ポール・ゴールドシュミット

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ポール・ゴールドシュミット
Paul Goldschmidt
アリゾナ・ダイヤモンドバックス #44
Paul Goldschmidt in st.louis 2017.jpg
2017年7月27日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 デラウェア州ウィルミントン
生年月日 (1987-09-10) 1987年9月10日(30歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 一塁手
プロ入り 2009年 ドラフト8巡目(全体246位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名
初出場 2011年8月1日 サンフランシスコ・ジャイアンツ
年俸 $5,875,000(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国代表
WBC 2017年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017 野球

ポール・エドワード・ゴールドシュミットPaul Edward Goldschmidt, 1987年9月10日 - )は、アメリカ合衆国デラウェア州ウィルミントン出身のプロ野球選手一塁手)。右投右打。現在はMLBアリゾナ・ダイヤモンドバックスに所属。

愛称は「Goldy[2]。ゴールドシュミットという姓はユダヤ系によくみられる姓であるが、彼はユダヤ系ではない[3]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

テキサス州ザ・ウッドランズウッドランズ高校英語版ではカイル・ドレイベックとチームメイトだった。同校を卒業する2006年MLBドラフトでは、ドレイベックがフィラデルフィア・フィリーズからの1巡目(全体18位)指名でプロ入りしたのに対し、ゴールドシュミットはロサンゼルス・ドジャースから49巡目(全体1453位)という低い順位での指名となり、契約せずテキサス州立大学サンマルコス校へ進学する[4]。大学1年目の2007年は37試合で本塁打は1本のみであったが、翌2008年から長打力が開花し、同年は57試合で17本塁打、2009年も同じ試合数で18本塁打を放つ。また、相手チームが彼と無理に勝負しないようになったため四球数も増えた[5]。この結果、3年間での通算36本塁打・110四球はいずれもチーム記録を更新、さらに二塁打打点でも新記録を打ち立てた[6]野球だけでなく学業でも金融を専攻して優秀な成績を残しており、入学以来全セメスター優等生名簿に名前が掲載されている[5]

プロ入りとダイヤモンドバックス時代[編集]

2009年6月に行われたMLBドラフト8巡目(全体246位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名され、6月14日に契約。大学時代の好成績にもかかわらず指名順位が8巡目と低くなったのは、バットスウィングの大きさや守備での動きのぎこちなさから、他球団スカウトが彼を数字ほどは評価しなかったことによる[7]。ただその中で唯一、彼に高校のころから注目していたダイヤモンドバックスのスカウトのトリップ・カウチは「もっと高い順位で指名されてもおかしくない」と考えていた[4]。当のゴールドシュミット本人は「8巡目ってかなり高順位だからね、ダイヤモンドバックスが僕に期待してくれてて嬉しいよ」と話している[7]。契約後にマイナーリーグのルーキー級ミズーラ・オスプレイ英語版でプロデビューし、74試合で打率.334・18本塁打・62打点・OPS 1.045という成績を残した。

2010年はA+級バイセイリア・ローハイド英語版で1シーズンを過ごし、138試合で打率.314・35本塁打・108打点・OPS.990を記録、シーズン終了後にはカリフォルニアリーグのMVPと新人王を受賞した[8]。ただ同リーグは打者有利な球場が多いため数字が高めになったのではという懐疑的な声も一部にあり、ジャロッド・パーカーら球団内の他の有望株と比べると注目度は低かった[7]

2011年はAA級モービル・ベイベアーズへ昇格し、開幕戦での2本塁打を皮切りにここでも長打力を発揮。6月8日には20本塁打に[9]、7月26日には30本塁打に[10]、それぞれマイナーリーグ全体を通じて最速で到達する。同月10日に開催されたマイナーリーグの同年のオールスター・フューチャーズゲームにも選出された。ダイヤモンドバックスGMケビン・タワーズ英語版は「人々も彼はまぐれなんかじゃないと考えるようになってきた」と述べている[7]

