019 18 146 8 0 2 1.000 0 15 12 3 .200
2020 14 108 7 2 1 .983 1 8 5 3 .380
2021 66 609 18 3 1 .995 6 38 33 5 .132
2022 82 669 21 5 2 .993 6 32 19 13 .406
2023 90 663 14 9 1 .987 5 66 55 11 .167
MLB 305 2475 84 20 8 .992 21 179 141 38 .212
  • 2023年度シーズン終了時

背番号[編集]

  • 38(2017年 - 同年5月)
  • 30(2017年6月 - 2017年6月17日[注 1]
  • 66(2018年 - 2023年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2017年のメジャー帯同はこの日以降なく、7月1日から18日まではクリント・フレイジャー、7月19日以降はデビッド・ロバートソンが着用。

出典[編集]

  1. ^ Kyle Higashioka Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年3月23日閲覧。
  2. ^ Mike Axisa (2016年8月10日). “Late-blooming Kyle Higashioka gives Yankees extra layer of catching depth” (英語). River Avenue Blues. 2017年4月15日閲覧。
  3. ^ Kyle Higashioka Added To 40-Man Roster - BaseballAmerica.com” (英語). Baseball America (2016年11月5日). 2017年4月15日閲覧。
  4. ^ Bryan Hoch (2017年4月10日). “After 9 years, Higashioka earns 1st callup:Improved power stroke has Girardi confident backstop will be offensive asset” (英語). MLB.com. 2017年4月15日閲覧。
  5. ^ Lou DiPietro (2017年4月11日). “After 10 years of waiting, Kyle Higashioka's major-league dreams finally came true” (英語). YES Network. 2017年6月19日閲覧。
  6. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2017年8月2日閲覧。
  7. ^ Alex Simon (2017年6月18日). “Aroldis activated, throws perfect inning” (英語). MLB.com. 2017年6月19日閲覧。
  8. ^ The Triple-A Bench Depth [2018 Season Preview] - River Avenue Blues”. Riveraveblues.com (2018年3月26日). 2018年7月3日閲覧。
  9. ^ Name (required) (2018年6月25日). “Yankees Place Catcher Gary Sanchez On 10-Day Disabled List « CBS New York”. Newyork.cbslocal.com. 2018年7月3日閲覧。
  10. ^ Yankees' Kyle Higashioka gets 'indescribable' moment (VIDEO)”. NJ.com. 2018年7月3日閲覧。
  11. ^ Associated Press (2018年7月4日). “Stanton, Hicks, Higashioka homer as Yankees beat Braves 8-5”. ESPN. 2018年7月5日閲覧。
  12. ^ Associated Press (2018年7月5日). “Stanton, Sabathia lead Yankees to 6-2 win over Braves”. ESPN. 2018年7月5日閲覧。
  13. ^ Kyle Higashioka hits three of Yankees' seven HRs in second straight rout of Blue Jays”. Newsday. 2020年9月17日閲覧。
  14. ^ Yankees Extend Winning Streak & Clinch Series Over Blue Jays”. VAVEL USA (2020年9月17日). 2024年3月29日閲覧。
  15. ^ USA Baseball Announces 2023 World Baseball Classic Roster” (英語). USA Baseball (2023年2月10日). 2023年6月6日閲覧。
  16. ^ Yankees Acquire Juan Soto In Seven-Player Trade” (英語). MLB Trade Rumors (2023年12月6日). 2023年12月7日閲覧。
  17. ^ Padres announce 2024 Opening Day roster” (英語). MLB.com (2024年3月20日). 2024年3月21日閲覧。
  18. ^ Billy Witz (2017年3月6日). “To Speak With Masahiro Tanaka, the Yankees’ Ace, a Catcher Connects With His Own Roots” (英語). The New York Times. 2017年4月15日閲覧。
  19. ^ “先生”は田中将大!? 日本語習得挑戦のヤンキース日系米国人捕手が話題に”. Full-Count (2017年3月8日). 2017年4月15日閲覧。
  20. ^ 田中将大/MASAHIRO TANAKA on Twitter
  21. ^ Kyle Higashioka (@the_higster) | Twitter
  22. ^ 田中将大にヤンキースの面々が惜別のメッセージ「キョウ ワタシワ カナシイデス…」7年間プレーした友人に感謝」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年1月29日。2024年3月29日閲覧
  23. ^ MLBでプレーする二人の日系人捕手 ヒガシオカとスズキが示す勝利への献身」『スポーツナビ』2017年5月1日。2024年3月29日閲覧
  24. ^ 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月25日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]