ホンダ・アクティ

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アクティ(Acty)は、本田技研工業が販売する商用バンおよびトラック軽自動車である。生産は八千代工業に委託されている。

概要[編集]

1963年に誕生した日本メーカーの量産車初のDOHCエンジンを搭載したT360、後継のTN360の後継車種として1977年に登場し、現在に続いているホンダの軽トラックである。アクティ登場の際には、ライトバンもラインナップに新たに登場した。

ボディー形状からキャブオーバーもしくはセミキャブオーバーと分類されることがあるが、構造的にはアンダーフロアエンジンのミッドシップ(MR)である。そのため(スバルサンバーがRRで「農道のポルシェ」とされるのに対し)「農道のフェラーリ、あるいは同じホンダ車で「農道のNSXと言われることもある。

空車時のトラクション確保および走行能力を得る狙いから、アンダーフロアへのエンジン搭載やド・ディオンアクスル式リアサスペンションの採用、荷台までフレーム一体式のモノコック構造、高回転特性のエンジン、各メーカーの軽トラック搭載自然吸気エンジンの中で最もハイギアードな変速比設定など、ホンダならではの独自設計を施している。

初代 TA/TB/TC/JB/VD/VH型(1977-1988年)[編集]

ホンダ・アクティ(初代)
トラック・後期型(4WD車)
Honda Acty Track 1983.jpg
トラック・後期最終型(4WD車)
Honda Acty 1985.jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1977年 - 1988年
乗車定員 トラック:2人
バン:4人
ボディタイプ 2ドア 軽トラック
5ドア ライトバン
エンジン EH型:550cc 直2 SOHC
最高出力 28PS/5,500rpm
最大トルク 4.2kgf·m/4,000rpm
変速機 5速MT/4速MT/3速AT
駆動方式 MR/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ド・ディオン式
全長 3,195mm
全幅 1,395mm
全高 トラック:1,660mm
バン:1,745-1,895mm
ホイールベース 1,850mm
車両重量 トラック:590kg
バン:705-710kg
先代 ホンダ・TN7
-自動車のスペック表-
T360、TN360、TN-V、TN7と続いてきたホンダの軽トラックの後継として、TNアクティを発売(「TN」はトラックのみに冠される)。発売時の東京地区標準現金価格は「スタンダード」で53万3,000円。
1975年9月1日の道路運送車両法施行規則改正(省令第34号)を受け、エンジンは先代と比べスケールアップされ、550ccのEH型エンジンを採用する。EH型は同社の大型オートバイであるゴールドウイング水平対向4気筒の片バンクを元に設計され、1985年発売のトゥデイにも搭載された。
他社のモデルがキャブオーバーのアンダーフロアエンジン、もしくはキャブオーバータイプのリアエンジン後輪駆動(RR)レイアウトを採用するのに対し、アクティはMRレイアウトを採用した。これは、TN360が前輪駆動(FF)のN360からパワートレーンを流用して後輪駆動化されたモデルであり、変速機差動装置が一体のトランスアクスル構造であったため、アクティの全体的レイアウトもTN360を踏襲し、同様の理由からリアサスペンションもド・ディオン式を採用している。
アクティバンを追加。テールランプはトラックと共通である。
マイナーチェンジ。全車にカチオン電着塗装が採用されたほか、グリルデザインおよびシート地が変更される。
バンタイプの乗用仕様である『アクティストリート』を追加。。
マイナーチェンジ。AT車(ホンダマチック)追加のほか、トラックに室内が広い「ビッグキャブ」が追加され、そのビッグキャブにはクラス初の5速MTが設定された。
4WDモデルを追加。発売当初は世界でも珍しいミッドシップ4WDとして話題を呼んだ。エンジンの搭載方式は2WDとは異なり、縦置き[1]であった。また、軽トラック・軽キャブバンクラス初のフロントディスクブレーキ(4WD車のみ)が標準装備される。
4WDに当時クラス唯一となるAT車が追加される。
マイナーチェンジ。フロントバンパーが大型化されエアコンがオプション設定される。2WD車も全車フロントディスクブレーキが標準装備される(ただしホイールは10インチのまま)。


2代目 HA1/2/3/4/5/HH1/2/3/4型(1988-1999年)[編集]