AA級モービルで7月終了まで103試合に出場し打率.306・30本塁打・94打点・OPS 1.061という成績を挙げたゴールドシュミットは、8月1日にAAA級リノ・エーシズを飛ばしてメジャーへの昇格を果たす。ダイヤモンドバックスはこの時点で59勝49敗のナショナルリーグ西地区2位につけていたが、一塁手は固定できていなかった。フアン・ミランダゼイビア・ネイディらは期待外れの成績に終始し、7月中旬から起用し始めたブランドン・アレン救援投手陣強化のため31日にブラッド・ジーグラーとのトレードで放出している[11]

2011年8月1日、メジャーへ昇格したゴールドシュミットは速、同地区首位サンフランシスコ・ジャイアンツとの直接対決に7番・一塁で先発出場。翌日8月2日の試合でティム・リンスカムからメジャー第1号となる2点本塁打を放つと、これが決勝点となってダイヤモンドバックスはジャイアンツに勝利し、同率の地区首位に浮上した[12]。チームはその後一旦は2位に戻るも、8月10日に再び地区首位となると以降はその座を譲らず。ゴールドシュミットは一塁に定着し、17日にはクリフ・リー[13]、25日にはタイラー・クリッパード[14]、9月3日には再びリンスカム[15]、とこの年のオールスターに選出された投手たちに本塁打を浴びせていった。そして23日のジャイアンツ戦で、同点の8回裏にゴールドシュミットが決勝の2点三塁打を放ち、この試合に勝ったチームは4年ぶりの地区優勝・ポストシーズン進出を決めた[16]。メジャー1年目の成績は打率.250・8本塁打・26打点・OPS.808で、打率をマイナー時代の3割台から落とした。

ポストシーズンでダイヤモンドバックスは、ミルウォーキー・ブルワーズ地区シリーズで対戦。第1戦ではチームが経験を考慮してベテランのライル・オーバーベイを一塁手に起用したため[17]、ゴールドシュミットは欠場した。この試合を1-4で落とし、オーバーベイが3打数無安打と抑えこまれると、第2戦からはゴールドシュミットが先発することに。すると、第2戦ではザック・グレインキーから初打席でソロ本塁打[18]、第3戦ではショーン・マーカムから適時打と満塁本塁打で5打点[19]、第4戦では5打席4出塁で2得点[20]、とチームの期待に応える活躍を見せた。しかし2勝2敗で迎えた最終第5戦では、自身は2安打を放ったが得点にはつながらず[21]、チーム延長戦の末に敗れてシリーズに敗退しシーズン終了となったが、ゴールドシュミット自身はこのシリーズ通算で打率.438、2本塁打、6打点、1盗塁、OPS 1.339と活躍した。

2012年'は正一塁手に定着して145試合に出場。打率.286・20本塁打・82打点をマークした。また、43二塁打(リーグ4位)、9犠飛(リーグ1位)だった。

2013年3月2日にダイヤモンドバックスと1年契約に合意し[22]、3月29日に総額3200万ドルの5年契約(2019年は1450万ドルの球団側選択オプション付き)を結んだ[23][24]。7月にはオールスターゲームに初選出された。この年は引き続き一塁のレギュラーとして160試合に出場。打率.302・36本塁打・125打点という成績をマークし、本塁打王と打点王のタイトルを獲得した(本塁打はピッツバーグ・パイレーツペドロ・アルバレスと同数)。本塁打と打点以外では長打率、OPS、塁打数、敬遠の各部門でリーグ1位となり、他の多くの打撃部門でも上位につけるなど、飛躍のシーズンとなった。

2014年は前半戦で95試合に出場し、16本塁打61打点、打率.308と活躍し、オールスターゲーム・ファン投票一塁手部門で最多得票数を獲得し、2年連続でオールスターに選出された。8月1日のパイレーツ戦でエルネスト・フリエリの投球を受けて左手を骨折し、8月2日に15日間の故障者リスト入りした[25]。この故障により、規定打席到達を逃し、本塁打や打点も減少した。

