ジョーイ・ボット

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ジョーイ・ボット
Joey Votto
シンシナティ・レッズ #19
Joey Votto 2017.jpg
2017年5月24日
基本情報
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 オンタリオ州トロント
生年月日 (1983-09-10) 1983年9月10日(34歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 一塁手
プロ入り 2002年 ドラフト2巡目
初出場 2007年9月4日
年俸 $20,000,000(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム カナダの旗 カナダ
WBC 2009年2013年

ジョゼフ・ダニエル・ボット(Joseph Daniel Votto, 1983年9月10日 - )は、カナダ連邦オンタリオ州トロント出身のプロ野球選手(一塁手)。右投げ左打ち。現在は、MLBナショナルリーグ中地区・シンシナティ・レッズに所属。

資料によってはヴォット・ヴォトー・ボトー・ボットーと表記されることもある。

愛称はボット自身が2013年にチームメイトだった秋信守が良い打者になろうとボットに付いてきたと感じて、その様がウサギに似ていたため、韓国語でウサギを意味するトッキに数字の1を付けたトッキ1と名付け、ボット自身はトッキ2を愛称としている[2]。また、自称「カナダのイチロー」である[3]

デビューからレッズ一筋のフランチャイズ・プレイヤーである[4]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

少年時代から野球に夢中になる一方で、カナダ人アスリートとしては珍しく、アイスホッケーには全く関心を示さなかった[5]

プロ入り[編集]

2002年MLBドラフトシンシナティ・レッズから2巡目の指名を受け、入団した。

2006年に2Aのチャタヌーガ・ルックアウツ打率.319・22本塁打・79打点を記録し、サザンリーグ最優秀選手に選出された[6]

2007年は3Aのルイビル・バッツでプレイし、インターナショナルリーグ最優秀新人に選出され[6]、9月4日のニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビュー。24試合の出場で、打率.321・4本塁打・17打点を記録した。守備では、一塁手として17試合に出場し、エラーなしだった。また、左翼手としても6試合でプレーした。

2008年開幕当初はスコット・ハッテバーグと一塁で併用されていたが、4月半ばからはレギュラーに定着。5月7日のシカゴ・カブス戦では1試合3本塁打を記録。9月には打率.309・9本塁打・20打点で月間最優秀新人に選出された。最終的に打率.297・24本塁打はナ・リーグ新人選手として1位、84打点はジオバニー・ソトの86打点に次ぐ2位となった[7]。新人王の投票ではソトに次ぐ2位に終わった。同年8月に父が52歳で急死している[5]

2009年開幕前の3月に開催された第2回WBCカナダ代表に選出された[8]ジェイソン・ベイジャスティン・モルノーと共にクリーンナップを形成した。

シーズンでは、父の死をきっかけに発症したうつ病故障者リスト入り[9]。合計30試合以上を欠場したものの、終わってみれば打率.322(リーグ5位)、出塁率.414(4位)、長打率.567(5位)、OPS.981(3位)という成績を残した。

2010年は長期間の離脱を経験することもなく、一時はアルバート・プホルスカルロス・ゴンザレス三冠王争いを繰り広げた。8月にはレッズの選手としてはケン・グリフィー・ジュニア以来6年ぶりに「スポーツ・イラストレイテッド」誌の表紙を飾り、全米で知名度を高めた。最終的には無冠に終わったものの、打率、本塁打、打点の全てでリーグ3位以内に入る成績を残し、レッズの15年ぶり地区優勝に貢献。出塁率長打率OPSはリーグトップだった。シーズン終了後、ナ・リーグハンク・アーロン賞及びMVPに選ばれた。MVPの投票では、投票権を持つ32人の記者のうち31人から1位票を獲得し、球団史上12人目、カナダ人選手としては3人目の栄冠に輝いた[9]

2011年は、自己最高の185安打を記録した。出塁率、二塁打、四球の数字はリーグ最高だった。さらにシーズン終了後にはゴールドグラブ賞を受賞した。

2012年は4月2日に現在の契約に加えて2014年から10年間、2024年まで総額225万$でレッズと契約を交わした。シーズン序盤から好調を維持し、カウフマン・スタジアムで開催されたオールスターゲームにも出場した。しかし、7月16日に膝の故障で離脱すると、9月5日に復帰するまで約2ヶ月戦線を離脱した。そのため111試合の出場にとどまり、打率こそ.337だったが、本塁打は14本に終わり、特に怪我から復帰してからは1本も打てなかった。しかし、規定打席不足ながら94個の四球を選び、出塁率は.474を記録した。