ホンダ・アクティ(2代目)
バン・中期型
Hondaacty123.jpg
トラック・後期最終型
Honda Acty 231.JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1988年 - 1999年
乗車定員 トラック:2人
バン:4人
ボディタイプ 2ドア 軽トラック
5ドア ライトバン
エンジン E05A型:550cc 直3 SOHC
E07A型:660cc 直3 SOHC
最高出力 E05A型:34PS/5,500rpm
E07A型:38PS/5,300rpm
最大トルク E05A型:4.5kgf·m/5,000rpm
E07A型:5.5kgf·m/4,500rpm
変速機 5速MT/4速MT/3速AT
駆動方式 MR/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ド・ディオン式
全長 3,255mm
全幅 1,395mm
全高 トラック:1,700-1,750mm
バン:1,870mm
ホイールベース 1,900mm
車両重量 トラック:670-750kg
バン:770-860kg
-自動車のスペック表-
フルモデルチェンジを発表(バンの「プロ」のみ6月10日)。このモデルより車名から「TN」が外れアクティとなる。テールランプは初代と同じく、トラック・バンとも共通である。このテールランプは、トラックのみ現行モデルまで採用される。
エンジンはそれまでのEH型から直列3気筒E05A型エンジンになり、4WDからAT車が廃止され、この世代のアクティには4WDのAT車が存在しない。4WDシステムはトランスファーを用いたパートタイム4WDから、構造が簡単なリアルタイム4WDとなった(スタンバイ4WD)。
発売時の東京地区標準現金価格は「スタンダード 一方開 2WD」で59万8,000円。
リアルタイム4WDには、大きな駆動力を発揮するウルトラロー(UL)とウルトラローリバース(UR)の超低速ギア[2]を持つ専用の4速MTと、リアデフロックが標準装備となった、営農用の「アタック」が追加された。
マイナーチェンジ。軽規格の拡大に伴い、全長の延長(100mm)・排気量の拡大(660cc)が行われ、エンジン出力が38PSに向上した。同時にヘッドランプ規格型の丸2灯からストリートと同様の異形に変更された。本モデル以降、バンのテールランプがトゥデイ(初代後期モデル)からの流用となる。このテールランプは3代目バンにも採用される。
オーナードライバー向けに、装備を充実させたトラック専用グレード「タウン」が追加される。「SDX-II」が廃止になり、「SDX」にも5速MTが追加される。
マイナーチェンジ。ラジオチューナーが電子式となる。アタックをベースに、後輪に代わりゴム製のクローラを装備した「アクティ・クローラ」[3]を追加。
  • 1994年10月
一部改良。エアコンの冷媒代替フロンタイプに変更した。
マイナーチェンジ。バンにパワーステアリングを採用、フロントターンシグナルのレンズを、アンバーからクリアーへ変更される。バンに44PSのPGM-FIを搭載した「SDX-Hi」(2WD・5速MTのみ)を追加した。


3代目 HA6/7/HH5/6型(トラック:1999-2009年、バン:1999年- )[編集]

ホンダ・アクティ(3代目)
HA6/7/HH5/6型
バン
Honda Acty van 1999 (3rd).jpg
トラック(1999年 - 2009年)
Honda Acty Track 1999.jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 トラック:1999年2009年
バン:1999年 -
乗車定員 トラック:2人
バン:4人
ボディタイプ 2ドア 軽トラック
5ドア ライトバン
エンジン E07Z型:660cc 直3 SOHC
最高出力 5速MT/3速AT:46PS/5,500rpm
4WD 4速AT:53PS/7,000rpm
最大トルク 5速MT/3速AT:6.1kgf·m/5,000rpm
4WD 4速AT:6.2kgf·m/4,000rpm
変速機 5速MT/4速AT/3速AT
駆動方式 MR/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ド・ディオン式
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 トラック:1,745mm
バン:1,880mm
ホイールベース 2,420mm
車両重量 トラック:800-870kg
バン:910-1,030kg
-自動車のスペック表-
フルモデルチェンジを発表(バンタイプは1999年6月25日)。1996年9月30日の道路運送車両法施行規則改正(省令第53号)を受け新規格となったことから、先代とスタイルを大きく変え、アンダーフロア式MRを継承しながら、セミキャブオーバータイプのボディースタイルを採用した。
しかし、クラッシャブルゾーンの寸法が大きかったため、トラックではライバルと比べ荷台長(荷台の奥行)が短くなった事や、ホイールベースの拡大に伴う旋回半径の増大[4]、足元にタイヤハウスがによってペダル位置が右寄りにオフセットするなどにより不評となった。他にも他社より高めの価格設定や、バッテリーの搭載位置がボンネット内(ウォッシャータンク下。他社の軽トラック・バンはシート下などに搭載)にあるため整備・交換時に不便、バンは後席を格納すると前席のスライドが出来なくなるなどの理由により、乗用モデルのバモスとは裏腹に販売面では伸び悩んだ。
エンジンはすべてPGM-FI化され、38PSから46PSに向上した。
バンパーとフロントグリル、キャビンの寸法を削り、その分を荷台長に割り当てる変更を行ったが、トラックの車内はさらに狭くなった。
4WDモデルのAT車が復活(バンのみ)。なお、同時期に追加された乗用ワゴン仕様バモスのターボモデルやホンダ・Zと駆動系の設計を共有するため、通常のアクティと異なりエンジンを縦置きに搭載し、シビック用の4速ATを採用する。出力は52PS。トラック「TOWN」を除き、ボディ同色バンパーが全グレードに標準装備される。バン・トラック共通でパワーステアリング非装備の「SDX-N」、トラック専用「ATTACK-N」を追加した。
バンを一部改良。エアコンが全グレードに標準装備され、4WDのAT車が出力を53PSに向上した。
一部改良。バン・トラックともに超-低排出ガス(U-LEV)化される。トラック「TOWN」のドアミラーとドアハンドルがカラード化される。バンに運転席・助手席SRSエアバッグを全グレードに標準装備、バンの「TOWN」グレードが廃止される(後継グレードはホンダ・バモスホビオ・4ナンバー仕様「プロ」ただし、最大積載量は350kgから200kgとなる)。
一部改良。
一部改良。バン「SDX」に電波式キーレスエントリーがオプション設定され、トラック「TOWN」にエアコンが標準装備される。
トラックのみフルモデルチェンジを行い。3代目トラックは生産終了する。バンは継続生産される。
マイナーチェンジ。電波式キーレスエントリーシステム、AM/FMチューナーを標準装備すると共に、助手席をスライド機構およびリクライニング機構付シートに変更した。グレード体系を見直し、「PRO-A」と「SDX」の2グレードとなった。
一部改良。「SDX」に高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア/リアクォーター/テールゲート)が標準装備される。