2015年は前半だけで打率.340、21本塁打、70打点を記録し、3年連続でオールスターゲームに選出された。最終的に159試合に出場し、打撃タイトルこそ逃したものの、打率.321(リーグ3位)、33本塁打(同5位)、110打点(同2位)、OPS1.005(同2位)といずれの項目でもランキング上位に食い込む活躍を見せた。その、相手から勝負を避けられ、リーグ最多の29敬遠を記録。出塁率.435および118四球は、ルイス・ゴンザレスが保持していた球団記録を更新した。盗塁は初めて20を超え、本塁打と盗塁の両方の水準を算出するPower–speed number英語版ではリーグ2位であった。守備では守備率.997・守備防御点 + 18を記録。MVPの投票ではブライス・ハーパーに次ぐ2位で、2013年に続いてゴールドグラブ賞シルバースラッガー賞を同時受賞した。

2016年は158試合に出場。打率.297・24本塁打・95打点・OPS.899と昨季より悪化したが、110四球はリーグトップだった。また盗塁数は自己最多の32を記録した。オフの12月29日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表への参加の意思を表明した[26]

2017年開幕前の2月9日に第4回WBCのアメリカ合衆国代表に選出された[27]3月22日の決勝プエルトリコ戦に勝利し、初の優勝を果たした[28]

シーズンでは9月13日のロッキーズ戦で通算1000安打を達成した[29]

選手としての特徴[編集]

まず特筆するべきは、「一塁手」にしては珍しく盗塁数が多いことである。毎年20盗塁近くをコンスタントに記録しているが、それは決して俊敏であるだけでなく、投手の癖の読みやリードの取り方の巧さにある、と評されている。(事実、約102㎏ある身体の大きさが影響してか、1塁到達は4.4秒と決して速くはない)[30]

しかしその他にも、確かな選球眼、毎年打率3割前後・ホームラン20本以上という記録を残せるパワーとバットコントロールを兼ね備えた打撃、過去6年で二度ゴールドグラブ賞を受賞した守備など、走攻守を兼ね備えたMLBを代表する一塁手である。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2011 ARI 48 177 156 28 39 9 1 8 74 26 4 0 0 1 20 0 0 53 4 .250 .333 .474 .808
2012 145 587 514 82 147 43 1 20 252 82 18 3 0 9 60 4 4 130 9 .286 .359 .490 .850
2013 160 710 602 103 182 36 3 36 332 125 15 7 0 5 99 19 3 145 25 .302 .401 .551 .952
2014 109 479 406 75 122 39 1 19 220 69 9 3 0 3 64 10 2 110 10 .300 .396 .542 .938
2015 159 695 567 103 182 38 2 33 323 110 21 5 0 7 118 29 2 151 16 .321 .435 .570 1.005
2016 158 705 579 106 172 33 3 24 283 95 32 5 0 8 110 15 7 150 14 .297 .411 .489 .899
2017 155 665 558 117 166 34 3 36 314 120 18 5 0 4 94 15 8 147 14 .297 .404 .563 .966
通算:7年 934 4018 3382 614 1010 232 14 176 1798 627 117 28 0 37 565 92 26 886 92 .299 .399 .532 .931
  • 2017年度シーズン終了時
  • 太字はリーグ1位

年度別守備成績[編集]



一塁(1B)












2011 ARI 43 351 22 0 22 1.000
2012 139 1234 65 7 106 .995
2013 159 1494 99 5 118 .997
2014 109 934 80 7 83 .993
2015 157 1378 123 5 129 .997
2016 157 1378 116 4 127 .997
2017 151 1254 103 4 116 .997
通算:7年 915 8023 608 32 701 .996

タイトル[編集]

MLB

表彰[編集]

MiLB
MLB

記録[編集]