2013年開幕前の1月11日に第3回WBC本戦のカナダ代表暫定メンバーが発表された[10]。当初は代表入りを保留していたが、2月21日に代表入りした[11]

シーズンでは、怪我なくシーズン全試合に出場した。打率.305 24本塁打 73打点 135四球を記録。2年連続で最多四球となった。チームもワイルドカードでプレーオフに進出したが、ピッツバーグ・パイレーツに敗れた。打点が73と少なかったため、オフには地元メディアから「彼ほど給料をもらっている選手なら四球を選ぶべきではなく、ランナーを還す努力をするべき」と批判を受けた。また、Twitterを使った投票でジョー・マウアーホセ・バティスタデレク・ジーターアンドリュー・マカッチェンマット・ケンプを破り「MLBの顔」に選ばれた。

2014年は故障による戦線離脱もあって62試合の出場に留まり、6本塁打、23打点に終わった。

2015年は158試合に出場で打率.314・29本塁打・80打点・OPS1.000のハイレベルな成績を記録し健在ぶりを示した。最高出塁率はブライス・ハーパーに譲ったが、自慢の選球眼で自己最多の143四球を選び取り、これで自身4度目の最多四球となった。また一塁の守備でもDRS + 6を記録し、2010年以来の二桁盗塁もマークした。

2016年は開幕から不振に陥り、86試合終了時点で打率.252でオールスターブレイクを迎えた。しかし本来の姿を取り戻した後半戦では72試合で打率.408と猛烈な勢いで打ちまくり、終わってみれば打率.321・29本塁打・97打点・OPS.985と例年並みの好成績を残した。一方で、打撃同様安定していた一塁の守備は失策こそ8つだったものの、DRSは -14と悪化した。オフの12月28日にシーズンを優先するため第4回WBCカナダ代表には不参加の意思を表明した[12]

2017年7月3日のロッキーズ戦でカナダ人選出としては史上4人目となる1500安打を達成した[13]。8月7日のパドレス戦でジョーリス・チャシーンからシーズン30本塁打を達成し、グレート・アメリカン・ボール・パークで記録した本塁打数を136本とし、ジェイ・ブルースの記録を抜き歴代最多となった[14]。この年もシーズンを通じて例年通り安定した成績を残した。特に序盤は本塁打を量産し、打率.315、26本塁打の成績で、4年ぶりにオールスターに選出された。後半戦は本塁打のペースが落ち、キャリアハイ更新とはならなかったものの、それでもキャリア二度目の30本以上を記録した。シーズン成績は、リーグ4位の打率.320、6位タイの36本塁打、10位タイの100打点を記録し、打撃三部門でトップ10入りを果たし、自身2度目の3割30本100打点を達成した。また、134四球、出塁率.454はいずれもメジャートップで、今年も最高水準の選球眼を見せた。また、長打率.578はメジャー9位、OPS1.032はメジャー3位、rWAR9.6はメジャー1位だった。

選手としての特徴[編集]

メジャー通算のスイング率が43%と慎重な打撃で、MLB屈指の選球眼を誇っており、リーグ最多四球を4回、最高出塁率を5回記録している。

基本的なスタイルはラインドライブを量産する中距離打者だが、長打力も兼ね揃えており、毎年30本前後の本塁打を打てるだけのパワーも備えている。メジャー通算のレフト方向への打球の割合は30%と、逆方向への打球が多い選手で、本塁打は2013年は24本の内13本を左翼へ飛ばしている[15]。また中距離打者にしては内野フライが極端に少なく、2010年は内野フライが0だった。

左右の違いも苦にせず、通算でも左投手相手に打率.300以上をマークしている。非常に調子の波が少ない選手で、通算の月別打率は全ての月で打率.300以上を記録している。

人物[編集]