4代目 HA8/9型(2009年- )[編集]

ホンダ・アクティ(4代目)
HA8/9型
SDX 4WD
※画像は2012年6月13日までのモデル
Honda Acty Truck HA9 0326.JPG
Honda Acty Truck HA9 Rear 0326.JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2009年-
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドア 軽トラック
エンジン E07Z型:660cc 直3 SOHC
最高出力 33kW(45PS)/5,500rpm
最大トルク 59N·m(6.0kgf·m)/5,000rpm
変速機 5速MT/3速AT
駆動方式 MR/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ド・ディオン式
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 STD:1,735mm
その他:1,745mm
ホイールベース 1,900mm
車両重量 760-820kg
最大積載量 350kg
-自動車のスペック表-
トラックのみフルモデルチェンジ。発売前に開催された第41回東京モーターショーでプロトタイプが発表され、3代目のセミキャブオーバータイプから2代目に通じるスクエアなフルキャブオーバータイプに「先祖返り」した。
ホイールベースは先代に比べ520mm短縮され、フロントタイヤの切れ角を大きくしたことと相まって、最小回転半径は3.6mに縮小し、小回り性を向上。キャビンスペースもフロントピラーを前方へ大きく移動することで拡大され、前述したホイールベースの短縮により、ホイールハウスもシート下に移動し、足元の空間が拡大された。搭載されるエンジンは先代のものを踏襲しているが、各部の改良と車体の軽量化により燃費を向上し、全車が「平成22年度燃費基準+5%」を達成した。なお、駆動系も先代と同様であり、引き続き4WDにはATが設定されない。
  • 2010年1月21日
特装車(パワフルシリーズ〈ダンプ・リフター〉、フレッシュデリバリーシリーズ〈冷凍・保冷・ドライ〉など)が発売された[5]
  • 2010年12月9日
一部改良。バッテリーカバー開閉時の操作性を向上するとともに、「SDX」と「TOWN」はEBDABSをオプション設定(尚、本オプションには助手席側SRSエアバッグとのセットオプションも設定されている)し、ボディカラーにアラバスターシルバー・メタリック(有料色)を追加した。
  • 2012年3月
RR方式を採用するスバル・サンバーが自社での製造を終了し、ダイハツ・ハイゼットのOEMとなったため、FRではない軽トラックはアクティのみとなった[6]
  • 2012年6月14日
一部改良。2013年1月施行の新灯火器類保安基準に合わせ、リア左右のマットガードに後部反射板を追加設定した。


車名の由来[編集]

英語の「ACTIVE(活動的な)」からの造語。仕事やレジャーなどで、いつもキビキビ働くクルマという思いより命名された[7]

派生車種[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 横置きのエンジンとトランスミッションから差動装置を省いて90°向きを変えて搭載し、ドライブシャフトの替わりにプロペラシャフトを取付け、前後車軸のデフへ駆動力を伝えている。
  2. ^ 傾斜地 等で車を移動させながら農作物の搭載作業する際に適した速度になるギア比となっている。
  3. ^ かつてのT360や、TN360のクローラー仕様とは異なり、クローラー自体がそのまま通常のホイールとタイヤを装備可能な、クリスティ式の亜種である。履帯を外せばそのまま非積雪の舗装道路(高速道路を含む)を走行可能だが、改造を伴わずに通常の4輪仕様に換装することはできない。
  4. ^ 軽トラックの主要ユーザーである農林業従事者にとって、旋回半径の増大は狭隘な場所での作業に制約が出る場合がある。
  5. ^ ホンダ、アクティトラックを10年ぶりにフルチェン asahi.com(朝日新聞) 2009年12月18日[リンク切れ]カービュー (2009年12月17日). “ホンダ、アクティトラックを10年ぶりにフルチェン”. 2013年2月10日閲覧。
  6. ^ フルキャブへの回帰は前出の農林業従事者からの要望の他、終売が決まっていたサンバーのユーザーの代替需要を狙ったと言われている。
  7. ^ ネーミングの由来(クルマ) - ホンダ公式サイト「同社お客様相談センター」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]