MiLB
MLB
  • MLBオールスターゲーム選出:4回(2013年 - 2016年
  • シーズン118四球(2015年、アリゾナ・ダイヤモンドバックス球団記録)
  • シーズン29故意四球(2015年、アリゾナ・ダイヤモンドバックス球団記録)
  • シーズン出塁率.435(2015年、アリゾナ・ダイヤモンドバックス球団記録)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Paul Goldschmidt Contract, Salaries, and Transactions” (英語). Spotrac.com. 2013年4月2日閲覧。
  2. ^ D-backs Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月20日閲覧
  3. ^ Irwin Cohen, "THE MARLINS' COMING NEW STADIUM AND MORE," The Jewish Press, July 7, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  4. ^ a b Seth Livingstone, USA TODAY, "validates scout's hunch," USATODAY.com, August 30, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  5. ^ a b David King, University Marketing, "Rising Star - Paul Goldschmidt Archived 2013年3月27日, at the Wayback Machine.," Texas State University. 2011年9月25日閲覧。
  6. ^ "Goldschmidt Named USA Today Minor League Player Of The Year," Texas State University, September 2, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  7. ^ a b c d Nick Piecoro, "Diamondbacks slugger Paul Goldschmidt nearing a big-league promotion," azcentral.com, May 19, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  8. ^ Daren Smith / MLB.com, "Goldschmidt named MVP, top rookie / Ports, Mavs each place three on Postseason All-Star Team," The Official Site of Minor League Baseball, August 27, 2010. 2011年9月25日閲覧。
  9. ^ Danny Wild / MLB.com, "Goldschmidt first to reach 20 homers / D-backs slugger plates four same day he's named All-Star," The Official Site of Minor League Baseball, June 8, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  10. ^ David Heck / Special to MLB.com, "Goldschmidt smacks 30th home run / D-backs prospect regains sole possession of Minors lead," The Official Site of Minor League Baseball, July 27, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  11. ^ Jim Callis and Jim Shonerd, "D-backs Add Reliever Ziegler In Trade With Athletics," BaseballAmerica.com, July 31, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  12. ^ "Aug 2, 2011, Diamondbacks at Giants Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年9月25日閲覧。
  13. ^ "Aug 17, 2011, Diamondbacks at Phillies Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年9月25日閲覧。
  14. ^ "Aug 25, 2011, Diamondbacks at Nationals Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年9月25日閲覧。
  15. ^ "Sep 3, 2011, Diamondbacks at Giants Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年9月25日閲覧。
  16. ^ Associated Press, "Worst to first: D-backs capture NL West crown on Paul Goldschmidt's triple," ESPN.com, September 23, 2011. 2011年9月25日閲覧。
  17. ^ Steve Gilbert and John Schlegel / MLB.com, "Collmenter, Saunders tabbed for NLDS starts," dbacks.com, October 1, 2011. 2011年10月10日閲覧。
  18. ^ "Oct 2, 2011, Diamondbacks at Brewers Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月10日閲覧。
  19. ^ "Oct 4, 2011, Brewers at Diamondbacks Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月10日閲覧。
  20. ^ "Oct 5, 2011, Brewers at Diamondbacks Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月10日閲覧。
  21. ^ "Oct 7, 2011, Diamondbacks at Brewers Play by Play and Box Score," Baseball-Reference.com. 2011年10月10日閲覧。
  22. ^ D-backs agree to terms with 20 players; renew contract for Wade Miley”. MLB.com D-backs Press Release (2013年3月2日). 2014年7月27日閲覧。
  23. ^ D-backs agree to a five-year contract with Paul Goldschmidt”. MLB.com D-backs Press Release (2013年3月30日). 2014年7月27日閲覧。
  24. ^ Steve Gilbert (2013年3月29日). “D-backs, Goldschmidt agree to five-year extension”. MLB.com. 2014年7月27日閲覧。
  25. ^ D-Backs Place Paul Goldschmidt on 15-Day DL, Recall Alfredo Marte from AAA Reno”. MLB.com D-backs Press Release (2014年8月2日). 2014年8月3日閲覧。
  26. ^ Source: Murphy, Goldy to play for US in Classic MLB.com (英語) (2016年12月29日) 2017年3月16日閲覧
  27. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  28. ^ American Beauty: USA dominates PR in final World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  29. ^ Goldy joins D-backs lore with 1,000th hit MLB.com (英語) (2017年9月14日) 2017年9月15日閲覧
  30. ^ ゴールドシュミットと山田哲人。~3割30本30盗塁達成なるか!?~

関連項目[編集]

外部リンク[編集]