前述の通り、自称カナダのイチローを名乗るなどイチローを尊敬しており、このイチローとは親交がある。ある時にはイチローがボットに対してダンキンドーナツを大量に送りつけ、これに対してイチローがシンシナティに遠征しにきた際に、イチローの好物であるカリフォルニア・ピザ・キッチン英語版のプレーン・チーズ・ピザをイチローの背番号に合わせてボットが51枚送りつけたことがある[4]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2007 CIN 24 89 84 11 27 7 0 4 46 17 1 0 2 0 5 1 0 15 0 .321 .360 .548 .908
2008 151 589 526 69 156 32 3 24 266 84 7 5 0 2 59 9 2 102 7 .297 .368 .506 .874
2009 131 544 469 82 151 38 1 25 266 84 4 1 0 1 70 10 4 106 8 .322 .414 .567 .981
2010 150 648 547 106 177 36 2 37 328 113 16 5 0 3 91 8 7 125 11 .324 .424 .600 1.024
2011 161 719 599 101 185 40 3 29 318 103 8 6 0 6 110 15 4 129 20 .309 .416 .531 .947
2012 111 475 374 59 126 44 0 14 212 56 5 3 0 2 94 18 5 85 8 .337 .474 .567 1.041
2013 162 726 581 101 177 30 3 24 285 73 6 3 0 6 135 19 4 138 15 .305 .435 .491 .926
2014 62 272 220 32 56 16 0 6 90 23 1 1 0 2 47 2 3 49 5 .255 .390 .409 .799
2015 158 695 545 95 171 33 2 29 295 80 11 3 0 2 143 15 5 135 11 .314 .459 .541 1.000
2016 158 677 556 101 181 34 2 29 306 97 8 1 0 8 108 15 5 120 16 .326 .434 .550 .985
2017 162 707 559 106 179 34 1 36 323 100 5 1 0 6 134 20 8 83 16 .320 .454 .578 1.032
MLB:11年 1430 6141 5060 863 1586 344 17 257 2735 830 72 29 0 38 996 132 47 1087 117 .313 .428 .541 .969
  • 2017年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



一塁(1B) 左翼(LF)
























2007 CIN 17 107 11 0 15 1.000 6 14 0 1 0 .933
2008 144 1050 136 11 119 .991 -
2009 130 960 101 10 108 .991 -
2010 148 1132 128 5 101 .996 -
2011 160 1341 173 6 127 .996 -
2012 109 850 116 6 69 .994 -
2013 161 1245 154 14 115 .990 -
2014 61 449 63 7 39 .988 -
2015 156 1212 139 9 122 .993 -
2016 154 1168 107 8 124 .994 -
2017 162 1227 165 4 109 .997 -
  • 2017年度シーズン終了時

表彰[編集]

記録[編集]

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Joey Votto Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2016年7月1日閲覧。
  2. ^ Explaining Reds Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月24日閲覧
  3. ^ 【MLB】「俺はカナダのイチロー」「思い通りに本塁打を打てる」 カナダの大砲がイチローの才能を称賛 MLB.com (英語) (2017年6月23日) 2017年9月24日閲覧
  4. ^ a b イチローに届けられた51枚ものピザ。盟友ボットのジョークは敬意の表れ。 Number Web (2016年8月31日) 2017年9月24日閲覧
  5. ^ a b L.Jon Wertheim(2010-08-30), Professional, polite, eager to please—could Joey Votto be, SI.com(英語), 2010年11月23日閲覧
  6. ^ a b Joey Votto Awards” (英語). The Baseball Cube. 2009年2月23日閲覧。
  7. ^ Sheldon, Mark (2008年10月6日). “Votto nabs NL Rookie of Month honors Reds infielder scorches through September to earn Award” (英語). MLB.com. 2009年2月23日閲覧。
  8. ^ 2009 Tournament Roster[リンク切れ] WBC公式サイト (英語) 2015年2月20日閲覧
  9. ^ a b Mark Sheldon(2010-11-22), Votto wins NL MVP by overwhelming margin, MLB.com(英語), 2010年11月23日閲覧
  10. ^ Baseball Canada announces names submitted for World Baseball Classic Provisional Roster Baseball Canada (2013年1月11日) 2015年2月19日閲覧
  11. ^ Votto added to World Baseball Classic roster Baseball Canada (2013年2月21日) 2015年2月20日閲覧
  12. ^ Votto opts not to play in Classic for Canada MLB.com (英語) (2016年12月29日) 2017年3月16日閲覧
  13. ^ Joey Votto records 1,500th hit in Reds’ loss to Rockies Sports Net (英語) (2017年7月3日) 2017年9月24日閲覧
  14. ^ Votto becomes all-time HR leader at GABP MiLB.com (英語) (2017年8月7日) 2017年8月8日閲覧
  15. ^ http://www.fangraphs.com/statsplits.aspx?playerid=4314&position=1B&season=2013

関連項目[編集]

外部リンク[編集]